株式会社おいしい健康のビジネスモデルを分析!ビッグデータを食に活かす【ヘルスケアIT企業への転職】
ひとことで「IT業界」といっても、それぞれの企業がITを活用して解決しようとする課題は多岐にわたります。その中には、「ヘルスケアIT」という分野があります。人生100年といわれるなか、今後ヘルスケアと食事についての人々の関心は、高まることはあっても、おとろえることは考えづらい状況です。本記事では、この大きなポテンシャルをもったビジネス領域で第一線を行く株式会社おいしい健康のビジネスモデルを徹底紹介。あわせて、この企業が求める人材像についても詳しくご紹介します。
目次
株式会社おいしい健康の企業概要
株式会社おいしい健康は、ビッグデータに基づいて徹底的に「食」にこだわったITビジネス開発を続けています。
「誰もがいつまでもおいしく食べられるように」という経営ビジョンを掲げる同社の概要を解説します。
前身はクックパッドのヘルスケア事業部
この会社の事業は、2012年に料理レシピのコミュニティサイト最大手「クックパッド」ヘルスケア事業部のビジネスとしてスタートしました。
翌年、糖尿病の方むけのレシピサイト「健康レシピ」をリリース。
その後、対象を「生活習慣病、ダイエット/美容/高齢者」に拡大して、「おいしい健康」というサイトに全面リニュアルしました。
2016年にクックパッド社の一事業部から会社分割され、株式会社おいしい健康を創立。
その後、MBO(経営陣買収)により、完全に独立したヘルスケアIT企業としての営業活動を開始して今日にいたります。
アプリ・Webサービス「おいしい健康」サービスを展開
この会社における最大のビジネス領域は、iOS/Androidスマートフォンアプリ、およびWebサービス「おいしい健康」サイト運営です。
その他に、もう1つのコミュニティサイト「くらしのきほん」も運営しています。
こちらには雑誌「暮らしの手帳」前編集長の松浦弥太郎氏を同社役員に招聘しています。
「おいしい健康」は、病気の予防や管理、ダイエットなど様々な観点から最適なレシピを検索できる、献立作成サポート・サービスです。
持病により糖質制限や塩分制限をしなければならない患者さんの場合、予備知識がないと、味気ない食事ばかりが続くことになります。
それを、「おいしく・楽しく・誰でもできる」よう支援するためのオリジナル・レシピがふんだんに掲載されています。
株式会社おいしい健康のビジネスモデル
同社のサービスは「家庭の目線」、「生活者の目線」からのヘルスケア・サービスとして、近年ユーザー数を大幅に伸ばしています。
どのようなビジネスモデルを展開しているのか解説します。
管理栄養士監修済レシピ
「おいしい健康」サイトが、掲載されているそれぞれのレシピについて、すべて管理栄養士の監修が入っています。
それが従来のクックパッドなどの投稿型レシピサイトと決定的に異なっている特徴です。
特に、病気、疾患をもつ生活者が安心して作り食べられることを意識して監修されています。
医学的エビデンスに基づかない投稿を徹底的に排除しているのです。
誰もが情報発信できるインターネットの中には、真偽不明な情報も数多くあります。
それらが排除されていることで、ユーザーが安心して利用できるレシピを提供しているのです。
独自の膨大な生活ビッグデータ
さらに同社は、アプリ経由や医療機関との連携など様々な手段を通じて、生活者・疾病患者の生活ビッグデータを独自に集積し続けてきました。
それをレシピ検索アルゴリズムや、アライアンス先企業・医療機関への提案内容に反映させています。
それにより食行動から得られる健康・医療上のエビデンスをさらに強固なものとしています。
株式会社おいしい健康が解決する社会課題
生活に密着した「食」を扱う同社の事業は健康へ関心が高い現代において注目度の高い事業です。
食と健康への社会的な関心に、株式会社おいしい健康がどのように応えているのか解説します。
コロナ禍で、さらに重要性を増した生活ビッグデータ
「食」と「健康」というテーマは、充実した社会生活を営む上でとても普遍的な課題です。
とくに2020年は、年初から猛威をふるった新型コロナ・ウイルス感染症の対策もあり、外出自粛が呼びかけられました。
それにより精神的に強いストレスを抱えたり、活動量不足で大幅な体重増に悩まされる人が続出しました。
そのような社会環境下、同社では4月に「在宅時の食生活支援サイト『おうちの過ごし方』(How to stay home)」を無料公開しています。
さらに、同社がもつ「おいしい健康管理栄養士監修レシピ」というビッグデータを活用したコンテンツを配信。
新型コロナウイルス関連情報を発信する「毎日、健康第一」へ、食コラム・コンテンツを提供したりしています。
近年、さらに加速する他企業、医療機関連携
医療、栄養学の観点から非常に深い見識をもっている同社。
現在も様々な企業、医療機関から、アライアンスに関するオファーが続々と寄せられています。
たとえば、直近で報道発表にいたった、具体的な企画事例をご紹介します。
・1型糖尿病患者さんに向けたカーボカウントセミナー・調理デモレッスン「おいしい健康クッキングプログラム」を開催
(2020年9月/株式会社ABC Cooking Studioと協業)
・「成人気管支喘息におけるスマートフォンを活用した食事療法支援」研究開発プロジェクトに参加
(2020年8月/慶應義塾大学医学部呼吸器内科学教室連携)
・”人生100年時代を生きる”をテーマとした特集ページ「いのちを守る食と暮らし」開始
(2020年7月/小学館サイト「サライ.jp」とのコラボ)
このように、自社がもつ貴重な情報資源を最大限に活用した取り組みを行なってきました。
「健康」という大きな社会課題に取り組む幅広い企業・医学会・団体などとの連携を現在も強力に進めています。
株式会社おいしい健康の今後の事業展開
同社の主な収益源は、「おいしい健康」サイトへの広告やタイアップ企画による収入です。
他業界とタイアップしたBtoB事業(製薬業界における患者支援、食品業界の健康価値訴求)への参入を検討しているようです。
さらに、自社のビッグデータを活用したエンタープライズ事業(BtoBtoC事業)も積極的に参入していく計画を立てています。
これは社員食堂を通じたオフィスの健康管理ビジネスなどが該当する事業です。
同社の扱っている情報への社会的ニーズは、健康への関心が高まっていることに比例して非常に高くなっています。
そのニーズに応える事業展開を積極的に進めていくと考えられます。
株式会社おいしい健康への転職採用例
Webサービスの企業として、SEやエンジニア、UXデザイナーやWebディレクターといった職種での採用は、通年で積極的に行っています。
そのほかにも、同社だからこその職種の採用もあります。
様々な職種領域
同社では「健康」へのエビデンスを担保する管理栄養士や、製薬メーカーのMR出身といった才能をもった社員も多く活躍しているところ。
そのため、女性や乳児子育て中社員比率も高くなっています。
「人びとの幸せな日常を根本から支えている会社」として、自社従業員の幸せな働き方と暮らし方にも、常に気を配っています。
よく募集している主な職種
・医師・薬剤師・管理栄養士(食と健康・医療に関する臨床研究担当者)
・MR(アプリを医療機関へマーケティング)
・経理・総務・法務
・事業開発・アライアンス担当
・インフラエンジニア・社内SE
・ソリューション営業
・COO、事業部長候補・法人営業
・UI/UXデザイナー ・iOSデザイナー
株式会社おいしい健康への転職ポイント
同社は現在、2016年の創業時にくらべ3倍となる約50名のメンバーが在籍しています。
そして、業容急拡大中、さらにIPO準備も進めていくという企業だけに、いまも各職種ともに応募が殺到しています。
医療・ヘルスケア領域に強い情熱を注げる人、企業風土を自分が作っていくんだという気概のある方にとっては、活躍チャンスが多い会社です。
ひとりひとりのスタッフが大きな裁量をもち、求められる活動領域も大きいようです。
そのため、自分の専門領域以外の部分についても強い興味と学習意欲を持った人が採用されやすい傾向があります。
たとえば、「栄養学に造詣が深いシステムエンジニア」、「システム・ユーザーとしてのITリテラシィが高い管理栄養士」などが挙げられます。
株式会社おいしい健康の会社情報
風通しのよい社風は、オフィスづくりにもよくあらわれています。
コロナの影響もあり、最近ではリモートワークが一般的になりました。
とはいえ、やはり同じ会社のチーム員が一体感を醸成するためには、オフィスでのミーティングや雑談を通じた意見交換も非常に重要です。
企業風土
同社では、スタッフ各人の能力を引き出し、アウトプットを最大化するために、以下のような充実した社内制度を導入しています。
・フレックスタイム制度など、各人のライフスタイルに合わせた柔軟な勤務形態
・学会やセミナー、イベント参加費などの補助(WWDCやGoogleI/IOなども対象)
・決裁なしでの自由な書籍購入制度 ・英語学習支援制度(英会話通学費補助)
・社内勉強会の費用補助
同社のオフィスづくりで重視されたことは「コミュニケーションが自然と生まれる会社」としたこと。
その1つとして、創業当時から座席はフリーアドレスにしています。
また、食と健康情報の「おいしい健康」サイトを運営していく上では、料理をつくること、撮影することは業務上必須です。
オフィスの中心に大きなキッチンがあり、そこにメンバーが自然に集まります。
「いいにおい」「それ、どうやってつくるの?」といった何気ない会話の中から、日々新しいビジネス・アイデアが生まれているのです。
福利厚生など
休日は完全週休2日制で、祝日や年末年始休暇のほか、夏期休暇や慶弔休暇もとることができます。
しっかりと休日を確保できることで、プライベートの時間も確保し、リフレッシュすることができるでしょう。
※2020年10月時点
まとめ
今回は、ヘルスケアIT企業という独特のポジショニングをもった、将来性の大きいスタートアップ株式会社おいしい健康についてご紹介しました。
株式会社おいしい健康は、「働きがい」と「働きやすさ」を両立できる、自由闊達な職場でした。
だれしも、自分の健康のことは気になるもの。
まして糖尿病やがんなどの持病をもった患者にとっては、「食べること」はすなわち「生きること」ともいえます。
人々の生活に寄り添い、ITとビッグデータの力で、健康寿命を少しでものばしていこうとする同社の取り組みは、今後ますます注目を集めそうです。
「ヘルスケアIT」というビジネス領域にすこしでも関心を持たれた方。
「食」と「健康」にまつわる仕事をしてみたい、という興味をもった方はぜひ転職エージェントにご相談ください。
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