成果主義の会社に転職する際のメリットを解説!成果主義に求められることとは?転職エージェントが紹介
アメリカなどでは企業における評価方法として一般的に用いられている成果主義。日本でもその評価方法を導入する企業が増えていることから、転職の際などにもそのような企業への転職を検討する場面があることでしょう。今回はそんな転職活動者に向けて、成果主義のメリットや特徴をご紹介していきます。
目次
成果主義
今回ご紹介する成果主義とは、日本ではまだまだ根付いているとはいえない評価方法です。
年功序列制度の方が多い日本において、そのメリットとは一体どのようなものなのでしょうか。
成果主義とはどういうものか
成果主義というのは、社員の仕事における成果やその過程に基づいて報酬や評価を決めるというものです。
そのため、年功序列や経歴などといった要素を排除し、単純に仕事における態度や結果を重視します。
単純に年齢が上であったり、学歴やキャリアが上であったりするからという理由で判断するのではなく、仕事の内容が全てという評価基準です。
成果だけが判断基準ではない
成果主義の判断基準は「成果のみ」ではない点に注意が必要です。成果や結果のみで判断されるわけではなく、そこに至った経緯や過程、背景も含めて評価されます。
そのため、目に見える数字だけが成果主義の基準になることもありません。企業にとっては、数字のみに着目してしまうと不満などが出やすい点は留意すべきでしょう。
成果主義が広まったきっかけ
成果主義が始まったきっかけはバブル崩壊でした。
高度経済成長で業績を伸ばした企業にとって、それまで特に対処する必要がなかった年功序列による人件費の無駄が軽視できない問題になったのです。
そこで1993年にはまず富士通が成果主義を取り入れましたが、普及するには至りませんでした。
その後広まった最も大きなきっかけは働き方改革です。
日本においてもテクノロジーが発展し、経済状況が目まぐるしく変化するなかで終身雇用制度の崩壊が始まり、働き方は多様化しました。
非正規労働者の待遇が問題視され、正当な評価が強く求められるようになったことが、現在のように成果主義が広まったきっかけです。
厚生労働省によれば成果主義を採用する企業は全体の30.2%で、30~99人規模では25.3%、1,000人以上規模では73.5%と企業規模が大きいほど採用されていることがわかります。
(参考:厚生労働省『成果主義賃金』)
結果主義との違い
この成果主義は結果主義という言葉と比較されることがあります。
この2つは似て非なるものです。
どちらも仕事における結果を重視するという点では変わりません。
しかしながら結果主義では過程を考慮することなく、仕事の最終的な結果だけを判断材料とします。
こちらも、仕事が結果へすぐに繋がる職種では適切な評価方法となり得るでしょう。
対して成果主義では結果のみならず、その過程も重視するため、仕事全体に対しての評価となるのです。
そのため、目標に向けた努力や業務の上での試行錯誤なども評価対象となります。
成果主義では1つのプロジェクトに参加したり、長期的な仕事を行ったりするような職種では有効な評価方法となるでしょう。
能力主義との違い
成果主義は能力主義とも混同されることがあります。
上述した通り、結果のみが評価対象である結果主義、その過程も評価対象である成果主義に対し、能力主義で評価されるのは業務に有用な知識や技術です。
この「能力」が指すのは資格のような客観的なものだけでなく、多くの場合において業務に対する姿勢など主観的な評価も含まれます。
企業は能力によって等級や役職で区分し、ポストや報酬を決める考え方が能力主義です。
年功序列制度との違い
年功序列制度では、年齢や勤続年数が仕事におけるポジションや賃金に反映されます。
こちらも、上下関係による社員の明確な育成システムを確立できることや会社への帰属意識が強まることなどのメリットがある制度です。
日本においては年功序列制度が長い間、評価方法の主流として多くの企業で導入されてきました。
成果主義では、このような年齢や勤続年数はポジションや賃金と関係がないものとして扱われます。
そのため、自身の仕事における貢献度などが評価によって目に見えるため、個々が仕事に真摯に取り組む姿勢が強くなるのです。
どちらの評価方法も、それぞれにメリットが存在していると考えて良いでしょう。
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成果主義の会社のメリット
成果主義の会社というのは仕事での競争が激しく、外から見ると大変シビアに思えます。
しかしこの評価方法がアメリカなどを中心に世界中で広く使われているからには、そこにはたくさんのメリットが存在しているはずです。
ここでは成果主義の会社に転職することで生じるメリットをご紹介しましょう。
収入の向上
成果主義の会社に勤めると、自身の仕事の内容に応じて報酬が決まります。
そのため、実力を持つ人材であれば収入を向上させていくことができるでしょう。
自分が成果を挙げた分収入が上がるということで、会社からの評価が目に見えてわかります。
こうした評価を受けて更に頑張ることができれば仕事における好循環が生まれるでしょう。
こうなれば、成果主義というのは大変メリットを感じられるものとなります。
モチベーションの向上
成果主義は仕事に対するモチベーションの向上にも繋がります。
自身の仕事の内容が直接評価につながるため、自分のできる最善を尽くそうという努力をするようになるでしょう。
年功序列や昇進という制度が存在していると、自身の頑張りが見えにくくなります。
しかし仕事を頑張れば頑張るほど自身の評価に繋がる成果主義では、仕事に対しての動機付けがしやすくなるのです。
また、成果主義より社内にも競争意識が芽生え、その競争意識を元にお互いに切磋琢磨する環境が生まれます。
このような環境では結果的に、仕事に対して真面目に打ち込む人材が増えることが会社にとってもメリットです。
仕事へ真剣に打ち込みたいと考える人にとっても働きやすいことでしょう。
企業の生産性も向上するため、会社全体の仕事に対しての雰囲気も良くなることが考えられます。
公平な評価
成果主義では社員全員が平等に仕事を評価されるため、若手であっても大きな飛躍のチャンスが与えられています。
優秀な若手社員も、自身の能力を存分に発揮できる職場となることでしょう。
年齢に関係なく仕事に取り組めるため、萎縮して自分の意見を言えないというようなことも少なくなると考えられます。
これも成果主義の導入によるメリットが大きい部分だといえるのではないでしょうか。
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成果主義の会社のデメリット
評価基準の設定が難しい
成果主義は公正な評価が難しいという特徴があります。
その反面、公正な評価基準の設定が不可欠なため、数字で成果を表すことができない部署では特に公平性を保つ基準設定が難しくなるのです。
一般的に成果を定量的にはかることができない職種においては客観的な評価が難しいため、従業員が一律で公平感を抱くことも簡単ではありません。
評価者の裁量によって左右する場合などでは、モチベーションの維持に苦心することもあるでしょう。
利己主義な人が増える可能性がある
成果主義ではチームや部署の成果よりも個人の成果が評価に直結する傾向にあります。
そのためスタンドプレーが増えたり情報共有を拒むなど、結果として組織全体のパフォーマンスを下げることにもつながりかねないのです。
個人のメリットを優先するということは、人材育成がおろそかになるリスクもあります。
企業は数値目標に限定しない、組織のチームワークを推奨するなどルールに工夫が必要です。
離職率増加のリスクがある
成果主義への切り替えを経験することで、大きなストレスを感じる人も少なくありません。
例えば働き方を大幅に変更することを強いられる人や、報酬が下がる人などです。
結果として会社全体で離職する人が増える傾向に陥ってしまうと、従業員にとってもその後のキャリア構築に悪影響を及ぼす可能性があります。
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成果主義の企業で求められること
シビアな面がありながらも、メリットも多くあることが分かっていただけたでしょう。
先述したように、成果主義の会社は年功序列制度などを導入している会社とは異なるメリットがあります。
しかし、まだ日本では一般的とはいい切れない評価方法です。
企業にこのような評価方法を導入している会社では、社員にはどのようなことが求められているのでしょうか。
成果主義に求められることを知ることによって、転職者は成果主義を採用している企業での仕事への取り組み方が分かることでしょう。
成果主義において求められることを具体的にご紹介していきます。
野心と向上心
成果主義を導入している企業では、常に仕事に対して前向きに取り組む姿勢が重要視されます。
仕事をただこなすだけでなく、その内容にもこだわりながら結果を出していくことが求められるでしょう。
そのような場合、日々向上心を持ちながら仕事をやっていけるかどうかの自分との戦いになっていきます。
仕事を効率的にこなす様子や、自身の能力以上の成果を出していければ、会社からも高い評価を得られることでしょう。
自分のことを高めていける人にはその成長が評価に繋げられるとても良い職場だといえます。
競争意識
成果主義においては、周囲の人々と仕事において競争意識を持ちながら仕事をすることが求められる傾向です。
この評価方法を導入している会社ではお互いに切磋琢磨する雰囲気となっている場合が多くあります。
そのような場所では積極性を失わず、周囲と成果を競っていくような姿勢が必要となるでしょう。
他人と競争するのが好きな人や尻込みせずに前に出ていける人にはうってつけの職場になるはずです。
主体性
成果や結果、またその過程が評価対象となる成果主義では、「自分に何ができるのか」「今何をすべきか」を考える人材が求められます。
言われた仕事をこなす姿勢では評価対象になりづらいでしょう。
自ら動き仕事を創り出すことができると、成果主義の会社でも活躍できます。
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成果主義のポイント
成果主義というものを導入している企業では、以下のようなポイントに気をつけて運用を行っています。
ここではそのポイントをご紹介しましょう。
転職した際には、職場において以下のような形で成果主義が運用されていると考えられます。
評価基準の明確化
この評価方法を導入することで、個々人の成果を評価へと直接繋げることができます。
しかし、その評価を行う人はその基準の明確化が求められるでしょう。
感情に基づいて特定の社員を贔屓することなく、公平さを保って評価をすることが求められます。
自身の主観ではなく、客観性を持った評価が大切とされるのがこの評価方法です。
そのためには、評価担当者が成果主義に対して適切な理解を持っていることが必要となるでしょう。
また、担当者を経営陣が適切に評価することも必要となります。
仕事の過程も評価
先ほども述べましたが、成果主義は結果主義とは違います。
そのため、仕事における結果だけではなくその仕事の過程での努力や取り組み方についても評価されるでしょう。
ただ結果を出せば良いという訳ではなく、仕事の過程も大切にしながら仕事をする必要があります。
また過程というのは数値化しにくいため、評価をするのが難しいものです。
そのため、企業側もそれに対してきちんとした指標を持って評価を行う必要があります。
職種ごとの評価
事務職など、職種によってはその成果が数値化しにくい場合があります。
そのような職種においては成果による評価が数値化しやすい職種と比べて難しくなってしまう場合があるでしょう。
そのような場合でも、企業側は評価基準を作成してそれに沿った評価を行う必要があります。
職種間での不平等を極力なくすためにも、その職種に沿った基準が必要となるでしょう。
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成果主義で気をつけるべきこと
成果主義において、気をつけなければいけない点があります。
それは成果を優先するあまり、企業内でのチームワークが生まれにくくなってしまうという状況を生まないことです。
このような雰囲気が生まれてしまうと、協力することで高められる生産性が低下してしまう可能性もあります。
そうした問題が生じないよう、企業によってはチームワークや協力という面での評価基準も導入することでこの問題を防げるでしょう。
また、成果を出すことばかりが先行してしまい、成果を出せない人は社内に居づらくなるという可能性もあります。
皆が成果を出していけるように、支え合えるような雰囲気作りが大切とされるのが成果主義なのです。
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成果主義を導入する企業への転職
成果主義を導入している企業では、自身の仕事に対しての頑張りが何よりも重要視されます。
そのため、自身の仕事への取り組み方や成果を評価されているという実感が持ちたい方にはおすすめの転職先です。
仕事における動機付けがしやすくモチベーションが維持しやすいため、仕事に打ち込みたい方はスキルアップやキャリアアップにも繋がります。
しかし未経験でこのような企業に転職する場合は注意が必要です。
未経験であるということは、成果に繋げることが難しくなってしまうということを意味します。
その企業がどのような評価基準を用いているかも関係しますが、成果を出せなければ賃金などにも影響してくるでしょう。
そのため、成果主義の会社には自身にある程度その職種でのスキルが備わった状態での転職がおすすめとなるでしょう。
成果主義の会社は仕事に熱心に取り組みたい方にはおすすめの転職先となるでしょう。
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まとめ
今回は成果主義の会社に転職した場合のメリットを中心に、その評価方法についてご紹介しました。
近年、日本でも成果主義を導入する会社が増えており、今後も増えていくと考えられています。
転職の際には自身の仕事におけるスタイルやこれまでの経歴も加味しながら、どのような評価方法の企業に転職するか考えると良いでしょう。
仕事に対して打ち込みながら自身の能力を高め、それを評価に繋げていきたいと考える方には成果主義の企業はおすすめです。
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成果主義の企業や職種への転職に興味がある方は、ぜひ一度お気軽にご相談ください。
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