【徹底比較!】確定拠出年金 vs 退職金!両者の違いから、受け取り方まで分かりやすく解説します。
定年退職をする際にもらえる退職金。今まではこの退職金が主流でしたが、最近では退職金ではなく確定拠出年金として退職時に支給する企業が増えています。一見似たような両者ですが、実はさまざまな面で大きく異なります。今回は今だからこそ知っておきたい退職金と確定拠出年金の違いについて解説していきます。
目次
そもそも確定拠出年金って?
- 企業型
- 個人型
会社などに依存しない積み立てタイプの退職金
ある程度の年齢に達したりさまざまな事情で退職をするとき、ほとんどの会社は退職する人に対して退職金を払います。この退職金が、老後の人生において欠かせない生活費となります。
一昔前までは会社で退職金を用意するというのが一般的でしたが、ここ最近は退職金の代わりに確定拠出年金を採用する企業が増えています。
さてこの確定拠出年金、言葉では聞いたことがあってもどういうものかはわからない、という人も多いはずです。
確定拠出年金というのは、会社や個人で個人口座に積み立てていく新しい退職金制度です。個人の口座に積み立てていくので、会社に万が一のことがあっても必ずもらえます。
企業型と個人型の2種類が存在する
この確定拠出年金というのは2種類あります。ひとつは企業型、そしてもうひとつは個人型です。
確定拠出年金を採用している企業のほとんどは企業型です。この企業型確定拠出年金というのは、掛金は会社が出し、運用するのは従業員や社員に任せるものです。会社が掛金を出すところは、今までの退職金の方式と類似しています。
ちなみに会社によってはマッチング拠出というものを採用しており、こちらは企業はもちろん、個人でも追加で積み立てることができるタイプもあります。
一方個人型確定拠出年金というのは、その名の通り個人で積み立てるのが基本です。
個人型確定拠出年金は別名iDecoと呼ばれており、確定拠出年金と金融商品がセットになっていることが多いです。すべて自分で管理をする必要がある分、うまく運用できれば老後の生活はかなり豊かになります。
確定拠出年金vs退職金四番勝負:お金はどうしている?
会社の資産から退職金が出ている?
確定拠出年金について解説したところで、従来の退職金とはどう違うのかについてここからは解説します。
先ほどの部分で企業型確定拠出年金は退職金と似ていると説明しましたが、細かい部分を見ると実は大きく異なります。
従来の退職金は、基本的に会社が事前に用意します。どのくらい用意するかなどは退職する人の勤務年数、そして社内の規定を基に決まってきます。
会社によっては退職金としてこのくらい渡すというように、金額が決まっているところもあります。
会社と社員でお金を出し合うのが確定拠出年金
では確定拠出年金の場合はどうなのでしょうか。
最初に紹介した企業型確定拠出年金では会社が掛金を支払ってくれます。しかし退職金とは違い、社員からも掛金を出して追加で積み立てることが可能です。これが退職金と異なる部分のひとつです。
そして確定拠出年金が退職金と異なる部分はもうひとつあります。それは社員が資産運用した際に発生した利益も、受給時に積立金と一緒にもらえることです。
つまり、社員の運用実績がよければよいほど、将来退職金としてもらえる金額も大きく増えることとなります。
確定拠出年金vs退職金四番勝負:節税のしやすさ
退職金は節税しづらい?
皆さんは普段から税金について気にしていますか。
多くの人は消費税にしか目がいきませんが、実は意外にも多くの人が税金で損をしているのです。特に退職金などをもらうとき、税金について知らないといろいろ損をしてしまいます。
従来の退職金も実は税金の面ではかなり不利です。
基本的に退職金の場合、受給時に退職所得控除の対象とはなりますが、それ以外の所得控除などの対象とはなりません。そのためあまり節税をすることができず、さらには退職金などの主導権は会社に委ねられるため、かなり不利です。
確定拠出年金は税金面でお得?
確定拠出年金のなかでも個人型確定拠出年金といわれているiDecoは、退職金と比べると税金の部分でかなり有利です。
個人型確定拠出年金は先ほども説明したとおり、金融商品とセットで扱うことが多いです。そのため積み立てをしつつも資産運用をしている扱いとなり、掛金は全額所得控除の対象となります。
もちろん受給時は退職所得控除の対象となりますが、受け取り方によっては公的年金等控除の対象となり、さらには運用で得られた利益などは非課税となります。
自分で老後の資金を増やすことができて、さらには節税ができる個人型確定拠出年金は、まさにベストなものです。
個人型の確定拠出年金は税金面で控除対象や非課税になる部分があり退職金より節税が期待できる
確定拠出年金vs退職金四番勝負:どうやって受け取る?
受け取り方はどちらも実は同じ
ここまで従来の退職金と確定拠出年金には大きな違いがあることを説明しましたが、実は受け取り方は両者ともに一緒なのです。
積み立て方などの仕組みは違えど、60歳になるまでもらえないというルールはそれぞれ共通です。
そして受け取り方についても両者一緒であり、いずれも一時金でもらうか年金でもらうか、もしくは両方を併用するかを選択することができます。
次の部分で税金について解説しますが、どのようにしてもらうかは自分で前もって決めておきましょう。
まとめてもらうか少しずつもらうか
退職金や確定拠出年金は一時金でもらうか年金としてもらうかを選択することができますが、当然かかる税金は異なります。
一見年金としてもらうほうが税金の負担は軽いと考えてしまいますが、実は一時金としてもらうほうが、税金の負担としては軽いのです。
とはいえ、税金の負担だけで見てはいけません。退職金というのは退職後の人生の生活費です。むやみに使ってしまうと後々困ります。
今後の生活を踏まえ、その上でどちらの受け取り方が自分にとってベストなのかをきちんと考えましょう。くれぐれもせっかくの退職金を無駄にしないようにしましょう。
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確定拠出年金vs退職金四番勝負:転職を多くする場合
転職の数と退職金は反比例
従来の退職金と確定拠出年金で大きな差が生じること、それは転職をするときです。
従来の退職金が主流だった時代は、転職をするよりもひとつの会社で働くのが主流でした。そのため退職金でもかなり多く受け取ることができたのです。
現在でも退職金制度を用いている会社は、基本的に退職金は勤務年数で決まることがほとんどです。そのため短期間で転職してしまう場合、もらえる退職金はかなり少ないです。
また会社によっては、最低でも何年以上働かないと退職金が出ないところもあり、その場合は退職金が出ないということもあるのです。
確定拠出年金は転職しても積み立て可能
では確定拠出年金の場合はどうなるのか気になる人も多いはずです。
実はこの確定拠出年金の良さが出るのは、この転職をするときなのです。退職金の場合は勤めていた会社を辞めるごとにもらうことになります。
しかし確定拠出年金の場合、別の会社の確定拠出年金でも前の会社で積み立てられたお金をそのまま積み立てに流用できるのです。つまり別の会社に転職しても積み立てたお金はそのまま自分のものとなるのです。
さらに、万が一転職先の会社が確定拠出年金を採用していない会社でも、今度は個人型確定拠出年金のほうに引き継ぐことができます。
転職でキャリアアップをしつつ、老後のためにしっかり積み立てをすることができる、これが確定拠出年金の最大のメリットなのです。
確定拠出年金は転職した場合でも続けて積み立てが可能
確定拠出年金と退職金の違いを知ろう
- 確定拠出年金は退職金と違い企業でなく個人の口座に積み立てていく
- 確定拠出年金には企業型と個人型がある
- 個人型の確定拠出年金はiDecoといい金融商品とセットになっており、運用でさらに利益を出すことも可能
- iDecoは節税面でメリットがある
- 転職しても積み立てが続けられ、また企業型から個人型への引き継ぎも可
今回は従来の退職金制度と確定拠出年金の違いを、さまざまな視点から解説しました。
転職でキャリアアップをするなら確定拠出年金!
2008年のリーマンショックをきっかけに世界的な不景気となっている現在、今までの退職金などは時代遅れのものとなりつつあります。そしてこのときから転職でキャリアアップを図るという人生設計が徐々に広まり始めました。
当初は転職と聞くと大変なことばかりが目立ちましたが、現在では容易なものとなっています。
確定拠出年金は、そんな転職でキャリアアップをする人にとっては最高の味方です。
転職を重ねても、しっかりと老後に備えることができる確定拠出年金は、これから転職を考えている人はぜひ検討してみると良いでしょう。より良い老後を過ごすには必須アイテムです。
まとめ
最近では政府がついに年金だけでは今後生活していくのは厳しい、ということを発表しました。この発表に対して不満を持つ人が多くいましたが、実はかなり前から厳しいものでした。
確定拠出年金とか資産運用とか、そういう難しいことわからないからやらない、という考え方でいると後々苦労する時代はもうすぐそこなのです。
自分の身は自分で守る、これは毎日の生活においても言えることです。
決して体力などをつけろとは言いません。もちろん体力はあるに越したことはありませんが、何よりも知識をとにかく身に付けることを意識しましょう。そうするだけで、これからの社会は少しばかり生きやすくなるはずです。
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