社内SEが「勝ち組」と言われる6つの理由|転職が難しい理由も解説
社内SEは「勝ち組」と言われることがあり転職先として人気ですが、転職するために具体的にどのような準備が必要なのでしょうか。今回は社内SEに転職する前に知っておきたい、人気の理由、転職難易度や適性、経験値ごとのキャリアプランについても解説します。
目次
社内SEが「勝ち組」と言われる6つの理由
納期の融通が利き、ワークライフバランスを実現しやすい
社内SEが勝ち組と言われる大きな理由のひとつが、SIerなど他のSEと比べて残業時間が少ないなど、ワークライフバランスが取りやすいとされている点です。
自社システムに関連する業務を行うことが多いために納期の融通が利きやすく、時間的裁量があることで負担が少ないと考えられています。
上流工程のスキルや経験が身につく
社内SEの業務には、開発工程の初期段階にあたる上流工程が含まれます。
要望や課題をヒアリングしてシステム設計につなげることや、外注先の選定時にRFPを作成、また契約手続きや下流工程の調整も社内SEの仕事です。
このように、開発以外の業務に携わる機会が多く上流工程の経験が積めるため、社内SEは勝ち組と言われることがあります。
場合によっては下流工程のみに従事する可能性もあるSESエンジニアとよく比較される点の1つです。
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社内の人がユーザー(お客様)になるのでプレッシャーが少ない
社内SEにとってユーザーは社内の従業員です。
例えばSIerは、プロジェクトごとにさまざまな企業の人材とクライアント企業で開発業務を行います。
社風や理念、方針に共感して入社した会社に身を置いて働きたい人にとっては、他社のオフィスで他社の方と業務に携わることで、大きなプレッシャーを感じてしまう可能性があります。
また、社内SEの環境は、帰属意識を持って働けるため、やりがいにもつながりやすいといえます。
エンジニアとしてビジネスに貢献していることを感じやすい
社内SEが携わる上流工程の開発は、プロジェクトの方向性を決定する重要なフェーズであるため、自分の仕事が会社のビジネスに貢献できていることを感じやすくなるでしょう。
上流工程に携わる以外にも、社内のPCやツール、ネットワークトラブルなどに対応するのも社内SEの仕事です。
ヘルプデスクとして他部署との交流が増えたり直接感謝される機会が多く、達成感を得られるタイミングも多いでしょう。
年収が比較的高い
一般的に、IT環境に関する深い知識と高いスキルが求められることから社内SEの年収は高い傾向にあります。
SEの年収は職種や企業規模、携わる案件などで大きく変わるものですが、そのなかで社内SEの年収は高い水準です。
比較的裁量があるため好きなツールや環境でトライアルできる
現場ごとにツールや環境が決められているSIerの仕事と違い、社内SEは環境づくりから任せられるため、新しいツールや自身で最適だと判断した環境を選択してトライアルできる点に、やりがいを感じられる人も多いでしょう。
裁量を持って自分の意思をそのまま仕事に反映させられるため、モチベーションをコントロールしやすいことも社内SEが勝ち組と言われる理由のひとつです。
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社内SEが「勝ち組」と言われても大変なこともある
ひとり情シスになった場合負担が多くなることも
もちろん社内SEの仕事はメリットばかりではなく、いわゆる「ひとり情シス」状態になった場合、大きな負担がのしかかることになります。
「ひとり情シス」とはシステム管理・運用を1人でしなくてはならない状態を指し、企業のシステム全体を管理することが求められます。
そのため、負担の多さから離職につながってしまうケースがあるのです。
企業にとってはIT環境の知識とスキルのレベルが高い人材の確保が困難であり、人員を増加させることができずに社内SEが離職してしまうことが課題です。
社内SEにとっては、企業がIT環境や技術に対する理解が不足していると感じることもあるでしょう。
「ひとり情シス」は、このように問題点が多いと言われています。
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人数が少なければ業務範囲も広い
例えひとり情シスでなかったとしても、人数が少なければその分業務範囲は広くなり、企業が新たな人員を確保できなければその状態が続いてしまうことになります。
また企業が管理するシステムは1つではないため、複数のシステムを管理し、そのうえトラブルが発生した際は通常業務に加えて対応にも迫られます。
作業の複雑さや時間などの負担を考えても、十分な人員がいなければその分重荷になってしまうでしょう。
管理業務が多くなりスキルアップが難しくなることも
社内SE1人ひとりの管理業務が多いほど、日々の通常業務に追われスキルアップの機会も奪われてしまいます。
冒頭で述べたように、上流工程の経験を積んでスキルを身に付ける機会が多いことは社内SEのメリットですが、その一方で、社内SEは手を動かして開発を行うことがほぼないため、技術面でのスキルアップの機会は多くありません。
通常業務が増えてしまうと、スキルアップの余裕がなくなりチャンスを逃してしまう可能性があるのです。
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社内SEに転職する前に知っておくべきこと
社内SEの求人は倍率が高い傾向にある
高い知識とスキルを求められることもあり、他のエンジニア職と比較して社内SEの求人は少ないです。
社内SEの求人数に対し希望者が多いことから競争倍率が比較的高くなる傾向があり、未経験者に限らず経験者であっても、年次に伴い転職難易度は変動しています。
社内SEへの転職を希望する場合、志望する企業が求めるスキルセットや人物像を正確に把握しましょう。
エンジニアとして技術的なスキルを使う機会が少ない
自社システムの提案や保守運用業務、ヘルプデスクとしての問い合わせ対応などの業務に追われるため、社内SEが開発業務に携わる機会はほとんどありません。
技術職からキャリアアップの目的で転身した方にとっては、物足りなさや技術職から離れる焦りを感じることも多いでしょう。
日常的に開発業務に携わらないからといってエンジニアとしてのスキルを磨くことを怠ってしまうと、その後のキャリア形成に影響してしまう可能性がありますので、注意が必要です。
エンジニアとしてスキルを磨き続けないと技術職への転職が難しい
社内SEは日々の業務を通して技術的なスキルを磨く機会が少ないからこそ、自主的な自己研鑽が求められます。
特に技術職へキャリアチェンジを考える場合は、プログラミング言語のスキルやクラウドサービスの知識、セキュリティの最新情報など積極的にキャッチアップを続けましょう。
Web上の情報やオンライン講座、書籍、技術者同士のコミュニティで行われる勉強会に参加するなど、自分に合った方法や情報源を複数見つけておくのがおすすめです。
「便利屋」のように感じてしまうことも
社内ではネットワーク関連の問い合わせ以外にも、事務作業などが依頼されることもあり、社内SEとしてイメージしていた以外の業務が増えることで「便利屋」のように感じてしまうこともあるかもしれません。
また企業によっては社内SEは収益を生み出さないものとみなされ、昇進や給与アップの対象外として扱われてしまうケースもあるようです。
自分のモチベーション維持やその後のキャリア形成のためにも、組織に貢献する業務へ自主的に参加する、自己研鑽を続ける、知識の専門性を高めるといった取り組みを続けるとよいでしょう。
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社内SEの転職の難易度
社内SEの転職の難易度は高い傾向にある
社内SEとして、一般的なエンジニア職と比較してさらに深い業界知識や企業への理解が必須であるため、エンジニア経験者であっても社内SEへの転職難易度は高い傾向にあります。
さらに中途採用では豊富な経験と知識が求められることもあるため、未経験者は習得が必要なスキルをしっかり確認しておきましょう。
社内SEとシステムエンジニアを兼任する企業もあり、業務内容の線引きが曖昧なことで、始めはエンジニアとして技術的な業務を任せられるケースも考えられます。
また、企業によっては将来的に社内SEとして業務対応してもらう予定で、ヘルプデスクとして募集していることもあります。
特に未経験者は、まず希望に沿った仕事内容かどうかを転職エージェントで相談するのもひとつの方法です。
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社内SEに向いていて転職しやすい人の特徴
マルチタスクが得意
社内SEの業務範囲は幅広く、そのうえ同時進行です。
例えばシステム開発のマネジメント管理を担当しながらヘルプデスク業務を行い、突発的なトラブルへの対応も求められることもあります。
マルチタスクが得意で全体を俯瞰して見ることができるタイプの人が向いているでしょう。
ITの知識のみに特化しているよりも、視野が広く幅広い業務に積極的に取り組み、対応しながら経験値を積むことができるオールラウンダータイプが活躍できる仕事です。
エンジニアとして課題解決力が高い
幅広い業務に対応するからこそ、多様な課題に対峙することが求められます。
自身で対処する方法を生みだすために必要なのは、システムの仕様を把握できる自社やIT技術への深い理解や、プロセスごとの適切な判断力です。
エンジニアとしていかに場数を踏んできたかが問われる場面も多く、関係各所に協力を仰ぐ場合にはロジカルに説明する能力も不可欠です。
論理的な考え方と説明する力を備えた課題解決力があれば、社内SEとして活躍できます。
コミュニケーション能力が高い
社内SEには、コミュニケーション能力が必須です。
自社内でも他部署との関わりが強く、またベンダー企業の担当者ともやり取りが発生するため、率先して人間関係を構築するのが得意な人は社内SEの適性があると言えるでしょう。
効率的に複数の業務を進めるために、日頃からの社内対応で身に付けた対人スキルが活かされます。
ITに関して日々知識をインプットしている
IT技術の情報は日々更新されており、扱える技術や知識が古いと与えられた裁量を活かしきれないだけでなく、社内システムを危険に陥れる可能性もあるため、社内SEは常にアンテナを張って情報収集することが求められます。
自身で手を動かして開発する機会は少ないものの、技術に関する知識は不可欠です。
ITの基礎知識は身に付けたうえで、社内SEとして転職後も自主的に学習を続けましょう。
エンジニアとして転職に役立つスキル・資格を取得している
幅広い知識が求められる社内SEの仕事には、以下のような役立つ資格があります。
・基本情報技術者試験
・応用情報処理技術者試験
・ITパスポート
・プロジェクトマネージャー試験
これらの資格を取得しておくことで、社内SEとして転職する時だけでなく、社内でのキャリアアップに役立つこともあるでしょう。
近年ではAIやセキュリティ、クラウドの知識がより重要とされる傾向にあるため、関連資格の取得もおすすめです。
すでに資格を取得している方はもちろん、取得に向けて勉強を始めている場合は適性があるとみなされる可能性が高いため、面接時にアピール材料にできます。
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社内SEになるためのキャリアプラン
エンジニアとしての開発経験がある場合
開発業務に携わった経験がある場合は、LANに関するネットワークスキルなどのプログラミングスキル以外の必須能力を磨くとよいでしょう。
社内ネットワークを把握するためには、TCP/IPのネットワーク機器の仕組みを理解する必要であり、自社でサーバーを管理しているのであればサーバースキルも求められます。
上流工程の経験がない場合は、折衝力や交渉力、戦略立案のスキルなどを優先して身に付けるようにしましょう。
また、ベンダー企業に開発を依頼するケースでは、社内SEは管理する立場を担います。
この時、ITに関する知識や判断力、課題解決力を基に判断し、調整を行うことをベンダーコントロールといいます。
開発経験者は、サーバー・ネットワークスキル、上流工程のスキル、ベンダーコントロールスキルを身に付けることで社内SEへのキャリアアップ実現が近づきます。
エンジニアとしての経験が浅い、未経験の場合
エンジニアとしての経験値に不安がある方は、IT全般の知識を広く身に付けるのが優先です。
情報システムについて、ビジネスでのIT活用についてなど、ITの活用が企業の経営にどのようなメリットをもたらすのかを理解することが必須だといえます。
プログラミングスキルやシステム開発手法に関しては、自社開発、外部発注いずれの場合も業務において不可欠な知識であり、社内SEになるためには作業工程や設計書について、テストの手法など、開発プロセスを体系的に学ぶ必要があります。
多数のプロジェクト関係者の間で調整する役割を担うためのコミュニケーションスキルも意識して磨けるとよいでしょう。
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社内SEを目指すならIT業界に特化した転職のプロに相談しよう
IT職のなかでも人気があり、年収水準も高いことから「勝ち組」といわれることの多い社内SEについて解説しました。
社内SEの職に就き活躍するためには、理解しておくべきポイントがいくつかあります。
本当に「勝ち組」として功績をのこすためには、自身のスキルレベルに合ったキャリアプランで社内SEを目指すようにしましょう。
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