IT営業はどんな仕事?仕事内容や年収、将来性について解説
「今後将来性があるIT営業職は?」「IT業界未経験でも挑戦しやすい営業職はある?」と気になる方も多いでしょう。そこで今回は代表的なものから将来有望な営業職種まで、9職種にしぼってそれぞれの仕事内容や平均年収、転職するポイントを紹介します。
目次
IT営業の最近の動向と将来性
IT分野は発展を続けており、反してIT人材は不足が叫ばれています。
AIやIoTなどの技術の導入、活用が進むにつれ、企業に分かりやすく有用性を説くことができるIT営業の需要は今後も高まると考えられます。
これまで人が行っていた業務をITが担うことで人員の削減は進んでいますが、その導入のフェーズには必ず人が必要なのです。
つまりIT営業は「何を求められているか」を正確に理解し「無形商材を扱える」以外の付加価値をアピールする事が求められます。
各種IT営業職の年収についても解説してきましたが、IT業界のなかでも特に年代による差が生じやすいとされています。
つまり経験や実績を重ねることで年収アップにつながりやすいと同時に、男性女性関係なくキャリアアップ・年収アップがしやすいとも考えることができるのです。
経済産業省によると、IT関連産業で社内最高水準の年収を達成している人の評価対象に「営業力・それに基づく実績」が含まれている事も分かっています。
(参考:経済産業省「IT関連産業の給与等に関する実態調査」)
IT営業のキャリアパス例
専門性を高めるキャリアパス
技術営業やインサイドセールスのような、より専門性が高く、より顧客に寄り添った提案が求められるキャリアパスです。
クラウドやデータベース、ネットワーク関連の知見があり英語力を身につけると外資系企業も選択肢として考えることができるでしょう。
マネジメント職へのキャリアパス
人、モノ、金の管理を通してプロジェクトの進捗管理が求められるキャリアパスです。
マネジメント系職種の経験者はどの業界でも重宝されます。現場での経験を十分に積んでから目指すことで、より市場価値を高めることができるでしょう。
コンサルタントへのキャリアパス
アナリストやコンサルタントもIT営業からのキャリアパスとして候補にあがります。
営業スキル以上に高い技術力が求められるため自己研鑽を怠らないようにしましょう。
バックオフィスへのキャリアパス
業務知識があることで、人事やマーケティングなどの仕事にも活かすことができます。
プラスで専門知識を身につけることができれば、特に社内の異動では知識や経験が評価されることもあるでしょう。
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代表的なIT営業3種類と年収
まずは定番とも言えるIT営業の職種をご紹介します。
営業職は給与水準は低くなく安定しているうえに、未経験でも就業できる可能性が高くチャレンジしやすい点がメリットです。
一方で、伝統的な営業手法で営業活動をしている企業が多いことや、商品販売のための営業知識が将来的に使えなくなる可能性があるのがデメリットです。
IT業界未経験でも仕事に就きやすいメリットがあるため、まずはここでご紹介する職種で数年の経験を積んでからキャリアアップを図るという方法もおすすめです。
ハードウェア営業(通信機器・PC・サーバ機器)
IT営業職種の中でも歴史が一番古いのが、ハードウェア系IT営業です。
取り扱い対象となる商品は、パソコン、携帯、サーバー、社内ネットワーク機器などが代表的でしょう。
Sony、日立、東芝などの大手企業が事業として継続しているのが特徴で、営業活動の方法は、ルート営業が中心です。
ハードウェア営業の平均年収:約500万円
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SIer営業(SI、システムインテグレーター)
SIer営業は、ハードウェアとソフトウェアを組み合わせて、社内のシステム構築を担う仕事です。基本的に自社製品ではなく、外部の商品やサービスを組み合わせて提案を行います。
顧客へのシステム導入の提案、構築、運用窓口など、幅広い業務を担い、ルート営業が中心です。
取り扱う商品が自社商品ではないため、提携企業の調整も必要です。
またSIer営業の仕事は商品を売るだけではなく、システム導入に伴う搬入作業からサポートまで業務内容は多岐に渡ります。
近年の問題点は、クラウドシステムを導入する企業が増えてきていることから、ハードウェアやソフトウェア自体を導入しない傾向にあることです。
ただし、無形商材を扱うIT営業が初めてという人にとっては、学ぶことも多いので挑戦してみる価値はあるでしょう。
SIer営業の平均年収:約460万円
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オンプレミスの受託開発営業
受託開発とは、開発リソースがなく、ITエンジニア不在の企業から情報システムやソフトウェアの開発を請負うことを指します。
開発はエンジニアが担当し、顧客への提案と契約等の手続きは営業が担います。
自社内で情報システムを保有し、自社内の設備によって運用するオンプレミスに対し、外部サーバを利用するシステムの利用形態がクラウドサービスです。
近年ではクラウドサービスへの移行が進み、依然ほどの需要が維持できてはいないものの、一部の大企業などでは引き続きオンプレミスでの運用も続いています。
オンプレミスの受託開発営業の平均年収:約480万円
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高待遇のIT営業2種類と年収
IT営業のなかでも需要が高い職種もあれば、需要が停滞しつつある職種もあります。
以下、高待遇のIT営業職種をご紹介します。
パッケージ営業(ゲーム・パッケージソフトウェア・ERP)
パッケージソフトウェアとはCD-ROMやDVD-ROMなどのソフトウェアの総称で、例えばマイクロソフトやオフィスなどが代表的です。
パッケージの法人向け営業は、財務や人事、顧客情報などの基幹業務を補助するERPパッケージと呼ばれるシステムを販売する会社もあります。
IT営業のなかでもパッケージ営業は、基本的に販売のみを担うため販売・営業力が求められます。
マイクロソフトのような大手グローバル企業は営業先も大手企業が多く、既存顧客のためのルート営業や深耕営業が多い傾向です。また新規開拓には高レベルな営業手法とスキルが必要で、給与水準が高い点が魅力です。
パッケージ営業の平均年収:約600万円
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ITクラウドサービス営業(IaaS、PaaS、BaaS)
クラウドとは、インターネットに接続することでデータベースや業務アプリケーションなどをPCやスマホで使うことができるサービスを指します。
IaaS、PaaS、BaaSはいずれもクラウドサービスの一種です。
・IaaS(Infrastructure as a Service)…仮想マシンやネットワークなどのインフラを提供するクラウドサービス(例:Google Compute Engine、Amazon Elastic Compute Cloud)
・PaaS(Platform as a Service)…ソフトやアプリ開発に必要なハードウェアやOSなどのプラットフォームを提供するクラウドサービス(例:Microsoft、Azure)
・BaaS(Banking as a Service)…金融機関のサービスを提供するクラウドサービス
これらの市場は大手グローバル市場が独占している傾向にあり、提携企業もまた大手グローバル企業であるケースが多く、給与水準が高い点が特徴です。
まずは代理店販売をしている企業で経験を積んでから、大手グローバル企業への転職を目指す方法もあります。
高度なIT技術の知識を保有し、提案営業に同行するセールスエンジニアとのチームプレイが求められます。
ITクラウドサービス営業の平均年収:約500万円
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業界注目株のIT営業4種類と年収
IT分野は日々発展しており、AIやIoTなどの技術の活用が増加しつつあります。
それに伴い、新しい技術を説明できる高度な技術に精通した専門性の高いIT営業担当者の需要は増加傾向です。
将来的に注目度が高くニーズが増えると予測される営業職種をご紹介します。
クラウドサービス営業(SaaS営業)
SaaSもクラウドサービスの一種で、近年特にToB(法人向け)のIT営業職の需要は高まっています。
・SaaS(Software as a Service)…既にパッケージ製品として販売されているものをインターネット上で提供するクラウドサービス(例:Google Workspace、Salesforce)
前述のIaaS、PaaS、BaaSとの違いは顧客が法人営業である点で、経費精算管理や人事労務管理、営業管理や社内チャットツールなどを提供します。
SaaSは従来の営業手法と異なる分業型の営業組織で構成されており、論理的な「科学的アプロ―チ」を基本とする手法です。
SaaS企業の多くは、以下の手順と組織構成で営業活動が行われています。
①マーケティング
②インサイドセールス(内勤営業)
③フィールドセールス(外勤営業)
④カスタマーサクセス(既存営業)
上記のいずれかを選択して専門性を高める、もしくは4つ全ての経験を通して全体を統括できるスキルを身に付けるなど、キャリアの方向性は幅広く選択することができます。
SaaSはまさにこれから求められるスマート将来性が高い営業職と言えます。
クラウドサービス営業の平均年収:約600万円
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受託開発営業(モバイルアプリ・Webアプリケーション・先端技術実装)
これらは、前述でご紹介した受託開発とは異なり、いずれもインターネットに接続して利用するソフトウェアの開発に特化した営業です。
AIやブロックチェーン技術などの領域に特化したソフトウェア開発会社も多いのが特徴で、需要が高く、給与も安定しています。
中小企業が多い傾向にあり、高度なIT知識が求められます。
受託開発営業の平均年収:約460万円
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AIソリューション営業(Web系AI)
Web上で利用できるSaaS型のAIサービスの営業が、Web系AIソリューション営業です。
主に、画像認識サービスやデータ処理、AIを使用したチャットツールなど、ひとつの機能に特化してWeb上で利用できるサービスを対象としています。
AIソリューション営業はIT営業経験者が優遇される傾向にあるため初心者向きではないものの、トレンドに敏感で最新技術を学びたい人に向いています。
AIソリューション営業の平均年収:約580万円
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AIソリューション活用営業(IoT系AI)
IoT(Internet of Things)は「モノのインターネット」と訳され、インターネットを経由することでモノとソフトウェアが通信する技術を指します。
さらに、AI機能が搭載された高度なサービスはIoT系AIソリューション活用営業と呼ばれており、自動運転やドローン、センサー、自立型ロボットなどが代表例です。
ただし、まだ一企業が単独でビジネスを回せる程の技術は確立されていない背景から、実証実験や事業提携のための営業などを中心に行います。
非常に高度なIT技術の知識やビジネス知識、大手企業向けの営業スキルが必要で上級者向きの営業職種です。
AIソリューション活用営業の平均年収:約600万円
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そもそもIT営業とは?
IT営業とは、クライアントが抱える課題を解決するためのIT技術を提案する仕事です。
クライアントはIT技術に詳しくないことも多く、どのような技術があるのか、自社の課題を解決するための方法にはどのような選択肢があるのか、IT営業は分かりやすく伝える技術が求められます。
場合によってはクライアント自身が気づいていない潜在的な課題についても提案するため、クライアントの業界知識を深め、積極的な製品・サービスの情報収集も必要です。
またエンジニアとの橋渡しとしての役割も担うため、IT技術への理解も欠かせません。
IT技術は無形商材であるため、実際にサービスの利用を通してクライアントに価値を提供するためには高い営業力や顧客折衝力が求められます。
IT営業職種を3つに分類
- 従来のIT営業職種
- 高待遇のIT営業職種
- 将来注目株のIT営業職種
IT営業と一言にいっても、大きく分けて3種類、細かく分類すると10種類以上存在します。
常に変化し続けるIT業界では新しい技術やニーズに伴った営業職が次々と誕生しており、流動的です。
営業職はIT業界未経験者であっても就職難易度は高くありません。
しかしさまざまな選択肢が存在するため、それぞれに必要とされるスキルや知識、役割などの違いを把握することでIT業界でのキャリア構築に役立つでしょう。
以下、従来のIT営業職、高待遇が期待できるIT営業職、将来性が高いIT営業職に分けて解説します。
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IT営業に求められるスキルと準備すべきこと
未経験者がIT営業に活かせるスキル
IT業界が対象とする商品やサービスは、日々新しい技術に伴い進化しています。そこで、求められるスキルや営業手法も変容してきているのです。
どの営業職種にも共通して求められるスキルや能力の基本は「ヒアリング力」「提案力」「マネジメント能力」です。
潜在的な課題は、顧客にとっても可視化されていないことがめずらしくありません。
ヒアリングだけでなく、相手にとって分かりやすい言葉や表現で伝える能力には資料作成能力なども含まれます。
またIT営業には、説得力をもたせるためにこういった能力を裏打ちするIT関連の知識が必要です。
業務に活かせるおすすめ資格
さらに、IT営業の場合は「IT関連知識」が加わります。
資格はなくても就職できますが、IT知識がないのであれば、以下のような資格を取得して勉強してみるという方法もあります。
- 基本情報技術者
- 応用情報技術者
また、IT業界の営業は、ITやシステムの専門的な知識だけでなく、コミュニケーション能力やwebマーケティングの重要性も理解しておく必要があります。
なぜなら、消費者の動向を理解し市場で何が注目されているのかトレンドを把握しておかないと、たとえ素晴らしい商品やサービスであっても売り込めないからです。
IT業界の営業に転職を考えているのであれば、最低限でもSNSの活用方法やアクセス解析ツールの活用方法を習得しておくことをおすすめします。
未経験からなるには?
未経験からIT営業を目指す場合は、企業によって異なる「求められるスキル」を正確に把握する必要があります。
例えば技術系に強い営業を求めている企業であれば、上述した資格取得の勉強などがプラスに働くこともあるでしょう。
SIer企業の他職種からのキャリアチェンジの場合、同じSIer系の企業を選ぶことで即戦力として活躍できる可能性もあるのです。
仮にIT業界未経験であったとしても、無形商材の営業経験があれば積極的にアピールしましょう。
未経験からでも目指しやすいIT営業の求人案件は、Webサイトやコンテンツ制作、Web広告などに多い傾向です。
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IT営業未経験でも適性がある人の特徴
問題解決能力がある
IT営業には冷静で迅速な判断が求められる場面があります。
経験によって身につくものではあるものの、物事に動じない、判断スピードが速い、自ら課題を解決する思考を持っているという人はIT営業職に向いていると言えるでしょう。
IT技術に興味・関心が深い
IT技術は常に刷新されているため、興味を持って日頃からキャッチアップを行う癖がついている人はIT営業での活躍が期待できます。
未経験であればなおさら、より多くの知識を身につけることに積極的な姿勢は欠かせません。
モラルを重視できる
プロジェクトのマネジメント部分も担ったり進捗を管理する場合、正確性や期限を守れるモラルが求められます。
クライアントはもちろん、自社内でも様々な人と関わる仕事ですので、他職種の重要さも理解し感謝を忘れない気持ちも大事です。
コミュニケーションが好き
仕事を円滑に進めるうえでコミュニケーションスキルは必須です。
顧客の課題解決のために寄り添い、目線を合わせる共感力が備わっている人は適性があります。
また、直接感謝してもらえるポジションでもあるため、人の役に立つ実感や感謝の言葉がモチベーションにつながる人は社内外から重宝されるでしょう。
IT営業のやりがいを原動力にできる
IT営業の大きなやりがいは、ITに関する知識や無形商材の営業スキルを磨けることです。
有形商材と異なり、目に見えず触れることができない商品を扱うことによって、提案力や顧客に寄り添う力を高めることができます。
成果を上げれば報酬に反映されやすい点も大きな魅力です。
発展が続くIT業界ではAIやIoTといった最新技術による革新が続いているため、特に新しい技術は社会貢献度を直接感じる機会も多く、業界の発展への貢献を実感しやすいと言えるでしょう。
こういったIT営業ならではのやりがいを原動力としてステップアップを目指せると感じられる人は、活躍が期待できます。
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転職エージェントに相談して、IT営業に転職しよう
変化が著しいIT業界がゆえ、営業手法や対象となる商品やサービスも変容しつつあります。
大手企業が独占しているケースが多い傾向もありますが、代理店販売をしている中小企業などもあるので挑戦できる可能性は大いにあります。
経験を積んで大手グローバル企業に転職するなど、将来的なキャリアプランも視野に入れて職種選びをしてみてはいかがでしょうか。
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