転職するとしたら就労ビザはどうすればいいの?届出の場所から手続きの流れまで徹底解説!!
日本で働く外国籍の方が転職する場合、就労ビザの更新が必要です。転職先の職務や在留期限により手続きが異なるため、自分の在留カードを事前に確認しておきましょう。手続きを怠ると在留期限が短縮されたり、更新ができなくなることもあります。ここでは、就労ビザ更新の手続きについて、徹底解説していきます。
目次
そもそも「就労ビザ」とは?
就労ビザとほかのビザとの違い
ビザには、日本に滞在する目的や期間により、種類がいくつかあります。
「就労ビザ」とは、労働を目的として滞在する場合に必要なビザです。
就労ビザ(在留資格)は入国管理法において定められており、外国籍の方が日本で行う活動内容から、日本が受け入れる外国籍の方の活動を分類して設定されています。
日本で長期間働きたい場合には就労ビザの取得が必須です。
就労ビザは日本に滞在する目的を示し、在留する資格を与えられ入国が許可されます。この資格を「在留資格」と言い、そのビザの中で活動できる範囲を示しています。この在留資格は現在16種類設定されており、就労できる職種を定めるものでもあります。
90日以上の観光の際は「長期観光ビザ」を取得する必要がありますが、このビザで就労をすることはできません。
他にも、留学のための「学生ビザ」、日本とワーキングホリデー協定を結んだ国だけで申請できる「ワーキングホリデービザ」、その国に永住することができる「永住ビザ」があります。
外国籍の方は、転職によって就労ビザを更新する必要がある
就労ビザの更新は必須
先に述べた外国籍の方が日本での就労を目的として、90日間以上の長期滞在をする場合「就労ビザ」を取得する必要があります。
就労ビザでは、1人につき「在留資格」が1種類のみ認められています。
つまり、転職により在留資格が変わるということになれば、就労ビザ変更の手続きが必要になるのは当然といえば当然です。
しかし、在留資格が変わらない場合の転職であっても、就労ビザを更新する必要があります。
詳しく解説していきましょう。
在留資格にかかわらず、転職の際にやるべきこと
転職する外国の籍の方が必ず届け出るもの
まず、転職をする外国籍の方自身が必ず行わなければならない手続きが「所属機関変更の届出」です。
転職後14日以内に入国管理局に「届出」をしなければなりません。*1
この届出を怠ると、就労ビザ更新や変更の際に在留期限を短縮されたり、罰金を支払うことになったり、不利な立場に立たされることになります。必ず届出をするようにしましょう。
*1 ただし、この届出を行うのは平成24年7月9日以降に上陸許可、在留資格変更許可、在留期間更新許可等を受けた者に限ります。
事業主がやること
外国籍の方を雇い入れている雇用者側でも手続きが必要です。
あわせて解説しておきましょう。
外国籍の労働者を雇い入れる際、そして離職させる際には、ハローワークへ届け出ることが義務付けられています。
届出を怠ったり、虚偽の届出を行った場合は30万以下の罰金対象になるので、注意しましょう。
転職で「在留資格」が変わらない場合の手続き
勤務先は変わったけれど、職務が同じ場合。
例えば、転職前も転職先でも同じ「エンジニア」として従事する場合は在留資格は変わっていないことになります。
その場合には、在留期限により有効な手続きが分かれます。
在留資格は変更なしで「就労期限」が残っている場合
在留資格は変更がなく、在留期限が3カ月以上残っている場合には、就労資格証明書交付申請をして、「就労資格証明書」を取得しましょう。
これは転職で職種が変わらない場合に、新たな勤務先での活動内容が、現在の在留資格に該当するかを確認するためのものです。
「就労資格証明書」の手続きを行っておくことで、次回の更新がスムーズになります。
就労資格証明書交付は、住居地を管轄する地方入国管理官署へ申請します。
必要書類は、以下のとおりです。
・申請書
・資格外活動許可書(同許可書の交付を受けている者に限る)
・在留カード(在留カードとみなされる外国人登録証明書を含む)
または特別永住者証明書
・パスポートまたは在留資格証明書を提示
・パスポートまたは理由書
・身分を証する文書等の提示(申請取次者が申請を提出する場合)書
交付を受ける際には手数料900円がかかります。
在留資格は変更なしで「就労期限」が迫っている場合
在留資格は変更がなく、在留期限が3カ月を切っている場合には、就労資格証明書交付申請をして、「就労資格証明書」を取得しましょう。
これは在留期限を更新するための申請ですが、まれに転職先の職務が在留資格に求められない場合もあります。
就労資格証明書交付は、住居地を管轄する地方入国管理官署へ申請します。
必要書類は、以下のとおりです。
・申請書(写真を添付)
・パスポート、在留カードの原本とそのコピー
・直近の課税証明書、納税証明書(住民税)
・転職前の会社の発行した源泉徴収票・退職証明書(ない場合はつけなくても可)
・転職後の会社の登記簿謄本、直近の決算書、会社案内等
(まだ決算の出ていない会社は今後1年間の事業計画書、これまでの売上等の資料)・雇用契約書(活動内容・期間・地位・報酬などがわかる文書)
・理由書
参考:東京ビザ申請サポート
なお、在留が許可された場合は手数料4,000円がかかります。
職務が変わる転職の場合の手続き
職務が変わっても、在留資格は変わらないケースがあります。
その場合の手続きについて、説明しておきます。
職務は変わったが、同じ種類の「在留資格」の業務範囲の場合
例えば、「技術・人文知識・国際業務」のビザで、「通訳」から「英会話講師」に転職する場合。
同じ就労ビザである「技術・人文知識・国際業務」の範囲内なので問題ないように思えますが、この「技術・人文知識・国際業務」の資格は、本人の大学・専門学校での専攻科目と従事する職務内容が関連していることが重要です。
これに該当せずに働き続けてた場合、次回のビザの更新ができなくなったり、雇用先の会社にとっても迷惑をかけたり、大きな問題となります。
こういった問題を避けるため、事前に「就労資格証明書」を取得しておきましょう。
「就労資格証明書」は、“在留資格は変更なしで「就労期限」が残っている場合”の項でも説明したとおり、新たな勤務先での活動内容が、現在の在留資格に該当するかを確認するもの。
在留資格の活動範囲が同じだからといって、次回のビザ更新の際に、入国管理局によりそれが不適応と判断されてしまうと、更新ができなくなることがあります。
それを防ぐために、「就労資格証明書」が有効になるのです。
職務が変わり「在留資格」の業務範囲外になる場合
例えば、現在「技術・人文知識・国際業務」のビザで「デザイナー」として従事しているが、転職先では「経営者」として従事する場合は、在留資格の範囲外の仕事になるため、在留資格の変更に概要します。
このように、今持っている在留資格の活動範囲外の業務に就く場合は、「在留資格変更許可申請」を行い、在留資格の変更許可をとっておく必要があります。
これは在留期限の有無に関わらず、該当するすべての人が行わなければなりません。
また、転職先に入社するのは「在留資格変更許可」が下りてからです。
許可が下りない状態で働くことはできませんので、ご注意ください。
在留資格変更の許可が下りるまでの期間は、申請から約2週間~1カ月くらいをみておくと良いでしょう。
何事にも言えますが、ギリギリになって新しい職場に迷惑がかからないよう、余裕を持って申請しておくことです。
在留資格変更許可申請は、住居地を管轄する地方入国管理官署へ申請します。
必要書類は、以下のとおりです。
・申請書(写真を添付)
・パスポート、在留カード
・転職前の会社の発行した源泉徴収票・退職証明書
・転職後の会社の登記簿謄本、直近の決算書、会社案内等
(まだ決算の出ていない会社は今後1年間の事業計画書、これまでの売上等の資料)・雇用契約書(活動内容・期間・地位・報酬などがわかる文書)
・理由書
なお、在留資格変更が許可された場合は手数料4,000円がかかります。
自分の転職がどのケースにあたるかをよく確認
転職に際しては事前の確認が大切
外国籍の方が転職する場合には、日本国籍の方の転職よりも多くの手続きが必要になります。
自分の転職が、在留資格の活動範囲外なのか、在留期限がどの程度残っているのか、また、転職時に必要な手続きは怠っていないか、事前にチェックしておくことが大切です。
心配なら代行してもらうのも手
これらの手続きは、行政書士やそれに関する民間企業、法律事務所などで代行してくれるサービスもあります。
初めての転職で不安な方や、忙しくて申請に必要な書類準備や手続きに行く時間が取れない方などは、一度相談してみるのもおすすめです。
まとめ
せっかく転職で新しい未来が開けたというのに、手続きの忘れや漏れで就労ビザの更新が不利にならないように気をつけましょう。
手続き漏れは自分自身だけではなく、新しい会社へも迷惑がかかる場合があります。
責任をもって諸手続きを完遂しましょう。
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