転職の面接が雑談形式の時の対処法を解説!進み方や注意点は?受け答えの例を元に転職エージェントが解説
転職活動で鍵を握る面接ですが、最近では雑談形式の面接方法を取る企業も増えてきています。通常の面接よりもフランクな形で進められるため、つい気を許しがちですが、実はしっかりチェックポイントを抑えられています。この記事では雑談面接を乗り切るためのコツを解説します。
目次
雑談形式の面接とは
転職活動を行う上で、面接をどう乗り切るかは大きなポイントです。
面接にはいくつかの形式があります。
その中のひとつが、今回取り上げる雑談形式の面接です。
面接は、基本的には先に提出した履歴書や職務経歴書の内容に沿って話が進められます。
雑談形式では、履歴書などの書類とはまったく関係ない内容が質問されることも多くあります。
面接の雰囲気も、通常よりもフランクで一見すると気楽な感じにも捉えられます。
ただ、面接であることに変わりはありません。
そのため、いくら雑談のような質問でも、しっかりと中身のある答えを返すことが求められます。
雰囲気的には気楽な様子ですが、実は通常の面接よりもハードルが高いのが雑談面接のポイントです。
採用担当者のチェックポイント
雑談形式の面接は、フランクな雰囲気が特徴です。
フランクだからといって、気を許してしまうことで失敗してしまうケースも少なくありません。
気楽な雰囲気の中で、面接官は一体何をチェックしているのでしょうか。
事前にチェックポイントを押さえておくことで、失敗の回避につながります。
臨機応変な対応ができるか
雑談面接の重要なポイントは、雑談力です。
雑談力は、転職活動を行う上でも重要視されるスキルになります。
どんな会話でも、即座に対応できる能力を持っている人が、雑談力のある人といえるでしょう。
営業職など人と関わることの多い職業では、特に雑談力が求められます。
臨機応変にお客さまにあわせた会話ができることは、重要なポイントです。
いわゆるアドリブがどこまで通用するかをチェックされていると思ってよいでしょう。
雑談面接では、何を聞かれるかあらかじめ考えておいても、予想が外れる可能性のほうが高くなります。
そのため、用意された答えではない、不意の対応能力をいかにアピールできるかがポイントとなるでしょう。
コミュニケーション能力があるか
フランクな雰囲気であるとはいえ、面接官とは初対面の状態で会話を進めるのが雑談面接です。
面接でなくても初対面での会話は、緊張するでしょう。
企業では、こうした場面に出くわすことが多くあります。
その際に、いかにコミュニケーション能力を発揮できるかを見極めるのも、雑談面接を行う理由です。
業界関係なく、コミュニケーション能力は社会人として必要不可欠なスキルとなります。
会社内での人間関係を円滑に進めることができるか、お客さまとの会話をスムーズに進めることができるか。
こうした点がチェックされるのも、雑談面接の特徴です。
実は見られているポイント
雑談面接では、日頃の言動を見極められることもあります。
フランクな雰囲気をあえて作ることで、相手の素の部分を引き出すケースも多いでしょう。
素の部分
通常の面接の場合、面接を受ける側はかなり構えた状態で臨みます。
面接会場の雰囲気も緊張感に溢れ、失敗は許されないという気持ちが高まることでしょう。
雑談面接では、面接会場の雰囲気も気楽な様子で、質問内容も履歴書や職務と関係ないものが多く聞かれます。
なぜ企業はこうした面接を行うのでしょう。
それは、面接希望者の素の部分を垣間見るためだともいわれています。
対策を立てにくい雑談面接では、日頃の話し方や考えがつい出てしまうことが多くあるでしょう。
そうした仕草や言葉使い、回答の中から面接希望者の人柄を見極めることが雑談面接の大きなポイントといえます。
頭の回転の速さ
雑談力やコミュニケーション能力は、頭の回転の速さに通じるものがあります。
通常の面接よりも、会話のペースが早いのが雑談形式の面接の特徴です。
早いテンポの中で、自分の強みをアピールしながら相手との会話をスムーズに進める。
それだけの頭の回転の速さがあるかどうかも企業側のチェックポイントになります。
テンポよく会話を続けながらも、面接であるということは忘れない。
ついつい、自分ばかりが話してしまったり、相手の話に相槌を打つだけになったり、会話がキャッチボールにならないように気を配ることも大切です。
短い時間の中で、これらのことを一気に処理するだけの能力を持っているかを見極められていると考えてよいでしょう。
とはいえ、あまりに深く考えすぎると言葉に詰まってしまいます。
普段の会話の中で、雑談力を高めることを意識していくことが、雑談面接を乗り切るための対策のひとつになることを意識してみましょう。
雑談形式の面接で聞かれる質問内容
通常の面接と比較して、雑談面接で聞かれる質問内容は多岐にわたります。
用意していた答えでは、対応しきれないケースが多いということです。
答えた内容から、予想していなかった方向に話が進むこともあるでしょう。
多岐にわたる質問の中でも、比較的聞かれやすい内容について知っておくことも対策のひとつです。
実例をあげて紹介しますので、参考にしてください。
ここまでどうやってきた?
「この面接会場までどうやってきましたか?」
これは、比較的よく聞かれる質問です。
答え方によっては、会話が続かなくなることが多い質問ですので、対策を取っておきましょう。
NGな答え方は、「歩いてきました」「電車できました」と交通手段のみを答えるケースです。
これでは、「そうですか」で会話が終わってしまう可能性が高く、相手と会話を続けようという意思が感じられないと捉えられかねません。
この場合は、より具体的な経路を説明するとよいでしょう。
「バスと電車を利用してきました。〇〇線〇〇駅までバスで○分で、その後○○線で○分で最寄駅の○○に到着しました」。
こうした回答であれば、通勤時間を伝えることもでき、相手にも新たな質問をする糸口を与えることができるでしょう。
休みの日は何しているの?
「休日は何をして過ごしていますか?」
これも比較的よく聞かれる質問です。
この質問は、答えによってさらに突っ込んだ内容を聞かれることを想定して回答するとよいでしょう。
正直に答えることも大切ですが、できれば企業にとってメリットがあると感じられる回答ができると好評価になります。
「休日は、趣味のゴルフをしたり、自宅で本を読んだりしています」
「休日は、ゲームセンターに行ったり、自宅でオンラインゲームをしたりしています」
さて、どちらがより好印象となる回答でしょうか。
なんとなく後者のほうが、印象が悪いと感じる人が多いのではないでしょうか。
ただ、ゲームが悪いとは一概にいえません。
ゲーム関連の会社であれば、そこから話が発展して仕事への意欲をアピールすることができるかもしれません。
嘘をつく必要はありませんが、転職希望先の職種にあわせた内容の回答にすることも必要ということです。
そうすることで、次の展開が自分の強みをアピールできる会話につながる可能性が高いということです。
ストレスの発散方法は?
「ストレスが溜まったらどうしますか?」
このような質問が飛んでくることもあります。
この質問には、仕事をする上でストレスを抱えることもある、ということを前提に考えるとよいでしょう。
ストレスを溜めやすいか、うまく発散できるか、どちらがよいかといえば後者です。
一緒に働く相手が、イライラしやすいタイプであれば、職場の雰囲気も悪くなります。
「ストレスは感じないほうです」
「我慢します」
「ストレスを感じたら、好きな映画を観たり音楽を聞いたりして気分を変えます」
「軽い運動をするようにしています」
この4点であれば、後者2点が的確な回答といえるでしょう。
ストレスを感じない人もいるかもしれませんが、ストレスに対する耐性が養われていないと判断されかねない回答です。
後者2点は、ストレスに対してきちんと対処する方法を持っているという点で好印象を与えます。
映画、音楽、運動というキーワードを出すことで次の会話につながりやすい回答でもあるでしょう。
うちは第何希望ですか?
フランクな雰囲気の中で聞かれると、焦ってしまう質問です。
「うちは第何希望ですか?」
「うちは何社目ですか?」
急に聞かれると困惑して、言葉に詰まってしまう人も多いでしょう。
こうした質問をいかにスマートに切り返せるかは、とても重要です。
「もちろん第一希望です」
「実は第三希望です」
「受験する企業に順位はつけておりません。〇〇業界では御社は、他社と比べても多くの強みを持っておられます。そのため、御社のプロジェクトにぜひ参加したいと考えております」
この質問に対しては、具体的な数字を出して答えることは避けましょう。
素直に答えたり、競合他社の名前を出すことも避けます。
数字を出さずに、志望動機を織り交ぜながら就職を強く希望していることをアピールしている3番目の回答が理想です。
雑談形式の面接を乗り切る対策
雑談形式の面接を乗り切るためのポイントをいくつか紹介してきました。
これらを踏まえて、より具体的な対策について解説します。
素を出しすぎない
雑談形式の面接で失敗する人に共通する点は、気を抜きすぎたことによって素が丸見えになってしまったことです。
いくらフランクな雰囲気であっても、面接であることを忘れてはいけません。
友達と話しているわけではないため、フランクであってもしっかりとした受け答えをすることを心がけましょう。
面接官によっては、敬語ではない場合もあります。
こうしたケースでは、日頃の言葉使いがついつい出てしまうことがあるでしょう。
これが失敗につながるケースが多々あります。
相手がどこまで崩してきても、こちらは最低限の敬意を評した言葉使いを心がけることが大切です。
アピールポイントを決めておく
雑談面接では、会話があちらこちらに飛ぶことが多くあります。
早いペースで話題が変わるため、相手に話をあわせるだけの会話をしているとアピールすることができずに終わることが多くなりがちです。
自分は、ここだけはアピールするとしっかりと決めてから面接に臨みましょう。
どんな話題になっても、アピールできそうな話題であれば積極的に自分の強みを伝える姿勢を見せることも大切です。
時事問題もチェック
会社で働く中で話題になりやすいのが時事問題です。
雑談面接でも、時事問題についてどのように思っているかと質問されることがあります。
この質問では、時事問題の内容を説明することよりも、その問題について自分なりの意見をしっかりと持っていることが重要です。
話題となっている時事問題に、しっかりと目を通すことは最低限の対策です。
雑談面接では、問題に対する意見が評価の対象となる点は理解しておきましょう。
自己分析をしっかりすること
新卒の就職活動でも行なった自己分析は、転職活動でも重要です。
社会人生活を経験した上で、現在の自己分析をしておくとよいでしょう。
自分の強みは何か、アピールポイントは何かをしっかりと把握することで雑談面接を乗り切ることができます。
履歴書にないこともアピールできる
雑談形式の面接は、失敗する人が多いという印象を持つ人もいるでしょう。
ただ、メリットもあるため、その点をしっかりと理解して臨むことで、失敗も回避できます。
雑談形式の面接の最大のメリットは、履歴書に書いていないことをアピールするチャンスが多い点です。
通常の面接では、質問事項がある程度形式化されているため、受験者も事前に答えを用意しておくことが多いでしょう。
雑談形式の場合は、何を聞かれるかわからない不安はあります。
ただ、うまく会話を流せればこちらがアピールしたいことをしっかりと伝えるチャンスが多い点は魅力です。
履歴書には書けなかったことも、口頭で強くアピールすることができれば、面接官の印象に残りやすくなるでしょう。
雑談面接はしっかり対策して臨む
雑談形式の面接は、対策をする方法がないと考える人もいるでしょう。
確かに、何を聞かれるかわからないため、答えを用意しておくことは難しいといえます。
とはいえ、自己分析や時事問題への対策などを行うことで、しっかりとした自分の意見を整えることは雑談面接つの対策です。
何を聞かれるか分からない=何でも話せるチャンスがある。
そう捉えることで、雑談面接に前向きに臨むことができるでしょう。
何を話してもよいわけではありませんが、面接であることを忘れず、しっかりと自分の強みをアピールすることを意識することがポイントです。
対策できないからと、何も考えずに臨むと失敗するケースが多いため、できる対策はきちんと取り組むようにしましょう。
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