電子コミックの市場規模を解説!現状や今後の成長見込みは?出版業界をITで変えたい転職希望者は必見!
電子書籍の市場拡大が続く中、その中でも大きなシェアを誇っているのが電子コミック市場です。今回はその電子コミック市場の規模や成長要因などを解説します。併せて今後の市場動向なども解説していきましょう。電子書籍関連のIT企業への転職をお考えの方におすすめの記事となっています。
目次
電子コミックの市場規模を解説
電子コミックは、電子書籍の浸透とともにその市場規模も年々大きくなっています。
電子書籍全体の市場規模は、2019年度で3,473億円。
電子書籍全体の市場規模が拡大を続けていく中で、気になるのは電子コミックの市場拡大がいつまで続くかということです。
市場の現在の状態がどういったものとなのかを解説しながら、今後の電子コミック市場についても考えていきます。
電子コミックに携わる業種への転職を考えている方は、この記事を読むことで今後の市場動向を知っておきましょう。
電子コミック市場の現状
電子書籍業界の成長に伴い、その中でも一際存在感を放っている電子コミックというジャンル。
まずはその市場の現状についてご紹介していきましょう。
電子コミック市場は拡大中
電子コミック市場は、2020年も拡大を続けています。
その規模は、2019年時点で2,989億円となっており、電子書籍業界全体で1番の市場規模です。
電子書籍全体で同年の市場規模が3,473億円となっており、電子コミックのシェアは業界全体のおよそ86%にあたります。
シェア率がとても高いことからも分かる通り、電子コミックというのは書籍業界全体を支えている一大ジャンルなのです。
この傾向というのは今後も続いていくと考えられます。
マンガアプリの市場も拡大
マンガアプリの存在も、電子コミック市場の拡大に一役買っています。
電子コミック市場において主流な配信方法の1つとなっており、動画サイトなどではマンガアプリの広告も増加傾向にあるのです。
ここまで市場が拡大してきたのも、そうした広告規模の拡大が理由の1つにあると考えられます。
スマートフォンなどで気軽にエンタメを楽しむことができるようになった結果、電子コミックにもそのユーザーが流入しているのでしょう。
そのため、今後マンガアプリの広告も増えていくことが予想されます。
広告の増加に伴い流入数も更に増え、電子コミック市場の拡大にもつながることでしょう。
電子コミック市場が拡大を続ける理由
電子コミック市場がここまで市場を拡大しているのには様々な理由があります。
今回はその中から近年の市場の動向から考えられる主な理由をご紹介しましょう。
海賊版サイトの封鎖
2017年〜2018年頃に社会問題となった電子コミックの海賊版サイトですが、その後政府のブロッキングなどによりサイトは閉鎖。
これにより、正規の方法で電子コミックを読む人が増え、電子コミックの市場規模の大幅な拡大にもつながったと思われます。
膨大なアクセス数を稼いでいた海賊版サイトの存在からも分かる通り、潜在的なコミックへの需要がサイトの閉鎖により顕在化したのでしょう。
作者や企業に対して対価が正常に支払われるようになったことで、近年の市場規模にも良い影響を与えていると考えられます。
今後もその良い影響は継続していくことでしょう。
利用率の増加
電子コミックは近年利用率の増加が顕著となっています。
その大半を占めていた紙媒体による漫画の割合が段々と減っており、電子コミックは規模拡大の一途を辿っているのです。
また、漫画市場全体でのシェアが2020年以降、電子コミックが紙マンガを上回ると考えられています。
こうした利用率の増加は、先述したマンガアプリなどの影響もあるのでしょう。
スマートフォンの普及は、IT技術の進展をこうしたエンタメ分野においても支えているのです。
紙媒体では持ち歩く際に1冊であってもそれなりのスペースを要します。
しかし電子コミックであれば、タブレットやスマートフォンさえあれば何冊でも、好きなところで見られるという利点があるのです。
こうした利点は通勤・通学などで移動に時間がかかる世代にとって有力な利用理由の1つとなります。
誰もがスマートフォンを持ちネットと繋がれる時代となったからこそ、電子コミックも市場規模をここまで成長させられたのでしょう。
企業のデジタルシフト
今まで電子書籍分野に対して本格的に参入していなかった多くの有名出版企業が、電子書籍サービスを開始したことも大きな理由の1つです。
これにより電子書籍全体の活性化にも繋がり、電子コミックにおいても複数のサービスを利用するユーザーが増加しました。
紙媒体とデジタル媒体での出版を同時に行うことによって、ユーザーがニーズに合った方を購入することができるようになったのです。
新刊発売の際、今まで購入の機会を逃していたユーザーにもリーチすることが可能になりました。
大企業が電子書籍に対して力を入れ始めたことも、市場規模拡大の要因の1つとなっていると考えられます。
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電子コミックの今後の成長規模
電子コミックの市場規模は、今後どのような形で成長を続けていくのでしょうか。
今後の市場規模について考えていくことで、電子コミックというジャンル全体の動向を考えていきます。
電子書籍市場の今後の動向
現在まで電子書籍・雑誌業界は順調に市場を拡大していますが、2022年までにその規模は5,000億円を超えると予想されています。
2019年には、電子コミックの市場規模が前年比3割増となっており、その成長は顕著なものでした。
これは先述した海賊版サイト閉鎖の影響だと思われます。
しかし、理由はこれだけではありません。
こうした変化には紙媒体の市場縮小も影響していると考えられます。
今まで市場における占有率の多数派を占めていた紙媒体ですが、2019年についにデジタル媒体が逆転しました。
これは紙媒体からデジタル媒体へと移行している層が多いということを示しています。
ここ数年の間で電子書籍への需要が表面化してきているのです。
この現象からも分かる通り、電子コミックの市場規模は今後も大きく成長していくことでしょう。
ライフスタイルの変化に伴う市場成長
デジタル媒体への移行という現象にはどのような意味が隠されているのでしょうか。
これはデジタル媒体のメリットと、人々のライフスタイルの親和性が高くなっているということを表しているのではないでしょうか。
スマートフォン1つで様々な情報を享受することができるようになったことで、電子書籍を使用する機会も増えたと考えられます。
今後もIT技術の進歩と共に、更なる情報の更なる高度化が進んでいくことでしょう。
また、近年はペーパーレス・キャッシュレスというものを国全体で進めていこうという傾向が強まっています。
そうした取り組みと相性が良いのも、電子書籍の特徴の1つです。
こうしたことが理由となって、今後人々が電子書籍を利用する機会も増えていくことでしょう。
電子コミックの主流はマンガアプリ
マンガアプリの市場も拡大していることは先ほど述べた通りです。
これまで電子コミックというジャンルを支えてきたマンガアプリ。
このジャンルのこれからの成長にも、マンガアプリの存在は欠かせません。
マンガアプリでは、1話無料などという形でどのような作品かを最初の段階で知ることができます。
これによって、書店に赴かなくてもアプリ上で試し読みが行えるのです。
こうしたマンガアプリのメリットは、市場規模の拡大にも影響しています。
IT技術が電子コミック市場を変えている
今まで紙媒体がメインであったコミック市場のなかで年々電子コミックが存在感を増しています。
これにはどのような理由があるのでしょうか。
IT技術の貢献
2019年にはデジタル媒体が紙媒体を勝り、今後もデジタル媒体が重視される傾向は続いていくことでしょう。
これにはIT技術の貢献が大きいと考えられます。
市場が拡大する中で大きな役目を担ったのは、動画広告です。
これは動画配信サービスや、無料マンガアプリなどでの広告配信のことです。
動画配信サービスにおいてはマンガアプリ自体の宣伝を行い、ユーザーの増加を促しています。
広告のターゲティングが高度になったことにより、求めるユーザーに対して広告を届けられるようになったことも要因の1つです。
無料マンガアプリの台頭
そして、無料マンガアプリ内ではスポンサーの広告を配信することによって利益を生み、ユーザーに対して無料で作品を配信しています。
このようなIT技術の発展による広告収入は電子コミック市場を陰で支えているといえるでしょう。
SNSなどの人口増加によりコミックの宣伝をしやすくなった面もあります。
今後もこうしたIT技術の発展により、電子コミック市場は大きく成長を続けていくことでしょう。
今後の電子コミック市場
電子コミック市場は今後、どのように変化を遂げていくのでしょうか。
今後の電子コミック市場の変化を予想していきましょう。
有料利用率の上昇
無料マンガアプリの台頭により、多くの人が無料でコミックコンテンツを楽しむことができるようになりました。
これにより、電子書籍を利用するユーザー数は増加しています。
そして、そのユーザー数の増加と共に、有料電子書籍を購入する人も増加しているのです。
ただ単純にユーザー数が増えているだけでなく、有料書籍を購入する人の割合も増加傾向にあります。
具体的には2019年度には前年比で約0.2%、有料電子書籍を利用する人の割合が増えているのです。
これは、ユーザーに電子書籍を購入するという行為そのものが世間に浸透していることを表しています。
この割合というのは今後も増えていくと考えて良いでしょう。
新型コロナウイルスの影響
2020年には新型コロナウイルス感染症の影響により、多くの人が外出自粛を余儀なくされました。
書店に赴くこともなかなかできない状況の中で、出版会社は電子書籍の無料配信キャンペーンなどを多く行いました。
特に電子コミックの分野においては、家の中で娯楽が不足してしまう自粛期間に多くの作品が無料配信を行いました。
こうしたキャンペーンはこれまで電子書籍を使ってこなかった人が電子書籍を初めて利用する機会にもなったのです。
新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するにあたって、書店に行かなくても書籍を読むことができるというのは大きなメリットです。
そうした利便性に気付いた層を中心として、今後電子書籍の利用者は増加すると考えて良いでしょう。
ユーザー数を拡大していくことで、自ずと市場規模も拡大していくと考えられます。
まとめ
今回は電子コミックの市場規模と、今後の動向についてお伝えしました。
紙媒体からデジタルへと移行していく中で、電子コミックの市場規模は今後も拡大していくと考えられます。
転職を考えている方はこうした電子コミックの市場について知っておくことで、関連企業への転職に役立つはずです。
この記事によって、電子書籍と電子コミック市場について理解を深め、有利に転職活動を行っていきましょう。
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