株式会社ウェルモのビジネスモデルを分析!介護現場でのSaaS活用とは【介護・保育×IT企業への転職】
少子高齢化が進む社会において非常に重要な役割を担うのが、介護業界や児童発達支援事業です。しかしどちらも、IT化の後れによる情報不足や、急激な拡大による理解不足や専門性の欠如といった問題を抱えています。これらの分野にICTや先端技術を取り入れることで、問題を根底から解決しようとするのが株式会社ウェルモです。この記事では、人間味あふれる「愛」と機械やITを駆使した最先端との融合を目指す、株式会社ウェルモの会社情報や採用情報を詳しく解説します。
目次
株式会社ウェルモの概要
株式会社ウェルモ(英字:Welmo Inc)は2013年に代表取締役CEO鹿野佑介氏によって設立されました。
少子高齢化社会の問題解決に取り組み、介護業界のIT化促進や障害児童教育の現場を支える企業です。
鹿野氏自身の介護施設でのボランティア経験を元に設立された会社ですが、いわゆる「介護職はつらい」という着目点ではありません。
介護の現場では人間同士の心の繋がりが溢れていること、それが現在社会では失われつつあることに注目しています。
現代の日本の社会は資本主義とITの普及により、便利だけれど心の豊かさが失われた無機質な印象を受ける情報化社会です。
一方で介護業界などの福祉領域は愛に溢れているけれど、IT分野で後れを取っているため情報が不足し、公正性もかけています。
介護業界へのIT導入でゆとりが生まれ、愛に溢れた理念の外への発信に繋がれば、心の豊かさも戻るのではないでしょうか。
株式会社ウェルモは、資本主義に感情が戻ってきたような「愛を中心とした資本主義のつぎの社会」を目指す会社です。
株式会社ウェルモのビジネスモデル
株式会社ウェルモには、介護業界と障害児童教育を支えるために次のようなビジネスモデルがあります。
ケアプラン作成システム(CPA)
利用者一人一人にあうサービスの種類や内容・回数や料金などをまとめて計画するのがケアプラン(介護計画書)です。
ケアプランの作成はケアマネジャーにとって非常に重要な仕事の一つで、なおかつ負担が大きい業務でもあります。
作成には多くの知識と情報が必要なうえ、利用者それぞれの状況に合わせて作るため、まったく同じケースが存在しません。
技術や関係する法律が日々更新されることや、事業所内のケアマネージャーの人数が少なく相談しにくいことも問題の一つと考えられます。
これらの問題をAIが支援するSaaSがケアプラン作成システム(ケアプランアシスタント)です。
ケアマネージャーが入力した利用者情報を元にアセスメントを行い、ケアプランの候補を提示します。
さらにプランニングの理由を説明するので、ケアマネージャーの学習と利用者の正しい選択の支援が可能です。
CPAでプラン作成時間が短縮できれば、利用者との触れ合いに時間を充てられ、よりきめ細やかなサービスに繋がるでしょう。
ミルモネット
ミルモネットは介護関連事業とケアマネージャーやソーシャルワーカー、そして行政を繋ぐ無料サービスです。
紙媒体で管理していた事業所データを見える化したSaaSで、情報発信・事業所の発見の両方が公正に行えます。
地図による事業所検索や、対応の保険内サービス・保険外サービス一覧など、掲載されている情報が実用的です。
さらに事業者は細かな特徴や施設内・イベント時の写真などを掲載することで、事業所の強みや温かみをアピールできます。
ケアマネージャーが本当に必要としている情報が見やすくまとめられている、利用者本位のサービスですね。
また、空き状況の確認できるため都度の電話確認が必要なくなり、双方の手間と労力を削減できることも大きな魅力でしょう。
それまで関係が構築できていなかった利用者と事業所を、ミルモネットが繋ぎます。
利用者家族に事業所を紹介するために冊子版の「ミルモブック」も発行し、顧客からの評判も上々です。
ミルモセレクション
株式会社ウェルモでは介護事業所への訪問やケアマネージャーへのアンケート調査を行ってきました。
その中で「本当に利用者やその家族の生活をサポートできる」と考えたサービスや商品を、「ミルモセレクション」として紹介しています。
UNICO
近年日本では発達障害児童が増加傾向にあると言われています。周囲との「ちがい」に悩みを抱える人が増えているのです。
その状況に対応するべく児童福祉法も改正されています。
その結果未就学児向けの「児童発達支援」と就学時向けの「放課後等デイサービス」の施設数が急激に増加しました。
しかし残念ながら、内容が追い付いていないケースが散見され、子どもたちにとって良い環境が整っているとは言い難い現状です。
そこで株式会社ウェルモでも「子どもたちの可能性を開放する」を理念に掲げた、療育施設「UNICO」を開所しました。
「ちがい」も「おなじ」も両方が大切だと考え、差別や優劣といったしがらみから子どもたちを解放します。
居心地の良さを追求した空間と、作業療法士・保育士・言語聴覚士といった専門家の配置で支援体制も万全です。
株式会社ウェルモが解決する社会課題
株式会社ウェルモは「ケアプランアシスタント」と「ミルモネット」により福祉領域にプラットフォームを構築します。
さらに「UNICO」によって障害児童教育の質の向上も目指しています。
これらで少子高齢化社会の問題を解決し、「当たり前の幸せが、すべてのひとにある」のが株式会社ウェルモが目指す社会です。
介護現場の負担軽減とサービスの充足
世間でも認されていますが、介護の現場は大変多忙な仕事です。
利用者に向き合い実際にケアをする介護士はもちろん、介護計画を作成するケアマネージャーの負担もかなりのものでしょう。
「新しい法律や新技術について知りたい」「新しい事業所を発掘したい」といった意欲が強いほど時間が足りずに心身が疲弊します。
追い詰められた状態では、よりよいケアプランの立案が難しいことは容易に想像できますね。
株式会社ウェルモではケアプランアシスタントやミルモネットを展開することで、ケアマネージャーの負担軽減を実現します。
負担軽減は、ケアマネージャーが楽をするためではありません。
AIにより最新の法律や技術を網羅したプランを提案し、ミルモネットで地域の事業所の知りたい情報を一括で検索できます。
いくつもの事業所に電話をかけ続けて空き状況を確認するような手間も必要なくなるのです。
事業所側から見ても、ケアマネージャーへの営業活動の時間を短縮したうえで広く情報発信ができます。
これらのサービスを利用して生まれた余裕は、利用者とのコミュニケーションに充てられるでしょう。
利用者との密なコミュニケーションが、ニーズを汲み取り一人一人に合ったケアを生むことは言うまでもありませんね。
介護サービスの見える化と公正化
介護サービスの大きな問題の一つに、情報不足があります。
地域のどこに事業所があり、どのようなサービスに対応しているのかがわからないのです。
仮に事業者の熱心な営業活動によりパンフレットが配られていたとしても、紙媒体では保管スペースも調べる手間も大きくなります。
素晴らしい理念で質の高い介護サービスを提供していても、広告に時間や予算・人手をかけたくない事業所もあるかもしれません。
これらの問題を解決するのが、介護サービスを見える化するミルモネットです。
完全無料サービスなので、広告用予算の余裕がない小規模施設や新しい事業所でも利用いただけます。
その公正さにより、本当に良いサービスが利用者に届くことが株式会社ウェルモの目標です。
全ての子ども達の可能性を広げる
「周りと違っても良い」と言われることが多くなっていますが、まだまだ生きにくさを感じる人が多い世の中です。
本来「おなじ」部分も「ちがう」部分も両方があって当然ですが、どうしても周囲の期待がどちらかに偏る傾向にあります。
その状況では子どもたちが混乱してしまうのも無理ありません。
UNICOでは「ちがい」と「おなじ」の両方を大切にした療育や支援を行っています。
子どもたちが自分自身を表現しようとしている、その模索を止めません。
制限をなくし、無限の可能性を解放できるよう、内発的な行動を促す姿勢と居心地の良い空間を用意しています。
株式会社ウェルモの今後の事業展開
「愛を中心とした資本主義のつぎの社会を描く」が株式会社ウェルモの目標です。
そのために開発したケアプランアシスタントは、2019年のヘルスケアビジネスコンテストで受賞するなど、注目を集めています。
2020年福岡市と横浜市で実証実験が始まりましたが、さらなる初期ユーザーやケアプランデータの提供者を募集中です。
多くのデータを収集できれば、より綿密で実用的なサービスへと拡大していくでしょう。
ミルモネットやUNICOの教室も展開地域を拡大して、より多くの方へのサービス提供を目指します。
転職採用例
時期により採用情報は変動しますが、株式会社ウェルモでの採用例を2職種ご紹介します。
【介護事業】サーバーサイドエンジニア(メンバー)
介護事業所の見える化を実現するプラットフォームである、ミルモネットの開発推進に携わっていただくスタッフです。
ミルモネットは現場に出向いてカウンセリングした生の声を生かし、本当に使いやすく意義のあるサービスを目指しています。
地域の情報という資源を集約する新しいサービスで、展開地域拡大のためにも今後さらなる改良や再開発が必要になると考えられます。
・給与:年齢・経験を考慮して優遇
・勤務時間:10:00~19:00(休憩1時間) ※職種によって裁量労働・フレックス勤務あり
・勤務地:東京本社(東京都千代田区内)
・必要スキル:チーム開発経験・Webアプリケーション開発経験
【UNICO】支援員(正社員)
児童発達支援(2~6歳)・放課後等デイサービス(6~18歳)にて、障害児や発達障害児の療育や支援を担うスタッフです。
遊びや学びを通じて子どもたちと触れ合い、日々の小さな気付きや変化等の情報を職員間でシェアしながら支援に繋げます。
・給与:月給20万円~ ※経験等を考慮して決定
・勤務時間:8:30~19:00のうち8時間のシフト制(休憩時間1時間)
・休日:日曜+平日1日(祝日がある場合は祝日分も別途休み)
・勤務地:福岡県内など展開中の教室のいずれか ※今後事業拡大に伴い転勤の可能性あり
・必要スキル:保育士・社会福祉士・児童指導員などの資格
株式会社ウェルモの転職ポイント
株式会社ウェルモは介護や障害児童支援を目的としたベンチャー企業です。
介護職や児童福祉の現場を知るプロフェッショナルはもちろん、銀行やIT企業など異業種からの転職者も多く在籍しています。
求められているのは特定のバックグラウンドではなく、「当たり前の幸せを、すべてのひとに」の理念に共感できる人材です。
また、新しいことを作り出していくベンチャーであるため、自ら気付き実行できる行動力も必要とされています。
会社から与えられることをこなすのではなく、任せられることにやりがいを感じる人が望ましいでしょう。
「福祉を良くする」ことを目的としていますので、ポジティブで諦めない姿勢を持つ人が活躍できる会社です。
株式会社ウェルモの会社情報
株式会社ウェルモは2013年に設立されたベンチャー企業です。
少子高齢化社会の問題解決という社会的意義の高さから、「社会を良くしたい」という意識の強い社員が多く在籍しています。
会社の雰囲気や理念とは
「介護」や「療育」に関わる職種であることから、「良い人」と感じられるメンバーが多いとの声も聞かれます。
「チーム」であることや「感情資産」を大切にすることが仕事上のエッセンシャルにも掲げられており、心配りを重視しています。
上司と部下のやり取りであっても、一人の人間として敬う姿勢なので、意見にも耳を傾けてもらいやすいでしょう。
また、UNICOのモットーである「おなじ」も「ちがい」も大切にする精神は、社員間でも同様です。
エッセンシャルに「誠実さと尊敬」「個性と調和」を掲げる点からも、話し合い理解し合うことに重きを置いていることがわかりますね。
アンテナを張り巡らせて新しい情報をキャッチし、スピーディーに行動することが評価される社風です。
働き方や福利厚生とは
株式会社ウェルモは次のような福利厚生が用意されています(2020年10月時点)。
・雇用保険・労災保険・健康保険加入
・厚生年金
・交通費支給(東京上限3万円)
・土日祝休み・夏季冬季休暇・年次有給休暇・慶弔休暇
介護や障害児童支援という社会福祉の問題に取り組む会社であるため、会社全体として家族を大切にする風潮があります。
家族時間のための休暇取得や、残業を少なくして早く帰宅することが普通とされ、プライベートを大切にする社風です。
子育て中の女性にも働きやすい環境が整っているといえるでしょう。
まとめ
株式会社ウェルモのビジネスモデルやサービス内容について解説してきました。ご紹介した内容を最後にまとめます。
・介護業界のサポートや障害児童支援を行う会社である
・「当たり前の幸せを、すべてのひとに」がコンセプト
・「ケアプランアシスタント」「ミルモネット」といったSaaSにより介護業界の負担軽減を目指している
・「UNICO]により障碍者児童支援を行っている
・子どもたちの可能性の開放を目指している
介護業界でのSaaS活用により追及しているのは利便性だけではありません。
その先にある人と人との繋がりや、愛に溢れたサービスを目指していることがわかりました。
AI化が進んで、人の力が必要なくなるのではないかと心配する声も聞かれる世の中です。
その中で、ITを活用して効率化し温かみのある仕事に人の手を回す仕組みは、本質を突いていると感じられます。
株式会社ウェルモの理念や取り組みは、これからの世の中で広く必要とされるものではないでしょうか。
こうした企業に転職を検討している方はぜひ転職エージェントにご相談ください。
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