ゼネラリストについて転職エージェントが解説。特徴やキャリアの積み方について徹底解説します!
対になる概念としてよく聞かれる「ゼネラリスト」と「スペシャリスト」。この2つの概念がどのような特徴を持ち、どんな役割を果たしているのか、疑問を抱いている人もいるのではないでしょうか?今回は「ゼネラリスト」に焦点を絞り、その特徴やキャリアの積み方、求められるもの、どのような人が「ゼネラリスト」に向いているのかという部分まで徹底的に解説していきます!
目次
「ゼネラリスト」とは「オールラウンドな人材」
オールマイティに仕事をこなす「ゼネラリスト」
「ゼネラリスト」とは英語で「広い分野についての知識や見識を持っている人」という意味を持ち、そこから転じて日本では「オールラウンドな人材」を指す単語として使われています。
ある一つに特化しているのではなく、多くの知識やスキルを身につけてオールマイティに仕事をこなせる人や役職を示す言葉です。
幅広い知識やスキル、見識を持っていることで多面的な視点で物事を捉えることができるのがゼネラリスト最大の強みと言えるでしょう。一方でいわゆる一点集中型の「スペシャリスト」と比べると、専門性の面でできる仕事が限られてしまう傾向もあります。
ある分野では他の追随を許さない「スペシャリスト」
ゼネラリストに対する概念として「スペシャリスト」と呼ばれる、専門性の高い人材が存在します。
スペシャリストは基本的には特定のとある分野を突き詰めている人々のことを指すものの、隣接分野の知識が必須となる場合もあるため一概に「一つの分野に特化している」と言い切ることはできません。
しかし、ゼネラリストと比べるとカバーしている範囲が狭く深い場合が多いのも事実。これまで深めてきた分野とは全く別の分野の知識が必要となったときにはゼネラリストや該当分野のスペシャリストの力を借りることが必要です。
https://www.geekly.co.jp/column/cat-position/2002_001/
ゼネラリストの特徴
特定のもの・ジャンルに囚われない知識を有している
ゼネラリストは様々な視点で物事を考えるために、あらゆる知識を満遍なく身につけています。一見関係なさそうな知識やスキルを結びつけて、新たな解決方法やサービス・システム開発の糸口を発見することも可能です。
もちろん、スペシャリストのように専門となる分野があれば実現できるかどうかの検討や実用化に向けてテストを行うこともできるでしょう。
ですが、特定の分野を掘り下げていったが故に、他社が開発した既存のものと似てしまうリスクも生じます。
ゼネラリストの分野に囚われない知見は、他にはないもの、他社には生み出せないものを生み出す原動力にもなりうるのです。
様々な仕事を経験している
様々な知識やスキルを得るには、それだけ様々な仕事を経験していなければ難しいですよね。
確かに一つのことを極める働き方ではないかもしれませんが、反面「ある仕事は外部から見た場合どう思われているのか/どう評価される可能性があるのか」という客観的な視点を養う働き方とも言えます。
同じ業種や業務内容に携わっていると、どうしても考え方が内側にこもりがち。ゼネラリストは他の立場になった経験も豊富なので、特定の立場に依存せずにより第三者に近い目線で判断を下せるのが特徴です。
自分のスキルを活かすところを限定しない
多くの仕事や職場を経験したゼネラリストには自分のスキルを応用できる思考の持ち主が多い傾向があります。
例えば営業であればコミュニケーションスキル、交渉能力、自社の商品の魅力を伝える力などを身につけることになります。もし営業職としてキャリアを築くのであれば、それらのスキルを磨き上げて利益に繋げるのが目標の一つになるでしょう。
しかし、他の職種・業種を経験した場合には、そのスキルを顧客以外の相手にも活用できるのです。
磨いたコミュニケーションスキルでチーム全体のモチベーションを上げたり、交渉能力を活かして上司やスポンサーと渡り合ったり…その活用方法の可能性は無限大。
自分がこれまで努力して身につけたスキルがフルに活かせるのはゼネラリストならではの醍醐味ですよ。
ゼネラリスト的な働き方が求められる仕事の例
管理職
自分以外の仕事を管理しなければならない管理職はゼネラリスト的な働き方を求められる筆頭の職業です。
たくさんの経験をしているからこそ、自分が直接関わっていない業務でも余裕を持って対応ができます。部下側もいざとなったら上司がサポートしてくれる、とわかっていることで安心して仕事に取り組めるのです。
専門的な知識が必要となる部署もあるため、管理職に求められる専門性の高さは千差万別ではありますが、広い視野と多くの知識、主観のみに頼らない考え方は管理職にとって欠かせない要素。
これまで専門性を高めてきた人でも、管理職を任されたことを機にこれまでとは異なる知識を学ばざるを得ない状況になるケースも少なくありません。
マネジメント職
誰かのマネジメントには、その「誰か」の仕事についてある程度の知識があることが大前提。
マネジメントを仕事としている場合には、より多くの人の仕事について知っていなければいけませんよね。つまり様々な仕事に触れ、知識を持っているゼネラリストはマネジメント職にぴったりというわけです。
ただし、既存の知識だけで全てカバーできるわけではないという事実も念頭に置きましょう。常に新しいことを勉強し、時にはマネジメントをする相手から教えてもらい、「もっと色々な知識を身に着けていこう」と貪欲に学ぶ姿勢が求められます。
ベンチャー企業の社員
ベンチャー企業の場合、社員が少数であるところも多く、そのために一人一人に与えられる裁量が大きい傾向があります。
たくさんの仕事に携わるため未経験からゼネラリストとしての基礎を固められる環境であると同時に、これまで築いたゼネラリストとしての経験が最大限に活かせる環境です。
既にゼネラリストとして十分なキャリアを積んでいる人だけではなく、「専門性を高めるよりも様々な仕事に関われるだけのスキルや経験を身につけたい!」とこの先ゼネラリスト的な働き方を希望している人も、ベンチャー企業への就職・転職も視野に入れると自分の求める働き方ができる可能性がぐんと広がりますよ。
ゼネラリストとしてキャリアを積むために必要なこと
「ゼネラリストになること」をゴールにしない
「ゼネラリストとしてのキャリア」について述べる上で前置きしておきたいのは、「ゼネラリストになればこの先安泰である」という認識は正解ではないということです。
ゼネラリストはあくまでも働き方の一部であり、ゼネラリスト的な考え方や働き方を活かす場は数多くあります。
安定したキャリアを築けるかどうかは自分自身の努力や働いている業界の動向に左右されるため、ゼネラリストであるかどうかは安定性には必ずしも直結しません。
ゼネラリストになることは仕事や業務をよりよく行うための手段で、「ゼネラリストになること」自体を目的としては本末転倒です。
自身の希望する生き方のために学業を修めたり、資格を取得したりするのと同じように、自分が望むキャリアを実現するために「ゼネラリストを目指す」意識を持ちましょう。
そして、ゼネラリストを目指していたからといってスペシャリストを目指してはいけない、なんてこともありません。もし自分のキャリアの中で高い専門性が必要になるのであれば、ゼネラリストにこだわるのは合理的ではないですよね。
「自分の描くキャリアにゼネラリストは適しているのか」「ゼネラリストとしてその業務に関わることを希望するのか」を慎重に検討してください。
コミュニケーションスキル・対人折衝能力を磨く
ゼネラリストに必要なもの、それは人と上手く関わる能力です。管理職やマネジメント職では特に求められるものであり、他の職でも身につけておいて損はありません。
他の誰かと円滑な人間関係を育むには
・自分の言いたいことを角を立てずに伝える
・自分と相手の主張に落とし所を見つける
・情報共有しやすい関係性を築く
の3点への配慮は不可欠。コミュニケーションスキルや対人折衝能力を向上させれば、自然とこれらのことを実行できるようになります。
もし自信がなければ、できるだけ多くの人と関わり、失敗と成功をたくさん経験してください。特に失敗したことから「どうして失敗したのか」「どうすれば成功できたのか」をしっかりと学び取るように心がけると、コミュニケーションスキルを確実に上昇させることができるでしょう。
アドバイスを受けることを恐れない勇気を持つ
「ゼネラリスト的な働き方が求められる仕事の例」のマネジメント職の項目で触れましたが、アドバイスを受けることを否定的に捉えない勇気を持つのもゼネラリストとしてのキャリアを積むためには重要です。
冒頭で述べた通り、ゼネラリストは「広く知識や見識を持つ人」を表します。日常生活でも社会生活でも、あらゆる物事が流動的に変化していますよね。IT業界では激動とも呼べる変化が何度も訪れ、数年前と今では状況が一変しているなんて事態も決して珍しくはありません。
そんな中、一人で新しい知識を学び続けるのは無謀に近いことでしょう。知らないことを「知らない」と認め、わからないことにアドバイスを求められる人こそ「ゼネラリスト」としてキャリアを積み重ねられるだけの「底力」を持っているのです。
ゼネラリストに向いている人
他人の意見に耳を傾けられる人
他人の意見、時には批判や厳しい指摘などの耳の痛い内容も聞いて自分の糧とできる人は、客観的な視点と思考を磨ける「ゼネラリスト向きの人」です。
自分で気づける範囲には限りがあります。時と場合によっては気づかなかったことが問題のきっかけとなったり、業務の支障になったりするおそれも。
そのときに第三者から指摘を受けて、それを元に改善できる人はゼネラリストとして企業や周囲の社員を支えられるでしょう。
学習意欲が旺盛な人
ゼネラリストと学習は切っても切れない関係。なぜなら常に知識を求められるゼネラリストは、学習をしなくなったら「ゼネラリスト」ではいられないからです。
そのため、どんなときでも学ぼうとする意欲がある人はゼネラリストとして自分の能力をどんどんと高めていきます。普段から学習に前向きだと、たとえ「学ぼう」と意識的に思わなくとも日々の仕事や人間関係の中から多くのことを学び取るはずです。
自分が関わること以外にも好奇心を持ち、勉強しようとする人はゼネラリストにぴったりと言えますね。
難しいことにも積極的に挑戦できる人
前例がない仕事に立ち向かおうと努力ができる人はゼネラリストに適性があります。わからないことやどうにもなりそうにないことでも諦めずに果敢に挑戦する中で、たくさんのことを学び、経験するでしょう。
そこで得たものを活かすことで、ゼネラリストへの道が開けるのです。
またチャレンジ精神の有無は、ゼネラリストとしてのキャリア構築にも大きく影響します。これまでになかったものを世の中に送り出す新規事業の開拓者となるのも夢ではありません。
スペシャリストの方が向いている人は?
スペシャリストは特定分野において秀でた人です。
ひとつのことに熱中するタイプの人、こだわりが強い人、興味の有無がはっきりしている人はスペシャリストタイプだと言えるでしょう。
凝り性で長く同じ趣味を持っていたり、すでに得意な分野がある人は、その一点を磨くことでより市場価値を高めることができるかもしれません。
現代社会に求められるゼネラリストの資質やポイント
転職市場におけるゼネラリストのデメリット
近年日本ではゼネラリストの市場価値が下がっているという意見もあります。
背景としましては下記の理由が挙げられます。
終身雇用制度の減少
長期の雇用期間をかけて様々な部署へ配属させ育てるという日本流の育成方法が困難になりました。
ゼネラリストに今求められるのは「企業に育ててもらう」という昔の思考から「主体性をもって働きながらキャリアを積む」という思考なのです。
IT系を始めとする新テクノロジーの普及
高度な専門スキルを扱えるスペシャリストの需要が急激に高まったのです。
そんな中で成果やスキルが目に見えて分かりやすいスペシャリストと比較して、ゼネラリストの職能は評価しにくい部分があるため、転職市場では不利な面があります。
ですから、新しい時代のゼネラリストは語学力やプレゼンテーション能力、いち早くトレンドを見抜く力など複数のスキル、できれば専門性のあるものが欲しいところです。
ジョブ型雇用への移行
「職務に基づいた雇用・仕事内容」つまり「職務記述書(ジョブディスクリプション)」を元に目標と報酬の設定を明確にする雇用形態のことです。
特徴として能力や成果で評価されるため、スキルや成果が分かりやすい専門性が売りのスペシャリストにとっては能力をさらに伸ばせる雇用形態ともいえます。
日本でこれまで多くのゼネラリストを育成してきた雇用形態はメンバーシップ型雇用です。
これは長期で配属先をローテーションしながら、転勤や出張を繰り返し企業に貢献してくれる人材を多く採用する方法です。
ジョブ型雇用が普及しメンバーシップ型雇用が減ると、ゼネラリストにとっては転職の向かい風になるでしょう。したがってどのような雇用形態でも生き残れる対応力がこれからのゼネラリストには要求されます。
転職市場におけるゼネラリストのメリット
業務が細分化されたことによってデメリットが増えた傾向にあると思われがちなゼネラリストですが、需要がなくなったわけではありません。
むしろ多くのスペシャリストを束ねるゼネラリストの役割は、企業にとっても大きなものとなりました。
だからこそ、組織内で地位を築きやすいのがゼネラリストなのです。
企業がゼネラリストに求めていることを把握し、効果的なアピールができれば市場価値を高めることも可能です。
転職エージェントを利用してゼネラリストのキャリアアップ!
ゼネラリストは組織の調整役やその視野の広さから、複数の部門と連携してプロジェクトを遂行するといった能力が期待されます。転職においてもそういったマネジメント能力や組織を動かすリーダーシップなどをアピールしたいところです。
そこで求人を効果的に探すのにおすすめなのが転職エージェント。
ゼネラリストの転職市場におけるマイナス面としては、明確な特性をしっかりアピールしにくいといった部分があります。
転職エージェントを利用すれば、専門のキャリアアドバイザーがあなたのキャリアからアピールポイントをヒアリングし、分かりやすく棚卸ししてくれます。その上で、あなたのゼネラリストとしての力を存分に発揮できる企業を紹介してくれるでしょう。
「ゼネラリストとして転職したい」「ゼネラリストになるために転職したい」という方は転職エージェントにまず登録してみてください。
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~最後に~ゼネラリストだからといって全て完璧にこなす必要はない
ゼネラリストはその広い知識と見識から様々な場面で必要とされます。
ですが、だからといって全て完璧にこなせるゼネラリストはほとんど存在しません。どれほど勉強しても、知識がそれほどない分野や全く知らない分野があるのは当然ですよね。
わからなければ調べる、調べてもわからなかったらスペシャリストにアドバイスを求める、のように「わからないことをわからないままで終わらせない」のがゼネラリストの本質の一面です。
漠然と「完璧」を目指すのではなく、知らない・わからないことへきちんと向き合おうと心がければ、ゼネラリストとしてのキャリア形成に繋がります。
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