映像制作の仕事内容とは?ポジションや向いている人、未経験からの転職方法も紹介
今回の記事ではテレビ番組や映画など映像を制作する現場で、具体的にどのような仕事を行っているのか紹介していきます。映像業界に転職を考えている方はこの記事を読んで、具体的な仕事内容やスキル・ポジションについて学ぶことで転職活動も有利に進めることができるでしょう。
目次
映像制作の仕事内容
まずは映像制作の企業がどのような仕事を行っているのかを紹介していきます。
ネット上でSNSが台頭してきたこともあり、その仕事内容には変化が生じているのです。
そうした変化や、制作するコンテンツについても言及していきます。
多様化する映像制作の現場
映像制作のジャンルは多岐にわたります。
具体的には以下のようなコンテンツを制作するのが映像制作会社の仕事です。
・テレビ番組
・映画
・ドラマ
・MV(ミュージックビデオ)
・CM
・Web広告
・PR動画
これらのコンテンツの中で近年特に需要が高まっているのがWeb広告やPR動画です。
これらは、近年活況となっているSNSや動画サイトなどで配信をされています。
企業にとっても広告効果・訴求効果が高いため需要が高く、映像制作会社もそうしたニーズに答える形でこれらの制作を請け負っている状況です。
企業によって制作するものは様々
映像制作会社だからといって、これらの全てを制作するわけではありません。
多くの場合、いくつかのコンテンツに特化して制作を行っています。例えば映画やテレビ番組などを作りたいのであれば、映画会社やテレビ局への転職となるでしょう。
自身がどのような制作現場で映像に携わりたいかを明確にしておくことが大切です。
映像制作の仕事の魅力
映像制作に携わる仕事の最大の魅力は、自分のアイディアが形になり、多くの人に見てもらった時の達成感です。
SNSの発達により反響もリアルタイムで知ることができるため、よりダイレクトに満足感を味わうことができます。
知識や人脈が広がる仕事でもあるため、知見を広めることも楽しみのひとつです。
またロケでさまざまな場所に訪れる機会も増えることで、常に新しい気持ちで仕事にあたることができます。
映像制作の仕事の将来性
映像・音声・文字情報制作業の市場規模は2兆6,541億円に達しており、全体での前年比は微減です。
このうち最もシェアを占める新聞業でも前年比4.4%減ですが、映像・ビデオ制作業(1.189億円)は32.2%増、映像・ビデオ・テレビジョン番組配給業(1.591億円)では14.6%増で推移しています。
(参考:総務省『令和3年版 情報通信白書』)
動画広告市場の急速な拡大や地上波テレビ広告費の増加なども後押しし、映像制作の仕事へのニーズは今後も高まることが予想されます。
将来性が十分に見込めると言えるでしょう。
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映像制作のポジションの種類にはどのようなものがある?
多様化する映像制作の現場からも分かるように、制作するものが変われば仕事における職種も変わっていくのです。
しかし、映像制作において基本となるポジションというのは存在しています。また、仕事内容により、制作系と技術系に分類することができます。
ここではそうした映像制作における、基本的なポジションについてご紹介しましょう。
制作系のポジション
制作系のポジションでは、映像制作の仕事の中でも企画や制作に関わるポジションです。
そもそも「どのような映像」を「誰を」ターゲットにして「何を目的」にして制作するかなど、映像制作における土台つくりやディレクションに加え、実際に映像を撮影する際の指示出しなどの仕事内容が多いと言えます。
そのため、発想力や時代・世間のニーズを読み取る力やリーダーシップ、マネジメントスキルが求められます。
そんな制作系のポジションにはどのようなものがあるのか、解説していきます。
プロデューサー
映像制作のプロジェクトをまとめ、指揮していく立場がプロデューサーです。
プロデューサーの仕事は幅広く、以下のような業務があります。
・企画の立案
・予算やスケジューリングの計画
・スタッフの選定
・クライアントとの折衝
1人でこうした様々な業務を行うことからも分かる通り、様々な業務経験が必要となるでしょう。
そのため、アシスタントとして下積みを摘んだり、他の職種で経験を積んだりして映像制作の現場を知ることが必要です。
映像制作の現場をよく知っている人材でなければ務まらない重要度の高い職種となっています。
しかし、プロデューサーはプロジェクト全体を動かしていく立場です。
そのため、自分が考えた企画や映像を形にできる仕事でもあります。
ディレクター
ディレクターは、映像制作の現場で指揮をとる職種です。
プロデューサーはプロジェクト全体を取りまとめる職種ですが、ディレクターはプロデューサーの意向に沿って映像を制作します。
現場の出演者や技術職の人々に指示を出し、現場をまとめるのが主な仕事です。
AD(アシスタントディレクター)として経験を積み、ディレクターにキャリアアップをする人も多いポジションです。
構成作家/放送作家
番組全体の大枠を決めるのが構成作家で、細部や演出を考えるのが放送作家です。
ただし放送局によっては業務の一部を兼ねる場合もあります。
いずれも番組制作会社かフリーランスとして映像作成に携わる職種です。
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技術系のポジション
技術系のポジションでは、実際に映像制作の現場で映像をつくる仕事内容が多いです。
先述した制作系のポジションであるプロデューサーやディレクターが考えた企画や演出のアイデアを映像に落とし込む重要な役割です。
また、使用する機材や映像についての専門的な知識や技術が求められるポジションでもあります。
そんな技術系のポジションにはどのようなものがあるのか、解説していきます。
カメラマン
制作現場で映像を撮影するのがカメラマンの仕事です。
制作の現場において、カメラマンは大きな役割を担っています。
カメラマンの腕で映像の出来栄えが変わるといっても過言ではありません。
ディレクターやプロデューサーが頭に思い描いている映像を具現化するのがカメラマンの仕事です。
音声
音声というのはその名の通り、制作現場で音に関する部分を担う仕事です。
映像制作ではスタジオでの撮影以外にも、屋外での撮影も行われます。
そうした場合にも上手く音声を拾わなければなりません。
ミキサーやマイクを上手く駆使しながら、音を録音する必要があります。
照明
映像制作において、照明も重要です。
暗い場所では勿論のこと、光がある場所であってもカメラで綺麗に撮影するにはその場所に合った照明が必要となります。
ディレクターなどの「どのような映像にしたいか」といった要望に応じて、色彩や光量などを調節する必要があり、高度な技術が必要な職種です。
また技術だけでなく、見栄えの良い映像を撮影するためのセンスも必要となります。
美術・スタイリスト
役者以外の準備を担う専門職で、大道具や小道具、セットなど、出演者の周りに設置されている全ての装飾品の準備・管理を一手に担います。
また衣装のスタイリングが含まれることもあります。
スタイリストは各場面に合った衣装や出演者が手にする小物を用意する専門家です。
ヘアメイク
出演者のヘアスタイルとメイクを手掛けます。
特殊メイクのような専門技術をもったスタッフが求められることもあり、高度なスキルが求められる現場もあります。
音響
音声の調整やマイクのセッティングなどを行います。
ミキサーやPAなどとも呼ばれる職種です。
工学的な観点から音がどのように聞こえるかを知っている必要があり、音に関する技術や鋭い感性が必要となります。
編集
映像制作は撮影が終わってそれで完了ではありません。
その後には撮った素材を元に編集作業が行われます。
映像編集ソフトを使って、コンピューター上でいらない部分をカットしたり、映像の尺を調整したりするのがこの職種です。
映像編集ソフトを使いこなす能力や、映像に対しての深い知識が必要とされます。
映像制作の仕事の流れ
映像制作の流れは、制作するものによっても異なるでしょう。
しかし多くの場合、基本的な流れが存在しています。
ここではその基本的な仕事の流れを紹介していきましょう。
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オリエンテーション
まず、企画を立ち上げるところから始まります。
オリエンテーションは、どのような目的で映像制作をするかや訴求ポイントなどを明確にする作業です。クライアントやスポンサーがいる場合にはそうした人々と共に行います。
ここから全体の方向性や予算などの枠組みが決まっていくのです。
その後、関係者でプレゼンテーションを行い、意見を交換し合います。議論を行うことで、ブラッシュアップしていくことが目的です。
また、CM制作などでは広告主に対してプレゼンテーションを行うこともあります。この場合、コンペのような形で自社が考える広告主に合ったCMを提案することになるでしょう。
企画決定・準備作業
企画が決定したあとは、制作スタッフや関係者でイメージを共有する作業が必要です。
準備では出演者の選定・スケジューリング・資料の収集などが行われます。シナリオが必要な場合は作成し、ロケハンなどの撮影場所の事前準備も必要です。
撮影に入ってから、スケジュールが間に合わなかったり、機材が足りなかったりしないように入念に準備を行います。
撮影・試写
ここからは実際に機材を使って作品を撮影していきます。
撮影ではスケジュール通りに現場が動かない可能性もあるため、咄嗟の判断も必要となるでしょう。
映像制作における1番の山場であり、多くのスタッフが携わる工程でもあります。撮影での出来は、直接作品自体のクオリティにも関わってくるのです。
その後、撮影した素材の編集作業を経て、試写を行います。試写は撮影した素材を繋いだものを見て、完成に向けてどのように進んでいけば良いかを話し合う工程です。
様々な面から、より良い作品にするための話し合いが行われます。
本編集・録音
試写での話し合いの後に行われるのが本編集です。
ここでは試写で検討されたことや修正すべき点などを踏まえて、もう1度編集作業を行い、完成を目指します。
本編集後には編集作業をすることはないため、ミスのないように入念なチェックが必要です。
そして、本編集が終わった後には録音作業を行います。
録音は、作品の中で使われるBGMや音声などをスタジオでレコーディングする作業です。
ここまでの作業で作品の編集作業は完了となります。
最終チェック・納品
完成した映像を試写で見て、完成した作品に問題がないかを確認します。
クライアントがいる場合は試写で一緒に見てもらい、OKが出たら納品です。
そのメディアに適したフォーマットへとデータ変換を行い納品完了となります。
映像制作というと現場での作業だけだと思ってしまいがちですが、そのほかにも様々な工程が存在しているのです。
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映像制作の仕事に必要なスキル・能力
映像制作の仕事に携わるには、具体的にどのようなスキル・能力が必要とされるのでしょうか。
映像制作に必要なスキルを解説していきます。
発想力
これは主にプロデューサーやディレクターなどの現場を動かす職種に必要となる能力です。
何か企画を形にする際、発想力が無ければ面白い作品は生まれません。
作品を生み出す上で大切となるのが発想力です。
コミュニケーションスキル
映像制作の現場というのは様々な職種の人たちが一丸となり、1つの作品を創り上げる場所です。
そのため、周囲との交流は欠かせません。
特に制作の準備段階ではクライアントやスポンサーと話す機会もあることでしょう。
そうした場では自分の意見を言いつつ、相手の意見にも耳を貸すことができなければ良い作品は作れません。
制作を円滑に進めていくためにも、コミュニケーションスキルは欠かすことのできない能力です。
体力
映像制作というのは、不規則なスケジュールとなることが多い業種です。
そのため、体力の維持が必要不可欠となります。
またカメラマンなどの技術職は、現場で長時間機材を持たなければならないこともあるでしょう。
そうした際にも体力が無ければ業務をこなすことができません。
この業種では普段から体を鍛えておくことが大切です。
撮影・動画制作の経験とスキル
技術職を中心に、撮影や動画編集の経験や技術が重要視されます。
良い作品を作る上で、機材やソフトを操る技術を持っていることは前提条件です。
プロデューサーやディレクターが求める映像を実現するために十分なスキルが必要となります。
CG制作のスキル
近年、CGの役割は広まっています。
一般的にディレクターの指示のもとCG制作を行う人をCGオペレーターと言います。
実写との融合やVR、AR、MRなども広まっており、専門的な知識を持つ人材が重宝されています。
ライティングスキル
映像制作の仕事には台本を作る作業もあります。
ライティングの経験がある人は文章や分かりやすい資料の作成に役立てることができます。
コミュニケーションスキルと同様に、「伝える力」が求められるのです。
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映像制作で得られるやりがい
映像制作の仕事は、自分の個性を成果物に反映させることができる仕事です。
感性や創造力を駆使し、新しいものを世に生み出すことができるため、達成感を得やすい仕事だといえます。
映像作品はインターネットやSNSを通して拡散されやすい性質上、「いいね」やコメント欄などの反応や再生回数などで、世界中の人々の共感や感動を得られる点は作り手としては大きなやりがいです。
作品を創り上げ、反応も直接見聞きすることができるうえに、クライアントの期待を超えることができた際に感じるやりがいはひとしおでしょう。
映像制作の仕事に向いている人
映像制作というのは技術やスキルだけでなく、センスも必要となります。
この業種に携わるには多くの映像作品を見てそのセンスを磨く必要があるでしょう。そのため映像が好きな人はこの業種においては技術が上達しやすいと考えられます。
そして、このような職種ではクライアントや視聴者がどのような作品を求めているかを汲み取る能力も必要です。世の中でどのような作品が受けられているのか、普段から勉強する必要があるでしょう。
映像に対する感性が重要となる業種のため、普段から常に映像のことを考えながら生活できる人はこの仕事が向いていると考えられます。
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映像業界の転職先は?
映像制作に携わる企業には、以下のようなものがあります。
・広告代理店
・テレビ局
・アニメ制作会社
・ゲーム制作会社
・映画制作会社
・イベント会社
どのような企業を選ぶか、また制作系・技術系どちらを選ぶかによって雇用形態や年収の幅も変わってきます。
映像制作の年収
映像制作の仕事にかかわる場合、年収はどうなるのでしょうか?
映像制作の仕事には様々な雇用形態があります。正社員だけではなく、契約社員やアルバイト、さらにはフリーランスなどさまざまなキャリアを選ぶことが可能です。
そのため、年収は雇用形態に大きく影響されるといえるでしょう。
正社員の場合の年収額は立場によっても異なりますが、一般的な年収は約300~600万円ほどです。
大手企業や代理店の正社員であれば、キャリアを積むことで年収600万円以上を目指すことも可能です。
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映像制作のキャリアパス
カメラマンや音声といった技術職は基本的にその職種のまま、キャリアを重ねていくこととなるでしょう。
多くの場合、そうしてキャリアを重ねていくことで大作に抜擢されることとなるようです。
制作職では、多くはAD(アシスタントディレクター)からキャリアをスタートし、ディレクターを目指します。
また、ADからプロデューサーを目指すことも可能です。
その場合はアシスタントプロデューサーとして経験を積み、プロデューサーとなる場合が多いようです。
このように、制作職と技術職ではそのキャリアに大きな違いがあります。
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未経験から映像制作業界に転職できる?
映像制作は何か特定の資格や経験が必要なわけではありません。そのため、映像に対して学んでいこうという前向きな姿勢があれば未経験であっても転職は可能でしょう。
しかし技術職においては、なかなかアシスタントでの採用数が多くないこともあり、専門知識が求められるケースが多いようです。
未経験での転職の際には自分でカメラや音響などを学んでいることをアピールすると良いかもしれません。例として、制作職においては、映像制作に取り組んでいきたいのだという熱意を伝えると良いでしょう。
また、未経験者から転職する場合、各職種のアシスタントからスタートするケースが多いと言えます。
最初は契約社員やアルバイトとして入社し、研修期間を経て経験を積むことで、正社員になることやフリーランスとして独立するキャリアを選ぶこともできます。
転職に役立つ資格はある?
映像制作の仕事に就くために必須の資格はありませんが、業務に役立つ資格はあります。
例えばAdobe製品の知識を証明する国際認定資格「Adobe認定プロフェッショナル」です。
また、Illustratorは「Illustratorクリエイター能力検定試験」、Photoshopは「Photoshopクリエイター能力検定試験」が実力の証明に役立ちます。
その他には、CG-ARTS協会主催のCGクリエイター向け資格「CGクリエイター検定」ではデザインや2DCGをだけでなく、構図やカメラワークなどの知識を保有する証明になります。
資格よりも実力や経験が重視される業界ではありますが、未経験から目指すのであれば一定の知識・スキルが証明される資格の取得を検討しても良いかもしれません。
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映像制作業界への転職を考えているなら、転職のプロに相談を
今回は映像制作に携わる仕事について紹介してきました。
多くの職種が1つの作品を創り上げるために、一丸となって頑張る業種です。
制作は大変ではありますが、出来上がった時には大きな達成感があることでしょう。
映像制作に必要なスキルや、キャリアパスをこの記事で確認していただければと思います。
転職エージェントである株式会社ギークリーでは映像制作の仕事を目指す方のご支援もおこなっております。
転職や、キャリアチェンジをお考えの方はお気軽にご相談ください。
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