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固定残業代とは?仕組みと企業選びのポイントをわかりやすく解説

固定残業代という響きから何が想像できますか?通常、時間外労働をした賃金が残業代として、企業から支払われます。しかし固定残業代は違います。近年では多様な働き方に合わせて残業代のシステムも形を変えています。固定残業代を取り入れている企業も多い一方で、求人トラブルの元になっているともいわれている固定残業代。その仕組とメリット・デメリットを解説していきます!

固定残業代制度と一般的な残業代制度との違い

 

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一般的な残業

 

所定労働時間を超過した分だけ残業代が支払われる形です。

たとえば月に時間外労働が20時間あったとしたら、そのまま所定労働時間を超過した20時間分に対しての残業代が支払われます。

一般的に残業と呼ばれるものはこれが多く、記録されている退勤時間で労働時間が計算されるため、企業の拘束時間が増える忙しい時期には給与が増える傾向にあります。

 

固定残業代

 

毎月の基本給に残業代があらかじめ含まれています。

仮に30時間の残業代が含まれているとして、その月に30時間残業しなかったとしても、残業代が含まれた基本給が支払われる仕組みです。

一般的な残業のような所定労働時間を超過すれば、超過した時間の分だけ残業代が加算されるというわけではありません。

しかしながら、効率よく仕事を規定の労働時間内に終わらせることができれば、短い拘束時間で残業代も含めた基本給が支払われるということにもなります。

 

固定残業代の仕組みとは?

 

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みなし残業

 

固定残業はみなし残業とも呼ばれることがあります。これはあらかじめ◯◯時間残業が発生したと「みなす」という考え方によるところからそう呼称されています。

固定残業代制は残業を行った時間の長さに関わらず、固定された残業代が定額支給されるシステムです。基本給の内払いともいいます。

また、法律上みなし残業というものは存在しません。法律ではみなし労働時間制といわれます。

 

例で説明すると、月に時間外労働35時間までは固定残業代を4万まで支給するという雇用契約があるとします。

すると、月に残業を35時間したとしても4万円、残業が月に5時間でも同額の4万円が支払われます。

 

固定残業代制(みなし残業)とみなし労働時間制の違い

 

固定残業代制

固定残業制(みなし残業)では規定の時間外労働を超えた場合は、その超過した残業代は別途発生します。

例えば月に30時間まで3万円の残業代が含まれる固定残業制なら、月に35時間働いた場合は以下のようになります。

(月の総残業時間-固定残業時間)は(35-30=5)で固定残業代の3万円に加えてさらに5時間分の残業代が追加で発生することになります。

 

みなし労働時間制

一方でみなし労働時間制は、外回りの営業職、記者や旅行会社の添乗員といった事業所外労働が多い、就労時間の把握・管理が難しい職に対し、一定時間働いたとみなすことで給与を支払う制度です。

基本的に固定残業代制(みなし残業)は、規定の時間外労働を超えた場合、超過分としてさらに残業代を別途追加支払います。

対してみなし労働時間制はその名のとおり、みなした労働時間内に残業があらかじめ含まれているため、それを超えても別途の手当が発生しないとされています。

 

固定残業代の計算方法

 

基本的な固定残業代の計算方法を解説します。

まずは固定残業代の金額が割増賃金になっていることを確認しましょう。

 

①基本給 ÷ 1ヶ月の平均所定労働時間 = 1時間あたりの賃金

1ヶ月の平均所定労働時間は、(365日 − 年間休日数)× 1日の所定労働時間 ÷ 12ヶ月で求める事が出来ます。

 

②1時間あたりの賃金 × 割増率1.25 = 1時間あたりの割増賃金

割増率は労働日の賃金の計算額の2割5分以上、5割以下にすることが義務づけられています。

 

③1時間あたりの割増賃金 × 固定労働時間 = 固定残業代

 

例えば給与の総額が30万円、固定残業時間45時間、割増率1.25だった場合の計算方法は次の通りです。

 

1ヶ月の平均所定労働時間=(365-110日)×8時間÷12ヶ月=170時間

1時間あたりの賃金=30万円÷170時間=1,765円

1時間あたりの割増賃金=1,765円×1.25=2,206円

固定残業代=2,206円×45時間=99,270円

 

およそ上記のような金額となります。

 

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固定残業代の上限

 

 

時間外労働の条件規制

 

固定残業時間は、残業時間の上限規制に則る必要があります。

36協定において定める労働時間の延長の限度等に関しては、労基法で定められていて、その上限を超えた時間を協定することはできません。

労働時間は1日8時間・週40時間と労働基準法で決められています。

そして時間外労働は36協定に基づき、原則として月45時間以内、年360時間以内と定められています。

そのため、固定残業代として設定できる時間を計算すると月間30時間(年間360時間÷12ヶ月)が上限になると考えることができます。

参考:厚生労働省

 

固定残業代40時間は可能?

 

36協定が定める「月45時間以内、年360時間以内」を下回るため、固定残業代40時間分に設定することに問題はありません。

ただし、36協定を締結していることが大前提です。

 

固定残業代40時間でも違法になるケースは?

 

実は固定残業代40時間分でも違法になる場合があります。

例えば次のようなケースです。

 

・固定残業代が明確に区別されていない場合

固定残業代が他の手当と混同され、賃金の区別が明確でない場合は違法とみなされる場合があります。

例えば「基本給〇〇万円(固定残業代含む)」ではなく「基本給〇〇万円(固定残業代●時間分の×万円含む)」のように記載しなければなりません。

 

・設定された固定残業代の上限に満たないと支払われない

時間外労働の有無に関わらず、固定残業代は毎月定額で支払われる制度です。40時間に満たない場合でも支払われます。

 

固定残業代45時間は可能?

 

業種や企業によって「特別な事情」がある場合では、特別条項付き36協定の締結により1ヶ月45時間を超える時間外労働が可能となる場合があります。

ただしすべての従業員が条件を超過しないよう管理するのは現実的ではありません。

不可能ではないものの、実現性が限りなく低いことで固定残業時間は45時間以内が推奨されています。

 

転職の際に注意したい固定残業代のポイント

 

 

固定残業代の記載が曖昧

 

基本給:「月給24万円(月給に固定残業手当を含む)固定残業代を超えた割増賃金は別途支給」

 

上記の条件を示している企業では固定残業代制を取り入れていることがわかります。しかし、これではどれだけの残業時間が固定残業代にあたるのか不明瞭です。

 

企業には固定残業代に以下の3つを募集要項などへ表示する義務があります。

 

・固定残業代を除いた基本給の額

・固定残業代に関する労働時間数と金額等の計算方法

・固定残業時間を超える時間外労働、休日労働および深夜労働に対して割増賃金を追加で支払う

 

上記の表示を満たした場合は以下のような例の記載となるでしょう。

 

基本給:「月給24万円(時間外労働の有無に関わらず20時間の時間外手当として4万円を支給)20時間を超過する時間外労働については別途割増賃金を追加として支給」

 

固定残業代制がある企業へ転職する場合には、給与体系の内訳を細かくチェックしてください。

特に固定残業代の具体的な数字と、それに対しての残業時間が不明瞭な求人は注意が必要です。

 

基本給が最低賃金を下回っているケースも

 

固定残業代とそれに対応する残業時間が明瞭に記載されていても、固定残業代を除いた基本給が時給換算にしてみると最低賃金を下回っていたというケースがあります。

これは企業が不当に賃金を抑えていることになり、労働基準法に違反している可能性が考えられます。

 

定時で上がれない?

 

固定残業代ですから残業をしなくとも、残業代を含めた月給などは満額支払われます。しかし、企業の体質が「残業当たり前」「残業しない人は怠け者」という空気の組織もあります。

そういった社風の企業内では、定時帰宅をためらってしまう方もいるでしょう。

 

しかし転職エージェントを利用すれば、転職前にこういった組織の細かい様子も企業に確認してもらえます。

特に流行の移り変わりが激しい、IT・Web系またはゲーム業界などにはギークリーといったプロの転職エージェントを有効に活用することをおすすめします。

 

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固定残業代のメリットとは

 

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給与の保証

 

極端にいってしまえば、残業をしなくとも残業代が出るのが固定残業代制です。

仕事を効率良くこなしてしまえば、定時で上がりながらも一定水準の給与は常に保証されていることになります

 

仕事の効率化を考えプライベート時間が増えることにも

 

プライベート時間を第一に考えている人であれば、効率良く仕事をこなして残業を失くし定時で帰宅しても残業代は支払われますから、より速く効率的に仕事を終わらせようと考えるでしょう。

また、効率的に仕事をこなそうと考えれば、新しい取り組みなど業務に対する熱意の高まりや工夫も増えます。

これは企業にとってもありがたいことですから、結果として企業からの評価が上がり、自身の業務スキル上昇にも繋がるのはメリットです。

 

固定残業代のデメリットとは

 

 

超過した残業代を支払わない企業もある

 

いわゆるブラック企業と呼ばれる悪質な企業では、固定残業代をすでに払っているのだから規定の時間外労働を超過したとしても「もう残業代は払っている」と追加で割増賃金を支払わないところも存在します。

国によって定められたルールには、法令で定められた支払われるべき割増賃金が固定残業代(みなし残業代)を上回れば、さらに当該追加分を求職者は受け取れる権利があるとされています。

このように、固定残業代を悪用している企業もありますから気をつけてください。

 

固定残業代制では残業するが当たり前?

 

固定残業代制を採用している企業の中には「残業代が必ず発生するのだから、日頃から残業するのは当たり前のこと」という解釈をしているところもあります。

いわるゆ残業が最初からあるという前提で固定残業代制の求人を出している企業です。

酷いものになるとパワハラに該当する行為で、残業を強制させている企業もありますし、ブラック企業とまではいかなくとも、そういった働き方が日常化している企業もあります。

 

このような企業を回避するためにも、転職する際は転職エージェントに相談するなど、企業と転職者本人に固定残業代に対してのイメージに相違がないか要確認をおすすめします。

 

最後に

 

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固定残業代をめぐるトラブルはハローワークなどでも、もっとも多い案件になっています。

特に固定残業代の仕組みが複雑なため、それが元で残業代未払いなどの問題が多いようです。

もし、不当に残業代が支払われていないと感じたなら、早い段階で弁護士などに相談するなどの法的手段をとる必要もあります。

そういったことがあったときのために、給与明細、雇用契約に関する給料体系などが分かる書類、タイムカードの記録などはしっかり保管しておきましょう。

転職する際は、この記事で紹介したメリットやデメリット、制度の内容など十分に把握してから、さらに転職のプロである転職エージェントの支援を受けるなどして、自分にあった待遇を勝ち取ってください!

 

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この記事の監修者

ギークリーメディア編集部

主にIT・Web・ゲーム業界の転職事情に関する有益な情報を発信するメディアの編集部です。転職者であれば転職市場や選考での対策、企業の採用担当者様であればIT人材の流れ等、「IT業界に携わる転職・採用」の事情を提供していきます。

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