依願退職とは?退職方法や失業保険の手続きを解説!退職金はもらえる?決断前に撤回の可否も知っておこう
退職と一言で表しても様々な退職の方法があります。その中でも今回は「依願退職」について解説をしていきたいと思います。依願退職とはそもそもどのような退職方法なのか、退職金はどうなるのか、再就職の際には申告義務があるのか等を詳しく解説していきます。
目次
退職の種類について
退職の種類は大きく分けて自己都合退職と会社都合退職の2種類に分類され、依願退職は前者に含まれます。
依願退職をすると、今後の転職にどのような影響があるのでしょうか。
自己都合退職
一般的な退職の理由が自己都合退職です。「転職のため」「病気の療養に集中するため」等自身の希望での退職を指します。
自己都合退職は一般的な退職なので転職時に大きな影響はないでしょう。
履歴書へ記載する退職の理由として「一身上の理由により退職」と記載するだけで良いため、特別な追求がないのです。
しかし退職後に申請を出す失業手当の支給が3ヶ月も遅れてしまうことがデメリットです。
また失業手当の給付日数は会社都合退職の90日〜330日に比べて自己都合退職の日数は90日〜150日と半分以下になってしまいます。
3ヶ月も遅れてしまうと生活に影響が出ることが予想されますので、計画的に転職活動を行なうことをおすすめします。
会社都合退職
自己都合退職とは反対に自分の意思とは関係なく会社の理由で退職をせざるを得ない状況が会社都合退職です。
具体的には会社の倒産や人員整理に伴うリストラ、賃金の未払いやパワハラ被害による退職等が含まれます。
自身の意思とは関係のない理由で退職をしなければならなくなるという状態です。
会社都合退職は失業の手当を3ヶ月待つことなく、申請後7日間の待機が過ぎたら支給開始となります。
会社都合退職も自身の問題によるものでない限り深く追求されることはありませんが、会社都合の具体的な理由を確認されることはあります。
理由によっては「個人に何か問題があったのではないか」と敬遠される場合もあり、転職の際は納得性の高い説明が求められます。
辞職
一般的な社員は退職という言葉になりますが、役員以上の方が退職をする際に使う言葉が辞職です。
依願退職とは?
依願退職とは雇用者と労働者双方の同意のもと契約解除を行う自己都合退職を指します。
「結婚を機に退職」「もっと条件の良い会社に転職する」といった一般的な退職です。そのため、一般的な退職は全て依願退職なのです。
「双方合意のもと」と説明をしましたが、退職を告げても会社や上司から退職を認められない状況も起こりえます。
しかしその場合で特別に期間を定めて契約をしていない限り、契約解除の申し出から2週間で契約解除ができることを覚えておきましょう。
「会社や上司が退職を受け付けてくれない」といったような理由で悩むことはありません。
転職に向けての一歩を踏み出すのにためらわず、転職エージェントに登録するなど前に進んでいきましょう。
依願退職の退職方法
前述の通り依願退職は退職理由を告げて退職願提出する通常の退職と変わりはありません。
そのため退職願を提出した後については、その会社の規定に従い業務を全うし契約の解除日をもって退職となるのです。
退職願と退職届、辞表の違いと書き方について説明しますので参考にしてください。
退職願・退職届・辞表の違いとは
退職届と退職願、さらに辞表という言葉はよく似た言葉であり、どれを使うべきなのか悩む方が少なくありません。
細かな違いについては知らない方も多いことでしょう。違いについては以下の通りです。
退職願
退職をしたいという意思を伝える内容のものであり、会社から却下されてしまうこともあり得ると通知書の意味合いがある書類です。
退職届
退職願と違い「退職をします」というような、会社の意思とは関係なく通告書といったような意味合いがあります。
そのため、退職届は退職願を提出して受理をされなかった場合に退職届という形で通告をするというような流れが自然な流れです。
いきなり退職届を提出するのではなく、退職願を提出し協議を行なった方が円満に退職の手続きができます。
上記の順番で提出をすると良いでしょう。
辞表
会社の役員以上の方が提出をする、一般社員の退職願に相当する書類です。
課長以上の役職の方が辞表を提出することとなっています。
退職願・退職届・辞表の注意点
それぞれの意味は理解していただけたかと思います。
ここからはそれぞれの注意点について解説いたします。
退職願や退職届は検索をするとフォーマットがダウンロードできるため、形式に沿って作成することをおすすめします。
手書きで書いた方が良い場合もありますので、確認ができる場合には上司に相談をした方が良いでしょう。
転職エージェントもこうした退職手続きについて深い知識を持っているため、相談候補に最適です。
退職願と退職届と辞表の書き方に特別な違いはありません。
冒頭に退職願もしくは退職届と書くだけです。
一般的には縦書きとなりますので、特別な指定がない限り縦書きで提出すると良いでしょう。
撤回は可能?不可能?
前述の通り依願退職は自己都合退職にあたるため、撤回は可能です。
しかし、撤回をするには条件があり「会社から受理されていないこと」が条件となります。
退職願が受理をされていたとしても雇用者に撤回を認めてもらうことができれば退職をしなくても良いということになります。
そのため撤回することができないと諦めるのではなく直接相談をしてみるのも一つの手段といえます。
依願退職で退職金はどうなる?
依願退職は通常の自己都合退職になるため、退職金に対して特別に影響はありません。
ここで肝心なことは勤めている会社の退職金に関する規定でどのように定められているかということです。
退職金について共通で特別に定められている規定は存在しないため、会社毎に条件は違うのです。
最後の最後にお金のトラブルに発展する、ということも少なくはありませんので退職前に確認しておきましょう。
書面にて証拠を残しておくとトラブルを未然に防ぐことができます。
また退職や転職の相談にのってくれる上司がいれば、退職金について何か特別な手続きが必要なのか訊いてみましょう。
もちろん上司は業務がありますので、不明点はあらかじめまとめておくことが大切です。
失業保険の手続き
失業保険についても自己都合退職に該当するため、最短で3ヶ月と7日後に受給開始となります。
しかしパワハラを受けての自己都合退職や遠方に引っ越しをしなければならない等、致し方のない理由の場合もあるでしょう。
これらでは3ヶ月と7日を待つことなく受給できる可能性がありますので、担当のハローワーク職員に問い合わせをしてみてください。
給付開始までの流れと必要書類を簡単にご説明いたします。
必要書類
はじめに失業保険を申請するにあたっての「会社から取得すべき必要書類」を解説します。
失業保険はすぐに申請ができるわけではないので、不備なく揃えてスムーズに手続きを済ませましょう。
・雇用保険被保険者離職票(1と2セットで1部となります)
・雇用保険被保険者証
上記の2点は勤めていた会社からもらう書類となりますので、必ず受け取れるよう担当者へ伝えてから退職しましょう。
もし退職日から2週間以上経過しても離職票が届かない場合には、会社とハローワークへ問い合わせを行うことをおすすめします。
給付開始までの流れ
上記の必要書類が揃ったらハローワークに向かい手続きを行いましょう。
受付を済ませたらハローワークが開催している失業保険説明会へ参加し、失業している状態にあるという失業認定をしてもらうことができます。
この後に7日間の待機期間と3ヶ月の給付制限期間が経過するのを待ち、基本手当ての支給となります。
約4ヶ月近くの期間を要しますので、退職を決めたら不足なくスムーズに申請まで行えるようにスケジュール立てをしておくのがおすすめです。
解雇とは
依願退職に相反する退職として解雇についても簡単に解説をいたします。
解雇とはどういう状態のことを指すのか、転職先に知れたら良いことではないのですが、どのようにしてバレてしまうのか等も参考にしてください。
普通解雇
はじめに会社と労働者との契約は「労働者が労働をすることで対価として会社が給料を支払う」という契約に基づいています。
怪我や病気が原因で労働者が労働力を提供できなくなったときに解雇することを普通解雇といいます。
懲戒解雇
懲戒解雇は会社で働いている最中に会社のお金を横領したり、犯罪行為を行なったりしていることが判明した場合に言い渡される処分です。
バレてしまう原因は?
再就職をする際に賞罰を記入しなければならない履歴書やエントリーシート、または退職証明書の提出を求められた場合に判明します。
とはいえ転職を考えている方で懲戒解雇に該当する方はほとんどいないはずです。
人事業務で活躍したい方はこうした解雇形態があるということを知っておいてください。
依願退職後の再就職
自己都合退社の場合にはほとんどといっていいほど再就職に対してデメリットはありませんので気にしなくても良いでしょう。
しかし転職回数が多い等の問題があればポジティブな説明ができるように準備をしておくことが必要です。
転職理由が前向きかどうかで企業は採用の候補に入れるか否かを判断します。
どういった転職理由を用意するか悩んだ場合は、転職エージェントに相談してみましょう。
まとめ
依願退職とは履歴書に「一身上の都合により退職」と書いても良い一般的な退職のことだと理解いただけたかと思います。
また退職の方法として退職願や退職届の違いや書き方の注意点を参考にして、円満な退職にしていきましょう。
さらに失業保険や退職金についても事前に確認しておくとスムーズです。
退職後に必要となる書類を事前に担当者へ郵送してもらえるように手配しておくなど、段取りよく手続きを進めましょう。
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