株式会社メドレーのビジネスモデルを分析!医療SaaSの活用例を紹介【ヘルスケアIT企業への転職】
株式会社メドレーは医療ヘルスケア分野で事業展開を行っている企業であり、2019年12月には東京証券取引所マザーズ市場上場を行うなど、成長も著しいベンチャー企業です。そんな株式会社メドレーはどのようなビジネスモデルでそこまで成長できたのか、さらにこれからどのような事業展開を行っていくのか、転職のポイントなど詳しくご紹介していきます。
目次
会社の概要
株式会社メドレーは代表取締役社長である谷口浩平氏が2009年に創業した医療関係のITベンチャー企業です。
医療ヘルスケア分野で「医療ヘルスケアの未来を作る」というテーマを掲げている同社。
医療従事者不足を解消するための求人サイト「ジョブメドレー」を始めとしたとした各種サービスを提供しています。
ビジネスモデル
メドレーでは、主に3つの事業から収益を得ています。
その3つが「人材プラットフォーム事業」、「医療プラットフォーム事業」、「新規開発サービス」。
それぞれどのようなビジネスモデルで経営しているのか解説していきます。
人材プラットフォーム事業
人材プラットフォーム事業はメドレーが創業してからすぐに開始している事業であり、今も収益の中核をになっている事業です。
その事業で2009年からサービスを提供しているのが人材採用サービスの「ジョブメドレー」。
これは医療関係の求職者は無料で利用することができる、医療関係では国内最大級の求人サイトです。
医療系法人の求人情報を閲覧できたり、求職者に対して医療系法人側からスカウトを送ることができます。
ジョブメドレーでは法人側が求人情報を載せるところまでは無料となっています。
求職者が採用された際に、採用成果報酬が株式会社メドレーに入る仕組みです。
人材採用業界では、どうしても成果報酬が高額になることが多いものです。
メドレーでは全てをオンライン化することで成果報酬の低単価化に成功しました。
さらにメドレーの収益のほとんどをこの人材プラットフォーム事業が占めています。
現在ではオンライン動画研修サービス「ジョブメドレー アカデミー」で介護研修のコスト削減を実現しています。
医療プラットフォーム事業
次にご紹介する医療プラットフォーム事業では、主に2つのシステムが提供されています。
クラウド診療支援システムの「CLINICS」と、医療情報提供サービスの「MEDLEY」。
まずご紹介するのは「CLINICS」は、クラウド上で様々なサービスを利用できるようになるシステムです。
従来であれば診察は必ず病院に来院する必要がありました。
しかし、CLINICSを導入することでインターネット上で予約からオンライン診療まで行えるようになります。
なかなか病院に行くことができなかった方たちにも気軽に利用できるようになるのです。
それにより受診率を上昇させることができるシステムです。
さらに、クラウド上で電子カルテなども管理できるようになり、検査結果なども患者へ共有することも可能となっています。
CLINICSは医療機関がメドレーに対してシステム利用料を支払うこと形で収益化しています。
導入率は2020年12月時点で2,173件、前年の同時期に比べて約1,000件程増えています。
今後さらに発展していくことが予想できるサービスです。
そして、医療情報提供サービスである「MEDLEY」は、多くの医師達が様々な医療情報を記載しているWebサイトです。
医療辞典のようなサービスを目指して作られました。
MEDLEYでは患者が症状や病気、薬など医療に関わる情報を無料で調べることができます。
さらに病院やクリニックも検索することも可能なサービスとなっています。
こちらのWebサイトでは、データベースを提供しており、そのデータベース利用料によって収益化されています。
新規開発サービス
メドレーでは先ほどご紹介したWebサービス以外にも、全て自社開発で行っているWebサイトもあります。
それが次にご紹介する老人ホーム・介護施設を検索できるWebサービス「介護のほんね」です。
このサービスでは入居が決定するまでのサポートが無料、入居が決まると入居支援金が送られるようになっています。
老人ホームや介護施設の相談だけでなく、オンライン見学など様々なサービスが特徴です。
こちらのサービスも介護のほんねが入居者を紹介する代わりに、事業者から紹介成果報酬が支払われる仕組み。
また、この介護のほんねは外注ではなく、全て自社で製作されており、自社で企画から製作まで全て行える環境が整っていることが分かります。
会社が解決する社会課題とは
医療ヘルスケアの分野では、需給調整や規制などの影響によって複雑な産業です。
そのため、他の産業に比べると全体として医療現場のIT化が遅れています。
さらに医療看護現場における人材不足も深刻な問題となっており、このような様々な課題をメドレーは解決するために活動しています。
深刻な医療従事者不足
医療ヘルスケアでは、医師だけでなく看護師などの医療従事者の絶対数が慢性的に足りていない状態に陥っています。
その結果、医療従事者一人一人に多くの負担が掛かっています。
それによって私生活との両立が不可能になっている場合も少なくありません。
そうなってしまうと心身ともに持たなくなり退職、さらに人材不足にというスパイラルが発生しています。
医師の地域偏在
医療現場にも地域偏在の問題があり、都心に医師が多く集まっています。その一方でその他の地方では医師が足りていない状態です。
求人情報などでも都心の求人が多く、地方の求人が中々見られないといった問題もあり、地域偏在が解消されていないのです。
ジョブメドレーを活用して課題を解決する
ジョブメドレーはこのような人材不足や地域偏在の問題を少しでも解消できるように提供されています。
医療従事者で一度退職していると、復職しずらくなってしまうことが少なからずありえます。
その理由は、医療の発展や制度変更によって環境が変わっていることや、私生活とのバランスが取れないなどが考えられます。
ジョブメドレーでは復職しづらいという場合にも、細やかな調整ができる病院など数多くの掲載がされています。
都心以外にも多くの病院の情報を載せるために、採用手数料を抑えることで様々な病院が利用できます。
復職の手伝いや、地方偏在の減少に一役買っているのです。
今後の事業展開
ジョブメドレーの採用報酬のコストカットによって、数多くの顧客を作り繋がりを強めています。
この強みを活かして医療ヘルスケア業界への事業展開を行っていくのではないでしょうか。
病院や医科診療所などに向けて作られている「CLINICS」以外にも、歯科診療向けのシステムを試験運用中です。
さらに、看護・福祉においても事業方針の調整など、医療ヘルスケア業界のSaaS化を進めていくことが発表されています。
この事業展開によって、SaaS化が進めばその維持報酬でも莫大なものになるでしょう。
さらなる発展が予想されるのでまだまだ成長していく企業といえるのではないでしょうか。
ヘルスケア産業向けSaaSの市場規模
株式会社メドレーの成長が期待できる根拠として、ヘルスケア産業向けSaaSの市場規模を見てみましょう。
経済産業省が進めるヘルスケア産業政策では、その市場規模は2025年には約33兆円になると推計されています。
2013年に16兆円、2016年で25兆円規模へと急成長し、その後右肩上がりで拡大を続けている状況です。
これは世界でも同様で、2021年の156億米ドルからCAGR18.50%で成長し、2022年に184億8000万米ドル、さらに2026年には364億8000万米ドルに到達する予測です。
マーケットの伸び率は高い傾向にあり、今後も拡大が期待できることが分かります。
(参考:DreamNews)
転職採用例
次にどのような人が転職し採用されているのでしょうか。採用例を確認してみましょう。
エンジニア
大手IT企業で勤務しており、サーバーサイドエンジニアを主な業務としていたそうです。
しかし、このまま働いていくと裸一貫になった場合でも、食べていけるのか不安を抱えていました。
そのため、チャレンジできる環境に飛び込むために常々転職を考えていたとのこと。
そんな時に求人サイトでスカウトされたそうです。
医療分野の課題解決に関わることで、社会的意義だけではなく多くの人に成果が還元されやすいことが転職のきっかけとなっています。
キャリアサポート
医療機関で4年半勤務していた経験があり、業務内容は治療終了後に患者の退院や転院のサポートすることでした。
メドレーへの転職のきっかけは「医療関係」と「家庭との両立」を軸に考えていたとのこと。
キャリアサポートは直接的ではないですが医療福祉に関わることができる職種です。
キャリアサポートでは、家庭を持っている女性がバリバリと働きながら、私生活と両立できることが分かり転職を決意したとのことです。
転職ポイント
医療ヘルスケア分野で活躍しているメドレーですが、医療系だけでなく、SaaS型のサービス提供のためIT関連の職種で働いている人もいます。
様々な職種に活躍の場がある
株式会社メドレーでは、医療関係はもちろん、プロジェクトマネジメント、システム開発、デザイナーなど幅広い職種の方が働いています。
例えば、医療や介護などの知識にライターとしての経験があれば、「コンテンツエディター」として活躍できます。
エンジニアとしての経験を活かして物づくりがしたいということであれば、「新サービス開発エンジニア」など数多くの業務があります。
それぞれの職種でプロフェッショナルな人材を集めて、サービスの改善や新規事業の開発を行っているようです。
職種を選ばない採用も
社員の採用では、応募の際に職種を限定しての採用が一般的です。
しかし、転職者の中には自分にあった職種が分からなかったり、新しいことにチャレンジしたいけれど職種に迷っているという方もいるでしょう。
株式会社メドレーではどんな職種がいいのか相談して決めることができるオープンポジションという募集をしていることもあるようです。
この募集であれば、実際に自分がどこの職種に向いているのか相談することもできます。
興味があれば応募するということもおすすめです。
会社情報
最後に勤務時間や福利厚生など細かな会社情報についてご紹介します。
女性が多く所属しており、転職している人も多いためコミュニケーションが取りやすく和気あいあいとした雰囲気です。
さらに福利厚生は住宅補助や正社員のみですが家族手当と充実しています。
また、社内の交流のために月1回ピザパーティーが開催されています。
職場の人間関係を向上させやすく、ギスギスとした雰囲気もなく、女性が働きやすい環境といえるでしょう。
医療関係のベンチャー企業でも急成長している経験や能力にもよりますが給与も上がっていきます。
バリバリ働きたいという方にはおすすめです。
都心の真ん中にある六本木グランドタワーの22Fということもあり、景色が良くリフレッシュもできるので、息抜きもしやすそうな環境です。
※2020年10月時点の情報です。
まとめ
ここまで株式会社メドレーのビジネスモデルや、提供しているサービスなどをご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。
メドレーは医療ヘルスケア分野で人材・医療プラットフォーム事業で急成長している企業です。
同社では医療関係者のキャリアサポート以外にも自社で新規システムを製作しています。
そのため、数多くの職種があり様々なチャレンジができる会社でもあります。
医療分野は将来性も抜群ですので、医療関係に関わりたい方は同社のような医療IT企業を一度検討してみると良いでしょう。
ぜひ転職エージェントにご相談ください。
あわせて読みたい関連記事
この記事を読んでいる人におすすめの記事