組み込みエンジニアは未経験でも目指せる?必要なスキルや転職手順を解説
組み込みエンジニアは専門的な知識が必要とされるため、「未経験からの転職は難しそう」「未経験から転職する道はあるのか」と思う方もいますよね。
ですがIoTの登場もあり、組み込みエンジニアの需要は高まっており、正しくステップを踏めば未経験でも転職できる可能性があります。本記事では未経験から組み込みエンジニアに転職するために、必要なスキルや手順を解説していきます。
目次
組み込みエンジニアに向いている人の特徴
組み込みエンジニアにも性格的に向き・不向きがあります。
ここでは組み込みエンジニアに向いている人の特徴を紹介します。
モノ作りが好きな人
小さい頃からプラモデルを組み立てたり工作したりするのが好きな人は、組み込みエンジニアに向いています。
また、目の前にあるモノがどのように作られ、どのように動いているのか興味を持てる人も向いています。
組み込みエンジニアはモノ作りのプロフェッショナルです。
自分が開発したシステムを搭載したモノが人々の生活に役立つことに大きなやりがいを感じるでしょう。
論理的思考が得意
組み込みシステムの開発中に原因不明のエラーが生じることは日常茶飯事です。
その度に原因を根気よく探し出して解決しなければならないのですが、そのためには論理的思考力が必要になります。
論理的に考えて課題解決することが好きな人も組み込みエンジニアに向いている性格といえるでしょう。
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未経験者が組み込みエンジニアになるための勉強方法
組み込みエンジニアに必要な開発経験は実務でしか勉強できませんが、必要なプログラミング言語は転職前でも勉強できます。
勉強する方法は以下の3つです。
1.書籍で勉強する
2.学習サイトを利用する
3.プログラミングスクールに通う
書籍で勉強するなら、以下の本がおすすめです。
・これだけ!組み込みシステム
・組み込みエンジニアの教科書
・組込み現場の「C」プログラミング基礎からわかる徹底入門
またProgateやドットインストールなど無料で学べるオンライン学習サイトもあります。
最近ではYouTubeで学びたいプログラミング言語名を検索すれば、基礎を教えてくれる動画がたくさん出ています。
これらを効率的に活用すると良いでしょう。
最短ルートでC言語とC++を身につけたいならプログラミングスクールに通うことです。
C言語やC++はプログラミング言語の中でも難易度が高い言語なので、プロから体系的に学ぶ方が早く習得できるでしょう。
スクールには実際にマイクロコンピュータを使用して組み込み開発を経験できるコースなどもあります。
転職前に組み込み開発を経験しておきたい人にもおすすめです。
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組み込みエンジニアに未経験から転職する方法
未経験から組み込みエンジニアに転職するのはハードルが高いですが、地道に努力して正しいステップを踏めば可能です。
C言語とC++の基礎を身につける
組み込みエンジニアになるには現場で開発経験を積むしかないため、未経験者が即戦力として活躍するのは難しい職種です。
しかし、未経験OKの求人はたくさん出ていますので転職は可能です。
まずC言語とC++の基礎を身につけましょう。
この2つの基礎知識がある、もしくはこれらの言語を使った開発経験があれば、未経験者の転職には有利になります。
組み込みエンジニアを募集する企業の中には、C言語さえ書ければ開発経験は問わないという企業もあります。
最低でもC言語はマスターしておきたいところでしょう。
資格を取る
次のステップとして転職に有利な資格を取るのも1つです。
資格は転職に有利にならないと考える人も多いですが、資格は何もスキルを証明するためだけのものではありません。
未経験者の場合、資格を取得した意欲やチャレンジ精神を評価してくれるものです。
組み込みエンジニアの転職に役立つ資格には、ETEC(Embedded Technology Engineer Certification)があります。
ETECは一般社団法人組込みシステム技術協会が認定する「組込み技術者試験制度」と呼ばれる資格試験です。
初級~中級者向けの内容となっており、中級者向けのクラス1(ミドルクラス)と初心者向けのクラス2(エントリクラス)があります。
転職準備としてはクラス2の受験がおすすめです。
ITエンジニアの経験を積む
組み込みエンジニアの仕事には、他エンジニア職のスキルや経験でも役立つものがあります。
そのため、他のITエンジニアとして経験を積んでからキャリアチェンジすることも可能です。
先述したようなハードウェア・ソフトウェアの知識やプログラミング言語の経験がある場合は活かすことができます。
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組み込みエンジニアとは?
組み込みエンジニアとは、機械を動かす・制御するシステムを機械そのものに組み込むエンジニアのことです。
自動販売機を例に考えてみましょう。
ボタンを押せば商品が出てきますし、商品が売り切れであれば「売り切れランプ」が点灯したり「売り切れの文字」が表示されます。
150円の商品を1,000円札で購入した場合、レバーを捻れば850円のお釣りが出てきます。
これらは自動販売機が自ら考えて行っていることではありません。
機械が特定の状況で動いたり動きを止めたりするのは、全て機械に組み込まれたシステムによるものなのです。
そのシステムを開発して機械に組み込むのが組み込みエンジニアです。
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組み込みエンジニアに必要なスキル
組み込みエンジニアは専門性の高い職種なので、求められるスキルもレベルの高いものになります。
組み込み系のプログラミング言語
組み込みエンジニアの仕事で使うプログラミング言語には以下のようなものがあります。
・C++
・C言語
・C#
・Java
・アセンブラ
全てを完璧に使える必要はありませんが、C言語・C++・アセンブラは使いこなす必要があるでしょう。
C言語やC++は処理速度が早くシンプルで互換性の高い言語なので、組み込み開発にはメインで使われます。
アセンブラは機械の制御を行うシステムの組み込みで使われるもので、プログラムした言語を機械が理解できるように翻訳する役割です。
C言語なら1行で書けるようなものを数行に渡って書かなければならないほど複雑な言語なので、アセンブラの難易度は高めです。
細かい動きのプログラムが可能なので習得しておいた方が良いでしょう。
OSの知識
組み込み系の開発に使われるOSの知識も必須になります。
OSといえばWindowsやMac OS、Androidなどを連想すると思いますが、組み込み系のOSは全く違うものを使います。
・TRON
・T-Kernel
・VxWorks
・OSEK
・Rt-Linux
主に使われるのはTRONで、小惑星探査機「はやぶさ2」の制御システムに使われるなど世界中で高いシェアを誇っているOSです。
OSを使っての開発経験は現場でしか経験できませんので、未経験者は一般のOSと組み込み系OSの違いを頭に入れておきましょう。
英語力
「組み込みエンジニアに英語が必要?」と疑問に思うかもしれませんが、一流の組み込みエンジニアになりたいなら英語力は必要です。
組み込みに使用する部品の中には海外から仕入れるものもあります。
ドライバのインストール方法などは説明文が英語で書いてある場合も多いので、英語の読解力があったほうが仕事がスムーズに進むでしょう。
また、開発業務の一部を人件費の安い発展途上国にアウトソーシングしている企業も増えています。
そのような企業では、海外の人たちと仕事する上でも英語のコミュニケーション能力が必要になってくるでしょう。
また、自分に向いている仕事や働き方を知りたい方は、以下のボタンから仕事タイプ診断をしてみることもおすすめです。
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組み込みエンジニアの仕事内容
それでは、組み込みエンジニアの具体的な仕事内容を見ていきましょう。
搭載する機能の検討
組み込みエンジニアの最初の仕事は、その機械にどのような機能を搭載するか検討するところから始まります。
実際にその機能を搭載可能か、その機能は競合他社に比べて優位性があるか、市場性なども含めて機能を決定していきます。
コスト面も考慮して検討するので、この段階で組み込みエンジニアが見積もりを作成する場合もあります。
システム設計
搭載機能が決まればシステムの設計に入ります。
システム設計では「どんなソフトウェアとハードウェアが必要になるか」を洗い出します。
たとえば、DVDレコーダーが機能を果たすために必要なインターフェースはテレビ・ハードディスク・スマホ・タブレットなどです。
「テレビはHDMI端子」「スマホやタブレットは無線LAN」「ハードディスクはSATA端子」というようにハードウェアを決定します。
同時にOSの決定もしていきます。
同じくDVDレコーダーの例であれば、録画した映像の制御にメニュー画面が必要になることが分かるでしょう。
「メニュー画面を作りやすいOS」や「OSを動かすのに必要なCPU」を決定していくのもこの段階です。
ハードウェアやソフトウェアの設計
HDMI・SATA・無線LANなど選んだハードウェアの規格に対して最適な部品の構成を決めていきます。
ソフトウェアに関しては、部品構成が決まったら部品同士を接続するための電子回路図や基盤の設計をします。
同時にハードウェアを管理・制御するドライバの開発を行います。
実装
回路図をベースに基盤の制作・部品の実装を行いますが、ここは組み込みエンジニアの仕事ではない場合が多いでしょう。
組み込みエンジニアの主な仕事はソフトウェアの開発なので、プログラムの関数の実装を行います。
実装が完了すると部品が搭載された基板の完成です。
適切な接続がなされているか確認し、問題なければ基板に電源を入れることになります。
プログラミング・テスト
プログラミングが終わると、ソフトウェアを基盤に流し込んで評価を行うクロスデバッグや機能性・安全性をテストします。
駆け出しの組み込みエンジニアが担当することが多い業務で、このテスターを募集している企業もあります。
未経験者の場合、テスターやデバッガーから組み込みエンジニアのキャリアをスタートさせるのも1つの手でしょう。
テストが最終段階になると、温度・湿度などを実際の使用環境と同じにして耐久性のテストを行います。
異常がなければ組み込みエンジニアの作業終了となります。
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組み込みエンジニアの仕事の領域
組み込みエンジニアはシステムを組み込む機械の種類や規模によって仕事の領域が分かれます。
自分がどの領域の組み込みエンジニアになりたいかを考慮して転職先を選びましょう。
小型機器型組み込みエンジニア
小さな家電製品やスマートフォンなど小型の機器に搭載するシステムを開発するのが、小型機器型組み込みエンジニアです。
たとえば、スマートフォンが明るい場所で画面が明るくなり、暗い場所では画面が暗くなるのも組み込みエンジニアが作るシステムです。
小型機器型組み込みエンジニアは、このような画面の表示や温度制御に関する仕事が多いといえます。
対象製品の種類や規格が多いので幅広い知識が必要になります。
通信型組み込みエンジニア
自宅やオフィス、その他の公共施設で使用されるインターネットにシステムを組み込むのが通信型組み込みエンジニアです。
通信速度高速化のためのシステム開発を行い、仕事には正確さとスピードが求められます。
プラント型組み込みエンジニア
発電所や工場など大規模な施設を動かすためのシステム開発が、プラント系組み込みエンジニアの仕事です。
産業ロボットにも搭載されるようなシステムを作るので、汎用性の高いシステムを開発する能力が求められます。
組み込みエンジニアが活躍する業種
上記のような組み込みエンジニアが活躍しているのが、家電業界や産業機械業界、そして情報・通信機業界
です。
また近年拡大傾向にあり盛り上がりを見せているゲーム業界でも組み込みエンジニアは需要が高まっています。
機能を制御するシステムの組み込みが仕事なので、幅広い業種で活躍が可能なのです。
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組み込みエンジニアの将来性
組み込みエンジニアはインターネットが普及する前から存在する職種です。
身の回りの家電製品や自動ドア・エレベーターなど、組み込みエンジニアがいなければ実現していないモノがたくさんあります。
そこにインターネットが普及したことで様々な機能を必要とする機器が登場し、組み込みエンジニアの需要は高まってきました。
しかし、その需要の高まりに対して供給が追いついていないのが組み込みエンジニア業界です。
常に人手不足のため未経験OKの求人も多く出されています。
そして、IoT(Internet of Things)の登場により、組み込みエンジニアの将来はさらに明るくなったといえます。
IoTとは「モノをインターネット化するテクノロジー」のことで、たとえば自宅の鍵をオンライン経由で施錠・解錠することなどです。
そうなると、自宅の鍵のようにテクノロジーは必要ないと思われていた業界でも組み込みエンジニアの力が必要になります。
このIoTは今後さらに成長する分野だといわれていますので、組み込みエンジニアの活躍の場はますます広がるでしょう。
市場価値を高める方法は?
社会貢献が実感できる組み込みエンジニアはやりがいのある仕事です。
「自分が設定した通りに機器が動作する」というのはプログラミングの本質的な面白さと言うこともできます。
その一方で、組み込みエンジニアの仕事は業務が固定化しがちである点がデメリットとして捉えられることがあります。
働きながら市場価値を高めるためには、ソフトウェアだけでなくハードウェアの知識も身につけるなど常に広い視点で業務に携わるよう意識することが大事です。
高い品質水準が求められ、納期も非常にシビアな組み込みエンジニアの仕事ですので、視野を広げることはIT業界での市場価値を高めることにもつながるでしょう。
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組み込みエンジニアは他のエンジニアに比べて平均年収が100万円ほど高く、マネジメント職でもないのに800万円を超える求人もあります。
それは、組み込みエンジニアに求められる知識が膨大で専門性も高いからでしょう。
また、組み込みエンジニアが携わる仕事の中には国や大手メーカーが手がける大規模案件もあります。
大きなプロジェクトの成功を通して社会貢献することはエンジニア冥利に尽きるでしょう。
自己研鑽をしていれば、未経験からの組み込みエンジニアへの転職は成功に近づきます。
IT業界への転職を目指すなら、年収も高くやりがいもある組み込みエンジニアへの転職を検討してみてはいかがでしょうか。
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