【完全週休2日制】と【週休2日制】の違いとは?企業選びで抑えておきたいポイント!
週休2日制と完全週休2日制の違いについてご存知ですか?
名前は酷似していますが、実は全くの別物なんです。知らないと痛い目を見るこの二つの違いについて徹底解説していきます!休日出勤したはずなのに残業代が増えている、などのよくありがちな悩みの正体を、元人事部勤務の筆者が徹底解説します!
目次
週休2日制と完全週休2日制は全くの別物!
週休2日制ってどういうもの?
週休2日制は、「1ヶ月のうち最低1週は休みが2回ある週が存在している」ことを意味します。つまり休みが1日しかない週が3回続いても、1ヶ月の中で最低1週2日の休みが取れていれば問題はありません。
例えば「半期に1回だけ全体会議のために土曜日の出勤がある」というパターンは休日の日数だけ見れば完全週休2日制と差がないように思えますが、これも週休2日制に当てはまります。
完全週休2日制ってどういうもの?
毎週2日の休みが必ず確保されているのが完全週休2日制です。
曜日の指定はありませんので、毎週平日に2日休みがあるというのも完全週休2日制に含まれます。
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法定休日と所定休日の違いって?
実は労働者に認められている休日は月4日しかありません。知っていましたか?
4日 × 12ヶ月 で、年間48日の休みしか取らせなくても、法律上なんの問題もありません。これはかなり極端な例ですが。
そしてこの月4回の休みは法定休日と言います。もう1つの休日は所定休日、企業が独自に定めた休日のことです。
それぞれどういった休日なのか、解説していきます。
法定休日は法律で定められた労働者の権利
労働基準法では月4回の法定休日を設けることを定めています。
これを勝手に減らすことは認められていませんし、月4回の休みを取らせずに働かせることは歴とした犯罪行為です。
(参考:厚生労働省)
所定休日は会社が独自に定めた休暇のこと
法定休日以上に設けられている休日は全て企業が独自に定めた休日になります。
これを所定休日といい、あとから勝手に増減させることはできません。
例えば年間休日が120日あると聞いて入社したのに、実は100日を切っていたという状況は明らかな詐称になります。
会社が用意したカレンダー通りの休みが取得できなかった場合、会社は割増賃金を支払わなくてはなりません。いわゆる残業代や、休日出勤手当などです。
そのほか休日の制度
ちなみに週休2日制、完全週休2日制のほかにも、週休1日制、隔週休2日制、シフト勤務制というようにさまざまな制度があります。
週休1日制をとることが難しい業種では、変形休日制と呼ばれる制度になっていることもあります。
「4週間のうちに4日以上の休日を与える場合は、週休1日を確保しなくてもよい」という法律に則ったもので、例えば建設業などで採用されているケースが見られます。
繁忙期の商戦が大事とされる企業では、繁忙月のみ週休1日、それ以外は基本的に週休2日というパターンや、飲食店に多い「月曜日は毎週休みで、偶数週のみ水曜日も定休日」というパターンなどもあります。
休日出勤なのに残業扱い?給与計算のワナとは!
法定休日は法律によって定められた、月4回の休日のことと説明しました。基本的に法定休日を削ることは許されていません。
しかし、基本給を時給換算して時給に1.35倍の割増賃金を支払うことで法定休日を削っての出勤を命じることができます。
法定休日と所定休日で割増賃金が異なるカラクリ
所定休日の話に戻りましょう。
所定休日が8日ある企業を仮定してみます。8日のうち4日までは法定休日、上乗せされた4日は所定休日となりますが、上乗せされた4日は企業が独自に定めた休日です。
所定休日を削って休日出勤を命じる場合にも、割増賃金を支払わなければなりません。
しかし、所定休日を削る場合、法定休日とは計算方法が異なります。
所定休日を削って出勤した場合、基本給の時給換算に1.25をかけた金額を支払うことが定められています。残業代の計算方法と同じです。
休日出勤とは、あくまで法定休日を削った場合にのみ適用される概念で、所定休日を削っただけでは週40時間を超えた残業、という区分になってしまうということ。
休みを返上していますが、残業扱いになるということです。
休日出勤になるのは法定休日を切ったときだけ!
これから企業を選ぶときには、こうした休日の区分けを知っているとかなり企業の本質が見抜きやすくなります。
選ぶときには完全週休2日制の企業を優先的に選ぶとワークライフバランスが保てるでしょう。
2つの休日パターンあなたはどちらに向いている?
完全週休2日制に向いているタイプ
完全週休2日制が向いているのは、年間を通して時期を問わず安定して休みたい人です。
年間休日日数が120日以上であれば、祝日やお盆・年末年始も含めて十分な休日が確保できます。
と言っても、完全週休2日制でなくても年間休日日数が120日程度あれば同等の休日があることになります。
「年間に実際どれだけ休めるか」を確認して自分のライフバランスに合う休日制度を選びましょう。
週休2日制に向いているタイプ
週休2日制のメリットは、「休みが少ない週は1日あたりの労働時間が8時間よりも短くなる」ことにあります。
曜日によって労働時間が異なる、半日出勤の日が複数回含まれるといった変則パターンも考えられます。
つまりこだわりが「休日日数」ではなく「1日にとれるプライベートの時間」の場合、もしくは体力的な問題がある場合など、1日の労働時間を減らしたい人は週休2日制が向いています。
話題のブラック企業を見分ける簡単な方法を伝授!
休暇などの待遇面を質問するのはすこしはばかられますが、求人票や企業ページ等で分からなかったことは面接で質問するようにしましょう。
そもそも週休2日の企業であっても週40時間を超えた労働時間分の残業代は支給されますので、企業側はなにもやましく感じる必要はありません。堂々と説明すればいいだけなのに、そこで口ごもるというのはなにか裏を感じてしまいますよね。
ブラック企業でなくとも残業が多い会社は存在しますが、仕事に熱中したい方はむしろこうした週休2日制の企業の方が成長できるかもしれません。
お金も稼げますし、成長にも繋がります、求めているキャリアを実現できそうな企業を選びましょう。
ミスマッチを防ぐためにも、休日の制度についてはしっかり聞いておきましょう。
もう騙されない、年間休日の落とし穴とは?
中には年間休日を多く見積もって新卒や転職者を誘い込む企業もありますが、こうした企業も質問をすることである程度見破ることができます。
そもそも週休2日制で年間休日を120日以上確保するのはほぼ不可能です。
有給を使わずに公休だけで連休を何度か取得させなければ実現できません、社員が年に何度も長期休暇を取得する必要が生まれ、現場にかなり負荷がかかります。
企業の実情を知るためには、年間休日よりも週休2日か完全週休2日かを確かめたほうが確実です。
週休2日か完全週休2日かを見極める
転職エージェントを通して転職する場合には、エージェントに相談するのが一番確実で手っ取り早い方法です。
企業をスクリーニングする時点で休日制度をはっきり指定しておけば、確実に希望にあった休日制度の企業を紹介してもらえます。
むしろ重要なのは自分自身の求めるワークライフバランスを実現するためにはどちらの休日制度を選ぶか、といった点でしょう。
労働基準法は最低限備えておくべき知識
労働者には多くの権利が認められていますが、そうした権利を主張できない方が多く存在しています。
企業が認めてくれないという声をよく聞きますが、あなたの権利を認めるのは企業ではなく国や法律です。
権利を正しく履行するためにも、まずは最低限の知識を身につける必要があります。
適切な知識が身につくと、面接や企業研究の時点で自分にあった企業を見つけられるようになるでしょう。
自分に合った企業を見つけてQOLを向上させよう
一概に週休2日の企業が悪いというわけではありません。
本人がどのように人生を豊かにしていくか、という観点で企業を選ぶと良いでしょう。
最近は休みが多く残業が少ない企業がもてはやされていますが、それだけが全てではないようにも思えます。
こうした労働に関する基本的な知識をしっかり身につけて、QOLを高めていきましょう。
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