面接の答えにくい質問の答え方解説!質問の意図は?IT職種別の鋭い質問と回答例を転職エージェントが紹介
IT業界である程度のキャリアを積んでくると、自分の経験をもっと活かせる職場があると考えることもあるでしょう。しかしスキルやポテンシャルがあるにも関わらず、肝心の面接の受け答えが苦手で転職が思うようにいかないと悩む人は珍しくありません。そこでこの記事では、面接時に尋ねられた質問の意図を的確に把握し、自分らしい回答ができるよう質問と回答例を紹介します。
目次
まず面接はなぜ行われるのかを考えよう
面接は企業側が応募者の人間性を知るために行われます。
こういうと一方的に「品定め」される場のように感じますが、応募者が回答を通して自分自身をプレゼンする場でもあるのです。
面接は転職活動にはつきものだからと深く考えず受けるのではなく、面接が行われる意味を今一度確認しておくと、転職の成功に繋がります。
臆することなく、自分らしさが出る面接を目指しましょう。
面接官の知りたいこと
面接官が求職者の人間性を見るうえで特に知りたいことは、「パーソナリティ」「意欲や気構え」「コミュニケーションスキル」の3つです。
「パーソナリティ」については言うまでもなく、職場の社風に合う人材かを確認しています。
「意欲や気構え」では、この会社でやりたいことと、そのポテンシャルがあるかの見極めです。
そしてどの職種でも特に大切になるのが「コミュニケーションスキル」でしょう。
社内はもちろん、営業やコンサルタント、マネージメントなどあらゆるシーンで人と人の関りは避けられず、伝達能力が試されます。
面接官の質問の根幹はここに示した3つです。面接官を唸らせるような答えがなくとも、それが直接不採用に繋がるわけではありません。
面接官は様々な角度の質問を投げ、自分の会社に向いている応募者なのか総合的に判断するのです。
好印象を与える回答の仕方
面接官に好印象を与えるために応募者が気をつけるべきポイントは3つです。
・結論から伝えること
・誠実であること
・前向きであること
限られた時間の中でいかに自分をアピールするかが決め手となります。質問に対しては結論から回答しましょう。
また誠実に、前向きな内容を答えます。転職希望者は社会経験があるため、新卒のような真面目で実直な態度に欠けてしまいがちです。
特に面接官が自分よりも歳下であったり、同年代であったりした場合には気をつけなければなりません。
面接官と誠実に向き合い、自己PRはもちろんのこと、答えにくい質問に対してもポジティブな回答を心がけることが大切です。
それではこの後、答えにくい質問に対して好印象を与える回答例を職種別に紹介していきます。
ITエンジニア職の答えにくい質問と回答例
ITエンジニア職は技術者ですが、クライアントからの指示を正しく受け取り設計や運用を行う必要があります。
そのためコミュニケーション能力の高さも問われる職業です。
これからITエンジニア職の答えにくい質問として、2つの例をご紹介します。
弊社のサービスレベルをどう思いますか?
・回答例:御社のサービスレベルは他社よりきめ細かいフォローがなされているところが魅力だと思います。
前職でも同様のサービスはありましたが、開発が終了してからの体制が弱く顧客からもご指摘がありました。
しかし御社は開発後のフォロー体制が充実しており、以前より大変羨ましいと感じておりました。
・回答のポイント:どの会社にも他社にないサービスがあるものです。事前調査をしっかりと行い回答しましょう。
失敗した仕事をどうフォローしましたか?
・回答例:以前、私の指導不足から後輩社員がミスをしたことがありました。
私がクライアントに謝罪し解決しましたが、この経験から仕事で大切なことは業務と教育の二本柱であると感じました。
それ以来どんなに忙しい時でも教育には時間を割くようにしています。
・回答のポイント:失敗というマイナスの出来事ををどう捉え、プラスにもっていくために何を行ったのか回答しましょう。
ITマネジメント職の答えにくい質問と回答例
ITマネジメント職は、エンジニア職からのキャリアアップを測るために応募する人も多い職種です。
そのため応募者は経験豊富で意欲的な人材が集うことが予想され、より入社後のビジョンを明確に伝えることが求められるでしょう。
ここでは答えにくい質問を2つご紹介しますのでぜひ参考にしてください。
マネジメントにとって大切なことは何だと思いますか?
・回答例:マネジメントで大切なことは、会社目標を業務に落とし込み、部下たちがその目標向かって進むようサポートすることです。
1人ひとりのモチベーションを、業務の達成感から得られるようにしたいと考えています。
・回答のポイント:マネジメントはリーダーシップとは違うということを念頭におき、過去の経験を交えて話すようにします。
これまでにマネジメント経験がない場合は、今後業務に取り組むにあたって前向きな姿勢を示すような回答を心がけましょう。
上司や部下と衝突した時はどうしますか?
・回答例:私はそのようなとき状況を整理する時間を頂きます。
経験豊富な上司や新鮮な意見を持つ部下の話を聞いたうえで、自分の中で正しいと思うことについては角度を変えながら主張します。
・回答のポイント:真剣に業務に取り組んでいると、時にはぶつかり合うこともでてくるでしょう。
ここで嘘をついてしまうと入社後に苦しむことになりかねないため、過去の行動を交えつつ素直に答えるのがベストです。
ただし自分の意見だけを推し進めるのではなく、他者の言葉にも耳を傾け尊重する気持ちがあるということも伝えるようにしてください。
IT営業職の答えにくい質問と回答例
IT営業職は、他業種の営業職と同様に顧客と会社を繋ぐ役割を果たします。
ITの知識、伝達能力やフットワークの軽さ、気配り、またある程度の度胸なども必要です。
ここでは営業職ならではの答えにくい質問を2つご紹介します。
前職のお客様を引っ張ってこられますか?
・回答例:その点につきましては難しいと考えております。
前職では、私の個人的なつながりで営業を拡大してきたというよりも、商品の優位性にお客様がついていた状況でした。
これまでの間、私の営業スキルは蓄積されてきましたので、御社ではそのスキルを最大限活用して営業を拡大していきたいと考えております。
・回答のポイント:採用とともにお客様も一緒についくれるのであれば企業側にはたいへん魅力的です。
しかし応募者にとっては前職との間でトラブルにもなりかねない為メリットだけとは言いきれません。
むげに断ることで印象を悪くしてしまうことのないよう注意しつつ回答しましょう。
仕事をする上でお給料以外になにが大事ですか?
・回答例:会社業務を通じてお客様の役に立っているという実感を大切にしています。
前職に新卒で入社し、会社周りから各社に業務の提案などを行っておりました。
初めて案件を受注した時に先輩が心から喜んでくれ、また契約先の会社様からも「これからも頼むよ」と言われたときの感動を大事にしています。
・回答のポイント:面接官が知りたいのは「仕事をする上での価値観」です。
会社とは給料をもらうためだけにあるのではなく、会社業務を通して社会に何らかの役割を果たしていると実感した内容を伝えましょう。
ITマーケティング職の答えにくい質問と回答例
ITマーケティング職にはIT業界のマーケットを深く理解している人が求められます。
IT営業などを経験し、キャリアアップとして転職を試みる人も多い職種です。
入社したらどのようなマーケティングをしたいですか?
・回答例:御社に蓄積されたデータを活用し、数字に基づいたマーケティングに力を入れていきたいと考えています。
前職では経験が重視され、せっかくのデータが活用されておりませんでした。
データを分析し、マーケットの調査に積極的に取り組む所存です。
・回答のポイント:マーケティング職で大切なのは、その会社の事業に見合ったマーケティングを行いたいという意思表示をすることです。
「御社のためのマーケティング」というスタンスを強調しましょう。
今までの仕事で不満に感じることはありましたか?
・回答例:前職ではマーケティング業務を希望しておりましたが、ここ数年ウェブ営業が続き、希望する業務に付く機会がありませんでした。
上司にも相談したのですが、営業人材の不足もあり今後も当面営業職を続ける可能性が高く、今回の転職活動のきっかけとなりました。
・回答のポイント:ある程度の経験を積めば誰でも仕事への不満はあるものです。
たんに不満を述べるのではなく、不満と志望動機を結びつけるようにしましょう。
ITコンサルタント職はケース面接の準備を
コンサルティングファームを中心に昨今のIT関連の転職で増えているのが「ケース面接」です。
無理難題に見える質問に対して社員と議論を戦わせたり事前調査を行ったりする面接形式で、最も答えにくい質問ともいえます。
以下はコンサルティングファーム、A.T.カーニーで公開されているケース面接の実例です。
・日本国内において、1日に新たに配られているビニール袋は何枚か?
・シェアリングエコノミーの本質的価値は何か?具体例を考えながら答えよ。
ケース面接で面接官が知りたいことは「論理的な思考力」「コミュニケーション能力」そして「柔軟な発想力」の3つです。
どれもコンサルタントにとって必要な能力ばかりなので、問題集などで準備をしておくといいでしょう。
よく聞かれる質問と回答例
答えにくい質問に対する回答例はいかがでしたか?
ここからは、より転職活動の参考になるよう、よく聞かれる質問についても回答例と回答のポイントを紹介します。
退職理由は何ですか?
回答例:前職では、様々な仕事を経験させて頂き、貴重な時間を過ごしてまいりました。
しかしながらキャリアを重ね責任のある仕事に就くうちに、残業や休日出勤も多くなりスキルアップを図る時間が十分に取れなくなってきました。
私もまだ習得する知識や経験があるはずであり、成長をしながら仕事を進めていけるようになりたいと考えています。
回答のポイント:前職を退職した理由によっては「入社してもまた辞めてしまうのではないか?」という疑惑を与えてしまいます。
「やりたいことをやらせてもらえない」などの後ろ向きの理由を話さないよう注意しましょう。
そういった理由では、転職しても同じ不満を持つのではと疑われてしまう可能性があります。
退職理由に嘘をつく必要はありませんが、働くことに対して建設的だと伝わるような言い回しを考えましょう。
入社後に挑戦したいことはありますか?
・回答例:御社の強みである外食産業、テイクアウトなどの業態を通じたBtoC業務です。
消費者に直接関わることで、自らの仕事だけではなく、御社の評判や業績などにも貢献できると思います。
・回答のポイント:この質問の意図は、「自社の業務をどこまで知っているか」もう一つは「応募者の具体的な応募動機を知る」ことにあります。
なるべく抽象的なビジョンにならによう話しましょう。
まとめ
この記事では面接の答えにくい質問やその回答例を中心に紹介しましたが、面接で特に大切なのは、基本ともいえる熱意です。
誠意を持って礼儀正しく「御社で働きたいのです」という熱意を伝えましょう。
今回ご紹介した回答例を参考に、ご自身の魅力をアピールできる回答を考えてみてください。
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