株式会社フーディソンのビジネスモデルを分析!人材サービスの力で食を支援【HRTech企業への転職】
生鮮食品は私たちの生活に欠かせないにも関わらず、その流通システムはIT化やAI化といった社会の変革から取り残されています。そのような生鮮流通デジタルトランスフォーメーション(DX)を取り入れることで、生産者・消費者さらに人材確保の面でも大きなメリットを生み出そうとしているのが株式会社フーディソンです。この記事ではプラットフォーム企業である株式会社フーディソンの、事業内容や転職情報について詳しく解説します。
目次
株式会社フーディソンの概要
株式会社フーディソンは2013年にCEOの山本徹氏が「世界の食をもっと楽しく」をミッションに掲げて創業した新しい会社です。
麹を扱う食品会社が母の生家であった山本氏と、三陸のサンマ漁師との出会いが水産業界の問題点に着目するきっかけでした。
水産業界では本当に美味しいものを届ける手段の乏しさや、食を扱う職人の担い手探しが現場の大きな課題です。
そのような流通における「情報の非対称性」によってうまれる多くの問題を解決することで、日本の食文化の保護を目指します。
株式会社フーディソンが生産者・市場や飲食店などの店舗・消費者をつなぐ新しいシステムを構築し、サポートをおこないます。
株式会社フーディソンのビジネスモデル
株式会社フーディソンには、水産品の新しい流通経路の構築と、職人となる人材の確保のためのビジネスモデルがあります。
魚ポチ(うおぽち)
飲食店の仕入れは市場へ足を運んで行われることが多いですが、市場へ行けばすべての魚が手に入るわけではありません。
例えばその近海では獲れないものや、ニーズが少なくて市場にすら卸されないものもあるからです。
そのような悩みを解決するために飲食店向けの仕入れサイトである「魚ポチ(うおぽち)」があります。
全国20ヶ所の産地からの仕入れとバイヤーの確かな目利きにより、普段市場ではお目見えしない魚とも出会えるのが大きな特長です。
その時に一番おいしい「旬」や「はじめて見る」魚との出会いは飲食店のメニューや独自性の幅を拡げます。
ラインナップは常時数千種類を誇り、1尾から注文できる点も大きな魅力のひとつに感じていただけるはずです。
また、15時30分~翌朝2時(一部商品は3時)という営業時間も現場のリアルな動きを見越しています。
その時間帯であれば、深夜まで営業している飲食店でも閉店後に翌日の仕入れ業務を行えるからです。
スマホやパソコンから簡単に登録・発注が可能で、仕入れ発注業務の時間短縮にもなります。
sakana bacca(さかなばっか)
魚ぽちが飲食店向けのWEBサイトであったのに対し、実店舗として消費者に鮮魚を提供しているのが「sakana bacca」です。
「いつも新しい発見のある街の魚屋」をコンセプトに、おしゃれでモダンな魚屋を展開しています。
魚ぽちと同様、全国各地の旬の魚や、小売店での取り扱いが少なかった魚種も取り揃え、魚について詳しくなれるお店です。
フード人材バンク
「フード人材バンク」は、事業者と人材を繋ぐ架け橋の役割を果たす事業です。
開始当初は鮮魚に特化していましたが、現在は精肉加工や飲食店従業員など食に関する職種への人材派遣を行っています。
求職者は無料で利用でき、地域特化の専任コーディネーターが担当としてサポートしてくれることも大きな魅力です。
また、正社員はもちろんパート・アルバイトの求人なども掲載されているため、より幅広いニーズに応えられます。
飲食業界が陥っている慢性的な人手不足や、欠員により即戦力を要する場面で力を発揮するサービスといえるでしょう。
株式会社フーディソンが解決する社会課題
株式会社フーディソンは、「魚ポチ」「sakana bacca」「フード人材バンク」を大きな柱にプラットフォームを構築します。
それらのITサービスを活用し、水産業界が抱える課題を解決することが会社としての大きな目的です。
旬の食材や「珍しい」食材の情報が消費者に正しく伝わる
水産業界の大きな問題の1つに、食材の情報が消費者に行き届かないことがあります。
世の中には信じられないほど多くの種類の魚が存在します。
しかし、普段買い物をするスーパーなどの小売店で見かける魚の種類は、ある程度限られているのではないでしょうか。
もし仮に初めて見る珍しい魚が並んでいたとして、味や食べ方がわからず手に取れない方も多いことでしょう。
株式会社フーディソンでは、そのような現状を非常に残念だと考え、より多くの魚が消費者に受け入れられる仕組みを模索しています。
新しい食材が受け入れられるためには、正しい情報と少しのきっかけが必要です。
非常に良い例に「のどぐろ」があります。
専門店の登場やテニスプレーヤーの錦織選手がインタビューで話題にしたことがきっかけで、広く知られるようになりました。
例えば飲食店でさまざまな地域の珍しい魚が食べられるようになれば、素晴らしい食材の情報が知れ渡るきっかけになるでしょう。
さらにsakana baccaでは珍しい食材を消費者が直接購入できるほか、美味しい食べ方を紹介したフリーペーパーも発行しています。
生産者と消費者の間で正しい情報が共有できる社会を目指します。
HRTechにより生産者の人手不足を解消する
事業主にとって人材確保のための採用活動は、非常に重要なテーマです。
残念ながら求人を出しても人が集まらない・応募があっても条件が合致せず頭を抱えることが多いという現実があります。
圧倒的な登録者数とキャリアコーディネーター制度で、水産業界へHRTechサービスを展開するのがフード人材サービスです。
まず登録者の多さが人材確保の力になります。
さらにコーディネーターが事業者の求める人材像と、求職者のスキルの両方を把握することで、ミスマッチが少ないことも利点です。
人材確保をサポートすることで、水産業界の発展に貢献します。
魚食離れを解消する
食の欧米化が進み、日本人の魚食離れが進んでいます。
ユネスコ無形文化遺産にも選ばれている「和食」にも欠かせない魚食を、日本から無くすわけにはいきません。
「食べ方がわからない」「美味しい魚に出会えていない」を、sakana baccaや流通の確保によって解決に導きます。
株式会社フーディソンの今後の事業展開
「生鮮流通に新しい循環を」のビジョンに基づき、水産業界に産業革命をもたらすことが大きな目標です。
これまでもその為の新規事業を展開し、今後もより深くニーズを追求できるプラットフォーム構築に尽力します。
他業界から相当後れをとっているIT化の推進や、発展が期待されるAIやIoTの活用にも目を向けることが大切です。
生鮮食品の業界が最先端であることで、世界への発信や若い担い手の取り込みも可能になると考えています。
転職採用例
採用状況は変動しますが、株式会社フーディソンにおける3職種の採用例をご紹介します。
大田市場マグロ加工スタッフ
大田市場(東京都中央卸売市場)内で生マグロを加工するスタッフです。
ラウンドやGGで入荷するマグロを、飲食店からの注文に合わせてロインやブロックに加工し、保冷梱包まで行います。
本マグロを始めインド・メバチなど多種多様な種類を1日に5~10本解体するほか、品質管理も重要な業務です。
・年収:360~500万円
・勤務時間:深夜0時~9時(5時~6時休憩)
・必須スキル:量販店や卸売業においてマグロ加工の実務経験が1年以上あること
・歓迎スキル:フォークリフト免許・お造り等の加工経験
事業責任者候補(マーケター)
主力事業である魚ポチのマーケティング施策を先導し、キャリアアップして魚ポチ事業の責任者を目指す職種です。
具体的な業務内容は新規獲得・販売促進・ウェブプロモーションなどを通した、事業収益拡大のための戦略作りです。
ただ商品を掲載するだけのECサイトではなく、扱う生鮮食品・生産者の声・購入者の声を肌に感じ、やりがいを感じる仕事です。
・年収:400~650万円
・勤務時間:9時~18時(休憩1時間)
・必須スキル:WEBマーケティングの3年以上の経験・プロジェクトリーダーの経験
・歓迎スキル:事業会社でのマーケティングの実務経験・EC事業のマーケティング経験など
セールスドライバー
魚ポチにてご注文いただいた生鮮食品を、ご依頼の飲食店に配送する職種です。
ただ配送するだけでなく、お客様のニーズをくみ上げられるような関係の構築を目指していきます。
また、14時~16時30分頃の飲食店のアイドルタイムには、営業活動を行うこともあります。
・年収:354~378万円
・勤務時間:7時~16時(休憩1時間)
・必須スキル:普通自動車第一種運転免許(AT限定可) ※「初心運転者標識」表示義務対象者は除く
・歓迎スキル:飲食店勤務経験・営業経験など
株式会社フーディソンの転職ポイント
現在の食文化や伝統を大切にしつつ、新しいプラットフォームの構築に挑戦し続ける会社です。
そのため、生鮮食品業界の経験者でも他業種からの転職希望者でも、チャレンジ精神がある方を求めています。
また、立ちはだかる大きな課題を解決するためには、柔軟な発想とチーム力で取り組まなければなりません。
そして、食を扱う事業であることから、お客様やエンドユーザーを身近に感じる職種でもあります。
お客様や消費者に思いを馳せ、チームの連携を大切に考えられるような「人が好き」という気持ちも非常に魅力的です。
「自らの手で世界を変える」「とにかく何かしたい」と前向きな情熱を持った方を歓迎しているのです。
株式会社フーディソンの会社概要
株式会社フーディソンは「世界の食をもっと楽しく」をミッションに掲げている会社です。
フレキシブルさを事業展開の要としているだけのことはあり、その社風も現代の働き方に合わせて柔軟性に富んでいます。
勤務体系や福利厚生・社内制度の一例をご紹介
例えば勤務体系や福利厚生には一般的なものから新しい制度まで、次のようなものがあります。
・フレックス制度導入(ポジションによって異なる場合があります)
・週休二日制(ポジションによって異なる場合があります)
・有給休暇
・社会保険完備
・生鮮食品の社員割引制度
・飲食代一部補助
・オフィス内禁煙、副業可
・部活動補助
・ベビーシッター制度
・インフルエンザ予防接種費用支給
現在の社会情勢に鑑みた新しい制度や、飲食業界をけん引する企業ならではのサポート体制があることがわかりますね。
昨今は型にはまった働き方や、予防接種など仕事のための投資への自己負担に疑問を感じている方も増えています。
そのような方も納得できる内容ではないでしょうか。
理念や社風とは
株式会社フーディソンは「チームでやろう」をバリューの一つに掲げています。
さらに経営陣をはじめとする社内全体の年齢層が若いこともあり、年齢や職種の幅を超えての相談や意見交換が活発に行われます。
わからないことを1人で抱え込む心配も少なく、また、これまでの経験を生かした提案も受け入れられる会社です。
明るく前向きな社風で、意欲を持って仕事に取り組めます。
まとめ
ご紹介してきた株式会社フーディソンのビジネスモデルや特長をまとめると、次のようになります。
・「世界の食をもっと楽しく」をミッションに掲げる会社である
・水産業界に新たなプラットフォームを構築している
・飲食店向け仕入れサイトや消費者向け店舗を展開している
・旬の食材やあまり流通していない鮮魚にも目を向けている
・HRTechサービスにより、業界の人手不足解決を目指している
・やる気と情熱がある人材を求めている
これまで誰も取り組んでこなかった、水産業界のIT化や流通経路の拡大に目を向け事業展開した非常に前衛的な会社です。
目指すゴールも世界を見据えており、これからの活躍も期待できる会社といえるでしょう。
食を扱う事業内容にも社会的意義を感じやすく、高いモチベーションで挑み続けられるのではないでしょうか。
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