【営業職種図鑑】営業にはどんな種類がある?仕事内容や必要なスキル、平均年収などまとめて紹介します!
「営業職」と一口に言ってもさまざまな職種があります。転職を機会に営業職種を変更して年収もキャリアもUPするためには、どんな営業職を選ぶべきか悩みますよね。実は、種類によって必要なスキルや能力も違う営業職。それぞれの営業職種や種類の特徴と必要なスキルや平均年収をご紹介します。ぜひ、ご覧ください。
目次
【営業職種一覧】営業職名と平均年収
営業職には、さまざな種類と職種名があります。自社製品を販売する営業、他社製品を販売する営業、自社・他社の両方のサービスを販売する営業。これらは基本的に異なります。代表的な営業職種名と目安となる平均年収を一部ご紹介します。
<自社の製品・サービスを販売>
・メーカー営業 約420万円
・海外営業 約500万円
・コンサルティング営業 約490万円
・企画営業 約420万円
<他社の製品・サービスを代理で販売>
・商社営業 約470万円
・代理店営業 約420万円
・広告代理店営業 約430万円
<自社・他社のサービスを販売>
・不動産営業 約430万円
自社の製品・サービスを販売する営業
商社営業、代理店営業、広告代理店営業以外は、基本的に自社の製品やサービスを売るのが目的です。
海外営業は、自社のサービスを海外に販売するのが仕事で、年収が高い傾向にあります。最低でも英会話ができることが求められます。
メーカーの営業は、平均年収は約420万円が目安としていますが、業界や会社によって年収にかなりの幅があります。
例えば、大阪に本拠地がある自動制御機器や計測機器などの開発・販売メーカー、キーエンスの営業職の平均年収は1,000万円以上と言われています。
他社の製品・サービスを代理で販売する営業
商社営業は、メーカーなどの代わりに取引して手数料を取る形を取っています。年収については、40代で500万円代、50代で1,000万円代と年齢によって開きがある仕事です。
代理店営業は、直接消費者に販売するわけではなく、メーカーの製品を販売してくれる代理店の開拓やサポートをするのが仕事です。
広告代理店営業は、クライアント企業のために広告活動を代理でサポートします。新聞、テレビ、雑誌やWEBメディアなどのメディア媒体へ広告出稿して手数料を得ます。
自社物件・他社物件を販売する不動産営業
不動産営業は、賃貸営業、住宅物件販売営業、投資物件販売営業といくつかの種類があります。いずれも、多くの不動産会社は自社物件と他社物件の両方を取り扱っています。
賃貸物件を借りている人はご存じの通り、他社物件を販売する場合は、仲介手数料で利益を得ているのです。ちなみに、投資物件販売の営業は、営業職の中でも最もハードルが高いとも言われていますが、売れる営業マンであれば、年収1000万円超えという人もいます。
【顧客別】個人営業(BtoB)と法人営業(BtoC)の違い
営業職は、さらにいくつかの種類に分類されています。営業経験者が転職活動の際に必ず質問される「個人営業 or 法人営業」。なぜなら、顧客層が違えば営業活動方法や求められる能力も違うからです。年収平均も若干の違いがあります。
・法人営業(BtoB)=Business to Business 平均年収約460万円
・個人営業(BtoC)=Business to Customer 平均年収約420万円
法人営業(BtoB)とは?求められる能力とスキル
法人営業とは、商社、メーカー、コンサルティング、ITサービス、広告、人材紹介などの企業や団体を顧客のターゲットとして営業活動することです。企業の社長と直接商談するケースは希で、企業や団体の担当者が商談相手です。
年収については、個人営業よりも法人営業の方が数十万円高い傾向があります。
なぜなら、案件の単価が高いからです。ただし、あくまでも取扱商品によるので、一概に全てが当てはまるわけではありません。
法人営業で難しい点は、決裁権限を持っている役員や代表と直接会えるわけではないので、商談相手である担当者が上司に承認決裁を取らなければならないことです。たとえ商談がうまくいっても、すぐに成約になりにくいということです。
営業にとって、ニーズを聞き出すヒアリング能力やコミュニケーション能力は基本です。個人営業は、顧客の好き嫌いも強く反映されます。一方で、法人営業は、いかに自社の製品やサービスのメリットを伝えられるかの能力が求められます。
サービスのメリットをわかりやすく魅力的に伝えるには、論理的思考力とプレゼンスキルが必要です。数値データなどを解析して、わかりやすい資料を作成する事務スキルも必須なのです。
個人営業(BtoC)とは?求められる能力とスキル
個人営業とは、例えば、証券などの金融商品、不動産、生命保険、自動車、小売商品などを個人に販売・営業することです。
個人営業が法人営業と大きく違う点は、直接会った商談相手が決裁権を持っていること。つまり、顧客が「ぜひ、あなたから商品を買いたい」という感情にさせる「人物像」が最も重要視されます。
顧客が営業マンを気に入ったから商品を購入するということはよくある話です。個人的感情が大きく左右するため、営業マンが好感度や信頼が持てる印象を与えられるかが大きく影響するのです。
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【営業手法1】営業の基本は新規開拓とルート営業
営業職種は、何を基準にするかで多岐に渡る分類の仕方がありますが、基本的には大きく分けて以下の2種類です。
・新規顧客開拓営業
・ルート営業
いずれも営業であることには変わりなく、もちろん両方が必要とされる場合も多くあります。しかし、これらは営業活動のプロセスも求められる能力やスキルも異なります。
新規開拓営業
新規開拓営業とは、読んで字の如し、新規の取引先をゼロから開拓する営業活動の種類です。ターゲットとなる潜在顧客の調査をして、電話やメールでアポイントを取ることから始まるのが一般的な営業活動です。
ファーストコンタクトが難関でもありますが、セミナーやイベントなどで出会った潜在顧客と商談が始まるケースが多い傾向にあります。
テレアポ営業や飛び込み営業などは断られることが大半なので、めげない性格であることが大切です。また、ヒアリング力、知らない人にわかりやすくサービスのメリットを伝える能力が必要とされます。
ルート営業
既に企業が取引している既存顧客に対して、新しい製品・サービスの提案や契約を継続してもらうために営業活動するのがルート営業です。顧客の課題とニーズをよく理解して顧客との関係性を良好に継続するための努力やマメさが必要とされます。
新規顧客開拓と比較してルート営業の方がハードルが低そうなイメージがあるかもしれませんが、そんなことはありません。顧客と良好な関係を築くには、アフターフォローが大切です。御用聞きが営業ではありません。
ルート営業には、信頼関係を構築しながら、LTV(Lifetime Value)を最大化する戦略を練って、提案できる能力が求められます。
LTV(Lifetime Value)とは、「顧客が企業に生涯もたらした価値」という意味で、「顧客生涯価値」とも呼ばれています。実は、新規顧客開拓よりも既存顧客を維持することは難易度が高く最も重要とも言えます。
【営業手法2】アウトバウンド営業とインバウンド営業
営業活動の手法について、昔からある手法と近年増加傾向にある手法をご紹介します。大きく分類すると以下の2つの手法があります。
・アウトバウンド営業
・インバウンド営業
ちなみに、顧客になる可能性がある潜在顧客のことを、マーケティング用語で「リード」や「コンタクト」(見込み客)と呼びます。リードを獲得するための営業手法には、以下の2通りあります。
アウトバウンド営業
アウトバウンド営業とは、営業マンからリード(見込み客)へアプローチする手法です。いわゆる、以下のような従来の営業活動の手法がアウトバウンド営業と呼ばれています。
・テレアポ営業
・訪問営業
・飛び込み営業
・展示会やイベントに出展
展示会などで会った潜在顧客と名刺交換した後、こちらから連絡したり問い合わせがあったりして、直接会ってサービスの提案する場合もアウトバウンド営業のひとつです。
インバウンド営業
インバウンド営業とは、潜在顧客側から企業に問い合わせをしてもらうよう誘導する手法で、以下のような種類があります。
・反響営業
・インサイドセールス
反響営業とは、インターネット、テレビ、新聞、DMなどで広告宣伝することです。関心を持った潜在顧客が問い合わせてきた場合に「リード」とします。
インサイドセールスとは、リードに電話やメール、テレビ会議などで営業活動する手法のことです。基本的にリードと直接会うことがなく、内勤で営業活動することをインサイドセールスと呼びます。
近年は、インターネットの普及によって、ソーシャルメディア(SNS)やメールマガジン、ブログ、オウンドメディアなどで宣伝や集客が昔より簡単に実施できるようになりました。
これらのツールを活用することで、より成約の可能性が高いリードへのアプローチが可能になったのです。
例えば、ブログ記事やSNSを見て問い合わせをしてくれたり、無料の資料をダウンロードしてくれたりすることで、営業は既に購買意欲が高いリードにアプローチできます。従来のテレアポ営業や訪問営業などと比較すると、かなり効率化された方法です。
購買意欲が高いリードを得るためのオウンドメディアなどによるコンテンツマーケティングは時間がかかります。しかし、購買意欲が高いリードを集められるため、成約率も高いのが特徴で、インバウンド営業は長期的に持続性がある手法なのです。
【商材別】有形商材・無形商材の違い
営業経験者の転職活動では、法人営業か個人営業かと同様に、転職エージェントなどから「有形商材か無形商材か?」と聞かれたことがあるのではないでしょうか。
有形商材とは
有形商材とは、読んで字の如し「形がある商材」です。例えば、メーカーや商社が販売する商材、不動産、自動車、医薬品、ハードウェア系IT営業、ゲーム機器やパッケージソフトなどです。形あるものはイメージしやすいのがメリットです。
無形商材とは
無形商材とは、「形がないサービス」です。例えば、生命保険、人材紹介やコンサルティング、広告、アプリ、WEBサービスなどが該当します。情報・知識・技術が売りですが、具体的なイメージが湧きづらいのが難点です。商品のメリットをいかにうまく伝えられるかのスキルが求められます。
IT業界の職種別年収ランキングで営業職は第3位
出典:IT関連産業における給与水準の実態① 職種別|IT関連産業の給与等に関する実態調査結果|経済産業省
営業職種の種類は多岐に渡るので、平均年収も一言では言えません。IT業界の営業職に焦点を当てると、一般的に企業が求人募集で出している平均年収の相場は約460万円〜500万円位。
ところが、経済産業省の調査によると、IT関連産業における営業・マーケティングの平均年収は783.3万円となっているのです。給与水準を職種別に示したグラフでは、平均年収の上位3位は以下のようになっています。
1位 コンサルタント:928.5万円
2位 プロジェクトマネージャー:891.5万円
3位 営業・マーケティング:783.3万円
営業職は3位にランクインしていますが、この調査では営業だけではなく、マーケターの年収が含まれているので厳密ではありません。マーケターは、IT業界でも需要が高く高所得の傾向にあります。
経験値により幅はありますが、平均相場が約700万年〜800万円とも言われています。つまり、この調査ではマーケターが平均年収を吊り上げていることが予測されます。
また、コンサルタントは928.5万円となっていますが、ITコンサルタントも営業職の種類のひとつです。
IT業界の中でもインターネット関連企業の場合は、営業・マーケティングが682.1万円となっており、これもまたIT業界全体と比較すると約100万円以上の違いがあります。
同じIT業界でも、営業の種類によって、平均年収は約460万円〜928万円位と、かなりの幅があるということですね。
営業に求められるスキルと準備すべきこと
営業職への転職活動をしているけど、なかなか採用に至らないと嘆いているのであれば、営業職の選択肢を間違えている可能性があります。希望している営業職には、スキル不足と指摘されている可能性があるのです。
営業の基本は「ヒアリング力」「提案力」「マネジメント能力」です。この能力が備わっていると判断されたら、分野を問わず営業職の間口は広いのです。
一方で、例えば、IT業界の営業職に転職をお考えであれば、ITやシステムの専門知識も必要ですよね。全てではありませんが、それぞれに最低限必要な専門分野の知識が必要とされる営業職があります。
さらに、これからの営業職には、どの分野であってもWEBマーケティングに関するスキルと能力が求められます。
そのために、Google Analyticsなどの解析ツールの活用は基本です。消費者のニーズや市場の動向を把握しておくことが営業活動で重要なのです。
SNSやコンテンツマーケティング、解析ツールの活用について実践的に勉強しておくことをおすすめします。
営業職の今後
近年は、飛び込み営業よりもインバウンド営業を取り入れる企業が増えてきています。
解析ツールなどで数値分析や改善施策ができる便利さもあれば、厳しさもあります。
しかし、昔よりずっと営業活動はしやすく、従来の訪問販売のような営業に抵抗があった人でも、営業職にチャレンジできるチャンスは広がっていくでしょう。
IT・Web業界の営業職は今後もさらに成長していく
IT・Web業界は基本的に顧客が法人となっています。
コロナ禍を経て、DX(デジタルトランスフォーメーション)に気運が高まっているため今後もさらに拡大していく業界であるといえるでしょう。
現在は業界営業職経験者が少ないため、異業種からの転職のハードルが低いとされています。
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