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【アンケート調査】昇給しないのはなぜ?人事評価制度が影響している?年収・職種ごとに見るIT人材の人事評価への意向

弊社ギークリーでは、10月から11月にかけてサービスをご利用いただいたエンジニア、クリエイター、ゲーム人材の方を対象に「IT人材の人事評価についての意向」についてアンケート調査を実施しました。
近年、働き方や仕事への向き合い方が多様化していることから、ジョブ型人事制度や管理職の社内公募制度を取り入れる企業も増えています。
従来の人事制度が変化している今、転職を希望するIT人材は評価制度についてどのようなことを希望しているのか。
今の評価制度に納得していない、自分に合った評価方法は何か情報収集したいと考えている方は是非ご参考ください。

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アンケート概要

 

「IT人材の人事評価についての意向」についてアンケート調査を実施。

【調査対象】弊社を利用されたエンジニア・クリエイター・ゲーム人材
【対象人数】416名(有効回答のみ)
【調査期間】2022年10月20日~2022年11月18日
【調査方法】Web上のアンケートフォームへの入力もしくは、アンケート用紙への記入
【質問項目】

1 .現職の人事評価方法(制度)について教えてください(※複数回答可)

2 .希望する人事評価方法(制度)について教えてください(※複数回答可)

3 .人事評価について、希望することがあれば教えてください(※複数回答可)

 

 

アンケート集計結果

 

IT人材の約40%は「目標管理制度」で職務評価を受けている

 

 

IT人材の現職での人事評価方法について調査したところ、アンケートに回答した416人のうち約40%の方が「目標管理制度」で職務評価を受けていることが分かりました。

「目標管理制度」とは、組織の上流にある「組織目標」から従業員自身が個人目標を定め、一定の期間においての達成度や進捗によって評価を決める方法です。

1990年代のバブル崩壊から、人事評価の定番となっていた「業績評価」よりも、現代は個人が決めた目標に対しての達成度で評価をする「目標管理制度」が一般的になっていることが分かりました。

 

しかし、近年では職務や役割で評価する「ジョブ型人事制度」や、直属の上司だけでなく、同僚や部下からも評価される「360度評価」など新しい評価制度が取り入れられています。

現役のIT人材はどのような評価制度を望んでいるのでしょうか。理想の評価制度について見ていきます。

 

個人目標の達成度より、業績での評価を希望している傾向に

 

 

現代のIT人材は、一般的になっている評価制度「目標管理制度」より、「業績評価」を希望していることが分かりました。

「業績評価」の次に本人の知識やスキルに基づく「能力目標」を希望していることから、個人の実績をベースとした評価方法を希望していると推測できます。

 

しかし、希望する人事評価を考える前に、そもそも現職の人事評価方法がわからないと答えた方が全体の10%弱もいることも分かりました。

転職を希望している現役のIT人材は、人事評価について、実際のところどのように思っているのでしょうか。

ここから、「人事評価制度」についてどのような意向があるのか見てみましょう。

 

現職での「昇給・昇格の難しさ」が浮き彫りに

 

 

アンケート調査を実施した416名のうち、現在の評価で満足している方はわずか16%という結果になりました。

人事評価制度に対する具体的な意向の内訳をみると、「評価基準を明確にしてほしい」と感じている方が最も多く、次いで「評価結果を昇給・昇格に反映してほしい」と感じている方が多くいました。

 

また、評価基準が現実的ではないと感じていたり、評価者によって評価に差がでていると感じている方もいます

評価基準が不明確や非現実的であることへの不満や、評価結果を昇給や昇進に反映してほしいという意向があることから、同時に現職での昇給・昇格の難しさが浮き彫りになったと考えられます。

では、ここから年収別で「人事評価制度」は変化があるのか、どのような意向があるのか見ていきます。

 

 

年収別結果

 

年収700万円以上で「ジョブ型人事制度」での評価が多い結果に

 

 

全体的に「目標管理制度」で評価を受けている方が多くいましたが、特に年収700万円以上のハイクラスの年収帯の方から、「ジョブ型人事制度」で評価を受けているという方の割合が多くなることが分かりました。

 

「ジョブ型人事制度」とは、企業が従業員に対して労働時間で雇用契約を結ぶのではなく、職務内容を定義して雇用契約を結び、職務や役割で評価をする制度で、2021年度からKDDIやカゴメ、富士通など大手企業が導入し始めている、今注目の人事評価制度です。

年収700万円以上の方の職種を見てみると、プロジェクトマネージャーやオープン系システムエンジニア、プログラマーが多く、IT業界のピラミッド構造の中で上流工程に携わっていて、知識や職務の専門性の高さから「ジョブ型人事制度」で評価を受けている方が多くいると推測できます。

この現状を踏まえて、希望する人事評価制度は年収帯ごとに変化があるのか見ていきます。

 

年収300万未満の方ほど「現職の人事評価方法がわからない」と答える傾向に

 

 

年収別に希望の人事評価方法を調査したところ、年収300万円未満の方ほどそもそも現職の人事評価方法がわからないと答える方が多くいることが分かりました。

年収300万円未満の方で、「現職の人事評価方法がわからない」と回答した方の職種を見てみると、オープン系システムエンジニア、プログラマー、社内外からの問い合わせに対応するテクニカルサポートやヘルプデスク、開発されたシステムのテストや管理を行うテスティング、品質管理エンジニアの職種に就いていることが分かりました。

上記の職種から、開発下流工程に携わる方が「現職の人事評価方法がわからない」と回答している傾向にあることが分かりました。

下流工程に関係する職種は、常駐での開発業務が多くなるため現職の上長との接点が減ってしまい、自身の評価についてコミュニケーションを取る機会が少なくなる傾向から、「現職の人事評価方法がわからない」と答える方が多くなっていると推測できます。

 

年収500万円以下から評価基準を明確にしてほしいという意向が強くなる

 

 

年収別で人事評価についての意向を調査したところ、年収500万円以下の方ほど、「評価基準を明確にしてほしい」、「評価結果を昇給や昇進にきちんと反映してほしい」と回答する傾向にありました

年収500万円以下で「評価基準を明確にしてほしい」、「評価結果を昇給や昇進にきちんと反映してほしい」と回答した方の職種を見てみると、インフラエンジニアや、社内SEやサポート、web系システムエンジニア、プログラマー、オープン系システムエンジニアの方が多く、プロジェクトのマネジメントには携わらないが、実際に開発工程に携わる、IT業界のピラミッド構造の下流から中流工程の方が多くいることが分かりました。

この背景として、IT業界のピラミッド構造の下流から中流工程は、上流工程からの指示に従って業務を進めていくことが多く、指示以外でプラスアルファの成果を生み出しにくいため、評価が上がりにくいと推測できます。

 

また、本調査から人事評価制度の透明度や、評価結果が昇給・昇進に繋がるか否かは、年収500万円がボーダーラインになっている傾向があることがわかりました。

では、職種別で見るとどのような変化があるのか見ていきましょう。

 

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職種別結果

 

現代のエンジニアは「目標管理制度」で評価されている傾向に

 

 

職種別で現職の評価制度を調査したところ、エンジニア職は「業績評価」よりも「目標管理制度」で評価されている傾向にありました。

 

また、目標管理制度と回答した比率が高かった、「インフラエンジニア」と「制御・組み込み系エンジニア」は、システムの仕様書や設計書に従って開発を進めるため、決められた範囲での業務になり、業績では評価者が評価をしにくく、「目標管理制度」が多いと推測できます。

 

次いで回答の比率が多かった「データサイエンティスト」は、プロジェクト単位でデータを加工しながら最適な統計的モデルを構築するため、個人としての成果物が見えにくく評価者が評価をしにくいため、「目標管理制度」が多いと考えられます。

この現状を踏まえて、職種別での理想の評価制度はどのような傾向になるのか、見ていきましょう。

 

エンジニアは業績評価など定量的な評価基準を求めている

 

 

職種別に理想の人事評価制度を調査したところ、どの職種も平均して「業績評価」が約25%、「能力評価」が約26%と意向度が高い傾向にありました

特に、前項でも触れたデータサイエンティストと制御・組み込み系エンジニアの職種で「能力評価」を強く希望している傾向あり、インフラエンジニアは「業績評価」を強く希望していて、個人目標の達成度という定量的になりがちな評価基準より、定性的な評価基準を求めていることが推測できます。

では実際に、現職の評価基準においてどのようなことを感じているのか、見てみましょう。

 

約20%のエンジニアが「評価基準を明確にしてほしい」と感じている

 

 

職種別に、人事評価について希望することについて調査したところ、全体の平均20%の方が「評価基準を明確にしてほしい」と希望していることが分かりました

さらに、全体の平均16%の方が「評価結果を昇給や昇進にきちんと反映してほしい」と希望していることも明らかになりました。

 

今回の調査結果で、エンジニア職においては、「目標管理制度」で評価をされる方が多い傾向にありましたが、「目標管理制度」は属人的な目標設定で、評価基準が揃うことがなくあいまいになってしまう可能性があります。

評価者の基準が揃わず、評価しにくいという「目標管理制度」の課題が、エンジニア職の人材が「評価基準を明確にしてほしい」、「評価結果を昇給や昇進にきちんと反映してほしい」と感じる理由に繋がると考えられます。

 

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昇給・昇格を叶えるなら、IT業界特化型の転職エージェントに相談

 

 

今回のアンケート調査では、IT・Web・ゲーム業界で働く方々の「人事評価についての意向」について調査しました。

アンケート結果からは、IT人材の約40%の方が「目標管理制度」で職務評価を受けていることが分かりました。

しかし、IT人材の意向としては、個人の目標にフォーカスするより、「業績評価」や「能力目標」など、個人の実績で評価をしてほしいという意見が強い傾向にあります。

さらに、人事評価制度に対して、「評価基準を明確にしてほしい」、「評価結果を昇給・昇格に反映してほしい」と感じている方が多く、この結果から現職での「昇給・昇格の難しさ」が浮き彫りになりました。

 

自身の評価に対して、昇給や昇格に結びつかない、自身の職種に合う評価方法を導入している企業に転職したいという場合は、是非お気軽にIT・Web・ゲーム業界に特化した転職エージェント「ギークリー」にご相談ください。

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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