プロンプトエンジニアとは?仕事内容や資格・スキル、未経験からの転職について解説
近年ChatGPTなどのジェネレーティブAI(生成AI)が普及したこともあり、「プロンプトエンジニア」にも注目が集まっています。本記事では、今注目のプロンプトエンジニアの仕事内容や必要なスキル、キャリアパスまでIT転職のプロが解説します。
目次
プロンプトエンジニアとは
まずは、プロンプトエンジニアとは何か、年収や将来性の詳細について説明します。
「プロンプトエンジニアリング」に特化したエンジニア
プロンプトエンジニアとは、ChatGPTのようなAIが最適な答えを返すように、プロンプトと呼ばれる指示文を開発・改良する(プロンプトエンジニアリング)エンジニアです。
質問によってAIから得られた情報を評価し、何度もAIとやりとりを繰り返すことが求められます。
商品紹介やチャットボットなど、さまざまなシーンに合わせて最適なテキストを自動生成できるようにAIを調教するのが仕事です。
プロンプトエンジニアの具体的な仕事内容
主な仕事内容の1つめは、ユーザーのニーズに沿ったプロンプトの設計です。ユーザーの満足度向上を目的としサービスや消費の売上アップに貢献します。カスタマーサポートの業務軽減にも役立つ業務です。
2つめは機械学習を用いAIモデルを分析することです。あらゆるプロンプトを用いて言語モデルのテストを行う必要があります。この際、膨大なデータはもちろん、ユーザーのフィードバックも考慮します。
このようにしてプロンプトの最適化を担うのがプロンプトエンジニアの仕事です。
プロンプトの4要素
- 指示(Instruction):モデルに実行してほしいタスクの命令
- 文脈(Context):モデルの回答精度を向上するための追加の外部情報・背景
- 入力データ(Input Data):応答を求める質問・入力
- 出力形式/出力指示子(Output Indicator):出力タイプ・フォーマット
プロンプトエンジニアの年収や将来性は?
AIの安全性と研究を行うアメリカのAnthropicという機関では、年収約4,500万円でオファーがあるなど、プロンプトエンジニアは市場価値の高さが特徴です。
その理由として、AI技術の急激な進化と、それに伴う人材不足が挙げられます。
多くの企業がAI技術を活用して競争優位を築こうとする一方、専門的なスキルや資格をもつ人材の供給が追いつかず、1人あたりの単価向上につながっているのです。
2025年度のAI市場規模は、現在の2倍近い1,200億円に達すると予測されており、今後はさらにプロンプトエンジニアの需要が高まることが期待されています。
(参考:総務省「令和4年 情報通信に関する現状報告の概要」)
\ 簡単3分で適正年収が分かる! /
プロンプトエンジニアとプログラマーの違い
プロンプトエンジニアとプログラマーでは、開発の目的や使用言語に大きな違いがあります。
プロンプトエンジニアは、AIが最適な答えを返すようなプロンプトを開発する、自然言語を用いた文章作成に特化したエンジニアのこを指します。
一方でプログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書に基づいて、プログラミング言語を用いてシステムやソフトウェアを開発する人のことです。
自然言語を用いてAIに送る命令文を作成する人をプロンプトエンジニア、プログラミング言語を用いてシステムを開発する人をプログラマーと覚えておきましょう。
プロンプトエンジニアに向いている人の特徴
IT業界は数学的な知見や思考が必要とされることが多く、文系の能力よりも重視されがちです。
しかしプロンプトエンジニアの適性は言語能力に大きく影響されると言われています。
なぜなら、求められるアウトプットに適したプロンプト設計を行うためには正確な定義が重要であり、そのために必要なのは言語能力だからです。
より良い回答は、高い言語能力が導く簡潔な表現や適切な形容詞によって導かれます。
プロンプトの改善には言語で表現する力が優れた人がその力を発揮できる仕事であり、プロンプトエンジニアに向いている人は、AIの知識を保有しているだけでなく文章能力が高い人です。
自分に向いているエンジニア職種は「IT人材 仕事タイプ診断」で見つけてみよう
次のキャリアでどの職種を目指すか、マネージャーを目指すか、スペシャリストになるか悩んだり、転職したいけど自分の価値観に合う企業がわからない、次の職場選びで重視した方がいいことがわからないなど、職場選びで悩むことは多々ありますよね。
ギークリーの「IT人材 仕事タイプ診断」では、自分の適性だけではなく、自分に合う働き方、企業のタイプを知ることができるので、転職軸を決めるときや求人選びに役立ちます。
キャリアや仕事選びで悩んだら、一度ご自身の価値観に合う仕事のタイプや企業のタイプを調べてみませんか?自身の適性を知ることで、納得のいくキャリア選択や求人選びができるでしょう。
希望のキャリアに転職!診断利用から約1か月で転職成功した方の例
- ご年齢:30代前半
- ご経歴:システムエンジニア⇒システムエンジニア
- 転職期間:仕事タイプ診断利用から1ヶ月弱でご転職
Aさんは元々Salesforceエンジニアとして運用保守に従事されていましたが、案件が変わることが多く、知見を活かして働けない、個人よりも切磋琢磨できる仲間・チームで成長していきたいというご意向があり転職活動を始めておりました。
前職のご状況と、ご自身の価値観・志向にギャップを感じられていたAさんですが、「IT人材 仕事タイプ診断」によってご自身に合う価値観の企業タイプを見つけ、診断から1ヶ月弱で転職成功されました。
【あわせて読みたい】転職でキャリアアップに成功した事例はこちら⇓
\ 自分に合う働き方が分かる! /
「IT人材 仕事タイプ診断」ご利用の流れ
「IT人材 仕事タイプ診断」は4つのステップで完結!
STEP1:以下のボタンから仕事タイプ診断のページへ
STEP2:仕事タイプ診断のページから職種を選択
STEP3:プロフィール(お名前とご連絡先)を入力
STEP4:必要な質問に答える
診断後、自分の志向にあう企業の求人を見たい場合は、IT専門のキャリアアドバイザーがご希望の条件をお伺いし、志向性に合わせた求人を紹介させていただきます。
たった3分、無料で診断できるので、ぜひ一度「IT人材 仕事タイプ診断」で企業選びの軸を見てみてください。
\ 自分に合う働き方が分かる! /
未経験からプロンプトエンジニアを目指す方法3選
ここからは、未経験からプロンプトエンジニアを目指す人が何をすればいいのかについて解説します。
①実際にプロンプトを生成してみる
まず、実際にChatGPTのようなAIにツールに触れ、プロンプトを作ることから始めましょう。プロンプトの作成ができなければ、そもそもプロンプトエンジニアとして働くことはできないからです。
AIツールを用いて実際にプロンプトを作成する中で、どのような特徴をもつのか、どう質問すればどう回答するかといったクセを見つけていきましょう。
②プログラミングの知識をつける
プロンプトエンジニアを目指すなら、読み書きできるレベルにまでプログラミングの知識をつけるのも忘れないようにしましょう。先述した通り、プロンプトエンジニアは自然言語処理の実装なども行う可能性があるからです。
自然言語処理やPython、Java、C++といったプログラミング言語は必ず抑えておくとよいでしょう。また、統計やアルゴリズム周辺の知識を身につけることもプロンプトエンジニアになるうえで役に立ちます。
未経験からプログラミングを学ぶなら、「プログラミングスクールに通う」「競技プログラミングに挑戦する」といった勉強法がおすすめです。以下、それぞれ詳しく解説します。
プログラミングスクールに通う
プログラミングスクールでは、授業形式や課題形式など、さまざまな形式で体系的にプログラミングを学ぶことができます。
最近では、完全オンラインで好きな時間に授業が受けられるプログラミングスクールもあるため、仕事の合間にプログラミングを学ぶことが可能です。
プロンプトエンジニアに結びつけたいなら、Python、Java、C++といった言語を学べるプログラミングスクールを選びましょう。
競技プログラミングに挑戦する
競技プログラミングとは、参加者が特定の課題に対して一斉に取り組み、回答の正誤性やスピードなどさまざまな観点から順位やレベルを決めるイベントです。
自分のレベルや上達具合を可視化できるので、プログラミングスクールに通いながら、さらに実力を高めていきたい方にうってつけの学習方法となっています。
【あわせて読みたい】AtCoderを転職活動で活用する方法はこちら⇓
③AIエンジニアリングに関わる資格を取得する
プロンプトエンジニアを目指すなら、AIエンジニアリングに関わる資格を取得するのもひとつです。
AIエンジニアに関する資格取得のために勉強することで、自然と深層学習モデルや強化学習といったアルゴリズムを理解できるようになります。
プロンプトエンジニアは新しい職業のため、直接必要なオフィシャルな資格はまだありません。
しかし、役立つ・類似する資格として、Python3エンジニア認定基礎試験、Python3エンジニア認定データ分析試験、G検定などがおすすめです。
Python3エンジニア認定基礎試験
Python3エンジニア認定基礎試験は、「Pythonエンジニア育成推進協会」が開催する、国内で唯一のPythonに関する資格です。
Pythonの基本的な使い方や仕組み、文法などの知識が問われ、正答率70%以上で合格となります。
合格するためには、Pythonの基本的な文法や制御構文、オブジェクト指向プログラミングなど、Pythonを用いた知識・スキルを身につけることが大切です。
Python3エンジニア認定データ分析試験
Python3エンジニア認定データ分析試験は、Pythonの基礎的な文法や数学の基礎知識のほかに、データ分析などの知識・スキルが求められる試験です。
試験はCBT(Computer Based Testing)方式で、40問の選択式問題で構成されています。正答率70%以上で合格です。
合格するためには、Pythonの基礎的な文法やデータ分析のスキルを基礎から応用まで幅広く学習し、実践的な問題に取り組むことが重要です。
G検定
G検定(ジェネラリスト検定)とは、深層学習モデル(ディープラーニング)を事業に生かすために必要な知識を保有しているかどうかを確認するための試験です。
日本ディープラーニング協会(JDLA)が提供する民間の試験で、合格率は約65%と比較的高め。試験では、ディープラーニングや機械学習、人工知能の技術に関する知識が問われます。
また、自分に向いている仕事や働き方を知りたい方は、以下のボタンから仕事タイプ診断をしてみることもおすすめです。
\ 自分に合う働き方が分かる! / 簡単な情報を入力するだけで、 「あなたに向いている仕事」 「おすすめの求人」 「仕事相性の良いタイプ」を診断します。 ぜひお気軽にご利用ください。 |
プロンプトエンジニアの求人例
DXを活用した戦略コンサルティングから開発・運用までを提供する企業です。
ChatGPTのようなAI サービスを推進し、より生産性の高いサービスを作り上げることをミッションとし、ITサービスをトータルサポートするビジネスモデルが好評で、創業以来、業績を伸ばしながら成長を続けています。
完全実力主義で、実力に応じて年収アップも実現できる環境です。
【年収】
350~600万円
【仕事内容・求められるスキル】
ChatGPTを用いたビジネス活用方法の調査と資料作成、プロンプトテンプレートの作成・改善・調整など最適化を行う。
過去の案件事例には、オンラインクレーンゲームシステム、ライブ配信、ライブコマース技術システム、新電力システム等、多様な案件があり、幅広くスキルや経験を活かすことができる環境。
生産性向上のために知見を活かす自主性が求められる。
【あわせて読みたい】求人の詳細はこちら⇓
プロンプトエンジニアのキャリアパス
最後に、プロンプトエンジニアが目指しやすいキャリアパスについて解説します。
AIエンジニア
AIエンジニアは、ビジネス上で求められる課題をAIの専門知識や技術によって解決する職種です。
機械学習やディープラーニングを活用しながら、データの学習や分析を行い、最適なAIを構築します。
プロンプトエンジニアとして働く中で、AIの仕組みやアルゴリズムについて理解を深められる機会が多々あります。そのため、プロンプトエンジニアの経験を積めば、AIエンジニアとしてもキャリアを歩むことが可能です。
【あわせて読みたい】AIエンジニアの詳しい解説はこちら⇓
データサイエンティスト
データサイエンティストとは、アルゴリズムや統計など情報科学理論を活用してデータを分析し、課題を解決する職業です。ビッグデータなどから必要な情報を収集、抽出してビジネス改善に向けた計画を考えます。
プロンプトを用いてAIと何度もやりとりする中で、統計について理解を深める機会が多々あります。そのため、プロンプトエンジニアとして経験を積めば、データサイエンティストとしても活躍できるでしょう。
【あわせて読みたい】未経験からデータサイエンティストに転職する方法はこちら⇓
\ キャリアのお悩みを解決! /
プロンプトエンジニアに求められるスキル4選
次に、プロンプトエンジニアに求められるスキルについて解説します。
AIについての知識
プロンプトエンジニアとして仕事をするなら、絶対条件としてAIについての知識が必要です。
AIがどのように学習し、どう答えを導くかといった知識がなければ、AIから必要な情報を引き出すためのプロンプトを作成できません。
具体的には、ChatGPTの言語処理の仕組みや、深層学習モデルや強化学習といったアルゴリズムへの理解が求められます。
自然言語処理(NLP)についての知識
プロンプト エンジニアを目指すなら、自然言語処理(NLP)に関する知識も必要です。
自然言語処理(NLP)とは、人間が日常的に使っている自然言語をコンピューターに処理させる技術のことで、AI が回答を生成する際に使われます。
もし、プロンプトエンジニアが自然言語処理(NLP)に必要な文章の構造を理解していなければ、スムーズに自然言語処理を行なえません。求めている回答を得られない可能性があるので注意しましょう。
ドメイン知識
プロンプトエンジニアには、ドメイン知識も必要です。ドメイン知識とは、特定の業界・業種に特化した事業の知見・情報のことを指します。
プロンプトエンジニアにドメイン知識が必要なのは、課題に対して専門性を持ったうえで、技術とドメイン知識を駆使して解決策を導き出すことが求められているからです。
AIを使って企業の課題を解決するためには、その企業の事業や業務について説明できるレベルにまで知っておく必要があるので、必ずドメイン知識は身につけなければなりません。
プログラミング知識
プロンプトエンジニアとして働くなら、Aiを形作っているプログラミングの知識も必要です。
自然言語処理(NLP)技術の実装や、フレームワークとの連携でプログラミング言語を用いる場合があるからです。
プロンプトエンジニアには、PythonやJava、C++といったプログラミング言語を読み書きできるスキルが必要になってきます。
\ 自分に合う働き方が分かる! /
プロンプトエンジニアを目指すなら転職エージェントに相談しよう
今回は、近年注目を集めている「プロンプトエンジニア」とは何か、どんなスキルが求められているのかについて解説しました。
また、将来はどんなキャリアパスが描けるのかについても紹介しました。プロンプトエンジニアに興味を持っている方や、実際にプロンプトエンジニアを目指している方はぜひ参考にしてください。
IT・Web・ゲーム業界に強い転職サイトGeekly(ギークリー)では、エンジニアに関する求人を多数保有しています。
これからプロンプトエンジニアを目指そうと考えている方や、キャリアについてお悩みをお持ちの方はお気軽にご相談ください。
\ IT転職のプロが無料でサポート! /
あわせて読みたい関連記事
この記事を読んでいる人におすすめの記事