IT業界の将来性を解説!現状の課題と転職者に求められる能力とは?有望な職種や未経験者の活躍の場も紹介
IT業界は課題を抱えつつも将来性の高い業界です。しかも、近年は人材が不足していることから未経験可の求人も増えているようです。今回はそんなIT業界について将来性が高い理由と、有望な職種、求められる能力、未経験者ならではの転職方法について解説していきます。
目次
IT業界の基礎を抑えよう
IT業界への転職を考える前に、そもそもIT業界はどのような状況にあるのでしょうか。
まずはIT業界の基礎について解説していきます。
国内の市場規模
結論から述べるとIT業界の市場規模は大きく、堅調に成長している分野になります。
投資額ベースでは13兆6,400億円(2022年時点・前年から2.3%増)、支出額ベースでは27兆2682億円(2022年時点・前年から5.4%増)の規模とされています。
参考までにアップルの時価総額が2022年5月30日時点で約24兆円なので、支出額ベースではでアップルを買い取れる金額です。
平均年収
IT業界での給与は他業界と比べると比較的に高い傾向があり、2022年時点では一般的な会社員の平均年収が400万円台であるのに対し、IT業界に勤めている場合は427万円です。
さらに年代によって次のように推移している事も分かりました。
- 20歳~24歳:307万円
- 25歳~29歳:373万円
- 30歳~34歳:449万円
- 35歳~39歳:528万円
IT業界は複数スキルを兼ねる職種については年収が高い傾向にあります。
また、2022年の正社員の初年度平均年収は454.7万円で、職種別では「ITエンジニア」が555万円でトップとなっています。
その差は約約100万円にものぼり、月割りすると平均月収の差は8万円前後です。
このように差ができる背景に、IT業界では必要とされる専門的なスキルが多いことなどが挙げられます。
参考:マイナビ『ITエンジニアの平均年収 ランキング!1~5位を発表』
IT業界の従事者数
IT業界の従事者となるIT人材は右肩上がりの増加傾向を見せています。
2015年に99万人台に乗せると、翌年には100万人を突破しました。
2022年現在は108万人程度で、後述しますがIT業界は将来性の高さから今後も増加が予想されています。
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IT業界の抱える課題
前項でIT業界の将来性に関する言及がありましたが、課題がないわけではありません。
IT業界の将来性について解説する前に、まずは現状で抱えている課題について解説していきます。
人材が不足している
IT人材は実は足りていない状況です。
経済産業省によると、IT人材(ITを利活用できるまたはITを活用できる人材)の需要は2030年には164万人に達し、その不足は79万人に拡大するとの見通しもでています。
売り手市場と捉えることもできますが、足りない故に供給が追いつかないというのは考え物です。
ただし、先述したようにIT人材は増加傾向にあるのでその点について悲観視する必要はありません。
新型コロナウィルスの影響
新型コロナウィルスの世界的な流行でIT業界も影響を受けています。しかも、その影響は実は極めて強いものでした。
ウィズコロナに対応できる分野(ネット通販や動画配信など)は収益は確かに増加しました。
しかし、SESなどの分野や、フリーランスなどの小規模事業者が打撃を受け、二極化の進展が見られます。
広告モデルへの依存度の高いITサービスの苦戦
メディア事業に着目すると、ユーザー数やページの閲覧数は増加傾向にあるものの、増益には必ずしも繋がっていません。
その理由は広告単価が下落しているからです。特にレジャー業界や飲食店などのように新型コロナウィルスの影響を強く受けた広告主を中心に広告費の削減が見られました。
そのため、広告の配信枠が広がりながら配信される広告単価が落ちる状況ができています。
このように、広告モデルへの依存度が高いITサービスは苦難の時代にあります。
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IT業界の将来が明るい理由
課題も見られたIT業界の現状ですが、将来性について心配する必要はないようです。
むしろ、IT業界の将来は明るいとすら言われますが、その理由について説明していきます。
ITは必要不可欠
例えば調べ物をするとき、今ではインターネットを介して行うことが殆どです。また、電車などを利用する際に使うICカードもIT技術の賜物といえます。
このように、現代の生活はIT抜きで成り立たなくなっているのです。
今後の社会も同様にIT無しで成立することはないといっても過言ではないでしょう。つまり、ITは必要不可欠なインフラとなっているのです。
各業界での人手不足とAI
IT業界で実は人材が足りていないと先述しましたが、それは他業界においても同様のことがいえます。理由は少子高齢化です。
深刻化しつつある人材不足を克服するための策として注目を集めているのがIT技術です。具体的にはIT技術の導入による業務の効率化、さらには自動化を図るなどといったことが挙げられます。
子どものIT教育に国が力を入れている
2000年代にアメリカで始まったSTEM教育は、すでに多くの国に広がりを見せています。
STEMとは
- Science(化学)
- Technology(技術)
- Engineering(工学)
- Mathematics(数学)
これら4つの教育分野の頭文字をとったものです。
化学・技術・工学・数学はIT技術ととても関連の深い学問なので、国際的に活躍できるSTEM人材を生み出そうという取り組みだという事が分かります。
こういった教育に力を入れようとする動きの背景には、やはり世界的なIT社会の発展と人材不足が考えられているのだと言えます。
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今後予測されるIT業界の潮流
将来性が高いと分かったIT業界ですが、今後はどのような潮流を見せるのでしょうか。
今後見られるであろうIT業界の動きについて例を3点紹介していきます。
巣ごもり需要に対応したITサービスの成長
コロナ禍での外出制限などで、2020年はいわゆる巣ごもり需要が爆発的に増加した年となりました。
ワクチン開発は始まってはいるものの、実用化の目処が立っていないため、巣ごもり需要は落ちないと考えられます。
つまり、ワクチンが実用化され、事態が収束するまではいわゆる「新しい生活様式」に適したサービスの提供が鍵になります。
この際に需要が拡大するITサービスはネット通販や動画配信などといったものです。
キャッシュレスの進展
日本はキャッシュレスの分野においては後進国ですが、これから成長が見込まれている分野でもあります。
中でも特に注目されているのが非接触型のものです。海外では中国などのように非接触決済の普及度が高い国も増えており、実は新型コロナウィルスの感染対策としても注目されています。
また、旅行先を決める際に非接触決済の普及を重視すると答える人が増えている程です。そのため、今後、インバウンド需要が復活した際には心強いツールとなります。
バーチャル技術の進展
近年ではVR(Virtual Reality)に代表されるように、バーチャル技術の発展が目覚ましいです。
コロナ禍では池袋国際空港に代表されるように、バーチャル旅行が注目を集めました。
また、現在ではアメリカのSpatial社がヘッドセット無しでVR空間でミーティングに参加できるサービスの提供を試みています。
将来的にはバーチャルと現実が区別できないようなXR(没入型エクスペリエンス)技術が発展すると見込まれています。
ビジネス版仮想空間の普及
アバターを使ったオンラインの仮想空間メタバースも普及が進んでいます。
リモートワークが浸透した事で、メタバース上で会議をひらく、社員同士で業務外のコミュニケーションをとる、バーチャルライブをひらくといった活用はすでに広まっているのです。
もう一つの「現実」として生活を送る、近未来のコミュニケーションとして期待されています。
ブロックチェーン技術の活用
暗号通貨ビットコインの公開取引台帳として発明されたブロックチェーンは、当局や中央サーバーを介さずに当事者間だけで取引ができるため、設計上安全な分散型台帳として利用されています。
その仕組みからビジネスへの応用も始まっており、2021年頃から盛り上がりを見せているのがNFT(Non-Fungible Token)やWeb3(Web3.0)です。
NFTはブロックチェーン技術を活用した非代替性(代替不可能な)トークンの事で、画像・動画・音声などに資産価値を生み出します。
ブロックチェーンを基盤としたインターネットの概念Web3は、権力分散型のインターネットとしてその進化に注目が集まっています。
5Gの実装
2020年3月に商用化された5Gは、「第5世代移動通信システム」のことで、「高速大容量」「高信頼・低遅延通信」「多数同時接続」という3つの特徴があります。
直近では、携帯電話事業者による全国向けサービスとは別に、「農業分野」「インフラ・建設分野」「安心安全分野」「モビリティ分野」などを中心に、個別のニーズに応じたローカル5Gを推進しています。
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望まれる能力
ここからはいよいよ転職にも関係してくるトピックに入ります。
IT業界に転職する上で求められる能力について紹介していきます。
ITに関する基礎知識
未経験ではあっても、ITに関する基礎知識だけでも持っておくことを推奨します。
理由としては転職する際に意気込みを伝えるためのポイントになるからです。
ITに関する基礎知識を持っていることを証明する上で有効なのが資格の取得です。
全くの未経験であればまずはITパスポートの取得を目指しましょう。ITパスポートはITに関する基本を学べるもので、試験も月1回と頻度が多いです。
プログラミング
プログラミングができると大変心強いアピール材料になります。
何故ならプログラミングスキルのある人材は事業の効率化などに欠かせない即戦力となるからです。
また、近年では初等教育からプログラミングの科目を導入しようという動きもある程です。
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注目の職種
先述した通りですが、IT業界は将来性が高い業界です。
その中でも特に将来性や安定性において有望な職種を5種類まとめましたので紹介していきます。
AI関連
AIは今後のIT技術の発展のためにも欠かすことのできないIT技術となっています。
現状でも検索エンジンやお掃除ロボット、音声アシスタント機能など、身近なところでAI技術が使われています。
今後は業務の効率化や自動化などといった場面での活用が増えることが見込まれており、人材はさらに必要となるでしょう。
IoT関連
前半でも言及したIoT(Internet of Things)ですが、まずはそれが何なのか復習しましょう。
IoTとはインターネットに接続されたコンピューター以外のモノのことを指す用語で、直訳するとモノのインターネットです。
例えば自動車とスマホを連携させてカーナビ機能を持たせるのはその一例です。
IoT技術は幅広い業界で重宝されており、なんと農業分野でも人材不足の克服と効率化の促進のために導入する動きがあります。そのため、今後IoTの需要はさらに拡大することが見込まれています。
セキュリティ関連
インターネットの発展に伴って情報管理も電子による管理が主流となりつつあります。また、IoT技術の発展でネットワークの接続機会も多様化、そして多頻度化しています。
それと同時に不正アクセスや情報漏洩への懸念も増大しており、そこで注力しているのがセキュリティ管理です。
今やセキュリティは決して切り離すことのできないものとなっており、今後も需要がなくなることはありません。
インフラ系
ITにおけるインフラとはネットワークやサーバーのことを指します。
これは通信をするためにも必要不可欠なものなので需要が高く、しかも安定性も強いです。
インフラ系は比較的に経験が浅い、もしくは無くても求人を見つけやすい分野ですので入門にはうってつけといえます。
web系
web系も同様にIT業界の中で安定性が強い分野の1つです。
今では殆どの企業やサービスにwebページがあり、このトレンドは今後も変わらないでしょう。
そのため、webサイトの構築やクラウドサービスなどに関する職種に目をつけるといいでしょう。
未経験者でもIT業界に転職できるのか
前項ではIT業界で将来性と安定性を踏まえて有望な職種について紹介してきました。
しかし、IT業界未経験であっても転職はできるのでしょうか。結論から述べると可能です。
未経験でもIT業界に転職するハードルは下がっている
先述したように、IT業界では需要に対して人材が足りません。
そのため、高度なスキルを持った人材だけを採用することが至難の業になりつつあります。
採用方針の転換を余儀なくされている企業も多く、雇ってから育成するスタイルにシフトしています。
つまり、IT業界で未経験可の求人が増えているということです。未経験者にとってはこれまでにないようなチャンスが巡っているということになります。
転職エージェントに相談すると求人がさらに見つけやすい
以上の事情を踏まえた上で、転職をスムーズに進めるために転職エージェントに相談してみましょう。
自力で未経験可の求人を探し続けるのは負担が大きいので、関わりたい分野を共有して求人を紹介してもらいましょう。
また、転職のプロなので、転職活動に関するあらゆるサポートをしてくれます。
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未経験であってもIT業界にチャレンジできる
今回はIT業界の将来性と求められる能力、有望な職種などを中心に紹介してきました。
未経験可の求人が増えている今、IT業界への転職のハードルは下がってきています。
IT業界に転職したいものの、未経験で何から始めればいいのか分からないのであれば、転職エージェントに相談してみましょう。そこからが転職活動のスタートです。
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