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職務給のメリットを紹介!職務給の特徴や賃金の規定は?評価基準のポイントを転職エージェントが解説!

職務給は成果主義型の賃金制度で実際に遂行した業務実績が評価の対象となります。シンプルで専門性を高めやすく従業員・企業双方にメリットが多いため、職能給がポピュラーな日本企業にも徐々に浸透しています。職務給を採用する企業に転職を希望する場合、これまでの実績をアピールする待遇交渉は転職エージェントも活用してみてください。

職務給の特徴

 

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職務給とは成果主義に基づいた賃金制度のことです。

個人の能力ではなく、実績となった仕事の内容が評価の対象となります。

例えば、職務給を導入している企業が評価基準として取り入れているのが下記項目です。

 

・職種

・業務の種類

・専門性

・業務範囲

・業務の難易度

・責任の重さ など

 

職務給のシステム最大の特徴は、勤続年数に左右されず同じ評価の仕事をこなせば同じ給与になることです。

欧米企業ではポピュラーな給与体系で日本でも導入する企業が増えています。

 

同一労働同一賃金との関係性

 

日本で職務給が台頭した背景には、厚生労働省による「同一労働同一賃金」の施行があると言えるでしょう。

働き方改革の一環として、大企業では2020年4月より、中小企業では2021年4月より「同一労働同一賃金」を定めた改正法が施行されました。

この改正には正規雇用と非正規雇用の不合理な格差の解消という目的があり、「雇用形態にかかわらない均等・均衡待遇を確保し、同一労働同一賃金の実現に向けて策定するもの」だとガイドラインに明記されています。

同一労働同一賃金を導入しないと外国人労働者や若年層といった日本における労働力の確保が困難になるという現状から、企業の規模に関わらず職務給は無視できない制度になっているのです。

参考:厚生労働省「同一労働同一賃金ガイドライン

 

 

職務給と職能給の違い

 

 

職務給とよく比較される賃金制度として職能給が挙げられます。

職能給とはどのような職務遂行能力を有しているのかを評価する制度です。

職能給を導入している企業が評価基準としている項目には下記事例があります。

 

・役職

・勤続年数

・知識、経験

・資格・技能

・リーダーシップ

・マネジメントスキル

・コミュニケーション力、チーム内の和を保つ力、協調性

・ストレス耐性 など

 

どのような仕事を行ったかが問われる職務給に対し、どのような能力を持っているかが問われるのが職能給です。

成果については優先度が低く、スキルを持っていたとしても実際の業務で発揮したかどうか問われることはありません。

年功序列・終身雇用が基本だった日本企業になじみ深い賃金制度です。

 

押さえておきたい「基本給」とは

 

職務給と職能給の違いを知ると気になるのが「基本給」の考え方ではないでしょうか。

基本給は一定期間働くことで、必ずもらえる金額の事で、「単一型」と「併存型」の2タイプがあります。

職務給、職能給はどちらもこの組み立ての中に含まれています。

 

単一型体系

基本給項目が1つのもの、または基本給項目が2つ以上であっても、それぞれの項目が同種の「型」で構成されているものが「単一型」です。

  • ・仕事給(職務給、職能給、役割給)
  • ・属人給(年齢給、勤続給)
  • ・総合決定給

 

併存型体系

基本給項目が2つ以上あって、それぞれの項目が異なった種類の「型」で構成されているものが「併存型体系」です。

  • ・総合給+属人給
  • ・総合級+仕事級
  • ・総合給+属人給+仕事給
  • ・属人給+仕事給

 

 

転職者にとっての職務給メリット

 

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職務給は給与を受け取る側の従業員にとってメリットが多い賃金制度です。

評価基準がシンプルで人を問わずハイクラス人材を目指すことができます。

また、働き方にもある程度個人の裁量を入れやすく、キャリアプランを描きやすい制度でもあります。

 

給与体系・評価基準がわかりやすい

 

職務給は難しい仕事を成功させればさせるほど評価が上がる仕組みです。

原理が至ってシンプルなので、給与の増減があっても社員・企業双方が納得しやすいシステムになります。

 

労働時間の適正化

 

職務給のメリットは、労働時間をコントロールしやすく労働時間の適正化につながりやすい点も挙げられます。

職務給は任された仕事をしっかり遂行するのが最も遵守すべきルールです。

その仕事にどのくらいの時間がかかったか、労働時間はあまり重要ではありません。

例えば、1週間に5件の新規契約ノルマがある営業職の場合、極端な話、月曜日で達成してしまえば契約通りの給与がもらえます。

その場合、火曜日から金曜日までは次週の準備や自分の時間として丸々使えます。

特に近年は、長すぎる残業時間や不当な過剰労働を命じるパワハラが問題になることもあり、対策としても注目されています。

 

スキルアップにつながりやすい

 

職務給は専門性を高め業界で活躍したい人にとってはメリットの大きな制度です。

職務給の仕組み上、より高い評価を目指すためにスキルアップや専門性の追求が欠かせません。

つまり、給与を含め待遇を改善していくためにはモチベーションが高い状態を維持しながらより専門性を極めていく必要があります。

スペシャリスト人材として業界でどのようなキャリアを積み上げていくか、キャリアプランの設定がしやすい仕組みでもあります。

 

能力・専門性に応じ正当に評価される

 

職務給は能力・仕事の実績に応じ評価・給与が決定します。

満足する給与を得るためには正当な評価をもらえる仕事の蓄積が必要です。

そこで注目したいのが、賃金ベースは業務内容によって違うということです。

営業には営業の賃金ベース、エンジニアにはエンジニアの賃金ベース、ディレクターにはディレクターの賃金ベースがあります。

特に、専門性の高いエンジニア職やIT系専門職種と相性が良い賃金制度です。

 

誰にでもチャンスがある平等な評価制度

 

職務給は仕事をしっかりこなしていけば誰でも給与アップの可能性がある仕組みです。

例えば、20代前半で入社したての従業員が50代後半で定年間近の従業員よりも高い給与になることがあり得ます。

また、出産・育児でブランクがある女性でもスキル次第でブランクなしの同僚や先輩に追いつくのが可能な制度です。

 

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企業にとっての職務給メリット

 

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企業から見た職務給のメリットは次の3つです。

 

・人件費の適正化

・給与を含めた待遇に関する従業員とのトラブルリスク防止

・優秀な人材の採用

 

職務給の制度は従業員にとってわかりやすく納得感のある仕組みですが、企業にとっても同様です。

仕事の難易度や会社への貢献度などを重視した給与設定ができます。

会社にとって価値の高い業務を優先して高評価にできるため、人件費の適正化にもつながります。

また、給与は労働条件の中でも特に従業員とのトラブルリスクが高く、企業にはリスクヘッジが求められます。

職務給の仕組みは従業員側・企業側双方が納得しやすく従業員とのトラブルを回避する有効なリスクヘッジとして期待できます。

さらに、優秀な人材が集まりやすいのも職務給のメリットです。

難易度が高い仕事や高い評価を得られる仕事にはそれなりの給与が保証されるので、スキルを持った人材を集めやすくなるからです。

特に、適正な評価を受けたいと考える若い世代が注目している仕組みのため、採用戦略を安定させやすいのも大きなメリットです。

 

 

日本独自の職務給導入ハードル

 

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欧米に比べると日本はまだ職能給を採用する企業が多くありますが、日本企業でも職務給の導入や導入検討は繰り返し行われてきました。

あまり浸透していない理由として、日本の企業風土とのミスマッチ・目的が違う導入の仕方が挙げられます。

 

企業風土とのミスマッチ

 

実は、戦後に日本で職務給の導入が検討されたことが何回かあります。

しかし、職能給が浸透していたことや国民性とのミスマッチを理由に都度見送られてきました。

職務給は基本的に契約書や職務記述書(ジョブディスクリプション)に記載されている業務のみを担当します。

ざっくりとした理解にはなりますが、どの仕事をすればいくらもらえるのかがある程度決まっているとも言えます。

例えば、休憩時間用のお菓子を配って場を和ませたりお花を飾って雰囲気を明るくしたりする「名もなき仕事」は評価されづらい仕組みです。

日本企業の中には「名もなき仕事」を尊ぶ会社もまだまだ多く、職務給がなじまない理由の1つとして考えられています。

 

従来の目的ではない導入

 

繰り返し導入が検討されてきた職務給は1990年代後半から2000年代にかけて再度注目されました。

しかし、当時指摘されたデメリットの1つが、本来の職務給とは違う目的で導入する企業が多かったことです。

達成した仕事に対して正当な評価をしようという目的ではなく、人件費を抑えるために導入する企業が少なくありませんでした。

 

 

日本独自の新しい職務給 役割等級制

 

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日本では導入ハードルが高い職務給の制度ですが、本来の目的に沿った導入を進める企業も増えてきています。

労働人口の減少・成果主義の浸透・雇用の流動化といった背景があり、労働力をより確保しやすい仕組みが求められているからです。

近年注目されているのが役割等級制です。

職務給と職能給のメリットをあわせデメリットを解消した職務給ベースの賃金制度で日本の企業風土になじむ職務給制度として期待されています。

テクノロジーの進化によりすでに勤続年数=能力の指標ではなくなっています。

職務給を含め、成果主義型にシフトする流れは今後も加速すると考えられます。

 

 

役割等級制とは

 

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厚労省が転職者の多い中小企業向けに作成した職務給のガイダンスでは以下のような導入の流れが推奨されています。

導入に至る流れがわかると職務給の特徴や仕組みを理解しやすくなります。

※厚労省ホームページ『中小企業のモデル賃金~中途採用者の賃金決定~』参考

 

1)企業内の「役割」をリスト化

 

「役割」とは、企業活動に必要とされる各職種に等級・階層区分が割り当てられたものです。

職種とは事務職・営業職・技術(エンジニア)職などの他、一般職・リーダー職・管理職といったカテゴライズもあります。

等級、階層区分は仕事の難易度・裁量の度合い・責任の重さなどで決定されます。

 

2)各役割の評価を決定

 

役割ごとに評価の方法が取り決められます。

評価の方法は単純比較法・分類法・要素比較法・要素別点数法がポピュラーな手法として挙げられます。

 

3)基本給の検討

 

給料をシンプルに職務給のみにするのか固定給も加えるのかを検討します。

固定給として職能給の他、年功給や職能給+年功給の設定が考えられます。

 

4)昇格昇給・配置転換・育成に関する基準や施策を検討

 

職務給の弱点となる昇給・配置転換・育成ハードルの高さを補う規定を作成します。

例えば、人事評価とあわせて次のような評価基準が一般的です。

 

・上司からの推薦

・資格取得

・研修やセミナーの受講による知識習得

・本人による自己プレゼン など

 

一定以上の評価を得ることで希望通りに昇格・昇給・配置転換ができる規定があれば、職務給の課題を補った穴のない仕組みづくりとなります。

 

 

職務給の賃金規定から考える評価基準ポイント

 

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職務給の仕組みを考えた時、高い評価を得られるポイントがあります。

高評価を得られる仕事に率先して取り組んだり十分にこなせるスキルを身につけたりするなど、基本的なスキルアップが有効です。

 

会社にとって重要な仕事をやり遂げる

 

難易度が高い業務の達成は、職務給で評価を高める最も基本的な方法です。

特に他の従業員では手が出ない専門性の高いものがおすすめです。

自分にとって得意分野が何かを考え、難易度の高い資格取得や講習を積極的に受講し知識をアップデートし続けることが重要です。

 

通常業務のクオリティを上げる

 

職務給の仕組みに則って自己評価を高めるために、毎日取り組んでいる業務のクオリティ向上も有効です。

業務のクオリティを高める方法として以下が挙げられます。

 

・疑問点があってもそのままにせず必ず解決する

・他の人や他部署でやっている業務にも興味を持つ

・会社全体を把握する

・一つひとつ真摯に向き合う

・周囲からの信頼を得る

 

職務給は個人の成果を重視する制度なのでチームプレーに課題が出るケースも少なくありません。

そのためインターフェースの役割を果たせる人材は貴重で、実績として差別化できる強みになります。

 

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まとめ

 

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職務給は能力の高い人、自分のスキルを思いきり発揮できる職場への転職を希望している人にとって相性の良い賃金制度です。

また、働いている側が自分の価値をアピールしやすい仕組みでもあります。

しかし、転職による待遇交渉の場面では自分の実績をどのようにアピールして良いのか不安に思う人も少なくありません。

そこで、転職エージェントの利用も検討してみてください。

転職エージェントは求人案件の紹介や面接対策とあわせて、労働条件の交渉役を引き受けることもできます。

特に給与は交渉しづらいと感じている人も多いので、遠慮なく転職エージェントに相談してみてください。

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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