株式会社SmartHRのビジネスモデル分析!バックオフィス支援事業に迫る【HRTech企業への転職】
近年IT業界の発展によりペーパーレス化を図り、人事労務、勤怠などの管理を行えるHRTechが増えてきました。その中でもシェア数No.1を誇る【SmartHR】を紹介します。さらに人事労務管理ソフトを利用して人事労務管理を行うHRTech企業にピックアップして転職する際のポイントも解説していきます。
目次
SmartHRとは
SmartHRは従業員の入退社管理や人事情報を一元管理できるHRTechとSaaSを融合させたシステムを提供しているベンチャー企業です。
SmartHRが提供するSaaSでは人事労務管理のほかに、年末調整や雇用契約などの労務手続きなどを効率的に行えるサービスもあります。
また昨年には社会保障制度のサポートに向けて、保険業務にも目を向け事業拡大に乗り出しています。
社会の非合理を、ハックする
SmartHRでは「社会の非合理を、ハックする」という理念を掲げて事業を展開しています。
その理念の真理は人事戦略に基づいた業務や働き方改革が求められる中、人事労務が重荷となってしまっているのが現状です。
そこで非合理なシステムを排除するべくテクノロジーと創意工夫で古いシステムをハック(切り捨てて)します。
そうすることで人事労務改革を手助けするというのがSmartHRの経営理念『社会の非合理を、ハックする』です。
この理念はSmartHRの顧客である経営者や人事労務だけではなく、従業員が安心して働けることにもつながります。
安心して働ける環境づくりを
SmartHRでは人事労務業務をシンプルにし、業務全体を円滑に進めることを推進しています。
昨今の人事管理では生産性向上を理由に社会保障制度の手続きがおざなりになってしまっている場合があるのです。
そのため従業員が安心して働く環境が整えられていないこともあります。
そこでSmartHRでは複雑で旧時代的な人事労務管理をわかりやすくすることで、従業員の生産性を上げようとしています。
そして安心して業務に取り組める環境づくりの実現を目標としているのです。
またSmartHR自身も働き方改革に取り組んでいます。
産休制度などの福利厚生、リモートワーク、体験入社制度など働きやすい環境を整えて改善に取り組んでいます。
SmartHRは新しいステージへ!
SmartHRというサービスを2015年に提供し始めてから2つの事業拡大に向けたサービスを発信しています。
1つはクリエイターと企業のマッチングアプリで、スキルを可視化することで企業側がクリエイターを採用しやすくする仲介サービスです。
2つ目は法人向けのIT企業の比較ができる口コミサイトなのですが、どちらもうまくいきませんでした。
しかし、2019年には失敗を考慮しSmartHRは保険事業に展開を図るとして「株式会社SmartHR Insurance」を設立しました。
今後は人事労務管理だけではなく福利厚生を充実させることで、より従業員が働きやすい環境づくりに取り組むと意向を示しています。
さらにほかの企業と連携することで人事情報を詳しく管理しています。
給与管理サービスの「人事労務Free」や「Payme」、チャットサービスでは「チャットワーク」「Microsoft Teams」などです。
それぞれのサービスから情報を一元管理し、ペーパーレス化してシンプルに管理できるようになっています。
またここで紹介したほかにも30社以上と連携しているのです。
2020年10月13日時点ではシェア数No.1を誇るSaaSを配信していますが、マーケットでは1%程しか獲得していません。
残りの99%は手書きで人事労務管理をしているのが現状で、ペーパーレス化ができていない企業が多くあります。
今後のSmartHRのビジョンは労務に限らず保険、人事のサービスを広げていくことでしょう。
転職採用例
2020年10月13日時点での従業員は300人程であり、IT市場のなかでも新規の企業です。
SmartHRでは多岐にわたる職業からの転職例があります。
・雑誌編集やwebライターとして活躍、その後SmartHRに転職。現在UXライターとして活動中。
・Webデザイナーとしてロゴ作成などの業務を遂行した後SmartHRに転職。現在は採用、兼デザイナーとして活動中。
・大学卒業後、金融機関で勤務。その後SaaSの業界で営業に従事。SmartHRに転職後は営業チームにて組織開発で活躍中。
SmartHRではエンジニア、Webライターや編集者、Webデザイナーなど様々な職種から転職し活躍している人材がたくさんいます。
今後も事業の拡大が進められていく会社なので幅広い職種が活躍できる環境です。
中途採用のみの採用、能力だけで判断しない
SmartHRは2020年10月13日時点では新卒採用は行っておらず、中途採用のみとなっています。
面接ではセールススキルやエンジニアスキルの高さや経験を中心に、社風や文化にあっているか、チームワークがあるのかを見ています。
またSmartHRでは6つの価値を提示しており、それに沿った行動がとれる人材を募集しています。
必ずしも能力が高いから採用されるというわけではないので注意しましょう。
転職ポイント
SmartHRのような企業への転職を考えている人はプログラミングやシステム構築といった経験やスキルが求められるでしょう。
いくつかご紹介するので参考にしてみてください。
SmartHRへ転職する際に求められる経験・スキルは、
・プログラミング言語が理解できる
・Webデザインのためのコーディングスキルがある
・ソフトウェアの設計・実行業務の経験
・システムエラーに対して改善措置がとれる
・自動テストの運用実験への参加経験
などシステム管理スキルを主にしています。
さらに公式HPには【SmartHRのミッションに共感できる方】と書かれており、各業務にミッションを設けて仕事を進めていきます。
例えば「QA担当者」のミッションは、「価値のある仕事に集中できる世界をつくっていく」です。
こうしたSmartHRのビジネスモデルに共感できる方、仕事に求める理想の環境だと思う方は転職に向いているでしょう。
またプログラミング言語やコーディングスキルなどが必要スキルとして挙げられます。
ですがスキルアップができる制度を設けているので、入社後でも新しくスキルを身に着けることができるでしょう。
SmartHR/会社情報
SmartHRでは働き方改革も最先端を進んでおり安心して働ける環境が整っているのが特徴的です。
勤務体制
・体験入社制度
・フレックスタイム(10:15~16:00)
・完全週休二日制
・祝日、年末年始休み
・入社日に有給15日付与
・社会保険、労働保険完備
・通勤手当支給(上限3万円)
・その他各種手当あり
ほかにもお昼寝制度や資格取得援助、育休(出産休暇)など働きやすい環境が整っている企業です。
たばこを吸わなければ、月5000円支給や部活制度など珍しい援助制度もあり、従業員にメリットのある制度は採用しています。
また実際の労働環境が気になるという人は体験入社制度があるので、転職前に労働環境を知ることができるでしょう。
給与形態
給与の査定は能力重視型・業績重視型・成果重視型の3つがあり、プラスαでインセンティブが半年に1度給与されます。
またこの給与形態は職種によって割り振られています。
・成果重視型はマーケティング、営業、事業開発
・能力重視型はバックオフィス、エンジニア、カスタマーアクセス、編集、デザイン
給与は「能力給」×「社内、業績評価」×「個人評価」の3つで査定されています。
SmartHRの社風・文化
SmartHRではオープン・フラット・遊び心の3つを大事に働くことを推奨しています。
従業員が働きやすく、すべての従業員が意見を言える環境となっているのです。
オープン
会議の議事録を全社員に公開したり、だれでも意見を言える環境が整っています。
フラット
社内会議の時間を平均30分に短縮。出産、育児のサポート、インフルエンザなど予防接種の費用負担をしてくれます。
遊び心
社内ミーティングにて「完全理解」「完全理解したとは言えない」「次話したい」など意見を可視化できる札をあげられます。
そうすることで遊び心を持って仕事に取り組むことができるのです。
SmartHRが掲げる6つの価値観
人が欲しいと思うものを作ろう
これはDropBoxを生みだした「ポール・グレアム」が提唱していた言葉です。
人が欲しがらないとマーケティングやセールスしても意味がありません。
ユーザーが欲しくてたまらなくなる、使っていて自慢できるそんな商品を作ろうということです。
早いほうがカッコいい
レスポンスやアウトプットをより早く進めていこうという価値観で、思いついたらすぐ口にするクリエイティブな仕事に必要な価値観でしょう。
自律駆動
これは従業員一人一人が主体性をもって行動しようという価値観です。
SmartHRでは顧客生涯価値と顧客獲得コストのバランスがとれていれば、稟議などには目を通さずそのまま進めます。
従業員に任せることでより大胆に仕事ができるようになるのでしょう。
最善のプランCを見つける
時間がかかるけどやりやすいプランAと、早くできるがやりづらいプランBの両方の長所を持つプランCを模索するときに使う価値観です。
模索して常に最善を考える価値観を大事にしています。
ワイルドサイドを歩こう
失敗を恐れずに新しいことに挑戦し続けようという価値観で、より大胆に仕事を進めるため大事にしています。
一語一句に手間ひまかける
大胆に仕事を進めるうえで正しくコミュニケーションを取ることが重要になってきます。
最善のプランを見つける際に議論しあう場合などに、正しく考えを言語化することを大事にしています。
SmartHRでの面接前準備
SmartHRでは面接前に自分の考えを整理しておくことを推奨しています。
SmartHRに限らずですが、なぜSmartHRに転職したいのか、新しい環境で何を成し遂げたいのかを十分に考えるとよいでしょう。
SmartHRではミスマッチを防ぐために体験入社制度を採用し面接後、体験入社して自分に合った環境か確かめることができます。
転職のための準備として自分が働きたい環境ややりたいことを整理しておくことが大切です。
人と直接話すのが苦手な人やあがり症の人はリモート面接も行っているため、会場に行くことなく面接が行えます。
まとめ
SmartHRでは社会全体の労働環境を効率化すると共に、自身の会社でも働きやすい環境づくりに取り組んでいます。
HRTech企業のなかでも新しい会社なので多種多様な職業からの転職が可能です。
HRTechのサービスを提供する企業は数多くあります。
自身の経験やスキルに見合った企業を探すのはなかなか難しいのではないでしょうか。
そんな方はぜひ転職エージェントにご相談ください。転職成功に向けての最適な道をご提案します。
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