良い会社とは?│良い会社と悪い会社の特徴と優良企業の選び方
転職活動をしていると「良い会社の特徴」や「悪い会社の特徴」という記事や情報を見かけるかと思います。転職するのであれば誰しもが「良い会社」に転職したいですよね。本記事では良い会社の判断基準と会社の良し悪しを判断する際の注意点を解説します。後悔のない転職活動をするためにも、良い会社の条件、見分け方を把握しておくと良いでしょう。
目次
「良い会社」には2つの種類がある
まず初めに、「いい会社」という言葉の意味を考えてみましょう。
「いい会社」には、「主観的に見た」いい会社と、「客観的に見た」いい会社の2種類に分けることができます。
主観的に見た「良い会社」
主観とは、自分自身の考えや意見に基づくものの見方のことです。人は自身が見たものや聞いたことから自分で考え、推測を行います。
例えば「雰囲気がよく感じるから、この会社はよい会社なのだろう」「働いてる人が楽しそうに見えるから、この会社はよい会社だと思う」などが主観です。
あくまで個人の考えであるため、傍から見たら「ブラック企業」と思われるような会社であっても、主観的に見てよいと感じることもあります。
つまり、「36協定を大きく超える残業時間があり、残業代はなし。給与は最低水準。だけれども、自分はこの会社はよい会社だと思う」ということもあり得ます。
客観的に見た「良い会社」
一方、客観は定量的な事実やデータに基づくものの見方を意味します。
「この会社の経常利益が○億円、平均所得が○万円で他社より高い。そのため他社よりよい会社だと考えられる」といったように、 誰か個人の考えや意見ではなく、データに基づき相対的に判断することです。
先程の例であれば、「36協定を大きく超える残業時間がある会社」「残業代がない会社」「最低水準の給与しかもらえない会社」は、客観的に見てよい会社とはいえないということになります。
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客観的な基準を理解しよう
「よい会社」とは主観に基づいて判断することも多く、そのため「よい会社は人それぞれ」という結論に至ってしまいがちです。
しかし、多くの人が持つ共通認識のもと、客観的な基準から「よい会社」を考えることは可能です。
また、「よい会社」で充実し満足しながら働く上でも、客観的な判断基準で何があればよい会社と考えられるのかを知っておくことは有効でしょう。
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「良い会社」の客観的基準9選
「よい会社」の客観的基準9つをご紹介します。
①高い利益を上げている
会社とは、ビジネスを通じ、利益を上げることを目的としています。
そのため「よい会社」の基準の1つとして、優れたビジネスモデルを持ち、高い利益を上げている会社が該当します。
高い利益の背景には、優れた制度が整っており、優秀な人材が定着していること、長く働きたい環境であることなどが挙げられるでしょう。
②復職・出戻り社員の多さ
結婚や出産などで一度会社から離れた人や、退職者からの評判がよく、「また働きたい」「あの会社で働けたことを誇りに思う」「あの会社で働くことをおすすめする」 といった声が聞こえるような会社も、よい会社である可能性が高いです。
具体的な判断基準としては、結婚や出産などで休職した人の復職率の高さや、出戻りの社員の多さが指標となります。
③労働時間が少ない
同額の収益を上げている会社を比べたときに、従業員の労働時間が少ない会社のほうが生産性の高いビジネスを行っているということになります。
同じように同額の給与をもらうのであれば、働かなければいけない時間が少ないほうが、従業員にとっても喜ばしいことでしょう。
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④「従業員のキャリア」に関する発言が多い
上司や人事担当者が、部下や従業員のキャリアを真剣に考えてくれる会社はよい会社である可能性が高いです。
具体的な指標としては経営陣や上司、人事担当者からの、個人のキャリアに関する発言量です。
例えば採用前の人事面談時に「この仕事はあなたのキャリアになりますか」といった質問をしてくれたり、上司が部下のキャリアに対する発言を頻繁にしたりする会社は、人を育てようとする風土があると考えられます。
⑤雇用形態の選択肢が多い
雇用形態の選択肢が多いことも、よい会社の判断基準の1つです。
社員ひとりひとりの状況や属性に応じた制度を整える余白があり、社員のポテンシャルが遺憾なく発揮できるような体制を整えていることを意味するからです。
フレックス勤務、時短勤務、リモートワークなど、どのような種類の雇用形態があるのか、そしてそれを選ぶことができるかどうかを事前に確認するとよいでしょう。
⑥給与が他社より高い
優れたビジネスモデルを持っている会社で、会社に多くの利益が上がるだけでは、実際に働く上でよい会社であるとはいえません。
その利益が正当に従業員に還元されることも重要でしょう。
優れたビジネスモデルを持つ企業において、経営陣が「人こそが資産である」と考えているのであれば、必然的に同業他社よりも配分される給与は多くなります。
働く上で、「給与が多くもらえるからよい会社である」というだけではなく、よい会社は従業員を大事にする姿勢があり、その姿勢が従業員の給与という客観的指標に現れます。
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⑦有給消化率が高い
有給消化率の高さは、社員がある程度余裕を持って働けていることを意味します。したがって、有給消化率はそのまま働きやすさの指標として考えることができます。
また、人は仕事に余裕がある状態であれば、何か新しいことを学んだり、これまでと異なる仕事の進め方を試したりといったクリエイティブな活動ができるようになります。
さらに、休みが取りやすければ余暇の時間でリフレッシュしやすいため、普段の業務にも集中力高く取り組むことができます。
反対に、簡単に休みが取りにくい会社は、常に従業員がフル稼働していることを意味します。人がフル稼働しているような職場では、従業員が疲弊しやすく個人の持つ創造性も発揮しにくいでしょう。
⑧「年下の上司・年上の部下」が多い
いい会社の特徴としては人事評価の公平感があることが挙げられます。
人事評価の公平感は、具体的には若くして成果を上げれば早く出世し、より責任あるポストを任せてもらえることに現れます。
つまり、年齢の低い役職者が多く存在することが、いい会社である客観的な判断基準となります。
➈退職率が高すぎない
退職率もいい会社であることを示す客観的な判断基準の1つです。退職率が低ければ、その会社の居心地がよく、従業員が愛着を持って働いていることが伺えます。
しかし、退職率は低ければ低いほどよい会社であるというわけではありません。
例えば多くの起業家を排出し、就職の人気も高いリクルートホールディングスでは、定年退職をする社員がほとんどいないことでも知られています。
ただし、あまりにも短期間に退職率の高い会社は、問題があることが多いです。
新卒社員の場合、企業を平均すると概ね3年で3割の社員が退職するといわれていますが、この「3年で3割」という退職率の割合を大きく超えるような会社には注意しましょう。
「会社の良し悪し」を判断するときの注意点
客観的な視点で「会社の良し悪し」を考える上で、あまり参考にしないほうがよいポイントについても解説します。
企業理念
多くの会社は、企業理念やミッション、ビジョンを定めています。社訓を毎朝全社員に読み上げさせるような会社もあるでしょう。
そのようなエピソードを聞いたり、美しい企業理念とストーリーを目の当たりにすると、「この会社は素晴らしい会社だ」と判断してしまいそうになります。
しかし大切なのは、 どんな美しい理念を持っているかではありません。
企業理念が社員に浸透しているか、日々の業務に企業理念が反映されているか、ビジネスモデルや企業の経営方針と企業理念に一貫性があるかが重要です。
会社によっては、企業理念が見事に体現されたビジョナリーな経営をしている会社もあれば、掲げている理念と実際の業務の進め方や内容が著しく乖離しているような会社も見られます。
企業理念が美しいからといって、必ずしもよい会社ばかりではないという点に注意しましょう。
企業の大きさ
企業は、必ずしも大きければよい会社というわけではありません。
中小や零細といわれるような規模の会社であっても、世界有数の技術を有していたり、高付加価値高利益のビジネスを持っていることもあるでしょう。
よい会社の定義には、規模の大きさはあまり影響しません。
知名度
同様に、企業の知名度も企業の良し悪しを分ける判断基準ではありません。
一般的に知名度が高い企業は 「BtoCのビジネスを経営する企業」もしくは「メディアによく取り上げられる企業」が多いでしょう。
しかし実際には、一案件あたりの単価やリピート率が高い商品を扱うことが多く、安定したビジネスモデルを構築しやすいのはBtoBの企業です。
昔ながらの安定した優良顧客を多く持つ老舗や、盤石なビジネスモデルを構築している会社は、奇抜さがないためメディアにあまり取り上げられないものの、よい会社の基準に該当するケースもあります。
よい会社で働きたいと考えたときに、「名前を聞いたことがある・ない」を判断基準にしてしまわないようにしましょう。
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