転職後に設けられる試用期間って何?その意味と注意すべきポイントとは
求人票などに書かれている試用期間。中には研修期間のようなものだと考えている人もいるはずです。しかしこの試用期間というのが、会社で仕事をする上である意味重要な期間なのです。また、雇用条件なども変化しているため、意外にも重要な期間なのです。今回は意外と知られていない試用期間について解説していきます。
目次
そもそも試用期間とはどういうもの?
正式に採用する前のお試し期間
多くの人は、転職先を探すためにまず求人票を見ます。多くの企業はこの求人票に試用期間を記載しています。
試用期間と聞くと、その間に研修など行われるのかと感じる人も多いはずです。もちろん研修もその間に行われますが、意味としては違います。
試用期間というのは、いわゆる本採用前のお試し期間なのです。この間に社員の適正や勤務態度などを評価したり確認します。ではなぜわざわざこの期間を設けるのでしょうか。
なぜ試用期間があるのか
企業が試用期間を設ける背景には、採用するスピードが関係しています。
一昔前まではまず実際の業務などを体験させて、それから採用するかどうかを判断していました。しかし時代の流れとともに採用するスピードも早くなり、今では複数回の面接で採用するのが一般的となりました。
とはいえ、その短期間で適正があるかどうかを判断するのは、非常に難しいことです。
そのためにできたのが試用期間です。一旦面接試験の結果で採用し、その後の試用期間で適正があるかどうかを判断する、というのがよくある流れです。つまりこれは、本採用までの道のりにおいて最終試験のようなものなのです。
試用期間と法律
試用期間自体は法律で義務付けられてる?
試用期間はほとんどの企業で設けています。そもそもその期間自体を設ける義務があるのでしょうか。
結論から言いますと設ける義務はありません。当然設けなかったからといって法律違反になることはありません。
あくまで企業が適正を判断するために設けているため、必ず設けなければ行けないわけではありません。面接だけでは判断できないからお試しの期間を作りたい、という企業が多いために多くの会社で設けているだけなのです。
試用期間を設ける場合については法律あり
しかしもし期間を設けた場合、その時は法律がきちんと決まっています。主に法律で定められていることは、期間と試用期間がある旨の記載です。
まず期間は長くても1年までとなっています。企業によっては1ヶ月から半年とバラバラですが、平均すると3ヶ月間設けられています。
そして設けた場合は必ず労働契約書や労働規則に記載しなければいけません。この労働契約書や労働規則への記載は法律で定められており、記載がない場合は当然法律違反となります。
もし試用期間が設けられている会社に入社した場合は、まずは労働規則などに記載があるか確認しておきましょう。
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試用期間中の注意点
労働条件は要チェック
求人票には給与や福利厚生などについて必ず記載があります。とはいえ、試用期間中も同じように適用されるとは限りません。
求人票を確認するときは、きちんと労働条件を確認しましょう。求人票をよく見ると、給与などについて書かれていることがあります。万が一記載がある場合は、その記載内容が期間中の給与となりますので注意しましょう。
もしも求人票で十分に確認できなかった場合は、入社後に労働規則や雇用契約書などで確認しましょう。こちらは必ず記載することとなっているため、確実に確認できます。
給与や福利厚生は念入りに確認を
労働条件を確認するのは大事だが、具体的にどの部分を確認すれば良いかがわからない、という人も少なくありません。確かに労働規則は様々なことが書かれており、どこを読めば良いかわからないものです。
労働条件を確認する上で必ず確認すべきことは、給与と福利厚生です。
まず給与については、期間中の給与が最低賃金を下回っていないかきちんと確認しましょう。最低賃金は地域ごとに定められており、これを下回っていると問題です。
また、社会保険などについては、よほどのことがない限り基本加入する義務があります。とにかく給与と福利厚生は最低限確認するようにしましょう。
試用期間に関するあれこれ
クビになりやすい?
最初の部分で、試用期間は本採用において最終試験のようなものだと説明しました。とはいえそのようなことを聞くと、もしかしてその間はクビになりやすいのでは、と心配する人もいるはずです。
ですがご安心ください。試用期間中だからといって、クビになりやすいということはありません。
確かに期間の終了とともに解雇されたり、逆に伸びてしまうということは全くないわけではありません。
とはいえ、そのようなことはよほどのことがない限り起こりません。試用期間だからといって怯える必要はありません。安心して仕事をしましょう。
残業代支払われる?
会社によっては、最初のうちはなるべく残業させずに定時に帰らせるようにしている企業もあります。
とはいえ仕事というのは定時ぴったりに必ず終わるわけではありません。何かあれば当然残業せざるを得なくなります。
そんなときに問題となるのが、残業代が支払われるかどうかです。実際にサービス残業などが問題となっているだけに、かなり重要なところです。
こちらについてもご安心ください。残業代はきちんと支払われます。こちらも労働規則に記載されていることもありますが、もし不安に思ったら直属の上司などに確認しましょう。知らない間にサービス残業させられるということはまずありません。
試用期間中の退職
試用期間中に退職ってしていいの?
人間合う合わないは当然あります。食べ物然り人間然り、そして会社然りです。理想と現実がずれているということはよくあります。
ここで多くの人が気になることとして、退職してよいかどうかです。まだ入社して間もないけど、退職して良いものか悩む人も多いはずです。
こちらについても心配無用です。退職することは決して悪いことではありません。
タイミングとしては通常時と同様、2週間ほど前までに上司に伝えるのがおすすめです。試用期間とはいえ、会社側も後任を探さなければいけないため、勇気を振り絞って早めに伝えるようにしましょう。
おすすめの退職理由
退職したいという思いは強くても、どのような退職理由を伝えれば良いか迷ってしまう人もいます。確かに理由はかなり重要で、内容によっては会社を大きく批判してしまう恐れもあります。
しかし、大事なことを抑えておけば円満に退職することが可能です。その大事なことが、自分を主語とすることです。
例えば会社の雰囲気が好きではないという理由の場合、そのままいうと喧嘩になりそうです。
しかしここで、自分には似合わなかったという理由にすることで、会社を批判することなく自分の気持ちを伝えることができます。こういう扱いされるのが嫌だという理由の場合も、求めていた環境とは違う、というように言い換えるとかなり印象が和らぎます。
とにかく本当の気持ちをストレートに伝えず、あえて自分を主語にして言い換えると、お互い気持ちよく退職することが可能になります。
試用期間は正念場だが不安になる必要なし
会社と自分にとってのお試し期間
入社して間もない時期というのは会社にとってはどういう社員なのかを確認する期間ですが、同時に自分自身で会社の雰囲気などを確認する期間でもあるのです。
Webサイトの情報や面接の際の雰囲気よりも、より真実に近い雰囲気を五感で感じ取ることができる大切な期間です。
もちろんこのタイミングで合わないと感じても退職できますし、逆に良いと感じたら、精力的に仕事をこなすようにしましょう。そうすることで会社に良い印象を与えることができます。
試用期間はお互いの認識をすり合わせる大切な期間なのです。
まとめ
ここ最近若い人を中心に、入社して数日でやめてしまうということが増えています。中には入社して数時間後に退職届を出すという驚異的なスピードで退職をしたという人もいます。
もちろん会社に合わないと感じたら退職するのは悪いことではありません。しかしもし難しいと感じたから退職したという場合、少し考えてみることをおすすめします。
どんなことでも最初は難しいものです。難しいものでも、コツなどつかめれば簡単になることも多くあります。逃げることは悪いことではありませんが、自分自身を強くするためにも、あえて立ち向かうこともときには必要です。
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