「逃げの転職」は印象が悪い?ネガティブな理由で退職した場合の面接での印象や伝え方のポイントを転職エージェントが解説します
20年ほど前までは終身雇用の考えが謳われておりましたが、現在は転職するのが当たり前といっても過言ではありません。しかし、転職が当たり前の時代だからといって、「逃げが理由では転職できないのでは…」と考える方は多いのではないでしょうか。逃げの転職をする人は少なくありません。そこで今回はネガティブな「逃げの転職」についてのポイントをご紹介します。
目次
そもそも「逃げの転職」とは?
転職する際、その理由として人間関係やキャリアアップ等、いろいろな要因が考えられます。
その中でも、「逃げの転職」とはどういった転職のことかを紹介します。
人間関係がうまくいかない場合の転職
会社に勤めたことがある人の多くが持つ悩みかと思います。
例えば上司に気に入られず、どんなに仕事で成果を残しても評価されないパターンもあるかもしれません。
このように仕事以前に、社内の人間関係により、居づらい状況になり余儀なく転職をするケースです。
仕事でなかなか成果が出ない場合の転職
どんなに仕事を頑張っていても、なかなか結果が伴わない場合があります。
そうなると、ただただ業務をこなすだけになってしまい仕事にやりがいを感じられません。
その結果、転職したくなるケースです。
給料や労働時間などの待遇に対する不満による転職
待遇に不満を持ち転職するというのは、一見悪く無さそうですが、「逃げ」転職の1つです。
理由としては、「待遇に少しでも不満を感じたらまた転職するのでは?」と思われてしまいます。
自分が希望する待遇を全て満たすことは難しいのです。
「逃げの転職」の際に、面接前に対策したいポイント
「逃げの転職」の場合、選考に通過できないのでは…。と、不安に感じる方も多いのではないでしょうか。
しかし、転職理由がネガティブなものであっても、きちんと対策ができていれば転職は不可能ではありません。
ここで、面接の前に対策したいポイントについてまとめました。
まずは自己分析をする
転職理由が「逃げの転職」の場合は、しっかりと自己分析を行いましょう。
大切なのは転職することでほんとに改善できるかどうかです。企業側としても、また同じ状況に陥ってしまいすぐにやめてしまうのではないか懸念しています。
先ほど紹介した3つを元に、考慮すべき点についてご紹介します。
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①転職理由が【人間関係】の場合考えるべきこと
転職理由が人間関係の場合、面接官は「当人に問題があったのではないか」「うちでも同じように問題が起きるのではないか」を気にします。
・自分に非が無いか
・どう接すれば改善できたのか
・どのような職場であればうまく行くのか
面接官に上手く退職理由を伝えるためにも、上記の点を明確にしましょう。
職場には様々な性格の人間がいます。人間関係が100%うまくいくことはありません。
ただ「人が悪いから」という理由だと、どのような職場に行っても同じように人間関係に悩む可能性があります。
まずは原因を自分に置き考えた上で、「なぜ転職を検討したのか」「その企業であれば社風はあっているのか」を考えましょう。
②転職理由が【仕事の成果】の場合考えるべきこと
転職理由が人間関係の場合、面接官は「単純に仕事ができないのでは…」と気にします。
まず、仕事の成果が出ない理由を考えましょう。
・そもそも評価制度が整ってなく評価されない
・仕事が合っていない(もっと開発の仕事がしたいのに、運用保守のポジションにいる。など具体的に)
・そもそもの会社の業績が悪く、また意見も通りづらい。
例えば上記のような理由が挙げられます。
選考を受ける企業のどのポジションにつき、どのような経験やスキルをもって成果を上げられるのか、自己PRとセットで考えるようにしましょう。
③転職理由が【待遇】の場合考えるべきこと
転職理由が人間関係の場合、面接官は「うちでも給料が低いと感じたらすぐやめてしまうのではないか。」と気にします。
まず、本当にその待遇が見合ってないのか考えましょう。
例えば収入が低い場合は、その収入をこえるスキルがあるのかを考えましょう。
ただ、そもそも自分のスキルと年収が見合っているか分からない方は多いかと思います。その場合は転職エージェントを活用しましょう。
経験やスキルを元に想定年収を提案可能です。
転職面接の時に極力避けたいネガティブワード
自分に合わない
「勤めていた会社の社風が合わなかった」「仕事が自分の思った事と違った」「自分のやりたいことが出来ない」など、単純に今勤めている会社が自分と合わないから転職するという発言はNGです。
なんとなく合わないと感じたらすぐやめてしまう人だと捉えられる可能性が非常に高いです。
どういった部分が合わなかったのか。逆にどういった環境なら合うのかを具体的にしておきましょう。
前の職場では成長出来ない
「残業が多いくて自己成長する為の時間がない」「もっと挑戦出来る職場で働きたい」こういった発言が前向きなように考えがちですが、背景まで考えていないと、これらの発言もNGです。
本気で成長したいと思えば、職場関係なく行動して何でも出来ます。
「前の職場ではどのように働きかけ、成長しようとしたのか」「その結果、何故成長できないと感じたのか」を明確にしましょう。
○○が不満
勤務時間や年収、評価制度などに不満があったとしても、それをそのまま「不満」という言葉を使って伝えるのはNGです。
次の例を参考に、ネガティブな理由を受け入れてもらいやすいように言い換えましょう。
ネガティブな転職理由の伝え方例
人間関係が良くない
【言い換え例】
前職では個人プレーが尊重される傾向にありましたが、チームプレーで働く事で○○の経験やスキルを活かしたいと考えております。
仕事量が多い
【言い換え例】
前職では○○という数値目標を掲げて日々業務にあたっておりましたが、顧客ひとりひとりに向き合う時間が作れない事が悩みです。
そのため、それぞれのニーズに確実に応えるスキルを磨ける環境に身を置きたいと思い退職いたしました。
残業が多い
【言い換え例】
○○の業務にあたり、△△の資格取得のための勉強時間を確保したいと思っております。
前職では残業が月〇時間あったため、自己研鑽にも時間を使えるような企業で働きたいと考え、✕✕制度のある御社への転職を希望いたしました。
評価・年収が見合っていない
【言い換え例】
前職では○○の契約数で年間トップという実績がありましたが、勤続年数が評価に反映されやすい社風だったために、若手であっても実力を評価してほしいという思いが常にありました。
御社の募集要項にあったインセンティブ制度のように、実績に見合った昇進・昇給制度が整った企業に大変魅力を感じております。
転職の面接で押さえておきたいポイント
ネガティブにとらえられてしまうポイントと言い換え方について紹介してきました。
次に「逃げ転職」の場合でも面接を好印象を与える方法についてご紹介します。「逃げ転職」だからといってネガティブにとらえられないようにするためにも抑えておきたいポイントです。
志望動機を明確にする
当たり前と思われるかもしれませんが志望動機は一番重要なポイントです。
「なぜ転職先にうちの会社を選んだのか?」どんな面接官でも気になります。志望動機は面接の前に入念に考えておきましょう。
ここで大切なのは一貫性です。
中途採用では必ずと言ってよいほど「前職を転職しようと思った理由」を聞かれます。そこで伝えた内容と、志望動機がリンクしているかどうかが非常に重要です。
例えば、社風が体育会系で人間関係がうまく行かずに転職したとします。もし、その転職先が体育会系の社風の企業だった場合、またすぐにやめてしまうのではないかと懸念してしまいます。
「なぜ転職を決意したのか。そのうえでどのような企業を志望しているのか。」についてしっかりと考えましょう。
企業理念を理解する
企業理念は企業側にとって非常に重要な部分です。
人のやりたい事は常に変わっていくため、社風や理念に同意してくれる人でないと長く働いてもらえないと考える企業は多いようです。
面接の前には企業理念や社風をしっかり調査しましょう。口コミサイトであったり、人材紹介会社を通して聞いてみることで、より詳しく知ることが可能です。
前職では叶わない希望とその理由を伝える
退職理由が「前職では実現できないビジョン」がある事で、それを志望する企業では実現できるという点をアピールしましょう。
先述の言い換え例の通り、本音はネガティブな理由であっても肝心なのは伝え方です。
決して辞めたいという理由だけで始めた転職活動ではない事を、採用担当者に分かってもらう必要があります。
そのためにも志望動機を明確にし、志望する企業についてきちんと理解する事がとても大切なのです。
次の仕事への熱意
ネガティブな理由の転職だと、やはりマイナスイメージから入りやすいのは間違いありません。そこで重要なのが熱意です。
面談時にネガティブな話を多く盛り込まれるより、今後どのように活躍していきたいか話せる人の方が、面接官にとっても活躍のイメージがわきます。そこに熱意が感じられれば、さらにプラスの印象になるでしょう。
例え前職で成果が出せず辞めていたとしても、面接官に活躍のイメージを湧かせられれば、優秀な人材だと捉えてもらえることも可能です。
面接で押さえておくべきポイントを知って、転職を成功させよう
「逃げ転職」が決して悪いわけではありません。転職する人の大半が「逃げの転職」です。
しかし、それを面接でどのように伝えるかによって見え方は非常に大きく変わります。
面接の時に押さえておきたいポイントは以下の通りです。
・自己分析をしっかり行う
・前の職場をなぜやめたのか、その上でどのような企業に転職したいか明確にする
・企業理念や社風を理解したうえで一貫性のある志望動機を伝える
・熱意をもって活躍のイメージを伝える
上記の点を押さえておけば、ネガティブな転職であっても採用したいと思う企業は多くあるかもしれません。
ただ、「そもそも自分の希望条件を満たしてくれる企業が本当にあるのか分からない。」「自分の経験やスキルでどこの企業が採用してくれるのか分からない」という方もいるのではないでしょうか?
そんな方は転職エージェントの利用がおすすめです。
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