【あなたは知っていますか?】「賃金に含まれるものってなに?」を徹底解説!
労働の対価として毎月会社から支払われる給料。しかしその内訳には賃金として含まれるものと賃金としては含まれないものがあるのはご存知でしょうか?これらの違いを詳しく把握する事は労働に見合った給料を受け取る上でも大切なポイントです。今回は賃金に含まれるものを中心に賃金について紹介していきます。
目次
会社からの給料=賃金ではない?
労働の対価として会社から支払われるお金には給与、給料、賃金と様々な言い方がありますが、会社から支払われるもの全てがこれらに当てはまるわけではないというのはご存知でしょうか?
法律の中でも使い分け、定義分けがそれぞれの関連する法律で違ったりと扱いが明確ではないこれらの会社から支払われる金銭ですがその支払う理由によって区分けされます。
特に保険料を決める時などの参考になる値になったりするのでその括りの違いについて把握しておく事をおすすめします。
また賃金と聞くと「最低賃金」という言葉もありますがその括りは同一ではありません。最低賃金は言い方を変えると「基本給」で毎月、最低限保証されている給与です。
しかし賃金にはそれ以外にも毎月支払われる支払いも毎月は支払われないものも含まれます。賃金の記入を求められて最低賃金を書いてしまうと誤りになってしまうので注意しましょう。
賃金とは労働の対価に支払われるもの
賃金の定義は人によって境界線の異なるものですが、法律的に見てみると労働の対価として支払われるものという定義をする事が可能です。
会社から個人に支払われる金銭には厳密に見ていくと労働の対価と言えるものと言えないものがあり、それが給与全体から見た賃金に含まれるものと含まれないものの差なのです。
賃金支払いの5原則を覚えると分かりやすい
労働に対しての法律である労働基準法には賃金支払いの5原則というものがあります。これを頭に入れておくと以下で紹介する賃金に含まれるものの違いが分かりやすいです。
ただしこれらの賃金支払いの5原則はあくまでも原則であり、例外もあるので注意が必要です。
以下がそれぞれの原則の項目になります。
通貨払いの原則
賃金は基本的に現金で支払う事を定める原則です。これは現物支給や外国の通貨、小切手などでの支払いを禁止するものです。
いきなり例外のある原則ですが、現在は労働者の同意を得た上で銀行に振り込む事は例外として認められています。
直接払いの原則
会社が賃金を支払う相手は必ず労働者本人でなければいけないという原則です。
例え労働者が未成年であったとしても親権者である事を理由に支払いを受ける事、また労働者が代理人を立てる事を禁止しています。
全額払いの原則
賃金の支払いは基本的に全額を一度にまとめて払わなければいけないという原則です。積立金などと称して勝手に差し引きを行う事を禁止した原則です。
これも例外的に法律で定められた社会保険料や源泉所得税などは差し引く事が認められています。
毎月1回以上払いの原則
賃金は原則月に1度は支払わなければいけないという原則です。労働者の生活が不安定にならないようにと定められています。
これも例外的に臨時手当に相当する賃金は不適用となっています。
一定期日払いの原則
同じく労働者の生活を安定させる目的で定められている原則です。この原則においては月によって日付が変動する曜日による設定は適切ではないといわれています。
\ IT転職のプロが無料でサポート! /
賃金に含まれるもの具体例
基本給
まず賃金のベースとなるのが基本給です。これがなければ始まりません。上記でも触れたように「最低賃金」に該当するのがこの基本給です。
また毎月決まって支払われる中に「通勤手当」「扶養手当」などが含まれる場合がありますがこれらも賃金には含まれるものの括りとしては「諸手当」となり最低賃金には含まれないので注意しましょう。
基本給は会社によっては「固定給」などとも表記されています。いずれにしても基本給になるのは毎月決まって支払われる事が確定している賃金の事を指します。
休日手当・深夜手当
休日手当・深夜手当も賃金に含まれます。時間や日数に応じて変化するものなので基本給には含まれず、該当時間に働いた分だけ支払われる賃金の部分が該当します。
毎月決まった金額もらえる「基本給」と違い、月々変動する給料の部分と見ると分かりやすいです。
技能手当
技能手当は分かりやすい例でいうと資格の取得などを理由に支払われている部分の賃金です。
基本的には一度上がると下がらない部分で、基本給のアップとは別に給料を上げる場合などにも利用されます。
社内の立場によってもらえる役職手当などとは異なりますがいずれも賃金の区分に含まれます。
また技能手当とは別口で扱われる場合もありますが、危険物取扱などの手当も一種の技能手当で賃金に含まれます。
住宅手当
遠方から引っ越した場合、或いは会社都合により住居の変更が余儀なくされた場合に支払われる住宅手当も賃金に含まれます。
生活の補助目的である場合が多く、金額は会社によって異なりますが、基本的には毎月定額で支払われる事になります。
労働の対価という賃金の定義からすると含まれないようにも感じますが賃金に含まれる手当の1つです。
臨時手当
ここまでは金額は変わる事はあっても支払われるとなったら毎月支払われるものでしたが、賃金の定義上は必ずしも毎月支払われる必要性はありません。
臨時手当で代表的なものがボーナスや賞与で、これらは会社ごとに一定期間ごとに支払われるものなので賃金に含まれます。
賃金に含まれないものの一例
退職金
賃金には含まれないものの代表例と言えるのが退職金があります。退職金は定期的にもらうものではないので賃金には含まれないのです。
似たような物に、結婚を祝う「結婚祝金」や災害などに巻き込まれてしまい死亡した場合に家族に支払われる「死亡弔慰金」「災害見舞金」なども賃金に含まれないものです。
役員報酬
役職手当と混同してしまいがちなのが役員報酬です。役員は仮にその会社で実務をしていなくても毎月一定額の支払いを受ける為、賃金には含まれません。
ただし役員が実務も行っている場合には実務分の賃金は発生するのであくまでも役員として受け取った部分が役員報酬として換算され、賃金相当部分は賃金に含まれる事になります。
出張旅費
同じく混同してしまいがちなのが出張旅費です。似たような項目である通勤手当は毎月決まった額が支払われますが、出張旅費はその月々必要分を請求して支払われるので賃金には含まれません。
そもそも出張旅費は事前には金額が分からない会社の業務上必要な経費を個人が建て替え、それを後払い的に支払う実費弁償と考えられているので必要なければ発生しないものです。
チップ・サービス料
日本ではあまり馴染みがありませんがいわゆる「チップ」についても明確に定められています。チップは基本的には賃金には含まれません。
ただしチップという名称ではあるものの、事業者がサービス料を予め定めて徴収し、支払う場合には賃金として扱われます。
個人的に受け取る分には賃金ではない、会社を通して受け取る分は賃金と考えておくと分かりやすいです。
就業規則によって扱いが変わる場合もある?
ここまで賃金に含まれるものと含まれないものを紹介してきましたが、これらは全て原則的な話です。というのも就業規則によってはその扱いが変わる事もあるからです。
例えば本来は賃金には含まれない例の中でも、触れた祝金や見舞金などは就業規則に記載がなければ賃金には含まれません。
しかし就業規則に予め支払う条件などが設定されている場合、会社としては支払う義務があるものを払う事になるので賃金として見られる場合が多いです。
これは必ずしも全ての例で適用される場合ではありませんが、該当の支払いを受ける事になった際には就業規則を確認する事をおすすめします。
まとめ
普段何気なく受け取っている賃金ですが厳密に見ていくと含まれるもの、含まれないものがあります。
これらは特に保険料を決める時や申告する時に必要になり、誤った認識をしていると本来支払うべき金額以上を払う事になってしまうなんて事もありえます。
例外的な物は扱いが難しいですが最低限の知識を持っておく事で万が一の場合にも備える事ができるので覚えておきましょう。
\ IT転職のプロが無料でサポート! /
あわせて読みたい関連記事
この記事を読んでいる人におすすめの記事