モーションデザイナーとは?仕事内容や必要スキルを紹介します
最近のゲームはキャラクターの操作性が向上しましたが、これはモーションデザイナーのおかげです。今回はそんなモーションデザイナーについて網羅的にご紹介。モーションデザイナーに興味がある人は、仕事内容や必要なスキルを把握して、転職に役立てることもできるでしょう。
目次
モーションデザイナーとは
キャラクターの動きに命を引き込む
モーションデザイナーとは、一言でいえばキャラクターに動きを付けることで命を吹き込む仕事です。
例えばRPGゲーム。ドット絵で上下左右にしか動かなかったキャラクターが、今では縦横無尽に動かすことができるようになりました。
例えばスポーツゲーム。昔は非常にカクカクした動きでしたが、今では実写と見紛う程リアルな動きになり、選手ごとの特徴もわかるようになりました。
ゲーム内のモーション(動き)は今やゲームを面白くするための非常に重要な要素になっています。
モーションデザイナーの仕事内容
細部までこだわる
モーションデザイナーの仕事内容はゲームのキャラクターに動きをつけることでキャラクターを自在に操作できるようにすることです。
キャラクターの動き、というシンプルな内容ですが、モーションデザイナーがいなければキャラクターが細かい動きをすることができず、単調なゲームになってしまいます。
ゲームのプレイ中は、ほとんどの時間キャラクターを軸にストーリーが進んでいきます。その際にキャラクターのモーションがシンプルすぎるものであればゲームがつまらなく感じてしまいますよね。キャラクターの動きはゲームを面白くするという部分では必須になります。
また、ただ細かい動きを再現さえすればいいという訳ではありません。キャラクターの設定や性格に合わせた動きを付けることも重要です。
例えば幼い少女のキャラクターに走るモーションを付けたい場合、陸上選手のような美しいフォームで走らせるよりも、よちよちと短い歩幅で走らせた方がよりそのキャラクターらしく、プレイヤーに愛着を生ませることができるでしょう。出てくるキャラクターのことをきちんと理解して、モーションに落とし込む必要があります。
モーションデザイナーの年収や働き方
モーションデザイナーの年収
ギークリー保有の求人では、モーションデザイナーの平均的な年収レンジは約400~700万円となっています。
国税庁調査による日本の平均年収は441万円とされていますので、やや高めに設定されています。
モーションデザイナーに限った話ではありませんが、ゲームクリエイターとして活躍するためには特定のスキルが求められます。
希少価値が高いとみられての年収設定でしょう。
モーションデザイナーの働き方
モーションデザイナーの働き方は、企業によって様々です。
これは、モーションデザイナーに限った話ではなく、ゲーム業界に関連する職種全般にいえることです。
ゲーム業界は他業界に比べて出勤時間が遅めに設定されていたり、フレックス制や裁量労働制を取りいている企業も少なくありません。
事前にしっかりと求人票を確認しておきましょう。
モーションデザイナーの需要と将来性
映像業界などでモーションデザイナーの将来性を危ぶむ声を不安に感じるかもしれませんが、ゲーム業界においてはその限りではありません。
ゲーム市場は引き続き拡大傾向にあり、日本においてはその成長をけん引しているのがゲームアプリなのです。その規模はゲーム市場全体で2兆円、うちゲームアプリは1.3兆円を占めています。(参考:日経トレンド)
そのうえ、巣ごもり需要で急増したゲーム人口は引き続き増加傾向にあります。ゲーム市場において人材が求められ続ける事が分かります。
近年クラウドゲームが拡大している背景も、モーションデザイナーの需要を高める要因となるでしょう。
一方で、モーションデザインがWebサイトのUI/UXにも応用されるようになって来ています。モーションデザイナーの需要は今後市場を超えて増加すると考えられるかもしれません。
モーションデザイナーに必要なスキル
これからモーションデザイナーのお仕事をしたいという方は事前に次のようなスキルを取得することで仕事の理解度も高まりますし、ゲーム制作は専門用語の多い仕事ですので滞りなく仕事ができると思います。
全く未経験でもモーションデザイナーを目指すこと自体は可能ですが、やはり知識があるほうが理解も捗りますので、習熟しなければならないとまではいかなくとも必要最低限の知識をつけてからモーションデザイナーを目指した方がスムーズに進みます。
3DCGスキル
持っていなくては絶対にモーションデザイナーになれないと断言することはできませんが、殆どの求人では3DCGスキルが求められます。
具体的には、Maya、3dsMaxのような3DCG制作ソフトが扱えると、即戦力として認められるようになるでしょう。
コミュニケーションスキル
ゲーム制作は様々な職種のスペシャリストが集まって行われます。
ゲームプログラマーやCGデザイナーなど多くの人と関わる仕事ですので、円滑に進めるためにもコミュニケーション能力は欠かせません。また、一丸となって作品を作り上げる協調性も求められます。
人体構造への理解
グラフィックの高度化・高精細化が進んだ事で、より質の高いモーションが求められるようになっています。
キャラクターの動き、細かな表情がゲームの世界観を表すため、筋肉や関節の動きには深い理解が必要です。さらに日頃からあらゆる現象を観察する力があると良いでしょう。
モーションデザイナーに向いている人の特徴
ゲームや人間が好きな人
モーションデザイナーの仕事はキャラクターに命を吹き込むと言っても過言ではありません。ゲームが好きな人はもちろん、人間が好きな人も向いているでしょう。
日頃から人間観察をしている方なら、細かい動作やふとした仕草に目がいきやすく、他のゲームにはない特徴をつけることが可能です。よくあるゲームのように単調な動作ではなく、かっこいいポーズ、可愛い動きなどの自分たちの作るゲームでしか表現できない動作を作ることができます。
ゲームではないですが、有名マンガのジョジョの奇妙な冒険のような「ジョジョ立ち」のようにポーズ自体が人気がでることもあります。
もちろんストーリーも重要ですが、そのゲームだけのポーズを作ることにより思わぬ場所から人気がでることも十分あり得ますので、モーションデザイナーのお仕事に向いているかどうかは普段からの観察力も関係していると言えるでしょう。
ユーザー思考を重視できる人
ゲーム好きに通じる部分ですが、制作側にまわってもユーザー思考を忘れず重視できる人が向いています。
プレイする側が求める世界観、ストーリー展開、キャラクターの個性や背景がいかに大切かは、ゲームファンにしか分からない部分があるはずです。そういったユーザーの期待に対する理解が深いほど、モーションデザイナーがゲームをより面白いものにする重要な役割であると理解できるはずです。
表現にこだわりたい人
イラストやデッサンを描く事が好きで、「表現したい」という強い気持ちを持っている人もモーションデザイナーの適正があると言えます。
特に「動き」を表現する仕事ですので、よりリアルさを追求したい気持ちがモチベーションにつながります。キャラクターの性格や感情を動きを通して表現し、それがそのままゲームの世界観へとつながるのです。モーションデザイナーがキャラクターに与える動きがゲームの面白さを左右し、売り上げをも左右します。
そこに責任感を持ち、やりがいを見出す事ができると楽しんで実力をつける事ができるでしょう。
造形力があると言い換える事もできます。
モーションデザイナーになるためには?
モーションデザイナーになるための方法として最もポピュラーなのは、専門学校や大学の情報学部などで専門知識を学び、新卒としてゲーム会社に就職することでしょう。
先述の通り、必ずしも必要な資格などはありませんが、3DCGスキルが求められることが殆どですので、学校でCGの専門スキルを身に着けておくと就職に便利になりうります。
転職で未経験からモーションデザイナーになるためには、相応の努力が必要です。企業は中途採用の枠は即戦力としてみなすことが多いためです。
有料のスクールに通ったり、独学によって3DCGスキルを磨き、ポートフォリオをしっかりと準備した上で未経験からでも採用してもらえる求人を探して応募するとよいでしょう。
または社内キャリアチェンジ制度が整っているゲーム企業があれば、モーションデザイナーとは別のポジションとして入社をして、独学でスキルを磨いてから社内キャリアチェンジの公募に応募するとよいでしょう。
まとめ
モーションデザイナーはキャラクターを最大限に活かし、そのキャラクターの魅力を引き出すことのできるやりがいのある仕事です。主人公はもちろんライバルや悪役など様々な人物、動物などを動かしてゲームを盛り上げる存在です。
キャラクターに命を吹き込む役割としては、モーションデザイナー以外にも声優などがありますが、キャラ独自の動きなどはモーションデザイナーにしかできません。
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