職務経歴書の退職理由の書き方を解説!印象が良い例文やNG例とは?人事を納得させて転職を成功させよう
転職するにあたって最初に行うのが応募書類の作成です。その際に提出を求められる書類として、主に履歴書と職務経歴書が挙げられます。履歴書や職務経歴書は、転職したい会社に最初に自分のことを知ってもらうための大切な書類です。そのため応募書類の作成は、転職活動をするにあたって非常に重要であるといえるでしょう。今回はその中でも職務経歴書に焦点をあて、職務経歴書に書く退職理由の書き方について一緒に考えて行きましょう。
目次
退職理由は具体的に書くべき場合と書かなくて良い場合がある
退職理由について、転職活動の際の面接で採用担当者から質問されることは多くあります。
しかし、履歴書や職務経歴書といった応募書類にもその理由を具体的に記載しなければならないのでしょうか。
基本的には退職理由を書くことは必須ではないため、前向きな退職理由でない限り記載しなくても良いです。
しかし、できるだけ退職理由を記載するべき場合としなくて良い場合があるのです。
ここでは退職理由を具体的に記載すべき場合と、しなくても良い場合の違いについてご紹介します。
退職理由を書いたほうがいい場合
退職理由を具体的に書いた方が良い場合として、以下のようなケースが挙げられます。
それは、前職を短期間で退職している場合。
働いていない空白期間がある場合、転職の回数が多い場合です。
主にこの3つでは、退職理由を具体的に書いておく必要があるでしょう。
これらの書き方については別の項目で記します。
退職理由を書かなくてもよい場合
上記三つ以外の場合には、基本的には具体的に退職理由を書く必要はありません。
退職理由によって「一身上の都合により退職」、「会社都合により退職」、「契約満了により退職」のいずれかを記載しましょう。
退職したいと思った理由を見つめる
これまで働いていた職場を退職して新たな職場を探したいと思った背景には、どのような理由があるのでしょうか。
退職理由は、大きく分けて2つに分類されます。
それは、自分の方から希望して退職をする自己都合退職と、退職をせざるを得ない理由によって退職をする会社都合の退職。
この2つです。
ここではそれぞれの例を挙げていきますので、あなたの退職理由がどちらに当たるのか考えてみてください。
自己都合の理由として分類されるもの
自己都合として分類される例としては、職場に合わない人がいたなどの人間関係や、福利厚生や残業時間など待遇面に関する不満が挙げられます。
また、結婚や出産、家族の転勤、家族の介護などで仕事を続けることが困難になったなどの家庭の事情。
体調を崩したり、病気したりといった体調不良も自己都合に含まれます。
この他にも、新しく挑戦してみたい仕事ができたこと。
今の職種の専門性を高められる会社に行きたいことなどのキャリアアップを理由とする方もいるでしょう。
「今よりも年収を上げたい」「自分のスキルや成果をさらに評価してもらいたい」と、年収アップを目的に転職する人も多くいます。
今よりもどのくらい年収を上げられるのかを知りたい方は、「IT人材年収診断」を使い調べてみるのもよいでしょう。
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会社都合の理由として分類されるもの
会社都合に分類されるのは、業績の悪化による倒産やリストラや、同僚や上司からの嫌がらせやいじめなどのハラスメント。
賃金の未払いが続いたなど会社側の都合で、賃金の支払いに問題がある場合。
会社が移転することになったなど会社側の都合によって、通勤が困難になった場合などが挙げられます。
会社側に責任がある場合は、会社都合での退職という形になると考えて良いでしょう。
どちらに該当するか、それぞれのケースで異なることも
もしあなたが、正社員ではなく契約社員や派遣社員として働いていた会社を退職する場合、契約期間満了が理由で退職することもあるでしょう。
一口に契約期間満了といっても、働いた期間や自分もしくは会社側の意思など、複数の条件が関係してくる場合があります。
この場合は、会社都合退職となるか自己都合退職かがケースによって異なってくるでしょう。
もし契約社員や派遣社員といった雇用形態で働いていた場合、自分のケースがどちらに該当するのかよく確認する必要があります。
この中に、あなたの退職理由として当てはまるものはありましたか?
まずはあなたが転職したいと思った理由を素直に考え、分析してみてください。
「前職での退職理由を聞かれるのが怖い」と感じるあなたへ
今回は職務経歴書に退職理由を具体的に記載する場合について考えていきます。
自己都合退職である、人間関係や待遇面、体調不良、家庭の事情などを理由として仕事を辞めた方。
その中には「素直に転職理由を伝えて良いのか」、「どのように伝えたら良いのか」といった悩みを抱えている方もいることでしょう。
まずは採用担当者がなぜ退職理由を知りたいのかを考えていきます。
採用担当者が退職理由を知りたいのは何故か
採用担当者が前職の退職理由を知りたい主な理由。
それは「採用してもすぐに辞めたりしないか」「この会社で活躍できそうな人材か」の2点を見るためとされています。
人間関係や待遇面、体調不良、家庭の事情など、自己都合退職の中でも一見するとネガティブな理由です。
そのため、そうした理由で退職をしたという方の中には、退職理由を伝えることに躊躇してしまう方もいることでしょう。
しかし採用担当者側も、前職に不満な点があったであろうことは理解しています。
本当の退職理由が「言いづらい」と感じたとしても、基本的には退職理由を伝える上で嘘をつくということはやめておくべきでしょう。
「どんな人と働きたいと思うか」を考える
あなたは「転職活動をする」立場です。
しかし、その立場に立っているばかりだと、応募書類の作成や面接に行くことに対して「怖い」という気持ちが湧き上がってくることもあります。
また、会社側に良いところをアピールしなければと力が入り過ぎてしまうこともあります。
もしそのような気持ちになった時には少し立ち止まり「自分だったらどんな人と一緒に働きたいと思うか」を考えてみましょう。
「一緒に働きたい人」と考えた時に恐らく、暗い、怖い、堅いといったようなネガティブな印象を持つ人を思い浮かべる人はいないでしょう。
きっとほとんどの人が、明るく笑顔で柔らかい雰囲気の、ポジティブな印象を持つ人と働きたいと考えるでしょう。
その点を考えれば、転職したい企業に応募する際の書類にもポジティブな印象が伝わるような書き方をすることが大切だと分かります。
転職回数が企業に与える印象
転職を考えている皆さんの中には、一度だけでなく何度か転職を重ねている方もいらっしゃることでしょう。
その場合、退職理由だけでなく転職回数が与える印象も気になるところです。
ここでは、退職理由と転職回数について見ていきましょう。
転職回数が多いことで企業が抱くイメージ
現在は日本でも転職を経験する人が増え、転職回数が多い人に対してネガティブな印象を持たれる傾向は以前より和らいでいるといえます。
しかしそれでもまだ、転職回数が多い人に対してネガティブな印象を持つ傾向は根強くいます。
企業は基本的に、長く働いて欲しい・いずれは会社に貢献して欲しいという思いがあるため、転職回数が少ないに越したことはないでしょう。
ある転職サイトが企業の採用担当者に行ったアンケートによると転職回数が気になりだす割合が、3回目から急上昇するといいます。
転職回数が多いとマイナスに映る理由
一般的に、転職回数が多いと決して良い印象を抱かれることがないというのは皆さんもご存知なのではないでしょうか。
ここでは、転職回数が多いことがマイナスに捉えられる理由を挙げてみます。
まず、企業からすると、転職回数が多い人は忍耐力がない人という印象を抱くようです。
転職をしたいと考える理由は様々でしょう。
しかし、企業側はどのようなことが理由であっても何度も辞めているという事実から想像します。
自社に転職しても苦しいことがあったらすぐに辞めてしまうのではないかと心配になってしまうのです。
また、企業側は「人間関係を築くことが困難なのではないか」という風に感じてしまうかもしれません。
仕事では個々がそれぞれの役割を全うし、チームで協力し合って進めていくことが求められる場合が多くあります。
そのため周囲と密に連携を取ったり、分からないことを聞いたりするなど、コミュニケーションを円滑に行える人材が欲しいと考えているのです。
職場を転々としているというところから実際の退職理由がどうであるかに関わらず、そのように思われてしまう可能性があります。
転職回数を重ねていても大丈夫
これまでの内容から「転職回数が多い場合はどうすればいいのか」と不安な気持ちになった方もいるでしょう。
確かに転職回数が多いという事実は決して好印象を与えるものではありません。
しかし、転職回数が多いということはマイナスにしかならないという訳でもなく強みに変えることもできます。
また、IT業界や外資系業界など転職回数に左右されづらい業界もあります。
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退職理由を伝える時のポイント
この項目では、退職理由をどのように伝えるのか考える上で押さえておきたいポイントをご紹介します。
ポジティブな視点で考える
退職理由となるものには、給与面や労働時間あるいは人間関係に対する不満などネガティブなものが多いと言えます。
しかしそれをそのまま伝えてしまうというのはオススメできません。
言葉を選んで伝えることや、前向きな視点で考えることを念頭に置いた上でどのように伝えるか考えてみてください。
退職理由を志望動機にすることができる
「〇〇だから辞めた」と退職理由を伝えるだけで終わらず、「〇〇だから辞めたが、貴社ではその点においてこのようなことができる。
だから、やりがいを持って働くことができると考える。」
このような形で、転職希望の会社に対する意欲が伝わるような形にできるよう考えてみましょう。
その上で、履歴書に書く志望動機をその退職理由と繋がっているものにしてみましょう。
注意点として、この件については面接の際に「自社でそれが解消できると考えているのはなぜか」と、具体的に採用担当者から問われる可能性があります。
転職希望の会社に対する企業研究を行った上で、答えることができるように準備しておきましょう。
パターン別退職理由の例文
この項目では先述の退職理由を伝える時のポイントも踏まえて、職務経歴書の退職理由の書き方について取り上げていきます。
ネガティブにとらえられる可能性が低い理由の場合は退職理由をそのまま記載しても問題ありません。
ただしこのような場合も、不満を伝えるだけで終わらないようにする伝え方の工夫が必要です。
退職理由をどのように書けば良いのか、ここでは具体的な例を交えて紹介します。
残業時間や休日出勤の多さが理由の場合
「月〇〇時間の残業が常態化しており、心身ともに負担を感じたため退職致しました。」などと書くと、企業からの印象は良くありません。
代わりに以下のように書くと良いでしょう。
「月〇〇時間の残業が常態化しており、1つ1つの仕事に丁寧に向き合うことが難しくなったため退職を決意した次第です。
〇〇することなど状況の改善案を提案しましたが聞き入れられず、状況の改善は見込めないと判断しました。
ワークライフバランスを大切にする貴社で、仕事やお客様と丁寧に向き合い、業務に取り組んで参りたいと考えております。」
このように書くことで、企業側も退職理由に納得がいきますし、仕事に対しての熱心さをアピールすることができます。
会社の業績悪化や倒産による退職の場合
「会社が倒産したため退職を余儀なくされました。」
これだけを書くのではなく、入社した場合どのように貢献できるかを書くことが求められます。
具体的には、以下のように書くと良いでしょう。
「前職では〇〇の資格を取るなど、〇〇という目標を持って働いておりましたが、会社が倒産したことに伴い、退職致しました。
そのため、貴社の〇〇という取り組みに前職での経験を活かして貢献することができると感じております。」
このように書くことで、自身のスキルをアピールすることができるため、仕事に対して前向きな印象を与えることができます。
仕事内容への不満が理由
「〇〇の仕事のスキルを磨いていきたいという希望を持ち入社しました。
しかし、入社から5年経っても〇〇という仕事ばかりでスキルアップは望めないと感じ、退職を決意しました。」
上記のように書くと、前職への不満を採用担当者にぶつけているに過ぎません。
この文章を以下のように変えてみましょう。
「入社当初から〇〇の仕事のスキルを磨いていきたい思いがありました。
しかし、入社から5年経っても〇〇という仕事が中心の環境であったため退職を決意した次第です。
貴社は社員のスキルアップに力を入れていると伺い、私自身スキルアップすると同時に身につけた技術で貴社に貢献したいと考えております。」
上記のように書くことで、スキルアップという観点から、自身の退職理由を述べ、これからの活躍を企業に期待させる内容にすることができます。
これにより、自身の技術を向上させるために努力することができる人材であるという印象を与えることが可能です。
まとめ
今回の記事では、職務経歴書の退職理由の書き方をご紹介しました。
退職理由を伝える上での考え方や転職回数の考え方、IT業界についてなど、ご理解いただけたことでしょう。
退職理由を答えなくてはならないというのは、転職希望者にとって最も頭を悩ませる事柄の1つです。
転職回数が多ければ多いほど、その悩みを深めて転職活動に挑む足取りが重くなってしまう人もいるでしょう。
今回の記事でご自身の退職理由や転職回数に悩んでいる方が、転職活動を明るい気持ちで考えられるきっかけになれば幸いです。
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