株式会社エアークローゼットのビジネスモデル分析!目的先行の事業に迫る【ファッションテック企業に転職】
ファッションアイテムのシェア事業を展開する株式会社エアークローゼットとは、どのような会社なのでしょうか。提供サービスやビジネスモデル、転職事例から社風まで幅広く紹介します。ファッションテック企業やスタートアップ企業に転職したい方はぜひ参考にしてください。
目次
株式会社エアークローゼットの概要
ファッションテック業界は順調に成長を続け、ITを活用した様々なサービスが生み出されています。
2015年に洋服のレンタル事業「airCloset」を開始した株式会社エアークローゼット(以下エアークローゼット)もそのひとつです。
「ファッションテック」という言葉が現在ほど広まっていない時期から、同社はファッション×ITに目をつけていました。
女性向けのファッションレンタルを続けてきましたが、今後はターゲットユーザーを拡大する見込みです。
またファッション以外の分野へのサービス拡大に向けて動いています。
ユーザーが求めるものをユーザー視点で考えるエアークローゼットの全貌に迫ります。
株式会社エアークローゼットのビジネスモデル
新規事業を立ち上げる場合、まずは収益モデルを考えて事業継続の筋道を立てるのがセオリーです。
しかしエアークローゼットでは収益よりも事業の「目的」を重視しました。
目的を達成するためにビジネスモデルを構築したのです。
エアークローゼットのビジネスモデルや事業コスト、そのカバーリングについてご紹介します。
ユーザーに新しい体験を提供する
VRやARを使ったバーチャル試着サービスにより、ユーザーは気になる服を簡単に試せるようになりました。
しかし服を選ぶのはあくまで自分自身です。
自分にはこういう服が似合う、という固定概念から抜け出せないユーザーはいつも同じような服を試着することになります。
そこでエアークローゼットは、今までにない新しい顧客体験としてプロのスタイリストによるスタイリングに着目しました。
日頃のコーディネートをプロに依頼しているユーザーはほとんどいないはずです。
プロの目、そして第三者の目でセレクトする洋服は、ユーザーに新しい気付きを与えてくれるでしょう。
また自分のためだけのコーディネートを提案してもらう「特別感」も得られます。
洋服のシェアサービスのサブスクリプション利用料が月6,800円。これが収益源のひとつです。
運用コストは各種販売でカバー
洋服をレンタルした場合、クリーニングをしてから返却するのが一般的でしたが、airClosetは違います。
ユーザーは返送するだけでクリーニングの手間は不要。クリーニングを行うのはパートナー企業です。
そのため服のメンテナンスにコストがかかっています。
レンタルで使用して古くなった服は買取希望のユーザーが買い取るか、ユーズド製品として低価格で販売します。
できるだけ良好な状態を長く保てれば買取価格をさほど下げずに済むでしょう。
クリーニングのコストをかけてでも商品の質を高く保ち、ユーザー満足度を向上させています。
その他Webサイトの運用やAIシステムの整備にもコストがかかるのは当然です。
しかしメンテナンスやサイト運用などのコストはairClosetにとって必要なコストといえます。
サービスの質を保つ上で、簡単に削減できるものではありません。
こうしたコストは、AIで収集したビッグデータやユーズド商品の販売でカバーしています。
株式会社エアークローゼットが解決する社会課題
ファッション業界には「流行」がつきものであり、airClosetのユーザーは流行に敏感な層が大半を占めるでしょう。
流行が終わった洋服の多くは廃棄されます。これが「アパレル廃棄問題」です。
エアークローゼットはSDGsを推進し、アパレル廃棄問題をはじめとする地球規模の課題解決に取り組んでいます。
着られる服を着たい人に着てもらう
有名ブランドと手を組み、着なくなった服や古くなった服を回収し、活かす取り組みがなされています。
あまり袖を通していない服であればairClosetでシェアが可能ですし、販売することもできるでしょう。
エアークローゼットは洋服のレンタルサービスを通じてメンテナンスのノウハウを蓄積してきました。
これにより、回収した衣服を念入りにメンテナンスし、シェア商品として活用しています。
またシェアに出せないものも決して無駄にしません。これらは資源として再利用します。
あらゆる格差をなくす
衣類という資源が簡単に廃棄されてしまう国もあれば、資源が枯渇して貧しい生活を余儀なくされる国もあります。
そこでエアークローゼットは「サスティナブルドネーション」という寄付プロジェクトを立ち上げました。
事業収益の一部をこうした国の人々に寄付し、持続可能な支援の実現を目指します。
株式会社エアークローゼットの今後の事業展開
エアークローゼットはファッションテック業界で培ったノウハウを元に、新しい事業展開を見据えています。
その一例をご紹介します。
ターゲットユーザーの拡大
airClosetは女性向けのファッションシェアサービスを提供していますが、それだけでは終わりません。
男性・シニア層・子どもやマタニティ向けのファッションシェア開始を見据えています。
子ども服やマタニティファッションは着る時期や期間が限定されるため、シェアサービスとの相性は抜群なのではないでしょうか。
ターゲットが変わることで収集データは更に増えるはずです。そうなればデータサイエンスやAIのスキルが必要とされるでしょう。
レンタル需要がある分野に進出
商品購入前に試しに使ってみたいけれど試せる場所やサービスがない、といったユーザーの悩みに応えるサービスが開始されています。
例えばマットレスや美顔器など、店頭にサンプルがあっても実際の使用環境での使用が難しい商品です。
こうしたものをレンタルで試せる「airCloset Mall」サービスを提供中です。
転職採用例
ファッションのシェアサービスを展開するエアークローゼットは、過去にどういった求人を出しているのでしょうか。
実際の転職求人案件をご紹介します。
Webデザイナー
エアークローゼットのWebデザイナーが担うのは、サイトやアプリのデザインだけではありません。
商品をユーザーに届けるためのパッケージや各種チラシなど、あらゆる物のデザインを任されます。
またデザインという「見た目」にこだわるのではなく、ユーザーの利便性を向上させるデザインが求められるでしょう。
年収例:350〜500万円
データサイエンティスト
スタイリストの提案に対するユーザーの声を聴き、それをスタイリストの提案に活かしてユーザーの声を聴く。
こうしたサイクルによってairClosetは膨大なデータを収集しています。
これらをユーザーや新しい事業のために活用するのがデータサイエンティストです。
データの分析を通してユーザー個人の好みを可視化することが大きなミッションといえます。
SQLの利用経験や統計学の知識が必要な職種です。
年収例:360万円〜
フロントエンドエンジニア
ユーザーフレンドリーなWebサイトの開発を、Webデザイナーとともに進めていきます。
管理画面やキャンペーンサイト、API開発など幅広い業務内容です。
ゆくゆくはフルスタックエンジニアとして活躍できる人材が求められています。
これは多くのIT企業に共通していることではないでしょうか。
年収例:360〜500万円
株式会社エアークローゼットの転職ポイント
エアークローゼットでは従業員全員が「9 Hearts」という行動指針に基づいて業務を行っています。
例えばユーザーファーストの考え方をすること、失敗を恐れない積極性を持つことなど、特別な項目はありません。
しかし胸を張って「自分はできている」と言える方が少ない項目でもあります。
まずはエアークローゼットの行動指針を理解し、行動できる人材が求められるでしょう。
またエアークローゼットはファッションのレンタル・シェアという新しい価値を創出した企業です。
服は買うもの、所有するものという固定概念を打ち破ったといえます。
古い「当たり前」を新しい「当たり前」に変えていける人材が活躍できる企業です。
それとともに、こうした新しい価値に気付いたら即行動に移せる力も必要です。
頭で考えるよりも行動を起こし、考えながら何かを作っていくことが求められます。
株式会社エアークローゼットの会社情報
ファッションのシェアサービスを行う企業は複数ありますが、日本でこうしたサービスを最初に開始したのはエアークローゼットでした。
ユーザーに新しい体験を提供する同社は、どんな雰囲気なのでしょうか。
ニックネームが飛び交うエアークローゼット
エアークローゼットの特徴的な文化として挙げられるのが「ニックネーム」の活用です。
入社の際に周囲から呼んでもらいたいニックネームを決め、以降はそのニックネームで呼ばれることになります。
もちろん誰かを呼ぶ際はニックネームです。
もうひとつ面白い文化に「握手」があります。
毎日退勤するとき、会社に残っている社員全員と握手をして業務を終えるのです。
握手の一瞬に交わされるちょっとした会話が、組織の結束に欠かせないものなのではないでしょうか。
ユーザー視点の提案は職位・職種に限らずフリー
UXについて意見や提案がある場合、職種や職位に関係なく発信できる環境です。
ユーザーに直接サービスを提供している同社にとって、ユーザーボイスは企業の今後を大きく変える存在だといえます。
たとえそれがユーザーでなくても、ユーザー視点に立った考えというのは大きなヒントになり得るでしょう。
【GeeklyReview】エアークローゼットの口コミを見る
まとめ
ファッションテック市場は拡大傾向にあり、アパレル事業にITを活用する企業が次々に誕生しています。
こうしたファッションテック業界で活躍するためには、独自性・特異性を持つ企業を選ぶことが大切です。
また企業の中で自分自身が独自性・特異性を持つ人材であることも求められます。
ファッションテック企業への転職を考えている方は、ぜひ転職エージェントにご相談ください。
ご自身の経験やスキルにマッチした企業をご提案いたします。
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