株式会社お金のデザインのビジネスモデル分析!ロボアドバイザー活用例も紹介【FinTech企業へ転職】
転職する上で、どの会社を選ぶか考える際、多くの方が気にするのは、「その企業に成長の見込みがあるか」ではないでしょうか。今回ご紹介する株式会社お金のデザイン(以下、お金のデザイン)は成長の期待が持てる企業といえます。どういった点でおすすめできるのか、Fin Techやロボアドバイザーの説明とともにご紹介していきます。
目次
お金のデザインの会社概要
ユーザーファーストの投資サービスを目指すベンチャー企業
お金のデザインは2013年に設立された、資産運用サービスを提供するFin Tech企業です。投資銀行で経験を積んだ谷家衛氏と廣瀬朋由氏の両名によって設立されました。
新しい資産運用の選択肢として、低コストで始められる投資サービス『THEO』を提供しています。
Fin Techとは何か
金融業界を目指す方以外でも是非この機会に知ってもらいたいのが『Fin Tech』です。
Fin TechとはFinance(金融)とTechnology(この場合IT技術)を合わせた造語で、金融にIT技術を融合させて様々なサービスを提供する新しい技術です。
昨今、Fin Techが最も浸透していると感じるのが「オンライン決済サービス」の普及です。
多くの方がインターネットショップでお買い物をし、クレジットカードや電子マネーを使って決済完了するというのは、もはや当たり前の風景となりました。
そのFin Techを資産運用にも広がり、確立されてきた技術が「ロボアドバイザー」です。
ロボアドバイザーで資産運用のサービスを展開しているのがお金のデザインです。こちらについては後ほど詳しく説明しましょう。
ロボアドバイザーが世界を変える
今まで資産運用をする、金融商品を買い付ける場合、まったくお金の知識がなければ手を出せるものではありませんでした。
しかし、投資先の選定やポートフォリオの作成をAIにやってもらったらどうでしょうか。
チャートを追いながら取引画面に張り付く必要もありませんし、まったくお金の知識がなくても手を出せます。
そういった誰でも資産運用を可能にさせるのがロボアドバイザーです。
ロボアドバイザーは資産運用をより手軽にさせた以外にも変化をもたらしたものがありました。それは運用する世代です。
今まで資産運用といえばシニア世代がメインの顧客でした。
しかし、ロボアドバイザーの利用者は多くがミレニアル世代(20~30代)です。
年金2,000万問題などで将来に不安を抱える世代が、スマートフォンで手軽に始められるため、資産運用をする方の年齢層が大きく変わってきています。
ロボアドバイザーは2種類から選ぶ
無料で使えるアドバイス型
アドバイス型はその名の通り、どのようなプランがあるのか資産運用のアドバイスをしてくれるサービスです。
金融商品の買い付けに付随するサービスが多く、基本的にお金はかかりません。
ただし、どのような資産運用をするか、どのような金融商品を買い付けるか等、最終的な買い付けはユーザーが行います。有名なところで松井証券の「投信工房」などがあげられます。
すべてお任せできる投資一任型
アドバイス型と違って投資一任型はロボアドバイザーの提案に了承したうえで、資産運用を全て任せることができるサービスです。
投資一任型は金融商品の決済だけで終わりません。投資一任型のメリットとしてリバランス(金融商品の定期的な見直し)もやってくれるという点です。
お金の動きがいまいち分からないという初心者の方でも安心して運用できるのが大きな特徴といえるでしょう。
お金のデザインの提供する『THEO(テオ)』
3つのポートフォリオタイプを組み合わせて資産運用
お金のデザインで行っているロボアドバイザーのサービスが『THEO(テオ)』です。
2019年12月時点でおよそ8万人が活用しており、平均63万円運用されています。
初めに簡単な質問で診断し、診断結果をもとに3つのポートフォリオタイプで運用していきます。
3つのタイプは以下の通りです。
・長期に高いリターンを見込むグロースポートフォリオ
・安定したリターンを見込むインカムポートフォリオ
・突然の物価変動から資産価値を守るインフレヘッジポートフォリオ
この3つの機能ポートフォリオタイプを組み合わせ、ユーザーにあったポートフォリオを構築するのがTHEOの特徴といえるでしょう。
この3つのタイプが、いわゆる分散投資のようにリスクを抑え安定したリターンをもたらしてくれるのです。
1万円から始められる資産運用
もう一つTHEOの特徴として、1万円から始められるという点があげられます。
同じくロボアドバイザーの大手「ウェルスナビ」は10万円からの資産運用ですので、初めの垣根を低くし活用しやすくなっております。
初期投資が1万円というのは、若い世代に支持されている理由の一つと言えるでしょう。
THEOが運用するのはETF
これはTHEOに限らず多くのロボアドバイザーが活用しているのですが、ETFという投資スタイルを採用しています。
ETFとは上場投資信託というもので、投資信託のように複数社に分散投資が可能です。
投資信託と異なるのは、銘柄が上場銘柄だという事。上場銘柄の売買なので、常時売買が可能というのが特徴です。
また、THEOの場合は世界各国の銘柄を購入(実際はロボアドバイザーが購入するのですが)できるので、仮にA国が不景気でもB国は景気良かったりする、そのあたりをバランスとりながら運用してくれます。
このようにグローバルな視点で運用いてくれるのがAIによるロボアドバイザーならではのサービスと言えるでしょう。
THEOを使ったiDeCo『MYDC』
ご紹介したTHEOのシステムを使って、お金のデザインではiDeCoも展開しています。
今更ですがiDeCoとは確定拠出年金のことで、月々の積み立てによる投資信託です。
単なる投資信託ではなく税金面でも優遇され、規定内の範囲で多くお金を積み立てれば年末調整で一部戻ってくるのが特徴です。
iDeCoは60歳までしか積み立てできない、逆に60歳まで出金できないと制約がございますが、若い人にとっての老後の資産形成には多く活用されています。
資産運用と老後の対策と考えれば、THEOとMYDCを並行して運用するのがいいでしょう。
お金のデザインが目指す「人とお金の新しい関係」
低金利時代こそ投資に目を向けるべき
日本は世界的に見ても個人資産は投資ではなく預金や現金の比率が高い国です。
将来に不安を感じているのに、投資にお金をかけられないと感じる方も少なからずいらっしゃいます。
確かに投資には元本割れ等のリスクをはらんでいます。しかし、リスクばかりに目を向けリターンを完全に無視するのはどうでしょうか。
マイナス金利時代の昨今、銀行に預金しても年利0.001%しか付きません。
これは仮に100万円預けたとしても、年間10円にしかならないということです。もし資産運用すればそれ以上の利回りが期待できます。
例えばETFであれば、少なくとも2~4%の利回りが期待できるでしょう。年間10円をとるか2万円をとるか、考えるまでもありません。
お金のデザインでは、預金に変わる新しい選択肢として、リスクを最小限に抑えた投資を提案しています。
「人とお金の新しい関係を創る」という最終目標に向けて、ユーザーファーストの投資サービスの提供に取り組んでいます。
長期で運用すればリスクも下がる
金融庁の平成28年発行の金融レポートに面白いデータがあります。運用資産を5年保有した場合、収益率がマイナスに転じるケースが多々あります。
しかし、保有期間20年だと2%~8%の収益率が見込め収益率がマイナスに転じることがありませんでした。
つまり長期的に見れば、ただ預金するよりも資産運用した方がリスクを最小に抑え、リターンを期待できるといえるのです。
お金のデザインが目指す今後の事業展開
資産運用でポイントがたまる
THEOは大手企業と業務提携し、資産運用+アルファのサービスも展開しています。
例えばJAL。ご存じの通り、JALにはマイレージポイントがあります。THEO+JALでは資産運用しながらマイルがたまるサービスを展開しています。
例えば300万円運用すると毎月150マイルたまります。すると、1年後には1,850マイルたまることになります。これは毎月THEOに運用してもらうだけで10年後にはグアムに行ける計算です。
JALのほかにドコモとも提携しており(THEO+docomo)、運用ごとにdポイントがもらえます。
今後は、こうした業務提携先とともにサービスの改善と拡充を図っています。
資産運用で手数料が無料に
THEOは他の金融機関とも提携しています。例えば新生銀行と展開するTHEO+新生銀行では出金手数料が無料になります。
またネットバンキングからの振り込みなら手数料が無料になります。新生銀行以外にも各地域に提携している地銀がありますのでチェックしてみてはいかがでしょうか。
今後は金融機関と連携を活かして新しい金融プラットフォームの構築を目指しているようです。さらにその先には海外展開を見据えています。
お金のデザインの求める人材
お金のデザインはFin Tech企業ですから、金融企業でありIT企業でもあります。もちろん金融に関する知識は求められておりますが、並行して最新のITリテラシーも不可欠です。
とはいえ、IT企業の職歴がないと厳しいかというとそうではありません。
アナリストとして参画する場合、金融商品の特徴、取引の流れなどの知識があれば重宝される人材といえるでしょう。
また、お金のデザインをはじめとしたFin tech企業にはエンジニアも募集しています。
ロボアドバイザーもAIですから、AI開発に必須といわれる「Python」を扱える方は重宝されるでしょう。
そのほか、ブロックチェーンなどセキュリティに関する知識は必要不可欠です。
いずれの場合もFin Techは業界自体急速に成長しています。お金のデザインも経験や知識が豊富な人材であれば歓迎されることでしょう。
お金のデザインの会社情報
自分の可能性を広げられる社風
お金のデザインでは、より良いサービスの提供という目標に向かって、社員同士で切磋琢磨できる社風のようです。
ベンチャー企業ならではの創造性とチャレンジ精神が社員に浸透しており、会社の成長とともに社員自身も成長していこうという意識を持っています。
社員同士の積極的な交流
個々の成長意識が高いこともあり、社内での意見や情報の交換は盛んに行われているようです。
その円滑なコミュニケーションによって互いに刺激し合うことで、より成長できる環境となっています。
まとめ
転職先としてお金のデザインのようなFin Tech企業を選ぶのはどうでしょうか。結論から言うとむしろ外すべきではないといえます。
なぜなら、Fin Techは今後ますます成長が見込めるからです。今まで投資をする人たちというのはシニア層がメインでした。
高齢化が進み、現在メインで働く30~40代はバブル崩壊後のいわゆる「ロストジェネレーション」です。そのため投資に対する意欲は比較的少なく、金融商品は下がり傾向にありました。
ところが、ここにきて金融とITを融合させたFin Techの登場です。
先ほどお伝えしたようにミレニアル世代が主な購買層です。デジタルネイティブともいわれる彼らにとって活用しやすい資産運用となっています。
実際eMark+による分析結果を見てみても、20代~30代が全体の約56%を占めています。
長期運用を是として考えるロボアドバイザーの資産運用ですから途中でやめる方は少ないでしょう。
つまり、若い世代がそのまま持ち上がり新たな若い層を取り込めば、おのずとロボアドバイザーの利用数も増えると考えられます。
このように今後も利用人口が衰えない、今後も活用する人が増える成長産業と言えるのではないでしょうか。
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