株式会社アプトポッドのビジネスモデルを分析!産業IoTソリューションとは?【IoT企業への転職】
ビッグデータ時代において今後大きく成長が見込まれる分野の1つに産業IoTがあります。コネクテッドカーや自動運転車・スマートシティ構想といった未来の社会を実現する上で、産業IoTの実用化は多くの可能性を秘めています。今回紹介する株式会社アプトポッドは、産業IoTソリューションを牽引する企業です。同社のビジネスモデルと今後の事業展開について解説します。
目次
株式会社アプトポッドの概要
株式会社アプトポッドとは
株式会社アプトポッドはIoTクラウドと通信機能によるデータロガーの研究開発を行っている企業です。
大手自動車メーカーをはじめ、工業機械メーカーのR&D部門からも技術力を高く評価されており、豊富な取引実績があります。
代表者の経歴・事業への思い
アプトポッド代表取締役の坂元淳一氏は、マイクロソフト勤務を経てアプトポッドを創業しています。
その後参画したソフトウェアのプロトタイピングやスマートシティの実証実験の経験が、M2Mビジネスを始める契機となりました。
社名のアプトポッドは「a project to prove one’s delight」(各々の喜びを証明するプロジェクト)の頭文字を取ったものです。
前人未踏のシステム・アプリケーション開発を通じて、ユーザー・従業員・パートナーと一体となって存在意義を証明していきたい。
アプトポッドの社名にはその思いが込められています。
株式会社アプトポッドのビジネスモデル
クラウドベースのデータロガーを産業IoTに応用
アプトポッドの核を成すビジネスは、産業IoTを実用段階へと引き上げる上で重要なミドルウェアの開発とメーカーへの技術提供です。
自動車などのプロダクトにおいて、センサーによるデータログ取得とその活用は従前から行われてきました。
しかし自動車の挙動を正確に取得すること、取得した時系列データを有効活用することに多くの課題があったのです。
同社では3GやLTEといったモバイルネットワークを活用し、時系列データをクラウドに蓄積していく仕組みを開発しています。
クラウド化によってデータの可用性が向上するだけでなく、パケット通信を採用することでデータ欠損を最小限にすることが可能です。
またリアルタイムでのデータ伝送と分析 ができるようになりました。
デバイスに依存しないデータ可視化の実現
ミドルウェアによって収集したデータには「扱いやすさ」が求められます。
クライアントサイドでデータを活用するためには、特定の環境に依存しないデータ再生の仕組みが必要です。
アプトポッドでは収集したデータをWebサービスとして再構成し、直感的な操作と高精度なデータ可視化を実現しています。
ユーザーにとってミドルウェアを介して収集・解析されたデータをどのように可視化するかは重要な課題の1つでした。
デバイス依存のないHTML5ベースのUIは複数のデータを自在にレイアウトすることができる仕様です。
そのためユーザーニーズに合ったデータの比較分析がしやすい仕組みになっています。
ユーザーの目線に合わせたアプリケーション開発を行っているのも同社の大きな特徴の1つです。
株式会社アプトポッドが解決する社会課題
可用性の高いビッグデータ収集の実現
自動車のセンシングはアプトポッドの研究開発の中軸です。
センシングにおいては短周期データをいかに正確に伝送・制御するかが重要な課題となります。
たとえばアクセルを踏み込んだときの映像と加速度センサーから得た時系列データが一致しなければそのデータは活用できません。
同社では取得した映像データのタイムスタンプとCANデータを完全同期させ、パケットデータとして蓄積しています。
これによって短周期データのセンシングと制御を同時に行うことが可能です。
コネクテッドカーや自動運転技術の実用化を見据え、同社の技術力には多くの自動車メーカーが期待を寄せています。
運転支援技術の安全性向上
自動車の運転支援技術を実用化する上で解決すべき課題の1つに安全性の問題があります。
これまでドライバーの挙動把握やヘルスチェックは、運転支援技術そのものとは切り離して議論されてきました。
アプトポッドが注力するセンサーデータのモニタリングと遠隔制御の技術は、自動車コンポーネント以外にも応用可能です。
たとえばスマートシューズに埋め込んだセンサーでデータを取得・モニタリングすることで、ドライバーの挙動を把握できます。
自動車の運転支援技術の安全性向上につながるとして注目されている技術です。
株式会社アプトポッド今後の事業展開
コネクテッドカー・自動運転車の実用化推進
コネクテッドカーやレベル3以上の自動運転を実用化するには、以下の項目が不可欠です。
・正確なデータ収集
・データ解析手法の確立
・メーカーへの可用性の高いフィードバック
アプトポッドでは遠隔制御に必要とされる双方向でのデータのやり取りを、高速IoTハブフレーム「intdash」で実現しています。
さらに収集したデータを直感的に可視化するWebアプリケーション「Visual M2M」も活用。
ユーザーが必要とするデータを任意に組み合わせて表示できる仕組みを構築しています。
これらによって制御データ・センサーデータ・音声・動画記録の活用が容易になるでしょう。
その結果コネクテッドカーや自動運転車の実用化が現実味を帯びていきます。
アプトポッドは未来の自動車産業の中核となる技術を生み出す企業です。
産業機器分野への技術提供も視野に入れたプロジェクト
アプトポッドの技術に注目しているのは自動車産業だけではありません。
重機メーカーをはじめとする産業機器分野においても、同社の技術を導入する動きが見られます。
ドローンの遠隔制御や無人倉庫でのフォークリフト制御には、正確なセンシング技術とデータ活用が重要な課題です。
今後AIの開発・進化に欠かせないデータの収集と解析を進める上でも、これらの技術が活用される可能性は高いでしょう。
実際、産業機器分野において同社技術の採用を検討する企業も見られ、自動車以外の分野への進出が予想されます。
ヒューマンセンシングへの応用
自動運転技術向けに開発が進められてきた短周期データのモニタリングは、まだまだ応用範囲があります。
心電計のモニタリングやアスリートのトレーニングにおける体軸の読み取りに活用することも可能です。
こうしたヒューマンセンシングは発展途上の段階であり、従来はセンサーの小型化など多くの課題を抱えていました。
アプトポッドが研究開発を進めるアプリケーションは、スマートフォン内蔵の加速度センサーなど小型化センサー技術を有効活用しています。
もちろん小型なだけではなく、精度の高いデータが収集できるシステムです。
代表取締役の坂元氏によれば、将来的には海外在住のコーチが選手のトレーニング過程を分析することも可能になるとしています。
今後の発展が見込まれているヒューマンセンシングにおいても、アプトポッドの技術は大きな可能性を秘めているのです。
株式会社アプトポッド転職採用例
アプトポッドでは研究開発・デザイン・企画営業・マーケティングを担う人材を採用した例があります。
研究開発で求められているのはエンジニア全般やデータサイエンティストといった技術者です。
UI・グラフィックデザイナーとしての経験があれば、Visual M2Mをはじめとする同社のアプリケーションデザインに携わることができます。
企画営業やマーケティング分野の採用例としては、マネージャー職全般です。
IT関連の経験があれば活躍の場は多いといえるでしょう。
株式会社アプトポッド転職ポイント
求められるスキルと人材像
アプトポッドは車載ネットワークを主力に研究開発を進める企業です。
CAN通信などに関わるプロトコルの経験や自動車産業での就業経験、ロボティクスやスポーツヘルスケア分野の開発経験は強みとなるでしょう。
2006年設立の比較的新しい企業ですので、研究開発の対象は今後ますます増えていく可能性があります。
すでに用意されているフィールドで満足せずに自ら学び成長していく意欲のある人材が必要です。
また積極性が高く新しい技術に果敢に挑戦していく姿勢も求められます。
未開拓の分野に挑戦したいという意欲を持つ人は、飛躍的に成長できるはずです。
活躍できるフィールド
アプトポッドのクライアントは自動車メーカーや重機メーカーであり、大手企業と数多くの取引実績があります。
大掛かりなプロジェクトも多く、現場を支える人材と同時にチームを統括しプロジェクトを成功に導く人材も求められています。
プロジェクトマネージャー(PM)やプロジェクトリーダー(PL)として大規模なプロジェクトをまとめることも可能です。
マネジメント経験がある人やマネージャーの資質を持った人材であれば、PMとしてのキャリアパスを描くこともできるでしょう。
株式会社アプトポッド会社情報
株式会社アプトポッドの職場の雰囲気
産業IoTを支える技術集団であるアプトポッドは、ITベンチャーらしい明るく風通しの良い社風が特徴です。
個々の社員の自由度が高く、フラットな雰囲気の中で仕事をすることができます。
そのため自ら進んで成長を志向する人にとって最適な環境といえるでしょう。
成果を上げれば昇給へとつながるため、モチベーションを持続しやすいのも魅力です。
担当する仕事に対する成果が求められる一方で、社員は自らの実績に誇りと喜びを感じ、充実感を持って仕事をしています。
とくにエンジニアにとっては、新しい技術を取り入れ自己成長へとつなげていくことのできる手応えを感じられる職場です。
株式会社アプトポッドの福利厚生
アプトポッドでは自ら成長を志向する人材を求めており、会社としても社員の成長をサポートすることに積極的です。
技術研究のための書籍代や業務に使うハードウェア・ソフトウェア購入費用の支給などで社員の成長をサポートします。
※2020年10月時点
まとめ
アプトポッドはIoTという言葉が世の中に広く知られる以前から産業IoTの将来性に着目していました。
コネクテッドカーや自動運転といった分野の技術を先駆けて研究・開発してきた企業です。
現在もなお未開拓のフィールドが多く残る分野だからこそ新しい技術を提供し、社会の発展に貢献することができます。
先進的な技術開発に携わりたい人、未開拓の分野で社会貢献を実現したい人にとって、アプトポッドは存分に力を発揮できる企業です。
未来の社会を構築するための一翼を担いたいと考えている人は、ぜひ転職エージェントにご相談ください。
アプトポッドのように思い描いた未来をIoTで実現させる企業がまだまだ沢山あります。
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