安定したい人の転職は失敗する!?安定志向の方向けに転職理由の伝え方をエージェントが解説!
多くの方が「安定した企業で働きたい」と思うものですが、企業が採用活動を行うのは安定するためなのでしょうか?転職活動をうまく進めるためには、企業側の意図を把握することが重要です。今回は、安定を転職理由に活動する人が陥りがちな失敗を、転職エージェントが解説します。
目次
転職における安定とは何か
今回の記事では転職の際に安定を求めることが転職の失敗に繋がる理由を解説していきます。
まずは転職希望者と、企業の両方から見た安定の解釈の違いについて紹介していきましょう。
転職希望者側の考え
転職における安定とは何かといっても転職者それぞれで価値観が異なります。
・現職企業の経営環境が悪化しているので、経営が安定している企業に転職したい
・現在の業務がAIに移行することから、安定的に業務が継続できる企業に転職したい
・年収が安定的に上がって行く会社を希望
以上のことから分かるように、転職希望者が置かれている立場によって様々です。
ただこれら全てに共通しているのは、安心して雇用が維持され、長らく勤務できる企業や仕事を求めているということです。
企業で働く人であれば誰しもが、できる限り雇用の安定した企業で仕事を継続したいと望むのは当たり前の事です。この考え方そのものは転職希望者のモチベーションとしては正しい行動基準です。
しかし、その希望を実現する為には、もう一方の当事者である企業側のモチベーションをよく理解することが必要になります。
企業側の考え
転職希望者に安定を求めるという転職理由があるように、求人している企業側にもそれぞれに採用理由にがあります。そのため、企業側が求人を出している理由も考えることが大事です。
転職希望者から見た時、応募企業が現職よりも安定して見えれば、魅力的に映るでしょう。
しかしながら、企業側は安定を目指して求人を出している訳ではありません。
安定という尺度は求職者側の観点であって、企業側の観点ではないということを先ず理解する事が必要です。
企業が求人している理由
では、何故企業は中途採用・キャリア採用の求人をしているのかを考えてみましょう。
転職希望者が目指しているのは、転職を成功することです。転職したい企業について研究・分析することは欠かせません。
中でもまず理解して頂きたいことは、個別の求人内容より先に企業が求人する必要性に迫られている最大の理由です。
人材がいない
その理由というのは、人材がいないということです。
求人企業は企業として存在しているため、必然的にそこには社員が存在しています。
そのため全く人材がいないという訳ではありません。ピンポイントでその職種に適切な人材がいないということです。
もしくは人材はいるにはいるけれど一定の育成期間が必要となる人材なので、即戦力の人材が欲しいという場合もあります。
人材がいない理由
では何故人材がいないのでしょうか。
これにも様々な理由が存在していますが、概ね以下の3つの理由からです。
・退職してしまって欠員状態だから。
・新規事業の為、社内にその職種経験者がいないから。
・当該職種に従事している人材はいるが母数が少ないので、戦力不足であるから。
つまり、企業は即戦力を補充できることや新規事業の立ち上げのための人員を確保することを求めています。
安定を志望動機にしてはならない
転職希望者のモチベーションとして安定を求めています。
しかし企業が人材に求めているのは転職希望者都合の安定ではありません。あくまでも当該求人職種で即戦力として働いて頂ける人材です。
何が言いたいのかというと、転職希望理由が安定のみでは求人企業の求人理由に合致しないということです。
安定を求めているのが事実でも、それを最大の志望動機として企業に伝えると大きなミスマッチが引き起こされてしまいます。安定というリスクヘッジの為に転職をチャンスにしたいのに、冒頭述べた通り折角のチャンスがリスクになってしまいます。
企業側にもある安定希望
一方で求人企業側も大きな観点からみれば安定を求めています。
それは早期離職しない人材を採用したいという安定です。折角中途採用を行っても、すぐにまた転職されては困ってしまいます。ですから過去の職歴から転職回数と理由をつぶさに見ているのです。
転職回数が多い方は、企業側からは安定しない人材と思われてしまうでしょう。入社後に過去の経験と同様にすぐに転職をする可能性が高いと判断されてしまうと予想されます。
つまり、同じ安定という概念でも求職者と企業側の求める安定の意味合いは違うのです。
志望動機の重要性
企業は自社を志望した理由を通して、適格者かどうかの判断をしています。
具体的には以下の2つの理由が重要視されるのです。
転職したい2つの理由
1つは現職を退職したい理由。
そして2つ目は応募した会社を選んだ理由です。
既に述べた通り、人生におけるリスクヘッジのための安定性は志望動機としては企業に響きません。そうすると一体どんな理由付けをしたらいいのかを考える必要があります。
その際に必要となるのは企業側が求めている転職に対する姿勢です。概ね2つの観点で判断されることが多いと心得てみて下さい。
企業側が判断する2つの姿勢
1つは合理的であること。
そしてもう1つは積極的であることです。
つまり企業にとってメリットがあり、ネガティブではなくポジティブに仕事を求めているという姿勢があることが大切だといえます。多くの企業が求めている志望動機の背景にはこの2つの姿勢が求められているといえるでしょう。
最も必要な事は求人用件とのマッチング
転職希望企業に応募するにあたり、最も重要なことは応募企業の求人票をつぶさに読み解くことです。それを通して求められている人物像を描き、自身がその人材要件に合致しているかどうかを判断しましょう。
要件に合致していたらプロセスの第一ステップが書類による応募です。応募した書類による選考で不合格になればその先はありません。
つまり書類を如何に仕上げて応募するのかが問われます。
その際に最も大事なのが求人票に書かれている求人要件とのマッチングです。求人要件に合致していることを訴求するために、一般的には履歴書と職務経歴書という書類を提出するのです。
安定志向を動機として訴求してしまうと、チャンスがリスクに変容してしまいます。この書類を如何に構成するのかという戦術が大事になります。
履歴書の意味
履歴書は、アルバイトに応募する時にも提出を求められることがある書類。そして、新卒で就職する際にも提出する書類でもあるため誰しも書いた経験があるでしょう。
書式ですが、文房具店・コンビニ・100円ショップなどで購入することができます。現在はWEBでひな形を無料ダウンロードして、PCで仕上げる方式が一般的です。
一般的な履歴書の記載必要項目は全て埋めることが原則です。
学歴は高校入学以降から記載すること。職歴はアルバイト以外全て入社と退社を記載しましょう。
しかし部署まで記載する必要はありません。資格をお持ちでない場合以外、保有資格を記載するのが望ましいでしょう。
履歴書の記載には、難しい点は特にありません。
学歴・職歴・資格。この3つを把握してもらう為の事務的な書類といえます。
職務経歴書は個性を発揮する為の武器
職務経歴書は多くの皆さんにとって馴染みが薄い書類といえます。
一般的に転職する際にしか書かない書類ですから、人生で職務経歴書を書く回数は多くはありません。転職を一度も経験しなければ、人生で一度も書かない種類の書類といえます。
それ位馴染みの薄い書類なので、転職希望者は職務経歴書の書き方に戸惑うことが多いようです。
基本的に学校卒業後に就職した企業について時系列に沿って配属部署・担当業務・トピックス等を記載します。履歴書は事務的な書類ですが、職務経歴書は個性を発揮する書類という位置づけです。
つまり転職する際の応募書類で最も大事な書類だということができます。
しかしながら、書いた経験があまりない書類なので多くの皆さんが罠に陥ってしまいます。
陥りやすい失敗例
職務経歴書というのは、書いた経験があまりない書類なので多くの皆さんが罠に陥ってしまいます。
それは概ね下記の通りです。
求人要件に関係無い職務経歴を羅列する
先述した通り、転職で最も必要なのは求人要件とのマッチングです。
そのため、書かなければならないのは求人票に書かれている求人要件に対して自身が合致しているということです。
極論すれば求人要件に関係無い職歴が書かれていても、企業側は読んでくれません。知りたいことは求人要件に合致している人材なのかどうかです。
求人要件に全く無関係な職歴は書かないか極少化するのが望ましいです。
多すぎる文字数
前述の通り、人生で書いた経験が余り無い書類ですから何を書いたらいいのか迷う方がほとんどです。
その際にしてしまうのが、文字数を埋めるという方法です。文字を埋めておけば、努力を買ってもらえると勘違いしてしまいます。
求人要件に合致していることを訴求することが最大の目的です。加えて、企業側は少ない文字数で適格に論理的に訴求できている書類を求めています。
文字数が少なく分かりやすい書類というのが望ましいのです。
冗長な文章表現の書類はそれだけでマイナス評価になるものです。職務経歴書においては自身について端的に表すことが重要だといえます。
志望動機が無い
職務の年表だけで終えている方も多くおられますがこれは勿体ないことです。
前述の通り、安定志向性ではない2つの志望動機を企業側は知りたいと思っています。
セオリーを度外視した志望動機が書かれている
退職と企業選択の合理性、積極性を訴求することがセオリーです。
人生のリスクヘッジの為の安定性が動機にあっても、それを中心に据えて記述すると選考されない可能性を高めてしまいます。
書類選考は転職プロセスの第一ステップです。書類に合格しない限り面接に呼ばれることはありません。
多くの皆さんが陥り易い失敗を避けて書類を作成することが大切です。
面接時のポイント
書類選考に合格すると、面接に呼ばれます。
面接回数は企業によって異なります。最も大事なことは書類作成と同様です。求人要件にご自身が合致していることを積極的に伝えましょう。
一般的に服装・表情・声の大きさ・間断無い受け答え・姿勢等が面接の結果に影響するといわれています。
今回のテーマである安定が志望動機の上位にある場合でも、安定に重きを置いた志望動機説明をしてしまうことは避けましょう。安定ということに終始すると、それは年収・待遇・生活優先の印象を与えかねません。
企業側は求人要件に合致している人材か・退職と転職の合理性・仕事への積極性などを高く評価します。そのため安定を求めすぎると、面接の場面においてもその姿勢が出てしまいます。
企業側が知りたい志望動機を知ることができないという事態は避けなければなりません。
まとめ
転職に成功された方にも、様々な方がおられるのは事実ですが、概ね共通項があります。
それは何よりも求人要件に合致していたということです。その上で、転退職理由に合理性があり、業務への積極性がある方々です。
企業は安定志向の方を敢えて外部に求めることはありません。むしろ新しい風を吹かせてくれる人材を求めているといえます。
内心の転職理由に安定志向があったとしても、その点を最も大きな転職理由にしてしまうと失敗に陥ってしまうでしょう。
多くの人が生活に安定を求めます。しかし、転職のプロセスでその点を前面に出し過ぎると、転職の失敗に繋がります。
今回の記事でお伝えしたことを参考にして転職活動を行えば、きっと成功できるでしょう。
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