Sansan株式会社 ~ビジネスにおける「出会いの証」、名刺からイノベーションを生み出す~
「名刺からイノベーションを生み出す?」と思われる方も多いと思います。Sansanが提供しているのは、「Sansan」と「Eight」という法人向け・個人向けの2つのプロダクト。これらのサービスは、「ビジネスの出会い」、つまり名刺を正確にデータ化し、そのデータを起点とした様々な機能を活用できるクラウドサービスです。そんなSansanで得られる経験や働く環境、採用事情まで、幅広くご紹介します!
目次
金 明正さん
入社前は業務委託としてSansanの中途採用に携わっており、ご縁があって、2018年9月中途採用マネージャーとして正式入社。2019年8月からは、新卒採用マネージャーも兼務。 Sansanの採用部門全体のマネジメントを行い、組織強化・ 採用力強化に取り組んでいらっしゃいます。
Sansanが手掛けるビジネスの全貌
名刺でなくていい。市場はこれから作り出していく
本多
御社は、年間約22億枚交換されると言われている「名刺」を切り口としたソリューションをベースとした事業展開をされています。今後この市場は伸びていくのでしょうか?
金さん
実は、我々は「紙の名刺を単にデータ化すること」のみを行なっているわけではありません。我々は、名刺交換、すなわち「ビジネスの出会い」のデータとテクノロジーを掛けあわせることで、顧客の企業活動を横断的に後押しし、ビジネスそのものの成長を促進させることを目指しています。名刺をデータ化してビジネスに活用することに本気で取り組んだのは、手前味噌ではありますが、我々が世界で初めてと言えるくらいではないかと思っています。そういった観点から、「市場規模がどのぐらいあるから」という話ではなくて、そもそもそういった市場を我々が一から作ってきた、という意識でいます。
本多
名刺管理市場におけるシェアは80%以上、契約件数は6,000件以上(注)と、圧倒的な存在感ですね。
金さん
「世界のビジネスシーンにSansanがイノベーションを起こす」という観点からすると、世の中を変える程のインパクトは、まだ何も与えられていないと考えています。日本国内だけでも400万社近い企業があると言われていますので、その数字から見てもまだまだ大きな余地があります。また、すでに導入して頂いているクライアント様に対しても、もっとSansanを効果的・効率的に活用いただき、ビジネス成長に繋げていただくことができると思っています。まだまだ課題だらけですが、それが弊社の成長可能性だと考えています。
先日のインタビュー記事で、弊社社長の寺田が、Sansanは「フェーズ3」に入ったと話しています。創業から最初の5年がフェーズ1。積極的な投資を行い広告宣伝で露出が増えると共に、お客様が増えて、成長が加速してきたフェーズ2。そして、それを基盤として多角的に事業を成長させていく新たなフェーズ、それが現状のフェーズ3です。
(注)クラウド名刺管理サービス「Sansan」および名刺アプリ「Eight」の企業向けサービス「Eight 企業向けプレミアム」をご利用いただいている契約数の合計。
「出会い」からイノベーションを生み出す
本多
御社のミッションは「出会いからイノベーションを生み出す」です。ここについて、詳しくお話頂けますでしょうか?
金さん
いつの時代も、世の中を変えてきたのは人と人との「出会い」です。テクノロジーの力で出会いの可能性を最大化し、ビジネスにイノベーションを起こしたい、ひいては名刺からはじまる出会いそのものを変えていきたい、という思いを表しています。
ビジネスにおける「出会い」の際に交換する「名刺」を正確にデータ化することで、資産として活用できるようにする。名刺をデータ化し管理する方法は、もちろんSansanができる以前にもありましたが、共有し、さらに様々な企業活動へ応用させようという発想はこれまでになく、先ほどお伝えしたように前例のない挑戦ということになります。
現在、法人向けのSansanは、「名刺管理から、ビジネスがはじまる」というコンセプトのもと、動画を見る時はまずYouTubeを見る、買い物をする時はまずAmazonを見るといったように、「ビジネスを始める時にはまずSansanを見る」という、ビジネスパーソンにとって欠かせないプラットフォームとしての価値を確立するための機能拡充を行なっています。
カスタマーサクセスという役割
本多
続いて、「カスタマーサクセス」について教えてください。御社のビジネスモデルにおいて、とても重要な役割を担っていると思いますが、具体的にどのようなことを行なっているのでしょうか?
金さん
そうですね。導入支援を皮切りに、実際の運用についてのコンサルティングを行います。その会社の事業課題・営業課題を、Sansanというプロダクトを活用することでいかに解決するかを提案することも役割の一つです。「こういう状況だと、Sansanが役に立ちます」「営業先に訪問する前に、必ずSansanの情報を見ておくといいです」など、Sansan導入後にお客様と並走し、Sansanの利用メリットを実感していただくための様々な提案をさせていただきます。
潜在化した課題を顕在化し、それをいかにSansanというプロダクトを活用して解決するかを提案することができるか、ということも求められるので、難易度はかなり高いと思います。Sansanで名刺情報を共有することで「便利だな」と思って頂けても、それ以上の価値を見いだすことは、最初はなかなか難しいでしょう。そこに踏み込んでしっかりと並走することで、Sansanというプロダクトの価値を100%理解いただくことが役割になっています。
「名刺のデータ化」の根幹を担うDSOC
本多
「DSOC」は、御社のビジネスにおいてどのような役割を担っているのでしょうか?
金さん
DSOCには、画像処理やAI、データサイエンスなど、多様な分野の研究スペシャリストが在籍しており、データ化業務の自動化・精度向上、サービス向上のためのデータ分析・活用を担っています。ほとんどを人力で行なっていた名刺のデータ化を独自にシステム化することで、より大量のデータを低コストで処理できることを実現しました。そして、そのように正確に処理されたデータを分析し、どのようにサービスに活用できるかを日々研究しています。
本多
今では、名刺のデータ化は、すべて自動化されているのでしょうか?
金さん
手入力と画像認識技術の組み合わせで、99.9%の正確さをキープしています。手入力に委ねる割合が大きくなるとそれだけコストが高くなってしまうので、いかに自動化の割合を高めていくかがポイントになってきます。
このように、技術力が試されるDSOCは、エンジニアにとってはとても刺激的な環境ですし、Sansanのビジネスを支えている、根幹といえる部門です。
成長著しいEight
本多
今までの話は、to B向けのプロダクトである「Sansan」の話が主でしたが、to C向けのプロダクトとしての「Eight」はどのような事業なのでしょうか?
金さん
Eightは個人向け名刺アプリです。個人の方が自身のビジネスやネットワークにおいて様々な方と交換した名刺をEightに登録することで、どの会社のどの部署の人なのかが、無料でデータ化され、管理することができます。
Eightは2012年のローンチ後、単なる名刺管理にとどまらず、ビジネスの出会いが持つ無限の可能性を追求して、さまざまな機能を追加してきました。今後は、つながりの管理や活用の機能をさらに強化していくほか、ユーザーのキャリアや副業、スキルといった、強みをアピールできるような機能追加も構想しています。
個人向けの名刺アプリとして、ビジネスパーソンの武器となるような存在を目指していきたいと考えています。
本多
Eightを活用した新規事業がスタートしていると聞いたのですが、それについて教えてください。Sansanで取得した名刺データは、基本的に企業様保有の資産なので勝手に扱う事ができないと思いますが、Eightのユーザーデータは、匿名性をかなり高めるという前提の上で、活用できるイメージがあります。
金さん
そうですね。例えば、「Meets」というリアルなビジネスマッチングイベントを開催したりしています。HRテック領域のビジネスマッチングイベントだったら、人事の方や経営者の方を招待して、企業様による5分ほどのピッチを聞き、その場で商談に繋げて頂いたりします。
Eightは、230万人のユーザーを抱えるビジネスネットワークです。Eightには名刺交換やフィード発信など、日々のビジネス活動の情報が蓄積されています。独自のテクノロジーで解析し、興味関心によるユーザークラスタリングを行うことで、それぞれのユーザーに、最も適したイベントの集客を行います。
他にも、200万を超えるEightユーザーに対してダイレクトリクルーティングができる、企業向けの採用サービス(Eight Career Design)もリリースしています。ユーザーと企業、双方によってより効率的でマッチ度の高いリクルーティングを後押ししたいと考えています。
Sansanという組織
Sansanのミッションドリブンな環境
本多
続いて、御社の組織についてお伺いします。Sansanはどのような組織風土なのでしょうか?
金さん
先ほどもお伝えしたように、Sansanは本当にミッションドリブンな風土です。「出会いからイノベーションを生み出す」の「出会い」「イノベーション」も、個々人によってその人なりのイメージがあるものなので、実際面接にお越しになる候補者の方とお話していても、最初は「若干曖昧な感じだ」と言われることはあります。ですが、そこにどんな思いがあるのかを各面接の中でお話させていただく中で「とても理解が深まりました」と最後に言われることがほとんどです。
面接官それぞれで話す内容を特段決めているわけではないのですが、社員一人一人がミッションをどう捉えているかは、やはりしっかりと共通しているんだな、と私自身も改めてミッションの浸透を実感することが多くあります。
本多
ある意味、僕はそこがすごいと思っています。一見、抽象度が高い言葉ですが、なぜそんなに人が集まり、魅力を感じるのだろうかと。普通だと、もう少し分かりやすい「指標」があって、その船に乗っかるというケースが多い印象で、御社のようなタイプの会社は珍しいなと思います。
金さん
他社さんに比べて、外から見るとミッションの抽象度は高いかもしれません(笑)しかし、Sansanのミッション・バリューズは、トップダウンではなく社員全員で考えらえているものなんです。フェーズの移り変わりや組織の拡大など、きっかけは様々ですが、「今やっていることって本当に意義のあることなのかな?」という疑問が生まれれば、社員全員が参加して見直しを行います。全部で1年ほどかけて考えるということもあります。「出会いからイノベーションを生み出す」という言葉も昨年一年かけて決まった言葉なんですよ。このような議論を通して、全員が「あ、これやりたいな」とか、「だからそうやっているんだな」とか「今やっていることは意義ある仕事なんだな」など、会社のことを振り返る機会があることは、会社がまとまる上で大事だと思います。
本多
全員でやるとなると、例えば100人いれば100通りの価値観があります。なので、最終的な着地点を見つけることが難しそうですね(笑)
金さん
確かに、いろんな意見が出てくるので、最終的にまとめるのは大変です(笑)ですが、一から全部作り直すとは言っても、「自分たちが何をなすべき会社なのか」という軸は、すでに社員の中にあるんです。その軸の部分をブラさずに、ミッションを表現する言葉をより今のフェーズに合ったものに変えたり、大事な価値観を取捨選択したりする作業なので、大変ではありますが、最終的にはまとまっていきます。そして、議論に参加することで全員が会社のミッションとバリューズを“自分ごと”にしていくことができるのだと思っています。
Sansanはポジティブな組織
金さん
その観点で言うと、Sansanは「何をすべきなのか」「本当に解決すべきことは何なのか」「そこに辿り着くためにはどんなことをしたらいいのか」等、自分事として考えられる人が多い組織だと思います。言い方を変えると、結構ポジティブな組織だと思います。
「それって以前失敗したからうまくいかないよ」「そんなアイデアじゃダメだよ」ではなくて、極論「ダメ」とかはないんですね。「ダメだったら次どうしたらいい?」などの議論になっていくので、前向き・ポジティブな組織と言われることが多いのだと思います。
我々が提供している価値は、これまでになかったものなので、正解は誰にも分からないんです。分からないから(自分達が造ってきたのだから)、常に考えながら進めていかないといけないわけで、ポジティブな源泉はこういう所にあるのだと思います。
最後に
Sansanにおける採用
本多
最後になりますが、採用もそのような組織風土に沿っているはずですよね。
金さん
そうですね。「出会いからイノベーションを生み出したいです!」と言っている人しかいないかと言われれば、そうではないです。面接でもミッションへの共感性を最重視しているかと言われると、必ずしもそうではないです。
ありがちですけど、主体性・素直さ・周りを巻き込む力は重要です。あとは、自分の考えていることを自分の言葉で語り、相手が理解してくれるように伝える力も重要です。弊社では、バリューズの一つで、「意思と意図を持って判断する」というものがあります。「あなたはどう思いますか?」と聞かれてしっかりと応えられるというのは、ちゃんと自分で考えている、そして自分の言葉で答えているということだと思います。
応募時点でミッションに必ずしも共感していただいている必要があるわけではなくて、どんな意思と意図を持っているのか、どういうところにモチベーションを持っているのかが大事になります。ご自身でお考えをしっかりと持って、ご自身の判断基準でSansanを選んでくれたらいいなと思います。
本多
Sansanの事業、組織風土について、とてもよく分かるインタビュ-でした。本日は、誠にありがとうございました!
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