退職証明書とは?転職先から求められるケースや発行方法まで解説します
退職証明書の提示を求められることがあり困った経験をしたことはありませんか?今回はそんな退職証明書を提示されるケースや発行の方法、記載内容について説明させていただきます。退職証明書についてしっかり把握して、転職を円滑に進めていきましょう!
目次
退職証明書ってなに?
退職証明書とは、その名の通り退職したことを証明する書類になります。複数の企業に所属していないか証明するために利用されます。
利用用途としては、別の企業への転職をする場合に必要になるケースがあります。企業に提出している履歴書や職務経歴書などの書類は、あくまで自己申告のようなものです。その内容を裏付けるために使います。
他にも国民年金の支払い免除の手続きや、ハローワークで失業保険の給付手続きなどを行う場合などに、離職票の代わりに用いられます。
退職証明書に記載されている内容としては基本的に以下の通りです。
●退職年月日
●使用期間
●業務の種類
●事業における地位
●賃金
●退職の理由
尚、退職証明書の発行は労働基準法で定められています。以下に労働基準法に記載されている内容を記しておきますのでぜひ参考にしてください。
労働基準法第22条1項
労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
退職証明書が必要なケース
既に会社を退職しており、転職を考えている方は退職証明書が必要なケースが多々ある場合があります。
ここからは「転職先に退職証明書を求められるケース」と「失業保険を申請する際に退職証明書を求められるケース」に分けてご紹介していきますのでぜひ参考にしていただければ幸いです。
これから転職を考えていたり、失業保険を受けようと思っている方は特に注意してみていただければこれからの手続き等がスムーズになると思います。
転職先から求められる場合
企業が退職証明書を求める目的としては、履歴書や職務経歴書に書かれている内容と照らし合わせるためです。履歴書の内容はあくまで自己申告になりますので、その内容が事実化を判断するためにも退職証明書が必要になります。
過去に採用した人とトラブルがあったため、退職証明書を提示する方針になったという会社が実際にあります。
転職する際、履歴書の内容は嘘偽りなく書くようにしましょう。万が一退職証明書を求められなくても、あとでトラブルになってしまってはもっと大変なことになります。
失業保険の申請時に必要な場合
失業保険手続きをする場合や国民健康保険の加入をする際にも必要になります。
ハローワークへ行き手続きをする際に離職票という証明書のようなものが必要になります。この離職票は退職後10日以内に申請をしないといけないという雇用保険法があります。わけあって手元に離職票がない場合は退職証明書の提示を求められる場合があります。
退職証明書は基本的にすぐの発行が義務付けられています。万が一の場合でも以前勤めていた会社に申請すれば、すぐに発行してもらえるはずです。
離職票と退職証明書はどう違う?
上に記述した「離職票」と「退職証明書」はなにがどう違うのでしょうか?
簡単に説明すると発行元がちがいます。離職票はハローワークが発行しており、退職証明書は会社が発行しています。
両方とも退職の事実を明確にするというという点では同じですが、「離職票は手続きに用いられるもの」「退職証明書は退職の事実を確かめるために用いられる」という点で大きく違います。
離職票と退職証明書は全くの別物なので混合しないように気を付けましょう。
退職証明書は記載内容を決めることができる
退職証明書は記載内容を決めることができるのはご存知でしょうか?
主に書く内容は氏名、住所、生年月日、退職年月日、使用期間、業務の種類、事業における地位、賃金、退職の理由、会社名、代表者名です。
「退職年月日」「使用期間」「業務の種類」「事業における地位」「賃金」「退職の理由」に関しては、自分が書きたくないものがあれば書かなくても大丈夫なのです。逆に言うとコレを書いて欲しいというものを書いてもらうこともできます。
転職先になるべく知られたくないことは書かなくても問題ないのですが、あまりになにも書いていない場合は怪しまれることがあります。
「こちらに知られたくない理由があるのか?」「面接時に話していたことは嘘なのか?」となってしまう可能性もあるのでたくさん削ってしまうとあまり良い印象をもってもらえない可能性があります。特別な理由がない限りはすべての項目を記載するようにしましょう。
退職証明の発行方法
退職証明書はどのように発行してもらうのかを紹介していきます。
転職することになり、転職先から退職証明書を求められた場合の流れは以下の通りです。
①退職した会社に連絡をする。(電話でもメールでも問題ありません。)
②退職証明書に記載する項目について伝える。
③いつまでに発送してもらえるか確認したうえで、郵送してもらう。(データで届くケースもあります。)
④退職証明書を受け取る。
特段難しいフローはないかと思います。退職証明書と聞くと小難しい感じがしますが、実際には退職証明書が必要な旨を伝えるだけで後はどのようにして受け取るかを決めるだけで良いんです。
「前の会社に連絡するのが気まずい!」「退職証明書がもらえないのでは….」という方もいるかもしれませんが、発行は義務付けられています。たとえ気まずくても次のステップに進むために勇気を振り絞って連絡しましょう。
退職証明書が発行できるのは2年間
企業側が退職証明書を発行する義務がある期間は実は決められていて、2年間とされています。
2年間の間は労働基準法で退職証明書を発行しなければならないと定められているのですが、2年を過ぎてしまうといわゆる時効になってしまうので発行してもらえないという場合もあります。
ですので、転職を考えている方は、あらかじめ退職時に退職証明書を発行しておくことをおすすめします。コロナウイルスのように急な災害で転職ができず、2年経過してしまった。ということも考えられるので、すぐに必要がなくても必ず退職証明書を発行しておくことおすすめします。
万が一、2年の期間が過ぎて退職証明書を発行してもらえなかった場合には、転職先の企業に相談して指示を仰ぎましょう。
まとめ
退職証明書は転職時や失業保険の申請時、国民健康保険の申請時に使用することがあります。また、退職証明書の発行は労働基準法から2年間は必ず申請されると発行しなければならないので転職を考えている方は、あらかじめ発行を依頼しておくのが良いかもしれません。
退職証明書は記載する内容をこちらで決めることができますが、よっぽどのことがない限り、すべての項目を記載するようにしましょう。
退職してから2年を過ぎてしまうと会社側は退職証明書の発行義務がなくなってしまうので注意しましょう。
転職の際には、必要な手続きや書類が色々出てくると思います。これらについてしっかり把握して、転職を円滑に進めていきましょう!
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