株式会社よりそう ~ライフエンディング業界にパラダイムシフトを起こす~
終活や葬儀などの領域を含む「ライフエンディング業界」をご存知でしょうか?よりそうは、そんなライフエンディング業界にアプローチした全国統一・明瞭価格の葬儀サービス「よりそうのお葬式」や、使用者数No.1の僧侶手配サービス「お坊さん便」などを提供しています。どのような組織なのか?また、どのような人が活躍して働いているのか?よりそうの内部に迫っていきたいと思います。
目次
篠崎 新悟さん
前職では経営者を務めておりました。経営者として「不の解消」を推進できるフィールドはどこかという風に考えていた時に、このライフエンディングマーケットと出会い、今年の4月からよりそうにご入社されております。取締役COOを担当されております。
石井 旬さん
エンジニアとして自身のノウハウやスキルを活かして世の中の役に立てるフィールドを探していた際に、よりそうと出会い、ご入社されております。前職ではSIer、事業会社をご経験されており、よりそうではシステム部部長代理を担当されております。
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ライフエンディング業界における よりそうの事業とは?
ライフエンディング業界のマーケットについて
本多
そもそもライフエンディング業界についてご存知ない方も多いと思います。御社が対象とするライフエンディング業界とは、どのようなマーケットなのでしょうか?
篠崎さん
葬儀に目を向けてみると、大手上位5社がマーケットで占めるシェアが1割を切っている状況です。いわゆるLocal to Localで、中小規模の企業様が中心のマーケットです。
中小規模の葬儀社様は、生産性を上げる投資ができなかったり、集客課題に直面しているという特徴があるので、全国対応というスケールメリットを活かした価値提供や、業界のサービスレベルを上げるための経営支援が課題として挙げられております。
一方でお客様側に目を向けると、この業界ならではの特徴ですが、身近な方がお亡くなりになった時、多くの場合、葬儀社さんを大至急探さなければならない状況になります。そんな時に「だれに何を頼めばいいのか」「どこに頼むのが一番いいのか」等を判断しづらい「情報の非対称性」が大きな問題としてありました。
以上のような課題や問題に対して、ご遺族の方と葬儀社の方の双方にメリットがある事業を展開しているのが、よりそうとなります。
石井さん
今篠崎が申し上げた通りですが、この業界自体が地場に根付いた産業です。古くからの業態ですので、関わっている方々も年配の方が多く、それこそPC操作に不慣れな方や、メールやSMSではなく電話やFAXを中心に利用する方もいたりする状況です。
こういった非効率な部分がまだまだ沢山あると感じていますので、いかにITの力を使って業界に切り込んでいけるかが、取り組むべき課題だと考えています。
よりそうのライフエンディング事業とは?
本多
御社のライフエンディング事業について、創業時からどのように展開されてきたのかを教えてください。
篠崎さん
ファーストステップでは、統一価格のパッケージ商品を作りました。先に申し上げた通り、ライフエンディング業界は「情報の非対称性」が課題であるマーケットです。事前の準備をされていなかったお客様は、「どのような葬儀をどこにお願いするのか」の情報を入手しづらく、意思決定することが難しい環境になっています。そのため、「比較の価値」ではなく「わかりやすさ」を優先し、独自のパッケージ開発に力をいれてきました。
セカンドステップでは、周辺サービスを展開させました。ある方がお亡くなりになられた後、葬儀だけでなく四十九日法要や仏壇仏具、位牌、お墓、相続など、他のニーズが多岐にわたっていましたので、これらをサービスとして固めていきました。
サードステップでは、『よりそう』という形でブランドを統合させました。このブランド統合は、「ライフエンディングに関わるサービスをトータルでサポートできる会社にしていく」という意思表示の意味を込めています。このブランド統合により、ライフエンディング業界におけるプラットフォーマーとしての歩みを進めていきたいと思ってます。
本多
技術的な観点で、石井さんから補足などございますでしょうか?
石井さん
Face to Faceのやりとりがすごく重要な領域なので、それをいかにデジタルに持っていくか、という課題があります。
そこへのチャレンジとして、例えば、お客様からお電話があった際には、すぐにどなたかが分かるよう、弊社のコールセンターにCTIを入れたり、お客様とスムーズにやり取りができるようにCRMのシステムを繋げたりしています。
また、弊社と提携を結んでいる葬儀社様が、より円滑に業務に取り組めるようなシステムを提供していければと思っています。
よりそうがいま一番注力していること
本多
今後に関して、御社がいま一番注力されていることは何ですか?
篠崎さん
次世代における圧倒的なWebサービスの構築だと思っています。よりそうの事業は、リアルでの接点が非常に求められる側面があります。店舗を持たない「よりそう」は、全体のサービスをWebで完結できるよう構築した上で、コールセンターを主軸とするリアルサービスを設計していくことが重要だと捉えています。
石井さん
それに付け加えると、社内でデータ分析基盤の構築を進めています。弊社はWebマーケティングに強みがありまして、データの可視化に取り組んでいます。今までは感覚半分、データ半分という「人依存」の部分がありました。しかし、組織も大きくなってきたこともあり、今後はよりデータドリブンな意思決定ができる仕組みが必要になるので、データ分析基盤の構築を早急に進めているところです。
よりそうという組織について
組織づくりにおける2つの工夫 ~共有と賞賛~
本多
次に組織についてのお話をさせて頂きます。拡大・成長を続けている御社としては、事業も多岐にわたっているので、事業効果を最大化させるための「組織づくり」が重要になってくると思います。組織づくりに関して、工夫されていることはありますか?
篠崎さん
そもそも、今よりそうに入ってきてくださる方は大きく2つに分けられます。社会貢献性の高い事業内容や我々のミッション・ビジョンに共感してくれる方。そして、ビジネスの今後のスケール、白地の大きさに興味関心を募らせてくれる方です。そういった方々を目の前にしながら、より力強い事業を生み出していく組織づくりを日々考えています。
それでいうと、1点目が、いかに仕事の面白さを経営層やマネジメントサイドが伝えるかだと思っています。我々の事業がどこに向かっていくか、経営層が何を考えているか、そもそも世の中の課題に気づいているかなどを、3か月に1回の方針説明会にて説明しています。
2点目が、期待に応えてくれた方のモチベーションを上げる「賞賛」をしっかり行うことに加えて、その仕事のテクニックを伝播させていく「共有」もしっかり行う、「共有と賞賛」のナレッジマネジメントを実践している点だと思います。例えば、全体で行う表彰(賞賛)の機会では、ちゃんとその人の仕事の「何がすごかったのか」「何故それができたのか」「明日から使うとしたらどこにポイントがあるのか」の言語化(共有)を行っています。
本多
エンジニアの組織でも、「賞賛と共有」の文化は浸透しておりますか?
石井さん
そうですね。例えば、経営会議や上長が集まる会議の出席者は一部の者ですけれども、チーム内には必ず発信・共有します。賞賛についても、エンジニア組織でしっかり浸透しているなと思っています。
エンジニア組織特有のものでいくと、当事者意識の醸成とフラットな関係構築を意識しています。例えば、新しく入った方には気づけないことがあったりしますので、知っている人が何か少しでも気づきを与えることで、「当事者意識」を育むきっかけを作っています。また、意見を言いにくい場所にはしたくないので、私もメンバーに「何か気づいたことがあったら言ってほしい」と伝え、フラットなコミュニケーションを心がけています。
よりそうの採用と活躍する人物像
本多
よりそうの採用についてのお考えをお聞かせください。
篠崎さん
表層的な会話というより、ディスカッションスタイルをとっています。入社後に齟齬があってもお互いもったいないので、我々が期待していることに対して結果を出せる人なのかを、丁寧なコミュニケーションを取って判断しています。
もう少し具体的なことで言うと、エンジニアの皆様だったら専門性はもちろん、自己変革力や当事者意識の高い方に来ていただきたいと思っています。我々はプロを育てたいので、業界の中でのプロフェッショナルな仕事を我々が支援しながら、その筋で名の通る方になっていただきたいと思っています。自己変革力と当事者意識が、求めるコンピテンシーになってきます。
本多
中途入社で活躍されている方は、どのような方でしょうか?
石井さん
エンジニアでは、例えばSIer出身で活躍している方がいます。弊社のビジネスモデルとして、お客様がいて、我々がいて、パートナーがいて、と複雑な関係があります。業務としても複雑な部分があり、新しいことを始めるにしても気を付けなくてはならないポイントがあります。そのため、業務の分析が正確にできないと上手くシステム化できないことが多々あります。
SIer出身の方は、問題解決や業務分析に取り組んだ経験がある方もいて、SIerで培ったノウハウ、スキルを活かして活躍されています。
篠崎さん
僕も同じようなことを考えています。我々の組織は機能が多いんですね。システム部は全体を支えているんですけれども、他にも営業組織、マーケ系の組織、我々の組織の特徴とも言えるコールセンター組織というものもあります。これらの組織の機能が連なってバリューを発揮するので、連携が必要になるんです。
なので、近視眼的な仕事の仕方ではなく、ちゃんと事業全体を見るとか、他の組織と連携しながら情報を集めて、過去の取り組みを疑うとか。そういった発想を持っている方が大きな成果を出すシーンが多いと思います。
最後に
本多
率直に申し上げますと、ライフエンディング業界に対して、そもそも知らない、わからないとか、死や葬儀へのネガティブな印象を持つ求職者様も、少なからずいるのではないかと思っています。そういったネガティブな印象を持っている求職者様に対して、「よりそうはこういうところが面白いよ」とアピールするとしたら、どのようなアピールをされますか?
篠崎さん
社会貢献性の高いサービスに携われる点と、ビジネスのスケールがワイドである点です。
まず1点目についてですが、職業柄、お客様から直接感謝の声を頂くことが多いんです。人生の中でも大変精神的に厳しいタイミングに陥っている方にサービスを提供する、という事業特性もあるので、そういう場面で価値提供できる事業自体が尊いと思っています。
2点目についてですが、ライフエンディング業界におけるマーケットは、事業の広がりに関して、パラダイムシフトが起こっていないんです。例えば、対峙しているお客様は基本的に50~70代の喪主さんが多いのですが、自分の大事な意思決定時にデバイスやITを活用するまでには利用態度は上がりきっていません。
さらに、今後お亡くなりになる方が20年間増え続けるマーケットなので、マーケットが広がるし、そこに対する我々のお客様も広がり続けます。その中で、お困りごとのシーンが非常に多岐にわたっているという掛け合わせなので、提供価値を生み出す白地が広がる、そこに生まれるクロスセル、CRMの支援など考えると、どこから手を付ければいいのかといった状況です。
石井さん
何年か前にデジタルトランスフォーメーションという言葉が流行りましたが、この業界はIT化、IoT化が進んでいない状況にあります。そういった中で、ライフエンディング業界における「テックリーディングカンパニー」として、エンジニアの腕を使ってデジタルトランスフォーメーションを推進していくところにやりがいがあると私は思います。
電話やFAXが中心であったり、メールも含めデジタル化はまだまだこれからです。対面での部分を大事にしつつ、Web化もして便利な環境を作り、情報の非対称性を解消していくというところには、私自身、エンジニアとして一番腕を発揮できる部分かと思っています。そういったところに面白味を感じて頂けるのではないかと思います。
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