【採用担当者向け】2021年7月 IT転職市場レポート | ギークリーの利用者から見えるIT転職市場をご紹介!
梅雨空から一転、急に真夏の暑さとなった7月。いよいよ東京五輪が開幕して世間が盛り上がる一方、依然としてコロナ禍の厳しい情勢が続きます。このような状況下、IT転職市場ではどのような動きがあったのでしょうか。ギークリーの利用者から見える、2021年7月のIT転職市場と求職者の傾向を徹底解説します。
目次
2021年7月 各社IT採用ニーズトピックス
IT業界への転職に特化したギークリーで取り扱っている求人情報を分析し、各社のIT採用のニーズをまとめました。
2021年7月の主な各社IT採用ニーズのトピックスは以下の通りとなりました。
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▼調査について
調査目的 :求職者集客および求人の仕入れ状況からIT業界の転職市場を知る
調査対象 :7月に当社をご利用いただいた求職者および企業
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母集団形成苦戦により、年齢の採用条件緩和が進む
45歳以上の即戦力採用、25歳以下の第二新卒枠のポテンシャル採用を強化
インターネット業界では、希少性の高いセキュリティエンジニアや即戦力性を求められるプロジェクト/プロダクトマネージャー求人を筆頭に、45歳以上まで採用ターゲットを広げる傾向が見られます。
背景に、インターネット黎明期の経営者層が50代に差し掛かり、IT業界人材の年齢レイヤーが確実に上がってきていることがうかがえるでしょう。
2020年9月から毎月求人数が5%ずつ増加し、採用プレイヤーが増え続けたため、企業から母集団形成に苦しむ声が多数あがりました。
ターゲット候補者の上限年齢・下限年齢の変更を対策として提案したことで、採用条件緩和に踏み切る企業が増えています。
また、新人教育の環境が整っている企業では、25歳以下の若手第二新卒層の積極採用姿勢が見受けられる一面も。
若手即戦力層の母集団形成苦戦により、2〜3年後の即戦力人材として育成前提で第二新卒を採用する傾向が強まっています。
ゲーム業界へのキャリアチェンジが活発に
エンジニア職種は他業界からゲーム業界へのキャリアチェンジが可能に
ゲーム業界は業界特色が強く、他業界からの転職難易度が高いと言われます。
しかし、エンジニア職種でSIerやWebサービス会社から業界キャリアチェンジで、ゲーム業界への入社決定事例が出ています。
コロナウィルスによる巣篭もり需要に伴い、「新規ゲームタイトルを立ち上げて一発当てよう」という事業サイドの動きに連動し、採用強化していることが要因と考えられます。
具体的な決定事項には、大手パブリッシャーにおけるプラットフォーム事業の開発PM、社内外のインフラ担当(ハイトラフィックな環境への適応)、 ゲームキャンペーンサイトのフロントエンド、などが見受けられます。
まさに今、業界を跨いでゲーム業界へキャリアチェンジするチャンスタイムが訪れていると言えるでしょう。
2021年7月 集客トピックス
ギークリーでは転職エージェントの面談に訪れた方にアンケートを実施し、1ヶ月ごとにIT転職市場のニーズや傾向を分析。採用担当者向けに、毎月情報をまとめて発表いたします。
新年度から第一四半期が終わり第二に入る2021年7月、主な集客トピックスは以下の通りとなりました。
求職者の転職意向度は引き続き低迷
企業側の採用ニーズは過去最高水準の中、前月と同様に求職者の転職ニーズは低くなっています。
このような中、転職ニーズがある求職者の約3分の1が「年収アップを叶えたい」と考えていることも大きな特徴です。
46歳以上IT人材の集客増加
先月から引き続き、46歳以上の経験豊富なベテラン層への採用ニーズが高まっています。
特に7月からは、50歳以上のエンジニアにまで幅を広げて集客を行なっています。
転職エージェントをギークリーのみ利用している求職者が増加
7月の面談者全体の約半数が、利用している転職エージェントが「ギークリーのみ」という結果となりました。
つまりギークリーに絞って利用している求職者が増加している傾向です。
IT人材から、「IT転職=ギークリー」としての認知度が高まってきていることがうかがえます。
各トピックスについて、グラフとともに詳細解説をします。
求職者の転職意向度は引き続き低迷
面談者の退職状況の分析(先月と比較)
面談者の退職状況を分析した結果、6月に比べ7月は「退職している」比率が12%から13%に微増しているものの、「退職日が確定している」は7%から5%に減、「退職の意思は伝えているが退職日は未定」は5%から4%に減と、在職中で退職することが決まっている人は合計2%減少しました。
4月以降、退職を決めてから面談に訪れる方は減少傾向が続きます。
「退職する予定だが、まだ意思は伝えていない」は37%から36%に減、「退職するか検討中」は39%から42%に増となりました。
求人企業サイドは引き続き採用ニーズが上昇し、6月に12,900件に達していた求人数は、7月は13,000件と過去最高水準を更新する結果となりました。
しかし求職者サイドは、7月に入っても「退職している・退職が決まっている」という転職意欲が高い人材数はほぼ横ばいの状態です。
求人企業と求職者の潮目に大きな変化はなく、5月から引き続き求職者の腰が重い状況でしょう。
面談者の多くが、転職に対して比較的慎重になっているように見受けられます。
面談者の退職状況の分析(1年前と比較)
次に1年前の2020年7月と面談者の退職状況を比較分析してみましょう。
1年前に比べ「退職している」求職者が9%減少し、「退職するか検討中」の求職者が14%増加していました。
この1年で、求職者の転職意識が大きく変化したことが顕著に現れています。
面談者の転職理由と転職で叶えたいこと
面談者の転職理由を分析してみたところ、21%が「会社の将来性に不安がある」という回答でした。
IT業界でも、コロナの影響により会社の将来性に不安があり転職を考える方は一定数いることがわかります。
また、コロナ禍でも転職を考える人材の3分の1は、転職によって叶えたいことが「年収アップ」でした。
この結果も、将来への不安に起因する可能性があります。
46歳以上IT人材の集客増加
面談者の年齢区分
面談者の年齢を区分した結果、6月に比べ7月は46歳以上の集客比率が7%から11%に大幅に増加しました。
求人企業から、経験豊富なベテラン層の採用ニーズが高まっているため、46歳以上のIT人材の集客に注力した結果が現れています。
また7月は50歳以上のエンジニアにも集客幅を広げ、転職決定事例も出てきています。
面談者の経験職種中分類
面談者の職種占有率を6月と比較して中分類した結果、7月はSE下流の占有率が25%から33%に大幅に増加しました。
先述の通り一定のスキル、経験値を持ったベテラン層への採用ニーズが高まっており、集客に注力したことによる結果です。
また同時に、Webマーケティングの占有率も6%から9%に増加しています。
Webマーケティングを軸としたECサイト立ち上げ・広告運用といった経験を持つ40〜45歳までの採用ニーズが高まり、このゾーンの集客にも注力しました。
面談者の年収区分
面談者を年収別に分類した結果、6月に比べ7月は600〜700万円の年収帯の占有率が3%増加しています。
これは先述の通り、46歳以上のIT人材への集客に注力したことにより、このゾーンの集客占有率が増加したと考えられます。
転職エージェントをギークリーのみ利用している求職者が増加
面談者の転職エージェント登録状況(全体)
面談者の転職エージェント登録状況を分類した結果、6月に比べ7月はギークリーのみを利用している人は43%から45%に増加しました。
ギークリーにプラス1社の利用者も30%から31%に増加しています。
全面談者のうち約半数が転職エージェントにギークリーのみ利用しており、IT人材からギークリーの認知度が高まっていることがわかります。
特にクリエイターの求職者はギークリーのみ利用が先月比で12%増加しており、 自社サイトでのクリエイター集客が好調なことが影響していると考えられます。
まとめ
2021年7月は、5月から続く企業サイドの採用ニーズと求職者の転職意向の低下という、両者のニーズの違いがまた広がりを見せました。
退職を決めている比率の減少は著しく、求職者の腰が重い状態が7月も継続しています。
また企業の将来に不安を感じ、年収アップを叶えたいという求職者が多いことも、今の情勢を現しているかもしれません。
一方で求人企業側は、経験豊富なベテラン層への採用ニーズを高めており、50歳以上の転職決定事例も見られます。
また、転職エージェントの利用をギークリーのみとしている求職者が増加しており、「IT転職と言えばギークリー」としてIT人材に認知されていることがうかがえました。
ギークリーでは、面談いただく求職者はもちろん企業の採用担当者へのニーズも鑑みて、IT転職市場の動向を探っております。企業と求職者のニーズが1件でも多くマッチングできるように、IT転職のエキスパートとして分析をしてまいります。
引き続き来月もレポートをアップしますので、ぜひ企業の採用担当者の皆様はご参考ください。
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