株式会社pringのビジネスモデルを分析!財務会計に特化した新事業とは【FinTech企業への転職】
今回ご紹介するのは、新しいお金のコミュニケーションをつくる送金アプリ「pring(プリン)」を運営している株式会社pringです。新しい社会の仕組みを生み出し続けている株式会社pringですが、そのビジネスモデルや事業内容についてご紹介いたします。
目次
会社概要
株式会社pringは2017年5月に設立されました。
主要株主には、日本瓦斯株式会社・伊藤忠商事株式会社・株式会社みずほ銀行など大手企業が名を連ねています。
このことから分かるように、今まさに注目すべき企業といえるでしょう。
pringは、新しいお金のコミュニケーションをつくる送金アプリ「pring(プリン)」を運営しています。
政府がキャッシュレス市場を推進しており、FinTech業界でもスマホアプリを使用した電子マネー決済・送金サービスが話題を集めています。
その最先端をいく会社の1つです。
世界的に注目を浴びているFinTech業界
FinTechとは、Financial(金融)とTechnology(技術)が合わさった造語です。
スマホの普及など、テクノロジーの進化により世界中の人々の生活スタイルが大幅に変化してきたため、世界が注目する業界といえます。
2020年1月に経済産業省が公表した「キャッシュレスの現状及び意義」では、日本のキャッシュレス決済比率は20%ほどでした。
しかし、主要各国では40%~60%台であると明記されており、日本は世界と比べると後れをとっているのが分かります。
さらに、政府は2025年までに40%程度、将来的には世界最高水準の80%を目指すという方針を明らかにしました。
以上のことから、将来性が見込める業界であるといえます。
財務会計に特化した新事業
pringが手掛ける財務会計に特化した新事業をご紹介します。
個人向けの送金アプリ「プリン」
pringが開発した「プリン」は、お金を送る・もらう・お店で支払う・銀行口座からの入出金が行えるアプリです。
プリンは一般ユーザーの手数料を無料としています。
そしてプリンでの決済を導入したお店側にもメリットがあり、決済手数料は業界最安値で、初期費用・月額費用・振込手数料が無料です。
さらにAPI決済のサービスも行っています。
ユーザーの本人確認が完了すれば、銀行口座やセブン銀行からプリンにチャージができ、いつでもオンライン決済が利用できます。
クレジットカードを使うことに抵抗がある方、18歳未満でカードの作成ができない方など、だれでもどこでも安心して利用できるサービスです。
また、個人間でも充実したチャット機能でコミュニケーションをとりながら、いつでもどこでもスピーディにお金のやり取りができます。
そして、それをスムーズに現金化できる仕組みです。
例えば、友達とのワリカンや会費の集金、情報提供者への支援金送金などさまざまな場面での個人間送金が便利にスマホで完結できます。
そして、接続できる銀行は全国46行と幅広く、セブン銀行からお金をチャージすることも可能で、利便性に優れた仕組みです。
操作性についてもとことん追求し、おばあちゃんでも使いこなせるアプリを作り出しています。
法人向けのサービス「プリン」
プリンは個人向けだけではなく、法人向けにも業務用プリンとして事業展開しています。
こちらも24時間365日、法人から個人のスマホに送金できるサービスです。
さらに経費精算・委託業務費用の支払い・ポイント交換などの業務を簡略化するなど、財務会計に特化した新事業を成功させています。
新事業成功の裏側
財務会計領域のデータ連携を得意とする企業として、アスタリスト株式会社が挙げられます。
アスタリストは決算業務省力化サービス「BlackLine」など、SaaSの導入を支援している企業です。
pringはそのアスタリストが手掛ける、SaaS間のデータ連携をクラウド上で実現するエンタープライズiPaaSとの提携に成功しました。
よって、SaaS・キャッシュレスサービス・銀行との相互のデータ連携が円滑にすることができたのです。
それらの企業努力により、経費管理システム「Concur Expense」でアプリユーザーのスマホに送金するだけで精算可能となりました。
このようにシンプルな仕組みにすることで、手数料を大幅に引き下げることができたのです。
プリンのビジネスモデル
個人間の送金は手数料をとらないプリンですが、気になるビジネスモデルはというと、大きく3つの柱があります。
BtoCの送金手数料
1つ目は、企業が従業員などへ支払う経費精算や、委託業務に支払う費用、スポーツ観戦などのチケット払戻などBtoCの送金手数料です。
一般的な経費精算では、現金の場合手間が掛かるため人件費が発生し、振込みの場合は銀行への振込手数料が発生します。
一方プリンは、アプリユーザーのスマホに送金するだけで精算可能であるように、ユーザーが使いやすいようシンプルさを追求しています。
それゆえの利点や、企業のキャッシュレス化が進んでいることも相まって、契約社数を伸ばし続け、現に契約社数は120社を超えています。(2019年12月時点)
この契約社数を確保することにより、利益を生み出しているのです。
店舗支払いの決済手数料
2つ目は、加盟店舗の決済手数料です。
クレジットカード決済では、業種や売り上げ規模によって違いはありますが、一般的に1%~5%の決済手数料が発生します。
対してプリンは、加盟店舗の決済手数料の負担を0.95%という業界最安値で設定し、現在2万店以上の登録店でスマホ決済を可能にしています。(2019年12月時点)
その登録店舗を日々拡大することで、利益を得る仕組みです。
お金でつなぐ新しいSNS
3つ目は、新しいコミュニティ「チーム」の手数料です。
昨今、SNSの普及に伴い多方面で影響力のある発信者がいます。
この価値ある情報を提供している発信者に対し、ファンなどが気軽にお金を送れる、クラウドファンディングのような新しいSNSを提供しました。
そのSNSで集まった支援金の総額より、9.5%を手数料として設定し利益を生み出します。
pringが解決する社会問題
pringが解決する社会問題は以下の通りです。
キャッシュレス化による人手不足解消・不正の抑制
経済産業省が平成30年に「キャッシュレス・ビジョン」を策定しました。
そのビジョンのようにキャッシュレス化を進めることにより、日本の深刻な少子高齢化による人手不足問題の解消を実現しています。
さらには、キャッシュレスに慣れている外国人旅行客の購買機会を獲得可能にしました。
また、現金を扱う場合は、お金のやり取り・おつりや売り上げの保管が必要ですが、キャッシュレスの場合その作業自体がなくなります。
よって、現金を扱わない代わりに記録が残るため犯罪や不正が行われにくくなります。
募金活動
振込での募金は、銀行を介するために手数料がかかる場合があり、少額を寄付する際には抵抗を感じてしまう側面があります。
ですが、手数料がかからないプリンを活用することで、気軽に1円から募金することが可能になりました。
現に、フジテレビなどが運営する「FNSチャリティキャンペーン」の募金手段として導入されています。
プリンをつかえば、アプリをダウンロードするだけで簡単に募金ができるようになったのです。
転職ポイント
これまでpringの魅力をお伝えして参りましたが、pringが社員として求める人物像を職種ごとにご紹介します。
事業開発・人事・広報に求められる人材
事業開発や人事、広報マーケターに求められている要素は、知的好奇心が多く常に考え自らの意志で判断・柔軟に行動できることです。
課題の達成のために何ができるか、諦めずに強い意志で営業でき、センスや地頭の良さを持ち合わせている人はなお望ましい人材と言えます。
pringのビジョンは、新しい価値の創造を実現するためにFinTechやお金の在り方を変えることです。
このpringのビジョンに共感できる人、業務において圧倒的な成果・成長を追求する人を求めています。
Bizdevに求められる人材
Bizdevに求められる要素は、大手の取引先との折衝・営業の経験が豊富で、営業先の課題・ニーズにも応じた柔軟な提案ができることです。
また、効果的かつ効率的な営業手法を考え、PDCAを回しながら成果をあげた経験がある人が求められています。
エンジニアに求められる人材
エンジニアに求められる要素は、開発領域において高い専門性を持ち、重要な役割を担えることです。
そして、AWS・Ruby(Rails)を利用したサービス開発や設計・構造選定の経験、チームでの開発などの経験がある人が求められています。
リードエンジニアの場合は、マネジメントの経験がある人が望ましい人材です。
転職採用例
pringの組織の平均年齢は30代半ばと若く、正社員は全員が中途入社という経歴です。
採用されたキャリア例は、総合人材サービスの広告営業でNo.1の成績だった方、決済関連サービスで10年以上営業経験がある方などさまざまです。
会社環境
pringは、会社と社員間で目標設定を共有し、従業員全員が目標へ到達する方法を自由に考えるというスタンスをとっています。
よって、社員の裁量が大きいため会社が社員を抑え付けることはありません。
自由に考え、動き、そして挑戦してもらうということに強いこだわりを持っています。
そして、その結果が芳しくない場合も責めず、その結果を知見として蓄積することで、会社も社員も成長できるという考えです。
また、無駄なミーティングは一切行わない方針も魅力の1つです。
今後の事業展開・展望
今後pringは、IPO(証券取引所への新規上場)を視野に入れ、さらなる事業拡大を進める予定で、併せて人材強化を行うと発表しています。
また、使いやすいアプリの制作や、CtoCにおけるよりフラットなお金コミュニケーションをプリンによって実現すると提言しました。
そして、お金のやりとりにお金がかかるという常識を変え、ユーザーが損をしない新しいマーケットを創ることを目指すとしています。
まとめ
電子マネー決済、送金サービスを手掛ける企業と聞くと、競合企業が多いように思われます。
ですが、pringが提供するお金の受け渡しの際に感情をプラスし、コミュニケーションを図ることができるサービスは他にはありません。
pringは、ユーザーの需要に合ったサービスを次々に生み出し、付加価値を付け続けています。
それは、目まぐるしく変わっていく社会情勢にも柔軟かつ早急に対応できる会社といえます。
会社を自身の力で育て、社会に影響を与えるようなやりがいのある仕事がしたい方にとっては、pringはとても魅力的な会社です。
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