OSSエンジニアのスキルを身につける方法を解説!OSS活動のメリットは?OSSの即戦力として転職!
エンジニアとしての活躍の場を広げるためにおすすめなのがOSS活動です。すぐに始められる簡単な取り組みでも、エンジニアとして大きなメリットが得られます。OSS活動のメリットやスキルアップの方法、転職に活用する方法を幅広く紹介します。
目次
OSS活動とは
OSS活動とは、OSS(オープンソース・ソフトウェア)に関わる活動のことを指します。
具体的には、以下のような活動が挙げられます。
・現在公開されているOSSについて開発を行う
・自分でOSSを開発し、公開する
また、OSSとはソースコードの全てが公開されているソフトウェアのことです。
WordPressや、Linuxが代表的なOSSとして知られています。
OSSエンジニアのスキルを身につける方法
OSSは誰もが自由に公開・使用できる便利な存在であるがゆえに、懸念されるのが信頼性の低さです。
しかし一方でMySQLやApacheといった世界規模のソフトもOSSとして開発されています。
最近は積極的にOSS活動に取り組むエンジニアが増えており、その多くが「業務外」のOSS活動です。
エンジニアがOSS活動に参加するメリットは複数あり、転職においても有利に働くケースがあります。
OSS活動のメリットや転職における利点、即戦力として転職するためにできることを幅広くご紹介します。
エンジニアとしての価値を高めるOSS活動
世の中には優秀なエンジニアが沢山います。転職ではこうした人々と数少ないポジションを争わなければなりません。多くのエンジニアが横並びの中で、企業は「実績」や「意欲」の高さを重視します。
では経験年数が多ければいいのか、独学を継続していることをアピールすればいいのかというと、そうではありません。
実はここでOSSが役立ちます。
OSS活動はエンジニアとしての意欲の高さを物語る
前職でエンジニアとしての実務経験があれば、一定の技術力があると評価されるでしょう。
ここにOSS活動が加わることで「意欲の高さ」というプラスアルファの要素が付加されます。
エンジニアとして学ぶ意欲が高くなければ、業務以外でのソフトウェア開発(保守も含め)はできません。
しかし業務以外の開発活動であれば自分だけのクローズド環境で実施可能です。
実はオープンであることに意味があります。
OSS活動は公開コミュニティであるがゆえに、技術力に自信がなければ飛び込む勇気が出ないものです。
そのためOSS活動に取り組んでいる人は技術力にある程度の自信があり、更にスキルを磨きたい「意欲の高い人」だと評価されます。
OSS活動はエンジニアとしての実績になる
実務経験を求める求人案件は数多くありますが、OSS活動は業務ではないため「実務」経験には含まれないかもしれません。
しかしOSS活動における開発経験や課題解決経験はエンジニアとしての実績となります。
OSS活動で自分はどんなことをしたのか、何に貢献したのかはポートフォリオの一部としてまとめておくといいでしょう。
OSS活動は即戦力としてのアピール材料となる
前職では触れる機会がなかった言語をOSS活動で使用していれば、転職の際に経験として加味されます。
企業側が転職者に求めるのは、即戦力としてのスキル・幅広いスキルを持った人材です。
転職後すぐに開発業務が開始でき、別プロジェクトにもアサインできそうな人材だと判断されれば採用の確率は上がるでしょう。
エンジニアとしての立ち位置が明確になるOSS活動
企業というクローズドなコミュニティの中で仕事をしていると、1人のエンジニアとしての実力はなかなか見えにくい状況です。
日頃の業務では得られない客観的評価が得られることも、OSS活動の大きなメリットといえます。
第三者の評価
例えば代表的なホスティングサイトであるGitHubでは「スター」が評価の指標です。
人気のリポジトリにはスターが多くつき、ライブラリ選定の目安にもなっています。
これらはOSSコミュニティの第三者がつけるものであり、客観的な評価だといえるでしょう。
世界にはエンジニアが2,000万人以上いるといわれます。
その中で自分はどれくらいの実力があるのか、実力を上げるためにどんなスキルが必要なのかを考えるきっかけにもなるはずです。
第三者の評価は自己PRの証明になる
面接の限られた時間の中で、OSS活動の内容と価値を100%アピールするのは難しいのではないでしょうか。
OSS活動の内容に対する第三者の評価が高ければ、それが自己PRの裏付けとして機能します。
そのため第三者評価もまた転職におけるOSSのメリットとなりうる要素です。
学びの場として活用できるOSS活動
自己研鑽が必要だと分かっていても、何から始めればいいのか分からず着手できない方も多いでしょう。
自己研鑽として気軽に始められる点もOSS活動のメリットです。
世界中のエンジニアのテクニックが学べる
エンジニアとして実務経験があっても、それがエンジニアの仕事の全てではありません。
世界中のエンジニアが集うOSSコミュニティで活動すると、知らなかった知見の多さに驚くことでしょう。
業務で使っていた技術でも、その道のプロフェッショナルがコミュニティに参加していれば新しい情報が得られるかもしれません。
自身の課題解決の糸口を知っているエンジニアがいれば、助言を得ることができます。
逆に自身の経験が誰かの役に立つこともあるのです。
外国語学習にも役立つ
OSS活動として思い浮かぶのはコーディングや開発といったエンジニアならではの作業ですが、実はこれだけではありません。
例えばOSSドキュメントの翻訳もOSS活動の1つです。
GitHubの日本語翻訳ドキュメントはあまり多くなく、人気リポジトリでもまだ日本語に翻訳されていないケースがあります。
こうしたドキュメントの翻訳に携われば、外国語を学びながらドキュメント内容も学ぶことができるでしょう。
ただ日本語に訳すだけでなく、それを読んだ第三者が内容を正しく理解できる必要があります。
そのため翻訳するコントリビューターとしてドキュメントの内容を正しく理解して、正しい日本語で表記しなければなりません。
外国語学習とOSSの知識、そして日本語力を磨くことができるのがドキュメント翻訳の醍醐味です。
つながりを作ることができるOSS活動
OSS活動をしていると、会社勤めでは得られない新たな「つながり」を得ることができます。
OSS活動はオンラインでのやり取りのみとは限りません。オフラインでのOSS活動もあるのです。
例えばドキュメント翻訳に関するイベントやカンファレンス、プロジェクトのセミナーなどが挙げられます。
エンジニアとしてどういった仕事をしているのか。どの企業で働いているのか。会社の雰囲気はどうか。
会社勤めをしているだけでは得られない貴重な情報が収集できるチャンスだといえるでしょう。
イベントスタッフの作業もOSSコントリビュートの1つとされています。
気になる企業が主催しているイベントにスタッフとして参加することで、思わぬ出会いが生まれるかもしれません。
職場で働く同僚は仲間であると同時にライバルでもあります。
自分が手を貸してあげたことで同僚が成果を上げれば「チームの成果」として認められると同時に、同僚の給料はアップするでしょう。
しかし自身の給料は変わらない可能性があります。
お金という分かりやすい指標が、同僚との協力関係の妨げになりかねません。
OSS活動には報酬が発生せず、全て「有志」の活動です。お礼や「Awesome!」という言葉で成り立っています。
そのため自分が損をする・得をするといった考えが生まれず、良好な関係が継続しやすいといえるでしょう。
OSSエンジニアとしてのスキルを身につける方法
OSS活動に取り組むことは、エンジニアとしてのスキルアップにつながります。
OSS開発に力を入れている企業へ転職を考えているのであれば、そこにフルコミットする技術が得られるでしょう。
OSSエンジニアとして活躍するためのスキルを身につける方法をご紹介します。
とにかくOSS開発をしてコードを公開する
「アウトプット」はエンジニアとしてのスキルを磨く最大の方法です。
仕事では会社が決めたテーマで、クライアントが希望する納期で開発する必要がありますが、OSSではそれがありません。
そのため自分が書きたいコードを自由に書くことができ、アウトプットを継続するモチベーションが維持できます。
また仕事では試せなかったコードにトライしてみることも可能であり、第三者の評価を受けてブラッシュアップすることもできます。
他者のコードを読んで改善点を見つける
公開されているコードの中で興味があるものは積極的に読んでください。
こんな機能を追加したらいい、あるいはこの点は修正したほうがいい、といった気付きが生まれたらスキルアップの第一歩です。
プルリクエストを送る勇気が出なくても、気付きを積み重ねて行きましょう。
翻訳を通じてコード修正のポイントを知る
パッケージソフトウェアは、ある程度の改善案をまとめた上でアップデートされます。
一方OSSの場合はコード追加や修正が頻繁に行われるケースもあり、その都度ドキュメントの修正翻訳が必要です。
こうした修正に継続的に携わることで、コードがどのように改良されていくのか追っていくことができます。
自分では気付かなかった改善ポイントが理解できれば、自身のコーディング業務に活かすことが可能です。
またOSS開発ならではのスピード感に慣れておきたい方にもおすすめのコントリビュートです。
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今後需要が増すOSS開発
エンジニアとしてのスキルアップや実績作りに役立つOSSですが、実は企業もOSSに注目し、活用しています。
企業が開発するソフトウェアにはライセンスがありますがOSSはライセンス費用がかからず、その管理業務も不要です。
またソースコードが確認できるため、ソフトウェアへの信頼感が高まります。
ソフトのメンテナンスも容易で、アップグレードや他ソフトへの変更といったコストや時間も削減可能です。
OSSで懸念されるのが脆弱性や緊急時のサポート体制です。
こうした課題について、企業向けのサポートプランを提供しているケースもあります。
業務アプリケーションは企業によって欲しい機能が様々ですが、OSSなら自社に必要な機能を付加することも可能です。
OSS開発だけでなく、OSSを使用するクライアントの相談役としての業務も発生しています。
そこではOSS活動の経験を存分に活かすことができるでしょう。
OSSエンジニアはこれからのIT業界を支える重要な職種だといえます。
まとめ
OSS活動に取り組むことで、OSSエンジニアとしてのスキルはもちろんエンジニアとしての基礎的なスキルを磨くことができます。
エンジニア転職に際してのメリットになる上、OSSエンジニアという選択肢を増やすことも可能です。
OSSエンジニアへの転職を検討している方は、ぜひ転職エージェントにご相談ください。
これまでの業務経験はもちろん、OSS活動や実績を踏まえて最適な企業をご提案します。
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