ストレージエンジニアってどんな職種?職務内容からキャリアパス、求められるスキルまで徹底解説!
皆さんはストレージエンジニアという職種を聞いたことはありませんか。言葉では聞いたことがあるという人も少なくありませんが、どのような仕事をしているのかについてはあまり知られていません。しかし、密かに私達の生活を支えているのです。今回はそんな謎に包まれたストレージエンジニアという職種について解説します。
目次
ストレージエンジニアってどんな仕事?
インフラエンジニアの一つ
エンジニアといっても、その種類は様々あります。特にITの世界では多くの種類のエンジニアが存在します。
多くの人が考えるITのエンジニアといえば、システムやWebを制作する、いわばフロントエンドエンジニアでしょう。しかし彼らだけではITの世界を支えることはできません。
そこで今注目を浴びているのが、ストレージエンジニアです。
ストレージエンジニアはインフラエンジニアの一つであり、その名の通りストレージ管理に特化したエンジニアです。システムを動かしたりWebサイトを多くの人に公開するには、インフラ整備が重要です。そのストレージの運用や管理を担います。
そもそもストレージとは?
ストレージと聞くと、多くの人はスマートフォンのストレージがイメージできるのではないでしょうか。
ストレージとは、データを保存しておくための装置です。
デバイスの内部にある「内部ストレージ」。外部にある「外部ストレージ」(SDカード等)。最近では「オンラインストレージ」というものもあります。
このように一概にストレージといっても様々な種類が存在するのです。
なぜストレージエンジニアって必要?
企業単位で情報を扱うと、企業の経営や業務に関する重要なデータを大量に保管する必要があります。
またこのデータを安全かつ安定させて活用する必要があります。
ストレージエンジニアはその膨大な量の重要なデータを管理し、必要なときに効率よくデータの出し入れができるように維持するのが大きな役割です。仕事などでほしいデータをすぐに出し入れすることができたり、必要な情報をすぐに手に入れるためには、ストレージエンジニアが必要な職種といえます。
ストレージエンジニアの仕事内容
データの管理や保守
ストレージエンジニアの仕事として最も大きいのは、データの管理や保守です。ITがこれだけ浸透している現在、データというのはかなり重要なものです。扱い方によっては重大な問題に発展することもあります。そのようなデータも含めて、適切に管理したり保守していくのが主な役割です。
エンジニアというと、何かを開発したりなどの生み出す職業だというイメージを持つ人が居ますが、ストレージエンジニアは生み出すというよりは、生まれたものの面倒を見ることがメインとなります。エンジニアらしくないと感じる人も多いかもしれませんが、このような仕事によって私達の生活は支えられているのです。
データベースの構築
ストレージエンジニアの仕事はデータの管理保守だけではありません。そのデータを扱いやすくするための環境を構築することも、ストレージエンジニアの大事な仕事です。きちんとした環境を構築することができれば、データの管理保守もかなり楽なものになります。
先程も少し述べましたが、データというのは保管するばかりではありません。必要なときに必要なものを出し入れして初めて役に立ちます。環境が整っていれば保守管理も楽になりますが、何よりも必要なデータを迅速に提供することができます。
ストレージエンジニアとビッグデータ
ビッグデータって何?
なぜストレージエンジニアがこれほど注目されるようになったのか、それはあるものが注目されているためです。そのあるものというのが、ビッグデータです。その名の通り非常に膨大な量のデータのことですが、実は今の生活においてビッグデータはかなり重要なものです。
鉄道の運行管理を例に説明します。例えばあるアーティストがコンサートを行うことになり、その会場の近くにある駅が多くのファンで混雑するとします。当然普段通りの運行スケジュールだと定時運行に支障をきたしてしまいます。そこで登場するのがビッグデータです。ビッグデータを用いてコンサートの動員数を元に運行スケジュールを管理することで、より利便性が向上するのです。そして定時運行に支障をきたしてしまうことを防ぐこともできます。
ビッグデータは誰が管理する?
ではそのビッグデータは一体誰が管理するのか、ということになります。そこで登場するのがストレージエンジニアです。膨大な量のデータを管理し、必要なときに必要な情報を提供したり保管できるようにするには、ストレージエンジニアの存在は必要不可欠です。
一見何の関係もないように見えるデータも、実は深く関係しているということはよくあります。特にビッグデータが注目されている現在、必要としている企業に効率よくデータを提供することができるのはかなり大切です。
ストレージエンジニアに必要なスキル
データベースのスキル
データを管理するだけなら誰でもできるのではないか、そう考えていませんか。だからといって明日もじゃんけんで負けてしまうことはありませんが、ストレージエンジニアに必要なスキルというのはかなり多く、そして複雑で難しいものばかりです。データベースのスキルは身につけておきましょう。
ネットワークやサーバーの知識も必要
ストレージエンジニアに必要なスキルとしてデータベースを上げましたが、最近のストレージエンジニアはデータベースのスキルだけでは足りません。ネットワークやサーバーの知識も必要になっています。
ITの世界ではここ最近仮想化が進んでおり、その仮想化を支えているのも実はストレージエンジニアです。仮想化技術を支えるストレージエンジニアの場合、データベースのスキルはもちろん、ネットワークやサーバーの知識やスキルがなければ仕事になりません。
ストレージエンジニアのキャリアパス
ITコンサルタントやアーキテクトは定番
ストレージエンジニアのエキスパートとして職を極めるのも良いですが、中には別の道を目指したいと考える人もいるはずです。
ストレージエンジニアもまた、多くのキャリアパスがあります。その中でも定番のものが、ITコンサルタントやITアーキテクトに進むというキャリアパスです。
特にストレージエンジニアのデータベース構築を経験している場合、データベースの構築のために顧客から要件などをヒアリングし、そこで要件定義をして構築し始めます。その経験を積めば積むほど、コンサルタントとしての力が身につくのです。
さらにデータベース構築によって技術的知識も身につくため、アーキテクトとして技術面で企業の経営や業務をサポートすることも可能です。
バックエンドエンジニアへの転職もアリ
せっかくストレージエンジニアとして技術を身につけたのであれば、その技術力を他の場所でも活かしたいものです。しかし、ストレージエンジニアのスキルで他のエンジニアの仕事ができるか不安だという人も少なくありません。
ご安心ください。ストレージエンジニアから別のエンジニアを目指すことは十分可能です。
ストレージエンジニアはデータベースやネットワークなどの、バックエンドエンジニアに関連するスキルや技術を身につけることができます。そのため、インフラエンジニアなどのバックエンドエンジニアに関係するエンジニアでも、十分力を発揮することができます。
ストレージエンジニアは縁の下の力持ち
今回はストレージエンジニアの仕事内容やキャリアパス、そして必要なスキルなどを解説しました。
デジタルな図書館の職員
ストレージエンジニアという仕事は、図書館の職員の仕事と非常に似ています。図書館も保管している書籍の数が多ければ多いほど、管理が大変になります。それでも利便性を良くするために日々書籍のジャンルごとに分類したり、並べ替えたりしています。
ビッグデータをはじめとするあらゆるデータも同じです。必要なときに気軽にデータを出し入れできるように、日々ジャンルごとにデータをまとめたりしています。ストレージエンジニアというのは、データという名の書籍を分類する図書館職員なのです。
まとめ
仕事といっても様々なものがあります。派手でかっこいい職業もあれば、逆に地味な仕事もあります。しかし、どれだけ地味な仕事でも決して役に立っていないわけではありません。一見地味でも、社会を支えている仕事というのはかなり多くあります。
ストレージエンジニアはどうしても他のエンジニアの仕事と比べるとかなり地味です。表立ったことはなく、ひたむきに裏方仕事ばかりをしています。しかしその分仕事の業務はもちろん、私達の生活をしっかりと支えています。地味な仕事こそが、私達の暮らしを支えているのです。
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