音声エンジニアの仕事内容を解説!必要なスキルや資格は?求人事例を元に転職エージェントが紹介します
音声エンジニアという仕事をご存じでしょうか?音楽に関わる技術者には様々な仕事があります。そこで今回は、音声エンジニアの仕事内容について実際の求人内容も事例に上げながらご紹介していきます。
目次
音声エンジニアの仕事内容とは?
まずは音声エンジニアの仕事内容について説明してきます。
一口に音声エンジニアといっても様々な仕事がありますので、まずはどういった仕事があるのかを見ていきましょう。
サウンドエンジニア
音響エンジニアやPAエンジニアともいわれる、音楽編集ソフトを使った音楽編集の技術者のことです。
DAWなどを使って音楽全体のバランスを整えたり、ディレクターやアーティストのイメージに合わせて楽曲の調整をしていく重要な仕事です。
音楽系アプリエンジニア
音楽制作を出来るアプリケーションやソフトウェアそのものを開発・制作するのが音楽系のアプリエンジニアです。
音声エンジニアと検索して出てくる職種ではありますが、音楽を直接作っていく仕事ではないので区別しておきましょう。
サウンドプログラマー
プログラミング言語を使って音楽や効果音などを作るのがサウンドプログラマーです。
そのため音楽制作用の特殊なスキルや楽器を演奏するための技術は必要なく、パソコンひとつでサウンドが作れる仕事となります。
今回ピックアップしてご紹介するのはこのサウンドプログラマーです。
主にゲーム業界での仕事内容が多く、デジタル音声の制作からシステム全体の開発・設計まで幅広いポジションがあります。
音声エンジニアの重要な役割
それでは音声エンジニアの中でも、サウンドプログラマーの役割について詳しくご紹介していきます。
音楽アプリケーション開発
主にゲームの中で「どの場面で」「どんな音が」するのかを設定していく、ゲームのサウンド環境そのものを作っていく仕事です。
ゲームでは足音や水音、戦闘音といったキャラクターが立てるサウンドに加えて、環境音の設定も行います。
環境音というのは草原や洞窟、雪原など「環境」に関連するサウンド設定のことです。
環境によって音の響き方が変わったり、足音が違って聞こえたりすると思いますが、そういった環境音についても設定していきます。
ゲームのサウンドの枠組みとなる設計や開発をしていく仕事になりますので、屋台の骨組みともいえる重要な役割といえるでしょう。
そのためゲーム制作において非常に重要なポジションで、リアリティを追及する傾向のあるRPGや戦闘ゲームにおいての需要は非常に高いです。
音楽のデジタル化
楽器や肉声などのアナログで作られた音楽をデジタル化して、パソコンなどに保存や配信を出来るようにする仕事です。
アナログで演奏した雰囲気や特徴を出来る限り残せるよう、デジタル化するときの工夫や調整が求められます。
そのためただ「デジタル化させる」と聞くと簡単な仕事に聞こえてしまうかもしれませんが、高いスキルが必要です。
ゲームのサウンド作成
先ほど触れたゲーム内の足音や戦闘音など音声そのものを作るのがサウンド作成の仕事です。
音楽アプリケーション開発はこのサウンドが「どこで」鳴るのかを設定するのに比べて、サウンドそのものの作成となります。
また場面の切り替わりを分かりやすくする音声を作ったり、全体のバランスを見ながらサウンド全体の調整したりなど、仕事内容が幅広いです。
音声エンジニアに必要な資格とは?
仕事内容について説明してきましたが、音声エンジニアになるために必要な資格はあるのでしょうか?
エンジニアは専門性の高い仕事のため、難しい資格が必要ではないかと考えがちです。
そこで音声エンジニアになるために必要なスキルについて説明していきます。
資格は要らないがスキルが必要
音声エンジニアになるために、必要な資格は特にありません。
しかしながらプログラミング言語に関する勉強や知識は必要となってきます。
サウンドプログラマーの良いところとしては、高額な楽器や音楽編集ソフトを購入しなくても学習や勉強が出来るところです。
またアナログの音楽作成や編集になってくれば、楽曲を録音するレコーディングにもお金がかかります。
サウンドプログラマーはパソコン一つで音楽を作れ、そのまま作品として完成まで出来るのが大きなメリットです。
C言語/Rust/Pythonなど
サウンドプログラミングにおいて、数あるプログラミング言語の中でもC言語やRust(ラスト)・Python(パイソン)などが主です。
他にもC++やNode.js(ノードジェーエス)なども使われていますが、それぞれの言語によって役割や特徴が大きく異なります。
例えばC言語やRustでは音源の合成作業が向いていますので、サウンドプログラミングでメインに使われることが多いです。
またPythonでは合成ではなく分析向きで、音声の波形を分析することでより繊細な音楽の合成が出来るようになります。
またC++はアプリの制作には向かないと言われていますが、マイク入力をするときに非常に便利な言語です。
こうして言語ごとに向き不向きが大きく変わりますので、ただひとつを学ぶのではなく必要な言語を学んでいきましょう。
音声エンジニアが活躍出来る場面とは?
音声エンジニアは様々な場面で活躍できますが、一般企業で募集が出ているのはゲーム制作会社が多いです。
ゲームにおいて音楽の果たす役割は非常に重要で、ゲーム会社で活躍している音声エンジニアは少なくありません。
特にゲームアプリの配信を行っていたり、オンラインゲームの制作を行っている企業では需要が高い傾向にあります。
なぜならオンラインゲームの場合、定期的に更新やアップデートを行う必要があるからです。
加えて最新技術の発展や革新も多いことから、技術者として常にスキルアップや学びが必要な会社も少なくありません。
またセンスや技術力がある場合、フリーランスで自分で音楽制作を行い、企業や事業主に売り込んでいる人もいます。
他にもデジタル音楽が必要とされる業界や企業では幅広く活躍の場があります。
音声エンジニアで身につくスキル
それでは音声エンジニアの中でもサウンドプログラマーの仕事では、どのようなスキルが身につくのでしょうか?
音楽自体に興味があってサウンドプログラマーになることを考えている人が多いと思いますが、音楽とともにIT業界の知識も身につきます。
またITや音楽などの専門的なスキルだけでなく、汎用性のあるスキルも身に付けることが出来ますので、それぞれ詳しく説明していきます。
プログラミングスキル
上記で説明した通り、コンピューター言語のプログラミングスキルについて身に付けることが出来ます。
特にC言語やPython、C++などは音楽業界以外でもよく使われている言語です。
こうしたコンピュータ言語はIT業界で非常にニーズがあり、プログラミングスキルはとても重要とされています。
自分の好きな音楽に触れながら、ニーズの高い専門知識や技術を学び、身に付けられるのは音声エンジニアの魅力です。
チームワーク
プログラミングを行う仕事ですが、ひとつのものを全員で作っていくため各担当者とのやり取りが発生します。
ゲーム制作では音声エンジニア以外にも、グラフィックデザイナーや3Dモデリング、モーショングラフィックなど、多くの人材が必要です。
また制作指揮を取るディレクターや責任者の方針や意向に合わせて微調整も行うことから、幅広いスタッフとのコミュニケーションが発生します。
そのため各担当者と連携を取り、お互いの進捗状況や仕事の進め方などをふまえてチームワークを発揮していくことが重要です。
論理的な思考力
コンピュータ言語を使うプログラミングを学習することや、スキルアップすることには論理的な思考力が不可欠です。
もちろん音声エンジニアなので音楽の知識も必要になるのですが、基本となるプログラミングは理系の分野となります。
感覚ではなく論理として、どうプログラミングをしていけば音声が出来上がるのか、どの言語でどのようなことが出来るのか理解が必要です。
さらに効率のよいプログラミングをしていくためには、論理的に考えて試行錯誤し、レベルアップしていく必要があります。
音声エンジニアのキャリアステップとは?
キャリアステップは大手企業か中小企業かで大きく変わっていきます。
大手なら役割分担が細かく決まっているので、それぞれの配属チームの中でリーダーやマネージャーとして責任者につくことが殆どです。
そのため担当分野でのエキスパートとして専門性や技術力を高めていきながら、チームリーダーを目指すのが一般的となります。
逆に中小企業の場合は、様々な役割を区切らずに幅広い業務をマルチに任せられることが多いです。
そうなると幅広いスキルや汎用性を求められ、その分活躍の場が非常に広い傾向になります。
また比較的早期にプロジェクトの指揮を取るなど、責任者として重要な役割を任せられることが多いです。
実際の求人から見た音声エンジニア
それでは実際の求人を例の撮って、音声エンジニアの仕事がどんな内容なのか、年収とともに見ていきましょう。
ゲーム制作基盤の設計・作成・デバック
この求人では、サウンドプログラマーの中でもサウンドを含めたゲーム制作における基盤を支えるポジションです。
これはゲームを作る環境そのものに関わる仕事で、開発するゲームに合わせたツール作成を行ったり、ツールにバグがないかを確認したりします。
デザイナーや他プログラマーとも協同していく必要があり、プログラミングスキルだけでなくコミュニケーション力も求められます。
■予定最高年収 500万円
ゲームアプリのサウンド開発
スマートフォンやVR向けのゲームアプリの開発を行っている事業の中で、サウンド開発全般に携わるポジションです。
サウンドシステムそのものの設計から、効果音やジングル(場面の切り替わりを伝える音)制作に加えて、音声の編集や調整も行います。
サウンドに関する仕事を全般的に行うポジションのため、システム開発スキルはもちろん音質・音圧の調整といった繊細さも必要です。
■予定最高年収 600万円
まとめ
今回は音声エンジニアの仕事内容やキャリアステップ・身につくスキルなど、音声エンジニアについて詳しく説明してきました。
音声エンジニアの活躍の場が多いゲーム業界は、最新技術の発展なども目覚ましいため、エンジニアは今後も活躍が見込めます。
そのためゲーム業界や音楽に興味があって、専門的な技術を身に付けたいと感じている人にはとてもおすすめです。
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