退職理由が「家庭の事情」でも良い?好印象な伝え方や例文を紹介
退職理由として、介護や結婚などの「家庭の事情」を理由にすることは問題ありませんが、円満退職の為にも伝え方を意識すると良いでしょう。今回は退職理由が「家庭の事情」の場合の上司や転職先への伝え方や、転職面接をスムーズに進める話し方を解説します。
目次
退職理由が「家庭の事情」でも大丈夫?
退職理由で多いもののひとつである「家庭の事情」を退職理由として伝えることに、何ら問題はありません。
厚生労働省が調査した「仕事をやめた者の退職理由」によると、「結婚したから」「出産・育児のため」「家族の介護のため」「家族が転勤したから」などのいわゆる「家庭の事情」に該当する理由を挙げた人は、他の理由に比べて圧倒的に女性が多い結果となったことも分かっています。
会社としても女性が家庭の事情を退職理由に挙げることはめずらしいとは感じないでしょう。
家庭の事情による退職であれば待遇や職場環境への不満ではないので、強く引き止められることは少なく印象が悪くなる可能性も低いです。
しかし上司から退職理由を尋ねられたときに、その理由をそのまま伝えても本当に問題ないのでしょうか?
「家庭の事情」を退職理由とした場合の伝え方や注意点をご紹介します。
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ケース別!「家庭の事情」の退職理由の例文
引き止められることなくスムーズに円満退職することを一番に望んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本章では納得してもらいやすい例文を紹介しますので、ご自身の立場に置き換えて参考にしてみてください。
「パートナーの転勤」が退職理由の場合
突然のご報告となり申し訳ございません。
パートナーの海外転勤が決まり、よく考えたのですが、家族全員で行くことに決めました。
それにともない、現在のプロジェクトに影響がなく、また引き継ぎも十分に行う期間が確保できる時期かと思い、◯月いっぱいで退職させていただきたいと考えております。
「家庭との両立」が退職理由の場合
本日はお忙しいところ、お時間をいただきありがとうございます。
大変申し訳ありませんが、2ヶ月後の◯月いっぱいで、退職したいと考えています。
退職理由ですが、担当する案件が増えたことで残業が増え、仕事をセーブしなければ過程との両立が難しくなったためです。
非常にやりがいを感じてはいましたが、家族と相談した結果、夫婦で働き方を見なおすことになりました。
引き継ぎについてはしっかりと行いますので、退職までの期間は変わらずご指導のほど、よろしくお願いいたします。
「親の病気・介護」が退職理由の場合
実は、先日実家の父が倒れ、家業を担う者がおらず、急遽私が継ぐこととなりました。
介護と家事、通院のサポートなどを行いながらの勤務の継続は、残念ながら難しいと判断したため、退職を考えております。
つきましては、できれば◯月いっぱいで退職をさせていただきたいと思っているのですが、日程についてはご相談させていただけないでしょうか。
家族の介護の場合、その病名など事細かなことまで詳らかにする必要はありません。
可能な限り具体的に伝えることで退職時期を調整してもらえるなど、こちらの事情を慮った対応をしてもらえる可能性もあります。
「家庭の事情」を建前に退職する場合
この度、家庭の事情でどうしても今の仕事を続けることができなくなりました。詳細はプライベートなことを含みますのでお伝えすることができません。
誠に勝手な話で申し訳ありませんが、何卒、ご理解いただけますようお願いいたします。
「家庭の事情」が建前の場合は具体的な理由は言わず、かといってありもしないことを上塗りしないように、端的に伝えることが重要です。
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「家庭の事情」どこまで伝えた方がいい?
「家庭の事情」に当てはまること
「家庭の事情」というと非常に範囲が広く感じますが、具体的には次のような事柄です。
- ・結婚
- ・育児パートナーの転勤や転職
- ・親の介護
- ・家業を継ぐ
- ・病気
- ・子供の進学
「家庭」とは一般的に夫婦あるいは親子で生活を共にしている環境を指します。
つまり、単身者にとって「家庭の事情」は「実家の事情」ということになります。
例えば実家の両親に何かトラブルがあった場合は家庭の事情に該当するということです。
また、「家庭の事情」を言い換えると次のようになります。
- ・一身上の都合
- ・自己都合
- ・家事都合
- ・家庭の都合
- ・プライベートな事情
- ・私事
- ・私的な理由
一身上の都合は細かく話す必要はない
「家庭の事情」がどのような理由であれ本音で話せる内容ならば、しっかりと状況を説明して上司に納得してもらうことに越したことはありません。
ただし一方で、「家庭の事情」とは私的なことであるため、事細かに説明したくないという場合もあるでしょう。
介護が理由の場合は家族の病名、身内がトラブルに巻き込まれたなど公にしたくない事柄は秘めておいても問題はありません。
その場合は「プライベートなことなので、詳細をお伝えすることはできません」と正直に言いましょう。
決して嘘を付く必要はありません。
上司の納得は得られなかったとしても、伝えることができる精一杯のラインだという態度で伝えることで、理解は得られるでしょう。
事情を話すことで協力を得られる場合も
具体的な家庭の事情を伝えることで、会社からの理解を得て対策を考えてもらえる場合もあります。
転居が避けられないのであればフルリモートに切り替える、現在の勤務時間が確保できないのであれば、状況が落ち着くまで休職扱いにしてもらう等、働き続けるための対策です。
もし職場への不満や他に退職したい理由がなく家庭の事情のみなのであれば、一度詳しく話して相談してみるとよいでしょう。
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「家庭の事情」での退職で引き留められるときの対処法
上司に相談する前に退職届を用意しておく
あらかじめ退職届を用意しておくことで、決心がぶれず、また上司にも本気度が伝わります。
退職届には、詳しく理由を書ける場合は理由を書き、建前の場合は「家庭の事情により」としたうえで「勝手ではありますが退職いたしたく存じます」と添えるとよいでしょう。
またこの場合、退職自由は「自己都合」に該当するため、「一身上の都合」という文言を用いれば詳細を伝える義務はありません。
ただし先述の通り、あくまで円満退職を目的とするのであれば、家庭の事情とし概要だけでも伝えておいた方が不信感を持たれずスムーズに受け取ってもらえるでしょう。
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退職の意思、辞める理由をはっきり伝える
相手に納得してもらいやすいよう工夫して伝えても、引き止めの言葉があるかもしれません。
さまざまな条件提示があった場合、それで現職に改めて魅力を感じ働き続けたいと思うこともあるでしょう。
また、職場の状況によっては「本当は何か別の理由があるのでは?」と詮索されることもあります。
だからこそ、包み隠さず事情を伝えることが大事です。
引き止めの条件を出されたからといって退職の意思が固い場合は、「余計な迷惑をかけたくない」「責任を負わせたくない」と意思の強さを伝えます。
仮に建前であった場合は、やはり具体的な作り話にするのはやめましょう。
詮索された場合は「申し訳ありませんが、プライベートなので詳しくは話せません」と伝えるにとどめるのがよいでしょう。
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「家庭の事情」の退職で転職を不利にさせない方法
退職とセットになるのが転職活動です。
転職面接の際にも、前職をなぜ辞めることになったのか、退職理由を必ず質問されます。これまで述べてきたように、ひとくちに「家庭の事情」といっても、具体的な理由は様々です。
実情をどこまで話してよいものか、話すことで不利にならないか迷う方も多いでしょう。
しかし、採用後のことを考えて事実を伝える必要があります。
では面接どのように伝えればよいのか、普段からカウンセリングを行っている転職エージェントだからこそ重要視しているポイントを解説します。
キャリアの棚卸しを通して自身の強みを把握する
キャリアの棚卸しを通して、現時点の自身の強みを明確にしておきましょう。
転職では、退職理由よりも自社にマッチする人材かどうかの方が重視されます。
前職では、インテリアのデザインを行っていました。
私のデザインした椅子が年間売上でトップを獲得したこともあり、誇りとやりがいを持って取り組んでいました。
しかし、ひとり暮らしの母が病気がちになり、私が地元に戻って介護をするということでやむを得ず退職いたしました。
実家から通える再就職先を探していたところ、業界でも注目のインテリアメーカーである御社の募集を目にし、応募いたしました。
働き方を個人の裁量で決められるという御社の制度も、介護と両立させたい私の希望にかなうものでした。
私のこれまでの経験はきっと御社に貢献できるはずですし、私自身さらなるスキルアップもできると考え、入社を志望しました。
転職面接でのポイントは伝える順番です。
家庭の事情について話してしまうと、採用する側にとっても「この人を採用しても、働けないんじゃないか」と思われてしまいます。
自身のスキル・実績・仕事に取り組みたいという想いを伝え、前職を退職した理由を述べたほうが、聞き入れてもらいやすいでしょう。
転職のプロと伴走しながら転職活動をする
転職活動を有利に進めるためには、プロのアドバイスを活用することもおすすめです。
面接で退職理由について問われた際に、どのような回答が志望先の企業ではベストか、またどのような答え方であればマイナスと捉えられずに適切に意欲をアピールできるか、プロの転職エージェントは熟知しているからです。
また、不安な転職活動期間も、コンサルタントが伴走することでストレスを減らして進めることができます。
働き方・希望条件はしっかり固めておく
企業側は、働くに際し、どれほどの制約があるのかを知りたいので、家庭の事情について詳しく聞かれるかもしれません。
「時短勤務が良い」「◯曜日と◯曜日は残業ができない」など、家庭の事情によって生じる条件はしっかりと伝えて、お互いに共有しましょう。
企業側にとって働く際の条件はたしかに重要ですが、今後変わる可能性があります。
最も重視するのはあくまでスキルや経験、人柄だと考えましょう。
「家庭の事情」を理解してくれる企業を選ぶ
「家庭の事情」に対し、やむを得ないと判断し将来性を評価してくれる企業を選ぶことも大切です。
過去の経験をプラスに捉え、自社でどのように貢献してくれるかというポイントを重視してくれる企業では、長く勤めることができるでしょう。
企業にそのような前向きな対応をしてもらうためには、自身も誠意ある対応をする必要があります。
家庭の事情の伝え方は、入社前に自身を信頼に足る人物だと伝えるためにも重要です。
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「家庭の事情」をうまく伝えて、より良い人生の節目に
- 家庭の事情で退職する場合は、話せる範囲で正直に理由を伝えて問題ない
- 家庭の事情で前職を退職した場合、転職活動の際には理由を正直に伝えるべき
- 家庭の事情により働くことができる条件がある場合は、その点も面接で伝えておく必要がある
- 家庭の事情を不満を隠す建前として退職した場合、転職活動の際にはポジティブに言いかえて伝えるとよい
本音でも建前でも、「家庭の事情」は非常に便利に使える退職理由です。
退職する会社と円満を保つこと、転職先へは事実を述べて採用後により働きやすい状況をつくりましょう。
それらを意識して退職理由を伝えれば、退職・転職という人生の節目をより良きものにできるはずです。
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転職でライフスタイルが変化する方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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