住宅手当とは?相場や支給の条件の例についてご紹介します
求人票の給与の部分に記載されていることがある住宅手当。その名の通り家賃や住宅ローンを一部サポートすることが目的の手当てです。とはいえ、実際にどのくらいもらえるのかであったり、支給される条件などはあまり詳しく書かれていないものです。今回はそんな謎に包まれている住宅手当について、様々な視点から紹介していきます。
目次
住宅手当ってどんなもの?
家賃やローンの補助をするための手当
日々の生活の固定費において比較的多くの割合を占めてしまう家賃や住宅ローン。
実際に生活するにはどうしても避けて通れない費用とはいえ、負担も大きいものです。そのため多くの会社では、住宅手当を支給しています。
こちらはその名の通り、家賃やローンの負担を補助するために支給される手当です。たまに家賃補助ということばを使っているところもありますが、基本的には一緒です。そしてわざわざ手当とするだけに、基本給とは別に支給されるものです。
会社と社員両方にメリットあり
この住宅手当は、会社と社員両方にメリットがあります。まず社員のメリットとしては、何より家賃の負担を軽減することができます。給料の一部としてもらえるためあまり実感できないものですが、それでも毎月の支払いの負担が少し軽くなることはよいことです。
そして企業側のメリットとしては、社員のモチベーションを維持することができたり、より多くの社員を呼び寄せることができることです。家賃などの補助をしてくれるのはありがたいことですので、その手当があるというだけで、多くの人材を確保する可能性も高まります。
住宅手当の相場はいくら?
全体的な平均では17,000円程度
では実際にどのくらいもらえるものなのでしょうか。
基本的に住宅手当については法律でこれといったことは決まっていません。つまりどのくらい支給するかや、そもそも支給するかどうかは会社が決めます。
ちなみに日本全体での平均的な金額は、毎月17,000円ほど支給されています。
この金額を多いと感じるかどうかは人それぞれですが、実は一昔前と比べると減少しているのです。なぜ減少しているのかなどは後ほど解説しますが、まずは現時点ではこのくらい支給されているということを覚えておきましょう。
金額は基本的に業績に左右される
すべての企業で平均的な金額がもらえているのかと言われると、実はそうでもありません。業種や企業によって、金額は大きく異なります。
例えばある会社では2万円以上住宅手当として支給する一方で、別の会社ではたった5千円程度しか支給されない、ということもあります。
会社が住宅手当をどのくらい支給するのかは、求人サイトの募集ページ内で確認することができる場合があります。しかしこれもすべての会社というわけではなく、場合によっては入社して給与明細をもらうまではわからない、ということもあります。
住宅手当がもらえる条件について知ろう
家賃やローンの支払いがなければ意味なし
住宅手当の相場などについて解説したところで、今度はその支給条件などについて解説します。
先ほど少し触れましたが、住宅手当については法で定められていることは特にありません。そのため支給する条件などについても会社ごとに異なります。
とはいえ住宅手当をもらう条件として大前提になるものは、家賃や住宅ローンの支払いがあるかどうかです。もちろんこれがない場合、住宅手当をもらうことは不可能です。
どんな会社であれ、まずは住宅に関する支払いがあることが前提条件となります。
支給金額は会社によりけり
前提になる条件について説明したところで、今度は金額について解説します。支給される金額についても会社によって異なります。
例えばある会社では家賃の数%分負担します、というところもあれば、家賃に関係なく一律でこのくらい支給します、という会社もあります。
支給方法としては、多くの場合基本給に上乗せする形です。しかし社宅や社員寮などがある場合は、その分を差し引いた家賃を請求する、という方式が一般的です。このように会社によって、支給方法なども様々なものがあるのです。
この場合って支給されるの?
実家暮らしでももらえる?
もらえる条件は、家賃などの支払いがあるかどうかだけで決まるとは限りません。企業によっては扶養家族がいない場合は支給しないということもあります。
また社員と一口に言っても、生活している形態は人それぞれです。場合によっては実家暮らしである可能性もあります。特に実家暮らしで家の名義が自分の親である場合、対象外となる可能性がほとんどです。
だからといって実家暮らしの社員は住宅手当がもらえないのかというと、実はそうでもありません。仮に実家暮らしでも名義は自分であり、家賃などの支払いがある場合は、支給されるという場合もあります。
ルームシェアしている
そして実家暮らし以外でネックとなるのが、友人などとルームシェアをしている場合です。ルームシェアでなくても、恋人などと同棲している場合もこのパターンに含まれます。この場合も支給されるかどうかは先ほどと同様、名義人が誰になっているかなどで変わってきます。
またルームシェアなどの場合、誰がどのくらい家賃を支払っているかが不透明であることが多いです。賃貸の部屋を一つ借りたとしても、その家賃を名義人一人で全額払っているか、それとも住んでいる人同士で割り勘で払っているかなどは、当事者にしかわからないものです。
なぜ住宅手当は減ってきているのか
会社側の負担が大きい
先ほどの相場の部分でも説明したとおり、ここ数年で金額は少なくなってきています。特に最近ではそれ自体が廃止となっている企業も増えてきています。
ではなぜ廃止になってしまうのでしょうか。その原因はずばり、会社側の負担が大きいことです。
社員を多く確保することができるとはいえ、支払っているのはあくまで会社です。当然その資金は会社の売り上げなどから支払われます。社員の数が増えたり売り上げが減少していくと、それだけ住宅手当を支払い続けるのは難しくなってしまいます。
景気は少し良くなっているとはいえ依然厳しい状態が続いている現在、やむを得ず住宅手当を廃止するという企業が、最近では多いのです。
社員も満足していない?
実はもらう側である社員も、すべての人が満足しているとは言い難い現状です。確かに家賃の一部を負担してもらえるのはうれしいですが、人によってはあまり負担が軽くならないという人も多いものです。
特に金額が固定されている場合、住宅手当だけでは焼け石に水のような状態であることが多いです。こうした社員からの不満なども相まって、住宅手当の金額が減少したり廃止となっているのです。
住宅手当はあくまで給料の一部
今回は意外にも複雑な住宅手当について、様々な視点から解説しました。
住宅手当でもらうなら基本給上げてくれという理論
住宅手当についての意見として、こんな意見があります。住宅手当をもらうくらいなら基本給を上げてほしい、という意見です。
ではなぜそのような意見が生まれるのでしょうか。実はそこにはボーナスが関係してきます。
基本的にボーナスは様々な手当を差し引いた基本給を軸に計算されます。つまりボーナスを多くもらいたいと考えている人にとっては、かえって余計なものだと感じてしまいます。
その結果、それならいっそう基本給として計算してほしい、という意見が出てくるのです。
最後に
今の社会では節約や節税などで手元に残るお金を増やす、という方法が定番となっています。しかし、それ以外にも手元に残るお金を増やす方法はまだあります。
今回のテーマもその一つです。先ほどの理論は外資系の企業に勤める社員の多くが持っています。その理由として、外資系企業は基本的に住宅手当というものがなく、その分基本給を高めに設定しているためです。
転職をする際、給料などの部分で転職先を選ぶ人は多くいますが、この手当などの部分まで見る人というのは少ないものです。
この記事をきっかけに、自分の給与について深く考えてみるのもよいかもしれません。
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