リアリティショックの具体的な事例を紹介!原因や対策方法は?転職した際の注意点をエージェントが解説!
早期退職に直結する「リアリティショック」について事例を挙げて解説!リアリティショックの原因やなりやすい人の特徴とは?就活中からできるショックの軽減方法や転職後の対策についても詳しくご紹介します。
目次
転職者にも身近なリアリティショック問題
新入社員の約8割が感じたことがあると答えた「リアリティショック」を御存じでしょうか?
「リアリティショック」は新入社員が入社前後に感じる‟ギャップ”のことです。入社前に抱いていた理想と入社後の現実との‟差”によって起こるといわれています。
求職者の理想と現実の差が大きいほど業務に支障をきたすため決して軽視はできません。
これまでは社会経験の浅い「新卒者」だけの問題と思われていた「リアリティショック」。しかし仕事環境が大きく変化する「転職者」も決して例外では無いことが分かっています。
「リアリティショック」がなぜ起こるのか、その原因や対策など事例を挙げて解説しましょう。
「リアリティショック」のメカニズム
「こんなはずでは…」理想や希望とリアルの大きなギャップに苦悩する求職者たち。このような「リアリティショック」は何故起こってしまうのでしょうか?
新入社員を悩ませるリアリティショックのメカニズムを解説しましょう。
リアルとのギャップはなぜ起こるのか?
理想企業に入社したはずの求職者の多くがリアリティショックを感じています。
「リアリティショック」とはすなわち実際の現実とイメージ(希望・理想)のズレです。希望に胸を膨らませた新入社員たちは企業や新しい職場、仕事などのイメージを膨らませます。
たとえば面接時に「活躍に期待している」と言われすぐに大きな仕事を任せてもらえると思っていた。しかし実際に仕事が始まると「まずは慣れるように」と言われ誰でもできる手伝いばかりだった。
このように「イメージと違う」と感じた小さなズレが次第に大きなギャップへと繋がるのです。
働き甲斐と自身の成長に大きなギャップ
では新入社員たちはどの様なことにギャップを感じているのでしょうか。
パーソル総合研究所が『就職活動と入社後の実態に関する定量調査』を行っています。それによると就活生のおよそ79%が働くことを「楽しみたい」と回答しました。
さらに仕事を通して「自分が成長できる」かの期待は86%以上が重要視する結果となっています。
しかしこの2つの理想は入社1年目以降の社員からギャップが拡大。多くの若手社員が働くことを楽しめず自分の成長も実感できないと感じているのです。
実際に感じる入社後ギャップには「仕事内容や配属について」「組織の特徴や社風について」「成長環境やキャリア開発について」なども挙げられています。
いずれも入社前に尋ねる事は出来ますが、やはり入社後でないとどうしても感じ取る事が難しい実情にギャップを感じてしまうようです。
リアリティショックが引き起こす問題とは?
これまで新入社員の‟個人的な問題”で片付けられがちだったリアリティショック。しかし近年では異動や転職など新しい環境の変化が大きく関係することがわかっています。
そんなリアリティショックが引き起こす主な問題を以下にまとめましょう。
・モチベーションの低下による能率低下
・会社への信頼や愛着が薄れ貢献度も低下する
・やり甲斐を感じられず仕事に打ち込めない
・やる気が無いと誤解され良好な人間関係を築けない
・思い詰めるあまり早期退職してしまう
リアリティショック問題の企業対策
上記のようにリアリティショックが仕事に及ぼす影響は大きく企業も軽視できない問題です。またリアリティショックの値が大きくなるほど社員の会社満足度は低下していきます。
調査では多数の社員がリアリティショック状態の企業は満足度も1割程度という結果でした。
このことから企業では転職前後のギャップを無くすべくリアリティショックの対策を実施。
求職者が視覚的にイメージしやすい資料や職場の雰囲気を体験してもらう取り組み。職場環境や曖昧になりがちな求人票などの雇用情報表示も見直されつつあります。
このように新入社員の早期離職につながるリアリティショックは企業の重要な取り組みなのです。
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リアリティショックの事例
リアリティショックは新卒のみに起こる問題ではありません。部署の異動や転勤、嬉しい出来事であるはずの昇進によっても陥るのです。
下記にてリアリティショックの事例を見てみましょう。
新入社員の事例
理想とする企業への就職活動に余念がなかったNさん。競争倍率も高い一流企業への内定を見事に獲得します。
入社後はすぐに即戦力としてプロジェクトを任せられ活躍するだろう…。Nさんはそんなキャリアパスを漠然とイメージしていました。
しかし、いざ入社してみると頼まれるのはコピーや書類整理の手伝いばかりです。こんなはずでは…思ってたのと違う、Nさんはイメージとのズレを感じるようになります。
「そんなことも知らないの?」「いつまでも新入気分では困る」と注意しますが誰も教えてはくれません。
打ち合わせや会議でもなかなか発言できずストレスは溜まる一方です。
仕事を楽しむ余裕も無く日々のズレはやがて大きなギャップへと変化。入社から1年後、Nさんは理想だったはずの企業を去ってしまいました。
「リアリティショック」は不可避なリスク?
リアリティショックが起こりやすいタイミングを知ろう
リアリティショックが起こりやすいとされるタイミングには、次のような時期が挙げられます。
入社時
リアリティショックが最も起こりやすいタイミングは、やはり入社してすぐです。ちょうど「五月病」と呼ばれる時期とも重なり、期待していた自身の働く姿との違いを実感しやすいと言えるでしょう。
始めは新生活スタートに対する高揚感や忙しさで見逃せていた小さなズレも、落ち着いて来ると同時に意欲の低下を招きかねないのです。
昇進、昇格時
意外かもしれませんが、キャリアアップのタイミングにもリアリティショックが起こりやすいとされています。ベテランの社員であっても離職につながってしまう事があるのです。
復帰時
産休・育休開けに職場復帰すると、以前とは仕事内容やポジションなどが変わっている事もめずらしくありません。思い描いていた育休後の働き方と大きく異なってしまった場合にショックを受ける人が多く、仕事に対するモチベーションの維持が難しくなってしまうのです。
避けるのではなく対応を
新入社員からすれば「リアリティショック」はストレスが多く”リスク”と感じることでしょう。
世間一般にもリスクを事前に回避するのはごく当たり前のことだといえます。
しかし「リアリティショック」は実際に働くことで初めて気づく「違い」から生まれるのです。つまり「リアリティショック」は求職者にとって‟不可避なリスク”といえます。
新しい環境に飛び込むたびに「リアリティショック」を避けることはできません。転職先で新たな一歩を踏み出すには‟避ける”のではなく適切に対応することが大切です。
就職活動中や入社前にもできる対策
転職前や就職活動中からできるリアリティショックの軽減対策についてご紹介します。
就職活動中からできる対策「企業研究で想像力を補強」
リアリティショックはイメージ(理想)と現実のズレが重なることで発生します。そのためリアリティショックの元凶になる相手企業との「ズレ」を無くす試みが有効です。
この‟試み”は転職前から行うことで入社後のリアリティショックを軽減する効果があります。
具体的な試みとしては企業理念やビジョンなど、相手企業について「研究」することです。もはや‟研究”とよべるほど詳しく調べ相手企業が求めることも理解できるレベルが望ましいでしょう。
相手企業の考えを知ることで自己の想像力を補強し偏ったイメージになることを防げます。これによって入社後に感じるズレを無くしリアリティショックも軽減できるでしょう。
入社前にできる対策「正確な労働条件の把握」
求職者が入社後に‟違い”として感じやすいものに「労働条件」があります。
給与や昇給の報酬が入社前のイメージと異なることからリアリティショックに陥るのです。転職後のギャップを減らすにはまず雇用条件について詳細に知る必要があります。
特に転職者の場合、ハローワークなどの「求人票」を基にイメージしがちです。
しかし求人票は多くの求職者向けに作られた“汎用的な見込み”情報になります。そのため「求人票」を基にイメージすると転職後のギャップも生じやすくなるのです。
自分の詳細な雇用条件を知る手段に内定決定後に発行される「労働条件通知書」があります。企業によっては契約書機能も兼ねた「労働条件通知書兼雇用契約書」として発行されます。
どちらも‟あなた”に対する労働条件の明示であり企業からの正確な労働条件提示です。
転職した際のリアリティショック対策
転職した際のリアリティショック対策を詳しくご紹介します。
転職後の対処法1「違い」をハッキリさせる
もし転職後にズレを感じたら、まずは自分のリアリティショックについて分析しましょう。自身が何に対して「違う」と感じたかをハッキリさせないと適切な対処ができないからです。
漠然に感じたことでもそのままにせず「書き留める」ようにしましょう。
たとえばAさんが新人教育で必要な機材を借りてくるように職場の人に頼まれたとします。
・どこに機材があるのか教えてくれなかった
・機材の使用法のレクチャーが無かった
・‟借り方”について誰も話してくれなかった
このようにその時思ったことをまずはメモしておきましょう。
転職後の対処法2「違いの原因を掘り下げる」
上記の例えからわかる「違い」の原因は「新人はわからなくて当たり前」というイメージです。
Aさんは上司や職場の人たちが経験的に知る情報も積極的に‟教える立場”と前提しています。そのため「教えてくれないこと」に対してイメージと違うズレを感じてしまったのです。
自分は「教えて貰う立場」だと受け身だったことが伺えます。このように書くことで思考がまとまり漠然とした‟原因”も客観的に見えるようになるのです。
転職後の対処法3「適切なアプローチを考える」
上記の対策1と2を経てAさんのリアリティショックの原因がわかりました。
「自分は新人という立場に甘えていなかったか?」
「職場の人も仕事で忙しくしていただけかも」
自問自答を繰り返したAさんのアプローチは「分からないことは直ぐに聞く」ことでした。
すると質問された職場の人には共通点があることに気付きます。
それは回答した殆どの人がAさんが質問した事柄を「既に知っている」と思っていたことです。職場経験が長いからこそ新人の「わからないこと」に気づき難いのでしょう。
そのことに気付いたAさんは職場で良好な人間関係を構築し活躍しています。
リアリティショック対策のカギ
リアリティショックの転職後の注意点は原因となる「違い」を溜め込まないことです。
Aさんの様にその都度、適切な対処でズレを解消していくことが望ましいでしょう。
またリアリティショックに対応するには職場での‟良好な人間関係を築けるか”がカギになります。あなたが「あれ違うな?」と思った時、気軽に聞けるキーパーソンを見つけておきましょう。
職場の人たちとの良好な関係がもたらす影響はあなたにとってプラスに働きます。
リアリティショックは乗り越えられる
リアリティショックになりやすい人は企業に「過度の期待」を寄せやすい傾向があります。
この過度の期待は相手企業のイメージ材料が不足していることが主な原因です。就活中から相手企業の「正確な情報」を入手し転職後の疑問もすぐに解消してください。
しかし、転職してすぐはまだ人間関係が築けていないことも多いでしょう。その際は正確な企業情報を持ち良きアドバイザーになれる転職エージェントに相談するのも有効です。
リアリティショックを乗り越えて是非、理想の企業で活躍してください。
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