退職理由が「体力的にきつい」でも大丈夫?前向きな伝え方を紹介
退職理由を「体力的にきつかった」と正直に答えた場合、転職活動の場では選考官にネガティブに映ってしまうのではないかと懸念する方も多いと思います。
そこで今回は、例文つきで退職理由を前向きに伝えるポイントや注意点を紹介します。
目次
退職理由を面接官から聞かれる理由
面接官はなぜ退職理由について質問するのでしょうか。
当たり前ではありますが、企業側は求人募集をかけるにあたり「出来るだけ長く活躍してくれる人材」を探しています。
せっかく多額の費用をかけて採用した人材にすぐに辞められてしまってはお金も労力も水の泡になってしまうためです。
転職経験のある求職者の場合は特に「また辞めてしまうのではないだろうか」という面接官の懸念点を払拭する必要があります。
企業は長く働いてくれる人材を求めている
そもそも面接官といっても立場によって求職者を見る視点が違います。
もちろん「辞めて欲しくない」という理由もその立場によって様々です。
・人事:離職率が下がると業務成績に悪影響が及んでしまう
・現場責任者:辞めてしまうことで、現場に穴が空き仕事が回らなくなってしまう
・役員:採用コストが無駄になってしまう
上記のように、同じ結論でもその背景は立場によって変わります。
重要なのは「きっとこの人はうちの会社で活躍し続けてくれるだろう」と思ってもらえるように転職理由を伝えることです。
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具体的にはどんなポイント?面接官が見ているところ
面接で評価される退職理由とは?
面接官にとって好印象な退職理由は、文句や不満ではなくあくまで未来へのステップと捉えられるような前向きなものです。
ただし体調不良の場合では、退職理由に重きを置きすぎてしまうとどうしてもネガティブな印象を与えがちです。
そのため、転職理由とセットで考える必要があります。
「転職を考えるきっかけとなった事柄」が退職理由で、転職理由は「転職により何を実現したいか」です。
体調が悪くなったことで退職したが、今回の転職でこのようなことを叶えたいという流れにしましょう。
割合としては、過去(退職理由)2割:未来(実現したいこと)8割程度を意識すると良いです。
面接官の懸念を払しょくする
それでは、面接官はどのようなポイントを見ているのでしょうか。
体調不良による退職理由の場合以下が挙げられます。
- 体調は回復しているのだろうか
- また似たような状況になってしまった時に同じことが起こるのではないだろうか
- その場合きちんと対策は取れているのだろうか
- 仕事に対する甘えやネガティブな受け取り方が原因ではないのだろうか
- この会社で続けていく覚悟はあるだろうか
上記のポイントを押さえて面接官を安心させるように理由の伝え方を工夫しましょう。
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例文〈1〉身体的・精神的要因による体調不良の場合
「体調不良」といってもその原因・きっかけは様々です。
まずは心身に負担がかかってしまった場合の体調不良の伝え方を紹介します。
【伝え方のコツ】押さえておきたい3つのポイント
体調不良による退職理由を伝えるにあたり注意したいポイントは「原因」「現状」「根拠」の3点です。
例えば「激務で心身のストレスを抱え、胃潰瘍になってしまったAさん」の場合は以下のように当てはめることができます。
<体調不良の背景>
・原因:忙しくストレスが重なり胃潰瘍を発症したため療養に専念する必要があった
・現状:長期的に休養したため回復している
・根拠:医師の診断により復帰しても問題がないという確認が出ている
これらを盛り込み面接官に回答する場合は以下のようになるでしょう。
【例文】心身に負担がかかってしまった場合
「前職では様々なプロジェクトに関わっていたこともあり、自己管理よりも業務を優先してしまいました。
その結果体調を崩して業務を継続することが難しくなり、やむなく辞職をいたしました。
休息が取れたことで現在は体調も回復し医師の確認も取れております。
今回改めて健康であることの大切さを痛感いたしました。
今後は自己管理を徹底し、同じようなことが無いように仕事と自分自身の双方に向き合い続けたいと考えています」
企業側は「この人を採用しても大丈夫なのだ」という決定打が欲しいのです。
多少長くなってしまったとしても伝える価値は十分にあります。きちんと状況を説明しあくまでポジティブに伝えましょう。
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例文〈2〉環境・業務内容が原因による体調不良の場合
環境や仕事内容が体調不良の原因となったという例にはいくつかシチュエーションがあります。
環境や業務要因による退職理由の伝え方を考えてみます。
「原因」「現状」「根拠」が以下だとすると、どのような例文になるでしょうか。
例えば「薬局店で勤務をしていたところ、毎日重い荷物を運ぶことにより腰の疲労骨折を起こしてしまったBさん」の場合。
以下のように当てはめることができます。
体調不良の背景
・原因:日常的に必ず発生する業務により、腰を痛めてしまった
・現状:退職したことにより腰の状態は良くなったが、また同じ業務をすると再発するリスクがある
・根拠:極端に重い荷物を運ぶ仕事でなければ、同じ症状が起きることは無い
上記のポイントを押さえて例文を作ると、このようになります。
【例文】業務内容による体調不良の場合
「前職では大型店だったこともあり、毎日大量に納品される荷物を店内やストック置き場に運び込む必要がありました。
体力には自信がありましたが、ある日腰が痛くなり医師に診てもらうと『疲労骨折を起こしている』との診断が下りました。
本社勤務の相談をしたものの空きが無かったためやむなく退職に至りました。
現在は重い荷物を運ぶことが無くなり、日常生活に支障がない程度に回復しております。
デスクワークの職種であれば医師も心配ないということでしたので、長期的に取り組んでいけると考え事務職に応募いたしました」
上記のように、『以前の環境』と『応募している会社/職種』での環境に大きく違いがある場合はそれを強調しましょう。
そして「本当は続けたかったけれどやむなく退職に至ってしまった」というニュアンスで伝えます。
実際に自分が起こしたアクションを添えれば面接官も状況を理解してくれることでしょう。
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例文〈3〉面接を控えている人必見!自己PRへの応用方法
「何かを乗り越えた」という経験は、あなたの強み
明治末期の実業家、松永安左ヱ門は「闘病・投獄・倒産のいずれかを経験しなければ実業人のはしくれにもならない」と名言を残しています。
実業家を目指しているのかどうかはさておき「闘病」とは大きな試練であり、それを乗り越えることで人は成長するということでしょう。
もし体調が完全に回復しているのであれば、どう乗り越えて何を発見したのかを語ることであなたの人間的魅力が伝えられます。
自己PRは未来を語ると好感度◎「具体性」と「成果」をセットで
「体調不良による退職」は、伝え方によっては自己PRに繋げることも可能です。
ここで注意したいのは以下の2点です。
自己PRではこの先やりたい「未来」を語る
人はまだ結果の分からない未知のものに対して期待感や興味を抱く傾向にあります。
「体調不良」のネガティブイメージを払拭するために重要なのは、入社後に具体的にどのように活躍するイメージが描けているかを伝えることです。
冒頭で述べた通り、採用担当者は長く活躍してくれる人材を求めています。
例えば「〇年後に前年比〇%を達成したい」といった数字で表せる目標や、キャリアパスなどを伝えることによって熱意も伝わるでしょう。
体調不良を自己PRに応用するのは、その病や状況を乗り越えている場合のみ
ただし、まだ本調子でなかったり、再発する可能性が高かったりすると面接官の懸念点を払拭できません。
現在の勤務に支障がないことははっきりと伝えましょう。
【例文】体調不良を自己PRに応用した場合
「以前私は●●(病名/怪我の種類)により療養を余儀なくされました。
その治療のために様々な書籍で情報収集をしたり、投薬だけでなく適度な運動や食事管理の徹底をしたり、あらゆる努力をした結果、完治いたしました。
このことで、健康であることの有難さを心から感じましたし、乗り越えられたことで、人間としての成長・深みを得ることができました。
今は働きたいという気持ちでいっぱいですので、これからは自己管理を徹底していきます。
不調のサインが出た際には上手く休息も入れながら、真摯に仕事に向き合いたいと考えています」
あくまで一例であり、企業によっては違うアプローチの方が響く場合もありますので、あなたの良さが活かせる自己PRを考えてみてください。
退職理由を伝える際の注意点
体調不良による退職であることを先方に伝える際、避けるべきポイントがあります。
ネガティブ・愚痴
愚痴っぽく他責のような話し方はまず良い印象を持たれません。
あなたもきっとそのような方と「一緒に仕事をしたい」とは思わないのではないでしょうか。
不満や憤りを持っていても構いません。
しかしそれを表に出すことであなたの良さを殺し、チャンスを逃してしまうのはあまりにももったいないことです。
グッとこらえてポジティブに自分の幸せを掴みに行きましょう。
嘘をついている(隠し事をしている)
面接官はこれまでに多くの求職者と出会っているはずです。ささいな違和感を敏感にキャッチします。
なにか嘘をついていたり、隠し事をしたりすることは入社後のギャップにも繋がりかねませんので避けましょう。
根拠を示していない
「復帰して大丈夫」な根拠をセットで伝えないと面接官の懸念点に繋がりかねません。
「伝えていないこと」は面接官にとって「存在しないこと」と同義です。
堂々とあなたが復帰できる理由を添えて伝えましょう。
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内定が決まったら、現職の人事担当にはどう伝える?
【退職届を出す前にチェック】辞めていく人はどんな伝え方をすると良いの?
あなたの努力が実を結び「晴れて内定」という時。在職中の方の場合、早い段階で現職の上司や人事担当に退職の旨を伝える必要があります。
実はネガティブな退職理由で辞めていく場合、人事担当者としてはスキルアップなど前向きな理由で伝えてもらうことを望んでいるようです。
または「一身上の都合」としても問題ありません。
もし退職前から上司が通院の状況などを把握しているのであれば、そのまま受け入れてもらえるでしょう。
円満退社でスッキリと次のステップに進もう
どのような職場であっても、あなたの生活を支えてくれた存在であったことには変わりないはずです。
転職した後、いつか再び仕事を共にすることがあるかもしれません。
またその職場にいた方から声がかかり、プロジェクトに参加できる機会があるかもしれません。
数多くの会社が存在する中で「この会社に入ろう!」と決めたときのことを思い出しながら退職までの舵取りを決めてください。
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伝え方に注意して、転職活動を走り切ろう
- 体調不良による退職後の転職活動では、「この会社では長く働くことができる」というアピールが大事
- 退職の「原因」、自分の体調についての「現状」、志望先では長く働くことができると思う「根拠」を盛り込んで説明するのがポイント
- 面接ではネガティブな話し方をしたり、現在の体調について嘘を言わないほうが良い
会社とあなたの出会いはまさにお見合いと同じく一期一会。
せっかく相性の良い仕事と出会えたとしても誤解により縁が無くなってしまっては悔しいです。
会社とあなたの双方にとって、非常にもったいないことです。
退職理由がネガティブであっても、それを自身の強みに変えてアピールしていきましょう。
とはいえケースバイケースな部分も多く、自分の状況にはどのような対応が適しているかの判断は難しいかもしれません。
その場合は転職エージェントに相談してみるのもひとつの選択肢です。
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