転職の親ブロックへの対応を解説!内定辞退者が出る理由は?親ブロックに対する考え方をエージェントが提案
転職の内定を獲得したにもかかわらず、様々な理由から内定辞退する人がいます。その中には自身の決断ではなく親の反対を理由に内定を辞退する人もいるのです。「親ブロック」と呼ばれるこうした事態はなぜ起きるのでしょうか。親の意向を受け入れる転職者の心理や対処法まで幅広くご紹介します。
目次
転職活動の意外な落とし穴・親ブロックへの対応を解説
「親ブロック」という言葉は最近の就職・転職活動の場において聞かれるようになったものです。
しかし言語化されていなかっただけで、以前から親の反対を理由に内定を辞退するというケースはありました。
ではなぜ今「親ブロック」という言葉が作られ、知られるようになったのでしょうか。
それは「親ブロック」の事例が増えているからにほかなりません。
今回は親の反対による内定辞退が起きる理由や親ブロックに対する考え方、対処法まで幅広くご紹介します。
親ブロック対策で大事なのは「オヤカク」?
オヤカクとは、求職者に対して親が内定承諾に賛成しているか確認をとったり、場合によっては企業が直接保護者に内定承諾の確認を行う事を指します。
つまり「親への確認」です。
親ブロックによる内定辞退を防止するための対策がオヤカクだと言えるでしょう。
ではそもそもなぜ親ブロックが起こってしまうのか、まずはその理由から解説します。
親ブロックが起こってしまう理由
新卒採用ではなく、既に社会人として活躍している人材の転職活動においても親ブロックが起きています。
少子化に伴い親子の関係性は変化し、子どもの転職先選びに親が関わるべきだという人が増えているのです。
親ブロックの要因としては以下が考えられます。
時代に伴う就職活動の変化
現在若手社会人として活躍している人材の親世代は、バブル期に就職活動を経験している世代と一部重なります。
バブル期の就職活動は完全なる売り手市場で、就職に関する考え方に大きな違いがある世代です。
就職や転職で苦労した経験がない世代の人にとって、現代の転職を取り巻く環境を理解することは難しいでしょう。
多数の書類選考の中で面接のチャンスを掴み、やっと内定が獲得できる。これが現代の転職風景です。
しかしそれを知らず、たった1つの内定企業を見せられた親は「もっと良い会社があるのではないか」と考えます。
安易に「内定を辞退したほうがいい」と言ってしまうのです。
前提として理解しておきたいのは、内定辞退を勧める親には悪気がないという点です。
子どもの進路を思い通りにコントロールする意図もありません。
ただ我が子の将来を心配するあまり、もっと選択肢を持っておくべきだと口を挟んでしまうのです。
不況による「安定志向」
子どもが就職する会社について口を出す背景には、不況に対する不安もあります。
親世代は、社会の第一線で働く社会人として不況を経験している世代です。
そのため自分の子どもには不況に強い・解雇の不安がない仕事についてほしいと考えます。
ベンチャー企業で新しい事業に携わるより、大企業に転職して安定を得てほしいと思っているのです。
「大企業=安定」という構図は、残念ながらもう成り立たない時代に来ています。
しかし大企業が先導する経済社会を生きてきた親世代にとっては、今でも大企業は安定の指標です。
子どもには大企業や公務員など、いわゆる「安定した」仕事を選んでほしいと考えるのも無理はありません。
就業環境に関わる情報の氾濫
「ブラック企業」という言葉が日常的に聞かれるようになって随分経ちました。
ニュースでは過労死や過重労働、職場でのストレスなど現代の就業環境に関わる暗い話題も報道されています。
このような情報で取り上げられる会社員と自分の子どもを重ねてしまうことも親ブロックの要因です。
実際は健全な労働環境の企業がほとんどですが、インパクトが強い「報道」は親の認識を変えてしまいます。
「似たような企業で過労死のニュースがあった」「その業界は過酷だとインターネットで読んだ」
こうした不確定な情報をもとに過度な心配をして、子どもに内定辞退を強いてしまうこともあるのです。
親が子どもの転職に望むこと
親世代は積極的に転職活動を進める子どもに対して、あるいは転職先の企業に対して何を望んでいるのでしょうか。
これを知ることで親ブロックを未然に防ぐことができます。
未だに根強い「公務員=安定」の方程式
企業には「経営」がついて回りますが、国家公務員や地方公務員に対して「経営」を考えることはありません。
企業は倒産があり、公務員にはありません。
絶対に倒産しないという考えのもと、自分の子どもには公務員になってほしいと思う親が多くいます。
確かに公務員は経営難はありませんが、社会情勢によっては減給があります。
企業には倒産がありますが、身の回りの企業がバタバタと倒産するのを目にしたことはないはずです。
親の不安は「企業=不安定」という点にあるため、内定が出た企業の安定性をプレゼンするといいでしょう。
本人の希望よりも安定感を優先する
子どもの入社希望がどんなに強くても、親はそれ以上に安定性を優先します。
親自身の転職であればリスクを背負って新しい道に踏み出すかもしれません。
しかし自分の子どもにはできるだけリスクを背負ってほしくないという思いがあります。
転職した企業が倒産し、自分の子どもが生活できなくなる姿を想像したくないのです。
しかし長く働きたいからこそ自分の希望を優先する必要があります。
希望とは異なる企業ではキャリアアップもできずモチベーションも上がりません。
どれだけその企業に入りたいのか、そこで何をやってどうなりたいのかをしっかり説明しましょう。
一度入社したら「長く務めてほしい」という意向も強い
親世代は1つの企業で定年まで働くことが当たり前だと考える世代です。
子どもが転職活動をしていることを知れば、その時点でネガティブな想像をするかもしれません。
転職してもまた仕事をやめて転職するのではないか。こんな不安を抱いています。
キャリアアップのための転職なら、前職を辞めた明確な理由が話せるはずです。
なぜ前職を辞めて今回の企業に応募したのか、納得性の高い説明ができれば親も安心するのではないでしょうか。
なぜ転職者は内定辞退してしまうのか
すでに社会人として就業経験があり、業界の事情も知っている転職者がなぜ親の意向を受け入れてしまうのでしょうか。
親ブロックは悪意ではなく善意の行動であることを知っているからです。
転職者は親が自分のことを思い、自分のためにという気持ちで「助言」していることを知っています。
また社会人経験の少ない転職者の場合、親は最も身近な「社会人の先輩」です。
自分の経験や知識から出した結論よりも親の言っていることの方が正しい、と感じる方もいるでしょう。
親ブロックの根底には「不安」がある
親ブロックをしてしまう親は、子どもを辛い気持ちにさせたいわけではありません。
内定先の企業を困らせようとも思っていません。
親ブロックの根底にあるのは「不安」です。
また転職後に苦労してしほしくないという強い「心配」からくる行動でもあります。
そのため、自身の親に親ブロックをされずにスムーズに入社するには、「不安」「心配」を取り除くアプローチが必要です。
企業ができる親ブロックへの対応とは
親ブロックによる内定辞退を避けるためには、「不安」や「心配」を解消してあげれば良い。
とはいえ親の不安はどうすれば消えるのでしょうか。
まずは反対する理由を確認する
まずはじめに、なぜ反対するのかその理由から確認しましょう。
例えば、先述の親ブロックが起こってしまう理由の他にも、次のような実例が挙げられます。
- ・業界自体に嫌悪感を抱いている
- ・転勤などで離れてしまうのが怖い
- ・リスクがなく世間から評価される「いい会社」に勤めてほしい
こういった例はいずれも「知らない」事に起因していると考えられます。
業界や企業の評判、噂話などしか情報源がないケースです。
理由が分かったら次のような方法で具体的に解決していきましょう。
公式サイトや採用サイトの情報を見せる
内定の報告とともに、まずは企業の公式サイトを見せてみましょう。
経営の安定性や業績の推移、経営者はどんな人でどのような事業を行っているのか。
安定を求める親世代に響くページを予め確認しておくといいでしょう。
また企業の採用サイトを見せることも重要です。福利厚生や就業環境に関わる情報が掲載されています。
このサイトを見て応募した、ということを伝えれば親は採用サイトをくまなく確認するでしょう。
内容に不足がなければ納得するはずです。
さらに、知りたかった情報が網羅されていると分かれば、その企業に対する信頼感が厚くなります。
予め親に資料を渡しておく
親が不確かなネット情報を参考にする前に、転職者が予め情報を渡すというアプローチもあります。
例えば企業説明会でもらったパンフレットを渡したり、実際の求人票をコピーするのも良いでしょう。
転職に関する不安や知りたいことは、転職者と親で必ずしも一致しません。
そのため「この資料があれば大丈夫だろう」と思う範囲よりも少し広げて情報を渡しておくとベストです。
親向け・親同伴での説明会があれば連れて行く
転職においてはレアケースですが、親同伴での会社説明会を実施している企業もあります。
親ブロックをした過去がある、もしくは親ブロックをしそうだと感じたら連れて行くといいでしょう。
内定者は選考の中で人事担当者や先輩社員など、企業で働く人に出会う機会がありますが、親は違います。
実際にオフィスを訪れる機会もありませんし、企業の様子を肌で感じることはできないのです。
見えない、感じられないことが親の不安につながっていきます。
会社説明会に親を呼ぶことで、オフィスの雰囲気やそこで働く人々の様子を知ってもらうことができるでしょう。
また転職フェアなどのイベントなら自由に足を運ぶことができます。
選考中の企業がタイミングよく出展していれば、そこに連れて行くというのも選択肢の1つです。
親ブロックというものを説明しておく
自身の進路に口を挟むことがなかった親が、転職に際して親ブロックをすることは想像できません。
しかし実際は「転職」だからこそ親ブロックをするケースがあります。
自身にとって転職はキャリアアップ・ステップアップでも、親世代は転職に対してネガティブなイメージを持っていることがほとんどです。
そのため転職は逃げ道がない、失敗できないと感じて親ブロックに至ります。
今まで親ブロックの素振りを見せたことがない親であっても、会話の中で「親ブロック」の存在を伝えておくといいでしょう。
こういうケースがある、だから心配なことは聞いてほしい。
子どもが親を思ってくれていることが伝わり、信頼感を与えることができます。
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世の中の動きに連動した親ブロックもある
前回の転職では親ブロックの素振りを見せなかったのに、今回は親ブロックをされている。
こうしたケースで考えられる親ブロックの原因は、経済状況や社会情勢の悪化です。
例えばコロナ禍に都市部への転職を決めた場合、子どもの健康を気遣って内定辞退を強いられるケースがあります。
IT業界の経済状況が悪化したら、たとえ転職先企業に影響がないとしても親ブロックが発生するかもしれません。
不安に駆られた親を説得するのはなかなか難しいですが論より証拠、情報を多く提示して安心させることが重要です。
スムーズな採用には、本人も親も納得できるアプローチが不可欠
人材不足が叫ばれているIT業界においても、転職は簡単ではありません。
また転職をするという決断自体が大きなものではないでしょうか。
人生を変えるかもしれない大きな決断の末にやっと手にした内定です。
それを親の不安を理由に手放してしまうのは非常にもったいないことです。
これから先ずっと「親が口出ししなければ今頃は」という思いがついてまわるでしょう。親との関係性を悪くしかねません。
大前提として、経営状況が安定していて自身の希望に合っている企業に応募してください。
希望にあった企業はここしかない、という思いが強ければ親をどうにかして説得できるのではないでしょうか。
とはいえ、企業の詳細な状況や今後の見通しなど、求人票や公式サイトだけで判断するのは難しいものです。
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