freee株式会社のビジネスモデルを分析!人事労務を支えるSaaSに注目【HRTech企業への転職】
freee株式会社は、HRTech領域に参入し、事務プロセスを効率化するサービスを提供してきました。またSaaSプロダクトの開発も行っており、日本ではその先駆け的存在です。今回は、freee株式会社のビジネスモデルを分析し、そのSaaS技術について解説していきます。
目次
freee株式会社の概要
2012年にGoogle出身の佐々木大輔(現代表取締役)らにより設立されたfreee株式会社。
わずか7年で上場を果たした今大注目のIPO で、SaaS型クラウドサービスを運営しているフィンテック企業です。
メインターゲットとして、個人事業主などを中心にしているスモールビジネスとなっています。
HRTech企業
freee株式会社は、今注目のHRTech領域にもいち早く参入し「クラウド給与計算ソフト freee」をリリースしました。
その結果、入社から給与計算、勤怠管理などの事務プロセスをfreee上で管理可能となったのです。
今後もこの機能をもとにさらに企業のHR業務を効率化できることを期待できるでしょう。
freee株式会社のサービス・事業内容
2013年3月にクラウド会計ソフト「freee」をリリースしました。
2015年には国内初となる「労働保険申告機能」をリリース。
その後「freee 株式会社」を設立し、2017年に「人事労務 freee」をリリースしています。
2018年には国内初の人工知能を活用した月次監査サービス「AI月次監査」機能をリリースしました。
そしてこの時期に、「freee」の利用経験がある事務所が国内で100万を突破しました。
そのほか「開業freee」、「マイナンバー管理freee」、「クラウド申告freee」、「freeeカード」など多様なサービスをリリースしています。
SaaS(サース)、HRTech(HRテック)とは?
SaaS「Software as a Service」
SaaSとは近年国内でも多く取り入れられている、クラウドサーバー上にあるソフトウェアをユーザーがネットを経由して利用できるサービスです。
一般的に「サース」「サーズ」と呼ばれています。
SaaSは、多くの人が使用しているサービスです。
よく知られているサービスとしてはGmail、Microsoft Office 365、Dropboxなどが挙げられます。
SaaSという言葉を知らなくても、今では多くの方にとって生活や仕事に欠かせないサービスとなっているのです。
freeeはまだ日本で普及していなかった2012年に、海外の普及率を基に国内でのスモールビジネス向けSaaSプロダクトに挑みました。
2013年にはクラウド会計ソフト「freee」をリリース。
国内の企業からも一目置かれる存在へと躍進し、今も成長し続けています。
その結果今では日本にもSaaSを取り扱う企業が増加傾向にあり、このような現状からfreeeはSaaSの先駆者ともいわれるようになりました。
HR Tech「Human Resource×Technology」
HR Techは「HRテック」と呼ばれ、人材とテクノロジーを掛け合わせた造語です。
採用やマネジメント、勤怠、評価などの幅広い人事関連業務に、人工知能や最先端テクノロジーを活用。
効率よく人事課題を最適解に導くサービスのことを指します。
freeeでは2017年に「人事労務freee」を提供開始し、HR Techに本格参入しました。
HR Techを用いることで今まで人がやっていたアナログ業務を、人工知能などの最先端テクノロジーで処理することができるようになりました。
これにより、人員による作業負担を大幅に削減できる仕組みが完成したのです。
freee株式会社のビジネスモデル
freee株式会社ビジネスモデルはサブスクリプション型。
サブスクリプション型のビジネスモデルでは、最初に資金が必要となり、顧客に継続してソフトウェアを利用してもらうことで初めて回収ができます。
成長のために資金を先行投資し、その後しっかりと回収していくビジネスモデルだからこそ、freeeでは積極的に資金調達をしているのです。
freeeはIPO含め合計9回の資金調達をしており、累計283億円にもなります。
しっかり先を見据えたビジネスモデルがあるからこそ、freee株式会社は赤字決済でも怯むことなく先行投資を続けているのです。
「スモールビジネスを、世界の主役に。」
freeeは設立当初から「スモールビジネスに携わるすべてのひとが創造的な活動にフォーカスできるよう」というミッションを掲げています。
その後、会社設立から6年目のタイミングでミッションを改め、「スモールビジネスを、世界の主役に。」という新ミッションを掲げました。
freeeは日本発のSaaSでスモールビジネス企業がさらなる高みを目指し、世界の主役となれるよう日々成長を続けているのです。
SaaSでスモールビジネスを躍進
会計SaaSの先駆者ともいわれるfreeeは、様々な分野のSaaSサービスと連携し仕事の効率を上げることに成功しています。
各所の情報を1本化することにより、入社から退社までの個々の管理をまとめて行うことが可能になりました。
また、SaaS により集めた情報をHR Techを用いて、テクノロジーと融合することで人事業務の効率を大幅に上げています。
freee株式会社が解決する社会課題
新型コロナウイルス感染症により課題となっているリモートワーク。
freee株式会社では、自社だけでなく取引先にも取り入れやすくなるような取り組みを行っています。
具体的には、「#取引先にもリモートワークを」を合言葉にして、賛同企業を集い取引先のリモートワークを可能にするアクションを設定。
リモートワークが行える環境構築をしているのです。
freeeでは、リモートワークに関して、様々な取り組みを行っています。
まず、契約書面に関する捺印の原則撤廃。
必要な場合には契約書面をメールなどで合意後、まとめて押印する形を取っています。
他にも、取引先との書面に関するやり取りのデジタル化を要請。
社外の取引先企業とのミーティングは全てビデオ会議対応にする、などの取り組みを行っています。
積極的にfreeeが共同企業を集い推奨していくことで、世界的にリモートワークが遅れている日本にも新たな変化の兆しが見えます。
リモートワークの要となる「インターネットさえあればどこにいてもアクセス可能」というシステム。
SaaS型サービスを提供しているfreeeだからこそ、うまく活用して環境構築に取り組めるのでしょう。
freee株式会社の今後の事業展開
freee株式会社は今後もスモールビジネスにおいて、テクノロジーを活用することで経営行いやすくするサービスを提供していきます。
また、クラウド技術を駆使したSaaSを中心に、顧客の経営効率化をサポートするべく、最先端技術を駆使したサービス作りを推進していくことでしょう。
freeeはこれまで提供してきた経理や会計に対してのノウハウを生かし、顧客に本質的な価値を与えることを重視しています。
その上で、これまでのサービスを顧客にとって更に良いものへと改善することも欠かしません。
ユーザーの求める課題を考え、課題解決を可能とする技術を維持しながら新たなサービスを生み出すことも行い、今後の事業を展開していくことでしょう。
転職難易度
freeeの転職難易度は決して低くありませんが、現在事業拡大に伴い積極的に採用が行われています。
そのため2020年の今が転職に有利なチャンスといえるでしょう。
freeeが求める転職者スキルは企業理念である「マジ価値2原則」への共感が必須といわれています。
また、スキルより意欲の高さや人間性を重視する傾向にあるので、対策することで採用可能性を大幅に上げることが可能です。
グロースエンジニア
freeeの開発エンジニアとして他チームと連携しながら、システム企画や設計、開発を行います。
また、freee独自のフィーバーシステムが用意。
3か月毎に1週間、各々が普段気になっている課題に好きに取り組むことができます。
これにより、自身のスキルアップにも有意義な環境体制となっているのも特徴です。
グロースエンジニアとして業務に携わる上で重要となるのが、その仕事への姿勢。
妥協することが嫌いで、システムを改善することで得られる達成感にやりがいを感じられる人に最適な職種といえます。
また、マネタイズやグロースに関する職務を経験した方は、歓迎されるでしょう。
また、既存の仕組みに対して疑問を感じていたり、面倒なことに対して自動化したりすることが好きな方は、楽しんで仕事が行えるでしょう。
WEBアプリの開発経験やスキルが求められる職種です。
デジタルマーケティングディレクター
freeeで展開するプロモ、広告接触データ、MA,CRMデータなどのデータ分析により、グロース施策、戦略の立案、企画を行います。
CDP設計、導入経験や、SEO、LPOの最新トレンドに関する理解や知識が必要とされる職種です。
また、WEBサイトの構築、CMS、解析ツールなどの最新トレンドに関する理解、広告運用、マーケティングに対しての知識も必要とされます。
その業務内容からも分かる通り、様々な知識を幅広く必要とされる職種です。
転職の際は、WEB解析ツールでの分析、課題点の抽出、マーケティング戦略経験が求められるでしょう。
また、課題解決に向けた論理的思考、問題解決能力も期待される職種です。
カスタマーサクセスマネージャー
業務改善コンサルタントとして、ユーザーが抱える課題の特定やデータ分析をもとに、改善するためのロードマップを作成します。
課題をエンジニアチームと共有し、改善のためのプロジェクトを遂行する職種です。
チームをまとめる能力やコミュニケーション能力がある方は、自身の能力を活かせる職種だといえるでしょう。
簿記2級以上の経理実務経験、会計士、税理士の資格、マネジメントの経験がある方は転職に有利です。
職務上、会計、経理の基礎知識や、責任者として企画や進捗管理、立ち上げ経験がある方は優遇されるでしょう。
また、コミュニケーション能力、問題解決能力の高さ、リーダーシップ力が必要とされます。
自身のそうした能力に自信のある方にはうってつけの職種です。
会社情報
freee株式会社はより快適に仕事ができるよう、福利厚生や社内時制度などが充実しています。
※2020年10月時点の情報です。
つばめっ子クラブ
つばめっ子クラブは、freee株式会社の育児支援制度です。
この制度には、出産祝い金、ベビーシッター補助金、社内SNSでお下がりのやり取り、子育て悩み相談などが含まれています。
育児をしている方には大変有難い制度といえるでしょう。
他にも、住宅手当、借上社宅制度、赴任サポート制度、BBQなど、育児支援が充実しているため、安心して仕事に打ち込むことができます。
freee Award
freee Awardは、社内外での活躍を表彰する制度。
仕事だけでなくプライベートでの活躍も認められるのが特徴です。
ジャーマネ制度
freeeメンバーのためのマネージャーがいます。
マネージャーがいることで、よりクリエイティブな仕事に集中することが可能です。
オフカツ!
野球やヨガ、ファミコン部など30以上の部活があり、チームや職種を超えあらゆる人材とコミュニケーションをとることができます。
仕事ばかりではなく、息抜きの時間も職場の人たちと共に過ごすことができるため、良い人間関係を築くことができます。
自由な仕事環境
他にも飲み物、軽食は無料であったり、書籍費用も無料であったりと、仕事環境が良好に保たれています。
また、仕事に使用するPCのマシン選びは各自で自由に行えるのも特徴です。
自身の仕事が効率的に行えるように機材を整えることもできるでしょう。
また、カフェラウンジやソファでの仕事も可能なため、各自で捗る場所で仕事ができます。
それぞれが働きやすいような職場を提供することで、freeeが提供するサービスと同じように仕事も効率化を図っているのでしょう。
制度や仕事環境も充実しており、総じて働きやすい会社であるといえます。
まとめ
新型コロナウイルス感染症で働き方が見直されている昨今。
freeeが先駆けて取り組んできた革新的なプロダクトは、今や国内の企業にとって基礎ともいえる存在となってきています。
freee株式会社は、2020年の大幅な人員拡大を行っており、転職のチャンスといえるでしょう。
革新的なサービスを追求し成長し続けている企業に転職することができればスキルアップにつながること間違いなしです。
freee株式会社はこれからの日本だけでなく世界の中心ともなっていくSaaS、HR Techに触れることのできる良い転職先だといえるでしょう。
この機会に、freee株式会社への転職を検討してみてはいかがでしょうか。
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