「内製化」を合言葉に、銀行業をITの力で支える「デジタルICT推進グループ」の技術者がめざす”道”とは
国内最大、邦銀随一の顧客基盤を持ち、業界屈指の総合金融グループとして成長を続ける三菱UFJ銀行。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)の中核をなし、世界でも抜きんでた実力を誇るメガバンクです。
今回は、三菱UFJ銀行の市場部門にてデジタル化を推進する「デジタルICT推進グループ」の金子様、辻様から、グループのミッション、現場のリアルな話、仕事を通して感じる三菱UFJ銀行らしさについて語っていただきました。是非ご覧ください。
目次
【株式会社三菱UFJ銀行 デジタルICT推進グループ インタビュイー】
金子 真佐彦様 / プロジェクトリーダー
前職では他銀行でALM(Asset Liability Management)業務に従事していたが、市場業務とITを軸にしたキャリアを積むため2013年に三菱UFJ銀行にキャリア採用で入行し市場系システムの開発所管部と業務所管部を共に経験。
現在は自ら提案した、ノーコード/ローコード開発基盤を活用し市場業務の更なるデジタル化をめざすプロジェクトを推進中。
【株式会社三菱UFJ銀行 デジタルICT推進グループ インタビュイー】
辻 和真様 / 金利系商品プライサー開発担当
2022年、三菱UFJ銀行にFT(ファイナンシャル・テクノロジー)採用で入行。
研修を通してC#でのプログラミングや金融工学、市場業務知識を学んだ後、デジタルICT推進グループデジタル開発ラインに配属になり、主に金利系商品のプライサー開発に従事。
IT・デジタル化の推進をミッションに掲げ、銀行市場部門を支える「デジタルICT推進グループ」とは
―まず、「デジタルICT推進グループ」の事業内容について教えてください。
金子さん:銀行業のうち、為替や債券、デリバティブ等、市場商品のトレーディングやセールス、資金ポジションのコントロール等の業務を行っている市場部門のひとつの部署が市場エンジニアリング室です。
市場エンジニアリング室は、市場部門におけるITおよびモデル開発を通して市場業務のテクノロジー化を進めています。
デジタルICT推進グループはその中でも、「IT・デジタル化の推進」をミッションに掲げ、市場部門をIT・デジタルの観点から牽引しています。
私の所属するデジタルICT推進グループのデジタル開発ラインは、EUC(エンドユーザー・コンピューティング)やEUD(エンドユーザー・ディベロップメント)といったユーザー部門における開発を高度なソリューションで提供する組織です。
クラウドや人工知能を活用し市場系システムの開発基盤づくりやアプリ開発を行っています。
現在私が進めているのが、ノーコード/ローコード開発基盤の導入プロジェクトです。
導入のきっかけは、業務サイドから依頼された開発要望に対し、開発サイドのリソースや予算が足りないという課題でした。
最新テクノロジーであるノーコード/ローコードの生産性の高さを活かせば、より効率的にIT・デジタル化を推進できるのでは?と考えました。
めざしているのは、機動的かつ迅速なアプリ開発の実現と、デジタル開発ライン発足時のテーマ、ポイントである内製化です。
―「デジタルICT推進グループ」は、どのような組織体制のもと業務を遂行されているのですか。
金子さん:デジタルICT推進グループは、ICT推進とデジタル開発の2つの機能を有しています。
ICT推進はユーザー部門として、ユーザーサイドのプロジェクトマネジメント・ビジネスアナリシスといったIT開発のユーザーを取り纏める役割をもつ組織です。
私が所属するデジタル開発は、そのユーザー部門におけるプロジェクトの内製開発にこだわった組織です。
EUCやEUDをメインで扱うデジタル開発と、システム部門に開発を依頼委託しユーザーサイドのプロジェクトマネジメントやビジネスアナリシスを担うICT推進とで役割が分かれていますが、コミュニケーションは活発です。
現在はフリーアドレスが導入されている事もあり、進行中の案件について日常的に顔を合わせながら進めることに加え、ラインを超えたコミュニケーションも活発です。
他にも、市場エンジニアリング室にはクオンツ開発グループもあります。例えばデジタル開発が扱っているプライサーのモデルをクオンツが作り、それをデジタル開発で実装するという関係性です。
「MUFG Way」を通し、技術者としてのMyWayを追求する開発チーム
―「デジタルICT推進グループ」の雰囲気や、大切にされている仕事観について教えてください。
金子さん:デジタルICT推進グループを含む市場エンジニアリング室の仕事観として、大事にしているポイントが3つあります。
1つめはお客さま・ユーザー側に立っていいものを作っていこうという「お客さま・ユーザー本位」の考え方。
2つめはテクノロジー起点で専門性を発揮してアプリを作っていこうという「テクノロジー起点」の考え方。
3つめが「MUFGファースト」です。
銀行単体での最適なソリューションではなく、MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)全体、銀行、信託、証券、海外のMUFGすべて含めて最適なソリューションを作っていこうという考え方です。
他にも、市場エンジニアリング室では働いていくために必要な知識はしっかり教育していくというスタンスのもと着任者研修をしっかり行っています。そのため、キャリア採用で入行された方も活躍できる体制です。
新しく入られた方自身がやりたいこと、成し遂げたいことが一番生産性を上げることだと思っていますので、その方の強みを活かして市場ビジネスに貢献できる業務を探してもらうという考え方です。
コミュニケーションを通して、本人の希望と会社側の希望とがマッチすることを見つけてお願いするようにしています。
辻さん:実際に、着任してから人材育成に力を入れていると感じました。
例として、私が所属しているフロントアプリ開発のチームでは着任研修が2ヶ月あり、そこでプログラミングや金融工学など基礎的な技術、知識について指導していただきました。
毎日の朝会でタスク管理について声を掛けていただくこともあり、丁寧に指導していただいているなという印象で、マネージャーやリーダー層にも気軽に声を掛けられる環境です。
金子さん:デジタル開発ラインでは、仕事上で直接関係がない場合でも気軽にコミュニケーションを取れる環境があるんですよね。
辻さんとも元々は仕事上で関わることはなかったのですが、日常のコミュニケーションでC#のプログラミングの研修を受けていることを知っていたので、ノーコード/ローコード導入のプロジェクトを手伝ってもらうことになりました。
私自身もノーコードにどれくらい生産性があるのかを知りたかったので、検証中のプラットフォームである「OutSystems」について「研修中にC#で作ったアプリと同じものをOutSystemsでも作って生産性を比較してみてよ」という現場レベルの担当者同士の会話から手伝ってもらうことが決まったんです。
本来関わることのない人とも、日常の会話から自分たちでやりたい仕事を作り出すきっかけを作れた良い例だと思います。
辻さん:ノーコードは新しい技術で実際に触れてみないと分からないところがあったので、OutSystemsでの開発を通じてノーコードを理解していきました。
新たな技術を知ることは技術者としてステップアップになると思っていましたし、ワクワクしました。
―デジタル開発業務を通して、「三菱UFJ銀行らしさ」を感じる瞬間について教えて下さい。
金子さん:MUFGのビジョンである「MUFG Way」のパーパス(存在意義)の、「世界が進むチカラになる。」という部分で、MUFG全体で力を入れている箇所でもあります。
従業員一人ひとりが、「世界が進むチカラになる。」に繋がるそれぞれの「My Way」を持っており、自分が何を成し遂げたいのかを「共鳴セッション」というミーティングの時間に共有して、尊敬・尊重し合うカルチャーになっていて、三菱UFJ銀行らしいと感じます。
例えば自分の人生をグラフにして振り返り、My Wayを見つけて達成していく、成し遂げていくことでモチベーションを明確にしているんです。
私のMy Wayは「市場ビジネスを改善、発展させることで社会に貢献したい」と書きました。
プロジェクトを推進するなかで困難にぶつかった時、My Wayを持っている人は粘り強く簡単に諦めません。
そんな姿を見ていると一人ひとりがMy Wayを大切にする三菱UFJ銀行らしさや強さを感じます。
辻さん:私の「My Way」は「IT技術や市場系の知識、金融工学の知識を貪欲に吸収し、より活躍できるフィールドを広げる」です。
入行当初は漠然としていましたが、入行して最初のグループディスカッションや研修、共鳴セッションを経てアウトプットする機会も得たことで、市場系の業務や具体的なものになって洗練されてきたのかなと感じています。
入行したきっかけも、金融工学やITを社会に活かしたいと考えるなかで専門性を重視する三菱UFJ銀行の文化に惹かれたからです。
入行後の半年間の研修の中でプログラミングや数学、市場系の知識を学び、デジタル開発に着任してからも金融工学や実務の知識を身につけさせてもらったのですが、研修期間の長さにも専門性を重んじる文化が現れていると感じます。
私自身、プログラミングは大学、大学院で軽く触れていましたが、現在の業務ではその時とは異なるプログラミング言語を使うので、新たに指導していただき技術を身に着けています。
―目標とする「My Way」の実現のために、技術者として心がけていることはありますか。
金子さん:市場ビジネスを改善するにあたり、最新のテクノロジーの知識やナレッジは日々求められていると感じています。
デジタル開発ラインではEUCやEUDを作るだけではなく先端テクノロジーを取り入れようという取り組みも担っているので、最新技術を把握したうえで市場ビジネス改善に活用できるかを技術者視点で考えなければなりません。
その一方でツールやアプリ、システムは実際に使うお客さまや社内のユーザー視点で考えることが大切です。
このとき、日常的なコミュニケーションが活きてくると感じています。
技術者同士の雑談から情報収集できることもありますので、各々が海外のサイトから最新のテクノロジーをキャッチアップして、やりたい技術があれば情報共有の場も適宜設けています。
辻さん:金子さんの話にもあったように、フロントアプリを作るうえで、ユーザーの要望に応えるためには単純なプログラミング技術だけでなく理解力や交渉力、金融知識も必要です。
新しいことを覚えるうえで情報整理が欠かせないので、ドキュメントを使って将来の自分が見やすいように形に残し、上司への質問や議論を通じてアウトプットしながら整理しています。
ITスキルのレベルを上げることはもちろん、金融工学や金融の知識を得ることにも貪欲に取り組み、全体像を俯瞰して見ることができる人材になりたいです。
領域外だから対応できない、相手の言っていることが分からないとならないように、なるべく知識の幅を広げていろいろな問題に素早く対応できる技術者になりたいと思っています。
市場のダイナミズムを感じながら、サービスのローンチから改修まで関わる魅力
―お二人が感じている、「デジタルICT推進グループ」に携わることの魅力についてお聞かせください。
金子さん:銀行でITの仕事をすることの魅力は、直近の開発だけでなくビジネスのことも考えられる点だと思います。
日本最大規模のディーリングルームの一角で市場のダイナミズムを肌に感じながら、どのように市場ビジネスの収益を上げていくのか、金融市場を改善していくのか、社会に貢献していくのかについて、ITそのものを目的とせずソリューションのツールとして活用していく楽しさという魅力があります。
辻さん:私の場合は、作っているアプリがセールスやトレーダーの方が使う金利系商品のプライサーで、国内はもちろん、香港やニューヨークにもユーザーがいます。
グローバルに自分の技術が活きていることを感じられることが大きな魅力だと思います。
金子さん:市場業務は海外20拠点以上のビジネスなので、グローバル目線でIT戦略を考えられるのも魅力ですね。
他の魅力として、内製化された組織の中で開発に携われることがあると思います。
内製化された組織だと自分の技術を直接アプリ開発に使うことができますし、つど知識を得ながらナレッジもためることができます。
自分自身が働いていて楽しいこと、そして何よりスピーディーさがユーザーからも喜んでもらえるということも、デジタルICT推進グループのアピールポイントの1つになるのではないでしょうか。
辻さん:私はファーストキャリアとしてIT専門の企業やSIerではなく内製化が進む三菱UFJ銀行に入行し、自分で設計して開発したものが実際にユーザーに使ってもらえることを実感できる点がいいところだと感じました。
自身のスキルアップにもつながりますし、周りに指導してくれる方がいる環境も魅力です。
まだ着任して間もないのでこれからですが、1つのサービスにローンチや改修まで関わることができるのは、技術者として大きなやりがいだと思っています。
―三菱UFJ銀行で活躍し、輝いている技術者はどんな人ですか。
辻さん:「自分でやりたいことを持っている方」だと思います。
実際に活躍されている先輩方を見ていると、常に問題意識を持って、割り振られた仕事以外にも問題を感じたらすぐに行動に移すことができ、My Wayを体現できていると思います。
金子さん:辻さんも大活躍していると思います。
実際に、問題意識を持って自主的に動くことが出来ていると感じたエピソードがあります。
元々辻さんとは同じ仕事はしていませんでしたが、コミュニケーションをしていく中で仕事を任せることになりました。
OutSystemsという開発ツールのIDを渡して、最低限のことしか教えず、隣にいるので分からないときは聞いてくるだろうと思っていたんです。
1週間ほどたってもあまり質問されないので本業が忙しくて止まっているのかと思ったら、ものすごく仕事が進んでいて、すごいなと感じました。
OutSystemsは海外のツールで、主体的に情報を得る必要があるんです。
言われたことをやるだけではなくて、辻さんのように壁にぶつかったときに自分で考えて調べながら、一つ一つ乗り越えている人は活躍している人だと思います。
辻さん:昔からなるべく自分の力で解決したいという気持ちがあります。
分からないことはすぐに金子さんに聞ける環境でしたので、バランスを取りながらなるべく自分で解決するようにしていました。
金子さん:自己解決力が高い人が活躍するのはもちろんですが、結局はユーザー本位が求められるので、相手が求めるものを把握できるコミュニケーション能力を持った人が強いと思います。これはチームで開発するケースでも同様です。
あとは自分の目標、My Wayを持って諦めずに取り組める方、挑戦できる方が輝いています。
最後に、「デジタルICT推進グループ」や、三菱UFJ銀行にご興味をお持ちの方へのメッセージをお願いします。
辻さん:新人の立場で言うと、デジタルICT推進グループは面倒見も風通しも良い働きやすい環境です。
銀行の中核業務にITの部分で深く関わることができる部署でもあり、非常にやりがいがあると思いますので、ご興味をお持ちの方とは是非一緒に働きたいです。
金子さん:市場とITを組み合わせた部署ですが、市場業務同様、ITも基盤からアプリ開発まですべて理解していないといけない訳ではありません。
実際に働いているメンバーもすべてを網羅しているわけではなく、それぞれが強みを持っている領域を活かしてチームとして働いていますので、市場とITに興味のある方はまずはご応募いただければと思います。
転職しようと思っている方は自分なりのMy Wayをすでに持っているはずです。
MUFGは一人ひとりのMy Wayを会社も社員も尊重し、協力する組織です。
MUFGのパーパスである「世界が進むチカラになる。」とご自身のMy Wayに少しでも重なる部分があれば、ご自身のMy Wayを達成する場所としてMUFGは良い舞台になりますので是非応募していただきたいと思います。
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