アトリビューション分析の事例を紹介!国内外の成功事例や使用ツールは?マーケター転職希望者は確認しよう
SNSやDSPといった様々な広告媒体の普及により、実態のコンバージョンと乖離した計測結果が出てしまう問題が深刻化する中、解決手法として用いられているのがアトリビューション分析です。この記事ではマーケターへの転職希望者の方へ、アトリビューション分析の具体的な事例や主な使用ツールについて解説します。
目次
アトリビューション分析という手法
アトリビューション分析とはマーケティングの効果を計測する分析手法の一つです。
従来だとマーケティングの効果測定を行う際コンバージョンへ直接つながった接点を主な結果として評価していました。
アトリビューション分析はコンバージョンへと至る広告の貢献度合いをあらゆる視点から評価する手法です。
流入経路全体を含めた分析によって最適な予算分配を実現しマーケティング効果の最大化が狙えるという点が主な特徴になります。
アトリビューション分析を行うメリット
アトリビューション分析はコンバージョンへ至るまでの工程を詳細に計測します。
ユーザーが購入に至った動機がわかるため適切な広告の予算分配が可能となるのが特徴といえるでしょう。
ここではそんなアトリビューション分析によってもたらされる具体的なメリットをご紹介します。
間接効果の詳細な計測が可能
アトリビューション分析はユーザーの意思決定がどのタイミングで行われたのか正しく評価することができるのが大きなメリットです。
従来の効果測定方法だとコンバージョンに直接影響したメディアや広告しか判別できませんでした。
アトリビューション分析の登場で詳細な計測が可能となったため、広告展開において正当な評価を下せるようになったのです。
この評価をベースにコンバージョンに貢献している内容に予算を多く配分することで無駄な広告費を削減することができます。
媒体ごとの正確なカウントができる
複数の媒体で広告配信を行う場合、媒体の基準に応じて計測された実績の数値をレポートで把握することが基本です。
この方法でネックとなるのが媒体重複により複数のコンバージョンがあったと認識されてしまう点です。
アトリビューション分析ではどういった順番で広告に接触したのか詳細な経路がわかる点が大きなメリットとなります。
媒体間を横断して数値を計測するため重複を避けて1件のコンバージョンと正確に認識することが可能です。
アトリビューション分析の基本モデル5つ
アトリビューション分析の本来の目的は広告費用を最適な形で分配することです。
効果が出ていない広告への費用を減らすことで少ない予算でより効果を発揮させることが期待できます。
アトリビューション分析の成功は適切なモデルの選択にかかっていると言えるでしょう。
アトリビューション分析においてコンバージョンへと繋がる各接点への評価方法には主要な5つの基本モデルがあります。
以下それぞれの詳細を紹介します。
ラストクリックモデル
ユーザーがサービスを利用または商品を購入する際、最後に閲覧した広告に100%の貢献度を持たせるというモデルです。
コンバージョンに直接結びついた接点が判別でき重点的に予算を配分すべきポイントがどこなのかが分かりやすいというメリットがあります。
GoogleやYahoo!の広告枠で基本設定されているなど多くの場面で使用されているモデルです。
顧客が顕在化している場合の広告展開を検証する場合は有効ですが、潜在的な顧客に対しての広告評価については向いていません。
ファーストクリックモデル
上記のラストクリックモデルとは正反対の考え方です。
ユーザーがサービスを利用または商品を購入する際に最初に閲覧した広告に100%の貢献度を持たせるというモデルになります。
コンバージョンの接点を持ったポイントを知ることで潜在ニーズを持ったユーザーに対してアプローチする広告展開が可能です。
商品・サービスの認知度が低いユーザーへの接点を持つ際に高い評価が付けられるので新規顧客の開拓に有効なモデルでしょう。
リニアモデル
ユーザーが行動するまでに接点を持ったすべての広告へ同じ割合の貢献度を割り当てる手法です。
ユーザーが商品・サービスを購入するまでに4つの広告に接している場合それぞれに25%ずつの貢献度が分配されることとなります。
近年WEBサービスの多様化によりユーザーが商品やサービスを認知して接触する機会が複雑化しているのです。
リニアモデルを用いることで複数ある接点の中でどれが1番効果的かを測定することができるのが大きなメリットでしょう。
減衰モデル
ユーザー接点を持ったすべての広告へ貢献度を割り当てる手法はリニアモデルと同じです。
ただし接した順番に応じて貢献度を割り振る形なのが異なっています。
コンバージョンへ直接つながった最後の広告が1番高く、それより前に接触した広告については段階的に貢献度が下がります。
よりコンバージョンに近い部分を重点的に評価しているため、時間をかけてじっくり分析したいときに有効なモデルです。
貢献度の分配についての各接点の価値に違いがあるため短期間でプロモーションを行う商品・サービスの広告展開にも向いています。
接点ベースモデル
こちらも接点を持った全ての広告に貢献度を割り振っていく考え方はリニアモデルと同様です。
異なる点は、最初に接触したポイントと最後に接触したポイントが1番貢献度が高いと考えるモデルです。
考え方としては新商品やサービスを最初に認知させた広告とコンバージョンへの意思決定へ直接つながった広告を重視しています。
コンバージョンに対する最初と最後のポイントを評価する場合に有効なモデルとなっています。
アトリビューション分析のプロセス
アトリビューション分析は効果測定の予測を先に設定し実際のコンバージョンを測定して検証していく進め方が一般的です。
具体的なプロセスは以下のような流れで進行していきます。
仮説を立て、コンバージョンを計測
まずユーザーが何らかの商品・サービスを購入するまでに複数のメディアに接触するという前提を立てます。
その後コンバージョンへ結びついたユーザーに対して接触したメディアそれぞれでのコンバージョンを計測し伸び率などを検証します。
検証をもとに改善
コンバージョン率が伸びているポイントを分析し予算配分を伸び率が高いメディアへと重点的に回します。
それによってより多くのインプレッションを獲得しコンバージョンへ結びつく確率を上げていきます。
PDCAを回す
広告費を増加させたメディアでコンバージョン率がどのように変動しているかを計測します。
その結果をもとに新たな仮説を立て検証を繰り返していきます。
マーケター転職希望者は転職エージェントを活用しよう
様々なツールを用いて企業ブランディングやマーケティングの立案などを行うマーケターは転職市場でも人気のある職種です。
それだけに選考を通過するには企業研究や面接対策といった事前準備を綿密に行う必要があります。
確実な対策を行いたいという方には転職エージェントの利用がベストです。
転職者のポテンシャルや今まで積み上げてきた実績を活かせる最適な企業のご紹介や面接対策などの総合的な転職支援を行います。
憧れのマーケターへの転職を成功させるためにぜひ転職エージェントを活用してみてください。
アトリビューション分析の成功事例
広告の種類や配信方法が多様化の一途をたどる現代。
消費者がモノを買うプロセスも複雑化を増しておりどんな広告が効果的なのか明確にすることは難しくなってきています。
そんな中でもアトリビューション分析を行うことで新規顧客の獲得などの成功事例が続々と上がってきています。
新規顧客獲得&コスト削減&売上アップを実現
ある企業ではメインの顧客層がシニア層で若い世代の新規顧客の獲得を課題としていました。
そこで新規顧客の獲得を目的としたキャンペーンを行い結果として顧客獲得コストを削減しながら顧客数と売上をアップしたのです。
具体的な手法としては過去数カ月間のユーザーの広告接触数を計測。
1人1人のデータを詳細に分析することで掲出している複数の広告の間接効果を調査しました。
また週毎の数値を計測することで適切な予算分配を実現することで目標以上の結果を残すことに成功しました。
情報サイトの効果測定~評価を実施
ある商材を取り扱っている企業では情報サイトと販売チャネルであるECサイトの両方を運営していました。
情報サイトのPVは伸びているもののそこから集めたユーザーをECサイトへ誘導できていないのが長年の課題だったのです。
そこでユーザーの行動分析を行って対策を打つべく情報サイトの詳細な成果評価を実施しました。
すると訪れたユーザーの多くがその後に別の販促サイトへ訪問し、購入に至っているケースが多いことが判明しました。
つまり情報サイトは自然検索での購入に十分寄与していたことが見えてきたのです。
顧客の動向を分析し明確に数値にしにくい反応を獲得していたポイントの価値を見直す結果となった好例といえるでしょう。
アトリビューション分析で用いられるツール
アトリビューション分析の機能はマーケターが日ごろ使う身近なツールにも搭載されています。
Google広告
Google広告では広告主が出した検索広告と購入用の広告においてクリックを対象としたアトリビューション分析を行うことが可能です。
デフォルトの状態だとラストクリックモデルになっていますので他のモデルでの計測を行いたい場合は切り替えましょう。
分析の結果はレポートで確認が可能であり、また他のモデルを選択した場合との比較することも可能です。
Googleアナリティクス
アトリビューション分析は無料解析ツールのGoogleアナリティクスにも実装されています。
Google自然検索流入やダイレクトアクセスを行ったユーザーなど様々なチャネルでのアトリビューション分析が可能です。
また複数のモデルを比較するツールを使った分析も可能なため、マーケティング戦略の評価を多角的な視点から行うときに役立ちます。
まとめ
アトリビューション分析の事例や使用ツールについて具体的にご紹介しました。
ユーザーの商品・サービスへのアプローチは近年多様化が進んでいます。
そんなユーザーへ向けた広告戦略において多角的な視点から検証を行えるアトリビューション分析は必須の手法です。
それだけに分析の実作業を担うマーケターのニーズはこれからも増加することでしょう。
確実な転職を成功させるためのパートナーとして転職エージェントをぜひ活用してみてください。
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